稲田朋美
自由民主党・無所属の会 · Japan
“自由民主党の稲田朋美です。 私からは、合区の問題点や、この問題に関する我が党の憲法改正案について申し上げます。 都道府県は、昭和五十八年の最高裁判決でも言及されているように、歴史的にも政治的、経済的、社会的にも独自の意義と実体を有し、政治的に一つのまとまりを有する単位として捉えられるものであり、都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出すべきとの考えは、有権者に根強いものがございます。 しかし、一票の格差を是正するために参議院選挙に合区が導入されたことで、対象県では様々な問題が生じています。 まず、有権者と国会議員の距離が遠くなってしまうことです。 投票価値の平等は、憲法の要請に基づく重要なものであり、当然、可能な限り追求すべきものです。しかし、都市部への人口集中や地…”
“双方の声が国政に届かなくなってしまいます。選挙区の地域の課題や利害、地域の意見を離れての国政はあり得ません。 議員及び国民の認識として、議員が選挙区と結びついていること、有権者と結びついていることは民主主義の大前提であり、そのためにも議員と有権者のきずなが大切です。このことは衆議院においても同様だと思います。有権者にとって候補者がなじみのない人になってしまえば、選挙への関心も薄れてしまいかねず、実際、合区対象県において投票率の低下が指摘されております。 本日複数の委員から指摘された、五月二十九日に発表された令和七年国勢調査の速報値によれば、参議院の最大格差は、東京と私の地元福井県とでは約三・二倍と拡大をしております。 現在実施されている合区は隣の県同士の合区ですけれども、…”
“一票の格差という数字だけでなく、政治家と有権者との距離や地域の一体性という定性的な要素も考慮することが重要です。 このような観点から、自民党は、一票の価値の平等と議会制民主主義の基礎となる地域の民意の反映のバランスを図るため、憲法の改正案を提案しております。 まず、四十七条を、人口を基本としつつも、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案する旨明記し、地域の民意を適切に反映する選挙制度が構築できるように改めることとしております。特に、参議院の選挙においては、都道府県を選挙区とする場合、改選ごとに各選挙区において少なくとも一人を選挙すべきものとすることができると規定し、合区を解消できるよう憲法上担保しております。 あわせて、九十二条において、基礎自治体、広域自治体を明…”
“おはようございます。自由民主党の稲田朋美です。 総理、さきの衆議院選の歴史的大勝ですが、私は、これは、もちろん責任ある積極財政が非常に評価されたと同時に、総理自身の前向きで明るくてそして分かりやすい、そういうメッセージが国民に届いた結果だと思っております。 特に地方において期待が大きいのは、危機管理投資、令和の国土強靱化でございます。 選挙期間中、豪雪地帯は大雪に見舞われまして、死者も六十名。危険と隣り合わせの雪下ろし一つ取っても、豪雪地帯の生活は困難でございます。 令和四年、私は、自民党の豪雪プロジェクトチームの座長として、豪雪法を六十年ぶりに大改正して、基本理念の明確化、除排雪の安全確保、体制整備、交付金の法制化などを盛り込んだところです。しかし、豪雪交付金の年間の予…”
“ありがとうございます。 それでは、再審法について総理にお伺いをいたします。 一昨年、死刑囚であった袴田さんが再審無罪、事件から六十年です。昨年、私の地元福井でも、前川さんが再審無罪、事件から四十年です。一昨日、日野町事件が再審開始になりましたが、事件から四十二年。無実を訴え続けていた阪原さんは獄中で亡くなっておられます。 この三つの事件に共通するのは、検察官抗告によって冤罪の救済に人生を丸ごと損なう膨大な年月がかかったこと、そして、有罪の重要な証拠が捜査機関による捏造、誘導、偽造であり、それが隠されていたということでございます。 福井事件では、再審開始決定と再審無罪判決において、検察官に対して、不利益な事実を隠そうとする不公正な意図があった、公益を代表する検察官としてある…”
