尾身朝子
自由民主党・無所属の会 · Japan
“ありがとうございました。 今回は主に国内における博士課程学生を増やすことについてお聞きしましたが、もちろん、日本の若者が海外の大学で博士号を取得し、国際共同研究の場で活躍することも重要です。 現在、海外で学ぶ日本人留学生が減少していると言われています。若者が海外の大学への留学をためらうことには様々な理由が考えられますが、その大きな一つは語学であることは論をまちません。語学力の向上は日本人にとって永遠の課題なのかもしれません。しかしながら、この理由で海外留学をためらうというのは大変残念なことです。 私は、この解決の一助として、スーパーサイエンスハイスクールなどの修学旅行先として、沖縄科学技術大学院大学、OISTに行こうという運動を展開しています。OISTでは、まるで海外の大…”
“おはようございます。自由民主党の尾身朝子です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 今から三十八年前、昭和六十一年、私は大学を卒業し、社会に出ました。その当時は、博士といえば、大学に残り、研究生活に一生をささげる人という考え方が一般的であり、特別な一握りの学者というイメージでした。 それから四十年近くが経過した現在、博士号はもはや特別なものではなく、あたかもパスポートのように必須のものとなっています。これは学究の場のみならず、企業活動においても、海外では企業のCTOは博士号取得が当たり前であり、CEOですら博士を持たずしては会議の場などで対等に渡り合えないと聞いています。 私自身も様々な国際会議に参加しましたが、毎回、名刺交換の際に、博士号を持っていない…”
“さらに、省庁に入省した後に博士号を取得する方もおられると聞いています。私たちは、博士号を取る意欲のある方々を本気で応援しなければなりません。 次に、我が国における特定先端大型研究施設について伺います。 今週の土曜日、ナノテラスの運用開始記念式典が開催され、私も出席させていただきます。私は、昨年三月に運用開始前のナノテラスを訪問し、心臓部まで視察させていただきました。名実共に世界に誇るべき、世界をリードする施設です。この順調な滑り出しをお祝いし、関係された皆様に心より敬意を表します。 ここで忘れてならないのは、ノーベル賞学者の利根川進博士が述べた、分析機器の限界が研究者の研究の限界を決めてはいけないとの言葉です。未知のものに対峙するためにも、研究と計測機器開発を一体として進…”
“どうもありがとうございました。 次に、宇宙開発について伺います。 令和五年六月十三日に閣議決定された宇宙基本計画の中でJAXAの機能強化が図られ、そして、これを受ける形で、デフレ完全脱却のための総合経済対策の中で、民間企業、大学等による複数年度にわたる宇宙分野の先端技術開発や技術実証、商業化を支援するため、JAXAに十年間の宇宙戦略基金が設置されました。当面の事業開始に必要な経費を措置しつつ、速やかに総額一兆円規模の支援を目指すとされています。これは、十兆円規模の大学ファンドと並んで挑戦的な取組であり、大いに期待しています。 宇宙開発はパイが少なく、開発から打ち上げまでの全体を担う組織、業者の数が限られているため、一歩先んずることが全てを制することになります。つまり、一歩…”
“ありがとうございました。 次に、ライフサイエンス分野について伺います。 現在、我が国は、少子高齢化問題に直面し、生活様式が変わりつつあります。また、それに呼応するかのように、疾病の構造が大きく変化してきています。特にライフサイエンスの分野において、この状況に対応するためには、改めて基礎研究の重要性に目が向けられています。 近年になって、ゲノム配列の解読による生命現象の解明、AI等の先端技術を用いた解析技術が進展してきています。また、iPS細胞研究など、我が国初の技術が優位性を持ち、臨床応用に向けて善戦している分野もあります。基礎研究においては、最先端の計測機器、技術の急速な進歩に伴い、様々な生命現象が解明できる状況となっており、これまで以上にAIや量子などの異分野の知見を…”
“国際社会においてパスポートとも言えるこの博士号を持っていないことで引け目を感じるのは、私たちの世代で終わりにしたいと考えています。 私は、機会を捉えて、研究所の研究者など、様々な科学技術分野の皆様と意見交換をしています。その中で、なぜ博士課程に進まなかったのかとの問いに対して、博士号取得後のキャリアの先が見えない、メリットが感じられないなどの答えが多く聞かれました。また、海外の研究者と博士の数を増やすにはどうしたらよいかについて議論すると、彼らは、博士課程に進むことを仕事と捉え、そのサポート方法を考えなければ数は増えないと断言しました。これからは、学部卒業時の進路選択の一つとして、他の選択肢と同様な条件で博士課程が存在すること、これが必要なのです。 第六期科学技術・イノベ…”