“前向きな御答弁をありがとうございます。 責任ある積極財政の下、新幹線は地方活性化に不可欠な成長投資です。その意味から、整備財源の確保については国も責任を持っていただきたいと思います。 令和八年度予算案において、公共事業の予算は二百二十億円増えたにもかかわらず、整備新幹線の予算は七年連続で八百四億円、一円も増えていない。補正はゼロです。そもそも、公共事業の予算の六兆円のうち、鉄道の予算はたったの一千億。この予算では、整備新幹線を始め鉄道ネットワークの整備を着実に進めていくことはできません。自民党の整備新幹線等鉄道調査会会長としても、看過できない重要な課題だと考えておりますので、鉄道予算の増額の必要性を政府に強く訴えたいと存じます。 さて、経済財政運営について総理にお伺いをい…”
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“自由民主党の稲田朋美でございます。 本日は、地方公聴会で、こうして意見陳述者の皆様方から様々生きた御意見を伺うことができまして、質問の機会をいただき、本当にありがとうございます。 今回の法改正で、技能実習制度、様々課題が指摘されていた制度から、新たに育成就労制度を創設をする、監理団体を監理支援機関に変更、さらには、永住許可の要件を明確化するということになったんですけれども、古川大臣がおっしゃっておられた、歴史的な解決、長年の課題を歴史的決着に導く、そういう改正になっているのかどうなのか。 四人の先生方から、今回の改正に最も期待をすることと最も懸念をされている点について、端的にお伺いをしたいと思います。 あと、もう一点、今日、午前中に石巻市の食品加工のところに視察に行かせていただいたんですけれども、そこで、やはり、今回の改正で本人意向による転籍が認められていることから、一、二年経過した段階で大都市に流れてしまうのでは、移籍してしまうのではないかと。”
“更に問題なのは、せっかく再審開始決定が出ても、検察官は機械的ともいうべき抗告を行い、更にその確定までに長期間が費やされています。 大崎事件では、過去三回も再審開始決定がなされながらも、検察官の抗告により再審開始が阻まれ、最高裁も、検察官の特別抗告に理由がないとしながら、地裁、高裁の再審開始決定を著しく正義に反するとして取り消すという異例の事態になっています。疑わしきは被告人の利益にという刑事司法の大原則は再審においても適用されるという白鳥決定に反するものと言わざるを得ません。もはや刑訴法の再審手続の改正についての立法事実は明らかです。 この状況を見て見ぬふりをしていることは、憲法三十一条の手続保障、憲法三十七条一項の迅速な裁判を受ける権利、そして憲法十三条の個人の尊厳を侵害し、立法不作為が憲法違反になっていると言っても過言ではありません。立法府に身を置く者として、憲法の精神が法制度に反映されているかどうか、立法不作為によって憲法違反を許容していないかどうかという観点を常に問いかけ、その責務を果たすべきだと考えます。 以上です。”
“その結果、無罪を示す重要な証拠が捜査段階で隠されていても、開示されるか否かは裁判官の意向次第、再審請求審において重要な新証拠が埋もれたまま、再審無罪まで気が遠くなるような長い年月を費やし、甚だしい人権侵害を生じさせているのです。 袴田事件において開示された古い新証拠が再審請求審に提出されたのは、死刑判決から何と三十年後であり、再審開始決定をした裁判所は、捜査の違法性と証拠捏造可能性を指摘し、著しく正義に反するとして、袴田さんを釈放したのです。 二〇二〇年に再審無罪が確定した湖東事件では、第二次再審の即時抗告審まで一点の証拠開示も実現せず、再審公判で多数の証拠が開示され、捜査機関が隠していた無罪を裏づける証拠が明らかになりました。既に、二十四歳であった女性は四十歳、刑の執行も終わり、懲役十二年の刑を満期服役した後の再審無罪だったのです。 再審手続における証拠開示等は裁判官の意識、熱意次第、再審格差という言葉も生まれるほどであり、袴田事件のように、三十年以上一点の証拠開示も許されず、弁護人が繰り返し行った証拠開示請求を検察官も裁判官も無視し続けることができる現行法の不備は明らかです。”
“冤罪で一人の人の人生が丸ごと奪われるようなことがあってはならない。これは国家権力による、憲法十三条に定めた個人の尊厳と幸福追求権の侵害と言っても過言ではありません。 日本国憲法は、三十一条以下、刑事訴訟における手続保障について、諸外国の憲法に例を見ない詳細な規定を置き、刑事手続の適正を憲法上の要請としています。これらの規定は、戦前の刑事手続の濫用や人権弾圧の反省の下、人権保障と公正な裁判の実現を憲法上目指したものです。 ところが、現在、刑事訴訟法における再審についての規定は、一九二二年に制定した大正時代のものを日本憲法下でもほぼそのまま維持しています。唯一、憲法三十九条において二重の禁止規定を定めたことから、戦前認められていた不利益再審を明確に禁止しましたが、それ以外は全く改正されず、取り残されている。すなわち、再審手続に現行憲法の精神が生かされていないのです。 例えば、再審手続における取調べ、証拠開示、検証などについて、何ら手続規定がなく、裁判官の広範な裁量に委ねられています。”
“自由民主党の稲田朋美です。 発言できますことを感謝申し上げます。 本審査会の運営について、前々回も申し上げましたが、中谷筆頭幹事が既に、五党会派が合意している緊急事態条項についての具体的条文起草機関を早期に設置することを提案されておられます。早期の実現を強く要望申し上げます。 また、定例日の本審査会において、多くの発言希望者が残留したまま終了することが常態化しています。特に、委員の数が多い自民党は、多くの発言希望者が発言できないでいます。定例日の開催は十時から十一時半ですが、これを九時から十二時にすれば、より多くの委員が憲法に関連し広く問題提起し、改正議論も深まるのではないでしょうか。幹事会において是非御検討いただきたいと存じます。 本日は、再審法と憲法について発言します。 昨年三月に東京高裁で再審開始決定が確定した袴田事件は、現在、再審公判中です。既に事件発生から五十七年、第一次再審請求から四十三年、最初の再審開始決定から十年が経過しています。袴田さんが再審無罪の判決をかち得たとしても、六十年近くにも及ぶ審理に要した時間は二度と戻ってこないのです。”
“まさに、議員と国民との結びつきは、有権者の意思を国政に反映するために欠くことのできないものです。 既に我が党が発表している条文イメージ、たたき台素案では、参議院の合区を解消すべく、参議院議員の選挙において、広域の地方公共団体のそれぞれの区域を選挙区とする場合には、改選ごとに各選挙区において少なくとも一人を選挙すべきものとしています。加えて、衆議院も含めた両議院の議員の選挙区について、人口のみならず、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案する旨を明記しています。 各選挙区から選出される議員と当該選挙区に居住する国民との結びつきに考慮するなど、近接性の要請を踏まえて、国会議員が公正かつ効果的な代表であるための改正を議論すべきと考えます。 以上です。”
“最高裁、平成二十三年三月二十三日大法廷判決も、この選挙制度によって選出される議員は、いずれの地域の選挙区から選出されたかを問わず、全国民を代表して国政に関与することが要請されているのであり、相対的に人口の少ない地域に対する配慮はそのような活動の中で全国的な視野から法律の制定等に当たって考慮されるべき事項であって、地域性に係る問題のために、殊更ある地域の選挙と他の地域の選挙人との間に投票価値の不平等を生じさせるだけの合理性があるとは言い難いとしています。 しかし、選挙区の地域の課題や利害、地域の意見を離れての国政はあり得ません。議員及び国民の認識として、選挙区と結びついていること、有権者と結びついていることは民主主義の大前提であり、具体的な地元の事情が分かっている議員たちが集まって議論することによってこそ全国のための政策を生み出すことができるとも言えます。国民の代表であるためには、国民が参加しているという実感が持てること、そのためにも議員と有権者のきずなが大切です。 新井誠広島大学教授は、議員と国民の近接性、すなわちきずなは、民主主義にとって重要な意味を持っていると指摘されています。”