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“大臣、大変力強いお言葉、本当にありがとうございました。 海外留学、大型研究施設、ライフサイエンス、宇宙開発、月面活動、その全てが、子供たちがわくわくし、目を輝かせて、サイエンスの楽しさ、面白さに気づき、日本に誇りを抱くものです。我が国が世界の中で今後とも科学技術イノベーション立国日本であり続けるため、私も全力で取り組んでいくことをお約束申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。”
“宇宙というのは本当にわくわくする分野ですので、大変心強い御回答をありがとうございました。 私は、議員になって約十年間、科学技術イノベーション推進を政治活動の中心に据えてきました。中でも、将来を担う各分野での人材育成は重要かつ喫緊の課題であり、その中でも、博士人材の輩出に力を入れています。人材育成なくして日本の科学技術イノベーションの将来及び日本の成長はありません。ただでさえ減少していく人口の中、少ないパイの取り合いにおいて、日本の将来を担う若者にとって博士が魅力的な選択肢として選ばれる、そういう社会環境を整える必要があるのです。 そこで、最後に盛山大臣にお伺いいたします。 大臣のリーダーシップによって、博士人材活躍プランが動き出しています。ここで、改めて、これからの科学技術人材の育成、中でも博士人材の育成に対する盛山大臣の意気込みについてお聞かせください。”
“また、先日の岸田総理の訪米に合わせて、米国の宇宙探査計画、アルテミス計画に関し、日本人宇宙飛行士の月面着陸機会の提供が公表されました。私は、アポロ十一号の月面着陸をリアルタイムでわくわくしながら見ていた世代です。遠くない将来、日本の子供たちが、月面に立つ日本人宇宙飛行士の第一歩を目を輝かせながら見詰める日がやってきます。有人与圧ローバー、いわゆる月面ローバーや月面への輸送船の船体に日の丸が輝き、日本の宇宙開発技術のすばらしさを目の当たりにするのです。 ここで、改めて、宇宙戦略基金及び宇宙開発全体の現状についてお聞かせください。”
“どうもありがとうございました。 次に、宇宙開発について伺います。 令和五年六月十三日に閣議決定された宇宙基本計画の中でJAXAの機能強化が図られ、そして、これを受ける形で、デフレ完全脱却のための総合経済対策の中で、民間企業、大学等による複数年度にわたる宇宙分野の先端技術開発や技術実証、商業化を支援するため、JAXAに十年間の宇宙戦略基金が設置されました。当面の事業開始に必要な経費を措置しつつ、速やかに総額一兆円規模の支援を目指すとされています。これは、十兆円規模の大学ファンドと並んで挑戦的な取組であり、大いに期待しています。 宇宙開発はパイが少なく、開発から打ち上げまでの全体を担う組織、業者の数が限られているため、一歩先んずることが全てを制することになります。つまり、一歩出遅れると全ての機会を失ってしまうのです。 ここで、文科省に伺います。 日本の宇宙開発は、先日のH3ロケット試験機二号機の成功で大きなハードルを越えて、商業化を含む次のステップに入っていると思います。宇宙開発は我が国の貴重な成長産業になりつつあるのです。”
“このような中で、ライフサイエンス分野の研究人材の育成にどのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。”
“ありがとうございました。 次に、ライフサイエンス分野について伺います。 現在、我が国は、少子高齢化問題に直面し、生活様式が変わりつつあります。また、それに呼応するかのように、疾病の構造が大きく変化してきています。特にライフサイエンスの分野において、この状況に対応するためには、改めて基礎研究の重要性に目が向けられています。 近年になって、ゲノム配列の解読による生命現象の解明、AI等の先端技術を用いた解析技術が進展してきています。また、iPS細胞研究など、我が国初の技術が優位性を持ち、臨床応用に向けて善戦している分野もあります。基礎研究においては、最先端の計測機器、技術の急速な進歩に伴い、様々な生命現象が解明できる状況となっており、これまで以上にAIや量子などの異分野の知見を活用することも求められています。 優秀な若手人材がその能力を十分に発揮し、健康、医療、長寿という我が国の直面する課題解決に寄与するためには、分野融合やiPS細胞等の研究開発に我が国の強みを生かしながら取り組むことが必要です。 ここで、文科省に伺います。”