“しかしながら、長年にわたる累次の最高裁判決により、投票価値の平等に重きが置かれ、選挙制度も十増十減など人口に着目した改正が積み重ねられてきました。その結果、衆参共に地域の声が国政に届きにくくなっているのではないでしょうか。特に、都会と地方の経済格差が都会への人口集中をもたらし、その結果、課題が多く過疎が進む地方において、その実情を知り代弁できる議員が減少し続けております。 衆議院では小選挙区と比例代表並立制が取られていますが、惜敗率で選出された議員はブロック代表ではなく選挙区の代表として行動する実情にあり、選挙区と比例区を一体として投票価値を考えなければ、実質的には不平等とも言えます。もちろん、国会議員は全国民の代表ですから、一旦選出された以上、選挙区に限らず全国に目配りすべきであるのは当然です。”
“自由民主党の稲田朋美です。 一年半ぶりに憲法審査会に戻ってきて発言できますことを感謝申し上げます。 この間、本審査会においては、国権の最高機関である立法府として活発な議論が展開され、特に緊急事態条項については、昨年の臨時国会の討議の締めくくりとして、中谷元筆頭幹事から、今常会での具体的条文起草作業についての機関設置の提案がなされ、先週の審査会でも同様の発言がございました。 毎週、党派を超えて自由闊達、建設的な議論がなされてきた本審査会のありようが今後も継続し、更に深い建設的な憲法改正議論が加速され、早期に具体的条文起草作業に入ることを願っております。 本日は、衆議院における一票の格差について、投票価値の平等と民主主義の意義の観点から、改正の必要性について述べます。 最高裁は、投票価値の平等を憲法上の要請としつつも、それは、選挙制度の仕組みを決定する絶対の基準ではなく、国会が正当に考慮することのできる他の政策目的ないし理由との関連において調和的に実現されるものとしています。”
“大臣に最後にその言葉を聞けて、本当によかったと思います。再審法の改正におきましても、この「検察の理念」にのっとり、常に謙虚であれという思いで取り組んでいただきたいと思います。 ありがとうございました。”
“私は、この理念に是非立ち返っていただきたいと思います。 最近では、大川原化工機の事件で、一年近く被疑者が拘束をされて、起訴をされて、でも、その起訴は取り消されたということがあります。また、河井法務大臣の事件では、元市議が任意の特捜の取調べにおいて不起訴を示唆をされて買収目的であることを認める供述をしたことに関して、最高検が不適正な取調べであったということを認めているところであります。 この「検察の理念」において、権限の行使に際し、いかなる誘引や圧力にも左右されないよう、どのようなときにも厳正公平、不偏不党を旨とすべきである、また、自己の名誉や評価を目的として行動することを潔しとせず、時としてこれが傷つくことも恐れない胆力が必要である、権限行使の在り方が独善に陥ることなく、真に国民の利益にかなうものになっているかを常に内省しつつ行動する、謙虚な姿勢を保つべきであるとあります。 この理念について、最後に大臣のお考えをお伺いします。”
“お金の動きがあったことを会計責任者が犯行当時に知らないものを、遡って故意、重過失があったということにはならないと思います。 今回の事件で、会計責任者が自ら議員事務所に返金したものと、今回調査して議員の口座に残っていたことが発覚したものとは不記載の対応が違う、つまり、故意なのか、重大な過失なのか、単なる過失なのか、その対応によって決めるべきだと思います。 その意味で、今回、検察がそういったことも全部一緒くたにして確認書を取らせ、そして起訴をしたこと、これについて私は疑問に思っているところです。 ただ、そうだとしても、今回の事件は、派閥のパーティー券についての不適切な処理が国民の政治不信を招いた大きな事件となりました。国民の皆様におわび申し上げるとともに、政治資金規正法の改正など、国民の信頼を取り戻すために、透明性を確保するための改革に取り組んでまいりたいと存じます。 最後に、資料三の「検察の理念」を示したいと思います。 これは、大阪地検特捜部の証拠偽造事件、村木さんの事件ですけれども、これを受けて最高検察庁が作成をしたものです。検察の捜査の在り方の反省の上に作成をされたものです。”
“刑事局長にお伺いいたします。 今回、検察の起訴においては、派閥の会計責任者が犯罪行為時には認識していなかった、議員の口座にあるパーティー代金についてパーティー収入としての不記載罪、そして派閥から議員の政治団体に対する寄附としての不記載罪が成立をするとしています。 一般論としてお伺いしますが、政治資金規正法上、記載すべき事象を会計責任者が当時認識していない場合、故意又は重大な過失はなく、不記載罪には当たらないと思うのですが、見解をお伺いします。”