“国が責任を持って管理する特定先端大型研究施設のみならず、最先端の研究を支える先端的な分析計測機器の開発を国として支援することが重要だと考えていますが、この点についてどのように取り組んでおられますでしょうか。 また、共用開始以来約二十七年を経過しているSPring8次世代機の検討、開発状況について、どのような段階にあるのでしょうか。「富岳」についても、共用開始間もないことは承知していますが、次世代機はどのような検討段階にあるのでしょうか。それぞれお聞かせください。”
“そのためにも、分析計測機器の精度の先端性を保ち続けることが重要です。 我が国には、SPring8という大型放射光施設があります。一九九七年十月に共用を開始してから、既に約二十七年が経過しています。また、世界に誇るべきスーパーコンピューター「富岳」は二〇二一年に本格稼働しました。現在でも世界最高水準の性能を有しており、線状降水帯の予測への活用を始めとして、国民生活に密接に結びついた効果を上げています。 これらは、世界の最先端の研究を支える貴重な研究施設です。設計から製造、運用に必要な期間を考えると、すぐにでもそれぞれの次世代機の開発に取りかかる必要があり、既にSPring8及び「富岳」次世代機の検討が始まっていると聞いています。 ここで、文科省に伺います。 特定先端大型研究施設の更新は、研究に限界を設けないためには必須の事項です。また、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律に基づいている施設であり、産業界もこの次世代機の開発には期待しているところです。”
“さらに、省庁に入省した後に博士号を取得する方もおられると聞いています。私たちは、博士号を取る意欲のある方々を本気で応援しなければなりません。 次に、我が国における特定先端大型研究施設について伺います。 今週の土曜日、ナノテラスの運用開始記念式典が開催され、私も出席させていただきます。私は、昨年三月に運用開始前のナノテラスを訪問し、心臓部まで視察させていただきました。名実共に世界に誇るべき、世界をリードする施設です。この順調な滑り出しをお祝いし、関係された皆様に心より敬意を表します。 ここで忘れてならないのは、ノーベル賞学者の利根川進博士が述べた、分析機器の限界が研究者の研究の限界を決めてはいけないとの言葉です。未知のものに対峙するためにも、研究と計測機器開発を一体として進めるべきであると考えます。つまり、先端研究施設と計測機器は、常に先端であり続けるためにも、開発を継続しなければいけないということです。計測、解析手法のブレークスルーなしでは、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現やSDGs等の世界的な社会課題の解決はなし得ません。”
“ありがとうございました。 今回は主に国内における博士課程学生を増やすことについてお聞きしましたが、もちろん、日本の若者が海外の大学で博士号を取得し、国際共同研究の場で活躍することも重要です。 現在、海外で学ぶ日本人留学生が減少していると言われています。若者が海外の大学への留学をためらうことには様々な理由が考えられますが、その大きな一つは語学であることは論をまちません。語学力の向上は日本人にとって永遠の課題なのかもしれません。しかしながら、この理由で海外留学をためらうというのは大変残念なことです。 私は、この解決の一助として、スーパーサイエンスハイスクールなどの修学旅行先として、沖縄科学技術大学院大学、OISTに行こうという運動を展開しています。OISTでは、まるで海外の大学のような、領域を超えてオープンで自由闊達な議論が英語で行われています。この環境を経験することによって、若者が進路を選ぶ際に海外留学や博士号取得を将来の選択肢の一つとすることを期待し、今後も継続していきたいと思っています。 また、私たちの働きかけで、中央省庁の皆さんの名刺にPhDの記述が増えてきました。”
“また、人数的にも、従来の三倍といいながら、受給対象の博士後期課程学生総在籍者数約七万五千人のうち、たった三分の一弱をカバーするにすぎません。これで果たして学部卒業生が安心して研究生活に入る決断の後押しができるのでしょうか。 もちろん、博士課程修了後のキャリアパスも同様です。多様なキャリアパス構築に向けて、産学官協働の取組を加速する必要があると考えます。 ここで、文科省に伺います。 文科省として、博士課程に進む学生たちが不安なく研究者の道を選ぶことができるように将来の展望を示すこと、これについて文科省の取組をお聞かせください。”
“国際社会においてパスポートとも言えるこの博士号を持っていないことで引け目を感じるのは、私たちの世代で終わりにしたいと考えています。 私は、機会を捉えて、研究所の研究者など、様々な科学技術分野の皆様と意見交換をしています。その中で、なぜ博士課程に進まなかったのかとの問いに対して、博士号取得後のキャリアの先が見えない、メリットが感じられないなどの答えが多く聞かれました。また、海外の研究者と博士の数を増やすにはどうしたらよいかについて議論すると、彼らは、博士課程に進むことを仕事と捉え、そのサポート方法を考えなければ数は増えないと断言しました。これからは、学部卒業時の進路選択の一つとして、他の選択肢と同様な条件で博士課程が存在すること、これが必要なのです。 第六期科学技術・イノベーション基本計画には、二〇二五年度までに、生活費相当額を受給する博士後期課程学生を従来の三倍に増加することが挙げられています。しかしながら、生活費相当額とは、実際には月額十五万円程度にしかすぎません。”
“おはようございます。自由民主党の尾身朝子です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 今から三十八年前、昭和六十一年、私は大学を卒業し、社会に出ました。その当時は、博士といえば、大学に残り、研究生活に一生をささげる人という考え方が一般的であり、特別な一握りの学者というイメージでした。 それから四十年近くが経過した現在、博士号はもはや特別なものではなく、あたかもパスポートのように必須のものとなっています。これは学究の場のみならず、企業活動においても、海外では企業のCTOは博士号取得が当たり前であり、CEOですら博士を持たずしては会議の場などで対等に渡り合えないと聞いています。 私自身も様々な国際会議に参加しましたが、毎回、名刺交換の際に、博士号を持っていないことに気後れしていました。また、国際機関の役員に日本人が応募したとしても、博士号がないことにより書類選考ではじかれてしまう事例があると聞いています。 博士号を授与した教育機関ごとに内容に濃淡があることは承知していますが、どこで取得しても博士号は博士号、持っていること自体に意味があるのです。”
“ありがとうございました。 現下の国際情勢を俯瞰すると、このような制約をかけることによって国益を保護していくことの重要性を改めて感じています。また、この議論の趣旨を考えると、情報通信関連企業の経営に対する外国勢力の不必要な干渉を遠ざけることはNTTだけに限るものではないことを強調しておきます。 私が入社した当時の民営化直後の社内の熱気を、私は今でも鮮明に覚えています。本改正によって、当時にも勝る熱い思いを持ってNTTがこれまでより一層研究開発に力を入れ、世界をリードする企業として更なる発展を遂げることを期待して、私の質問を終わります。 ありがとうございました。”
“ありがとうございました。 繰り返しになりますが、次世代の国際標準となる技術を開発し、世界に売り込んでいくことは、一民間企業に任せるものではなく、我が国の国益に資するものとして、国を挙げて取り組むべきものと考えます。その際に大切なのは国によるサポートです。成長分野であり、我が国の強みでもある情報通信技術の進展には、金銭面も含めた十分なサポートが必要であることは言うまでもありません。 さて、この度の改正にはNTTの外国人役員規制の緩和が含まれています。NTTがその国際競争力を向上させ、積極的に国際展開を進めるに当たっては、グローバルな視点からの経営が重要になります。展開先の商習慣などに精通し、適切にアドバイスをすることができる外国人役員を採用することは有益であり、私はこの改正に賛同いたします。 そこで、伺います。総務省として、今回の改正において外国人役員規制を緩和することとした趣旨についてお聞かせください。”
“ありがとうございました。 NTTは現在、ビヨンド5Gの世界で、IOWN、オール光ネットワークの開発に全力を注いでいます。次こそは世界標準を取るとの気概で、官民一体となり、大臣からも先ほど言及がありましたけれども、国を挙げてオール光ネットワークを積極的に後押しすることが必要であると考えます。 次に、我が国における情報通信産業の国際競争力の強化について伺います。 今回の改正は、情報通信審議会の第一次答申の四項目の中の国際競争力の確保を速やかに実施するためのものであり、NTTの研究開発の責務について語られているものです。我が国の国際競争力強化においては、その基盤となる技術力、研究開発力の強化が必須であることは言うまでもありません。そのためには、NTTのみならず、通信事業者、関連企業や国立研究機関などを含め、国家戦略として国を挙げて情報通信技術の研究開発を推進していく必要があります。 そこで、総務省に伺います。総務省は我が国の情報通信技術の研究開発の推進に向けてどのように取り組んでいくのか、簡潔にお答えください。”
“総務省として、NTTが今後も積極的に研究開発に取り組むことについて、それをどのように担保していくのか、お聞かせください。”
“NTTの技術力の源泉であった研究所が再編され、博士号を持つ多くの研究者が営業職などへの転身を余儀なくされました。私は、そのような諸先輩を多く見てきました。その中でも、NTTはその逆境を乗り越え、世界標準となり得たであろう技術を開発してきたのです。しかしながら、国が民間の研究成果を十分に導くことができずに、結果として世界とかけ離れたガラパゴス技術となってしまった実例が幾つもあります。これはとても残念なことです。 私は、今回の改正に大いに期待しています。研究の推進責務の撤廃により、NTTは、今まで以上に自由に産学官連携や国立研究開発法人との共同研究に取り組み、企業型スタートアップに資源を投入することができるようになり、さらに、研究者を国際共同研究の場に送り込むなど、より優れた成果を生み出していくものと信じています。また、NTTでの勤務経験や、現場の研究者の生の声を聞いた者としては、私はNTTの責務が撤廃されてもこれまで以上に研究開発を着実に進めていくと確信しています。 そこで、改めて伺います。”
“大臣、大変力強いお言葉、ありがとうございました。 次に、NTTの研究開発について伺います。 本法案では、NTTにおける研究成果の普及責務と研究の推進責務の二つの責務を廃止することとなっています。研究成果の普及責務については、経済安全保障上の懸念があることから廃止は妥当であるとの意見が多くあります。一方、研究の推進責務の撤廃については、NTTがコスト削減ばかりを追求して研究開発投資を削減し、積極的に研究開発に取り組まなくなるのではないかという懸念が示されています。 私は、初当選以来、科学技術・イノベーション立国の推進を政策の柱として活動してきました。大変残念なことですが、今日、我が国の科学技術力は国際的に見て相対的に低下していると言われています。その要因として、バブル崩壊やリーマン・ショックなどの社会情勢により民間企業の研究開発投資が減らされ、また研究所が閉鎖されたことなどが挙げられます。もしも民間企業において十分な資金が投入され研究開発が続いていたら、我が国の状況は全く違っていたかもしれません。 NTTも例外ではありません。”
“NTT社内の実情を知る元社員だからこそ、今回の改正案についてフェアな視点から質問させていただきます。 NTTは、日本電信電話公社の設備や優秀な人材などを引き継いだ企業であり、設立以来、我が国を代表する情報通信分野のリーディングカンパニーであり続けています。この先どのような変化があろうとも、より便利な情報通信サービスを日本全国に届けるという使命は変わりません。また、社会の変革や時代のニーズに合ったサービスの提供を支える基盤的な研究開発にも不断の努力が求められています。もちろんNTTにのみ研究開発の責めを負わせるものではありませんが、NTTが情報通信産業全体を牽引することにより国際競争力の強化を図ることが我が国の情報通信における喫緊の課題です。 そこで、松本大臣にお伺いいたします。本法案は、市場環境の変化に対応した通信政策の在り方の見直しにおいて特に喫緊の課題である国際競争力の強化について速やかに改革を進める趣旨と聞いておりますが、この改革にはどのような狙いがあるのでしょうか。お聞かせください。”
“おはようございます。自由民主党の尾身朝子です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 今から三十九年前、昭和六十年四月一日、日本電信電話公社が民営化し、新たに日本電信電話株式会社、NTTが誕生しました。 そして、ちょうどその一年後の昭和六十一年、民営化されたNTTが採用した第一期生として私はNTTに入社し、十七年間勤務いたしました。入社当時は、新制NTTの三十万人を超える社員がまさに一丸となって民間企業に生まれ変わるという熱気にあふれていました。 また、NTTの民営化を待っていたかのように、情報通信が大変革を迎えた時代でもありました。かつては固定電話が遠隔でのコミュニケーションの中心でしたが、一九九〇年代のインターネットの普及により、光によるIPネットワークが急速に発展してきました。さらに、現在では、携帯電話が普及し、スマートフォンの登場や5Gネットワークの拡大など、モバイル通信の高度化により、コミュニケーションだけではなく、動画や様々なコンテンツの視聴、金融、ヘルスケアなどのサービスがモバイルで提供され、国民の利便性を支える日常生活に欠かせないものとなっています。”