“それでは、重大ではない過失、つまり、単なる過失の場合は不記載罪は成立しないということでよろしいでしょうか。”
“私は、再審請求手続においても規定を設けるべきだと思います。 私は、大臣には本来の大臣らしく、検察目線ではなくて国民目線で、何が正義で何が公正なのか、固定観念にとらわれることなく、憲法の手続保障を再審手続の中でも実現するための法改正を推進していただきたいと思います。 さて、話題を変えます。 自民党安倍派の会計責任者の収支報告書の不記載罪についてお伺いをいたします。 今回の会計責任者の犯罪事実は、政治資金パーティーの対価に係る収入の不記載、議員の政治団体への政治資金寄附についての不記載ということです。この罪は、会計責任者に故意又は重大な過失のある場合に成立をいたします。 一般論としてお伺いいたします。政治資金規正法二十五条、不記載罪についての故意、二十七条の重大な過失の対象は、不記載であるという事実についての故意又は重大な過失があるということですね。総務省にお伺いします。”
“今の大臣の御答弁はちょっと残念ですね。 法務省は確かに、主張が入れられる見込みのないものやその見込みが極めて乏しいものが大半を占めているから広範な裁量を認めるべきだとおっしゃっているんですけれども、先ほど幾つか例を挙げたように、その結果、何十年も放置をされているということが起きているわけです。見込みのないものが多いからといって、手続保障が全く要らないということにはならないと思います。 再審請求の審理手続を定めた規定は、刑訴法四百四十五条と規則二百八十六条のみです。裁判官の姿勢によって大きく異なるわけであります。私は、しっかりと手続を決めるべきだというふうに思います。 裁判官の除斥、忌避についてお伺いします。 確定判決、有罪判決をした、また再審請求に関与した裁判官がその後の再審請求の審理を担当することについて、除斥、忌避の規定を設けるべきだと思います。 一旦有罪判決に関わった裁判官が再審請求手続に関与することは裁判の公平性を疑わせるもの、ここは規定を設けるべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。”
“大臣のリーダーシップに期待をしたいと思います。 再審請求手続の進め方について明文の規定がないことによって、例えば、裁判所、弁護人、検察官による三者協議、これを全く開催せず、審理の進行を行わない、期日の指定もしない、弁護人が請求する事実の取調べも全く行わず、事前の告知もないまま、突如、再審請求棄却を決定するといった不当な審理手続が行われる場合もあります。例えば狭山事件の第三次再審は、二〇〇六年の申立てから十八年が経過しても最初の決定すら出ておりません。 再審請求手続の審理の適正さ、公平性を担保するために、手続規定の整備、すなわちルールを決めるということですね、それは必要だと思いますが、いかがでしょうか。”
“少なくとも、機械的に即時抗告、特別抗告を申し立てるということはやるべきではないし、また、先ほどの袴田事件において、静岡地裁で十年前に捜査の違法性が、証拠の捏造が指摘をされて、そして著しく正義に反するとまで裁判官に言わせている再審開始決定について、それに対する抗告をするということが果たして公益の代表者と言えるのでしょうか。その結果、更にまた十年という長い年月が流れたということであります。 私はやはり、今の大臣の御答弁、公益の代表者、さらに法的安定性の意味についてもう一度考えていただきたいし、また、韓国のように、法改正ではなくても、何か運用上の慎重さを求めるということを検討いただけないでしょうか。”
“今大臣がおっしゃった、手続を踏んでなんですけれども、手続の規定がないから問題なんです。全て、裁判官の広い裁量が認められているので、裁判官次第、裁判官がいい裁判官であればしっかりと証拠開示もやってくれるけれども、そうでなければ長年放置されるということなんです。 また、法的安定性ということをおっしゃいましたけれども、刑訴の四百三十五条に、再審の請求は、その有罪の確定判決を受けた者の利益のためにすると書いてあるわけでありまして、再審というのは無実の人の救済のためにあるということを考えますと、法的安定性ということを言うと、それはもう有罪の維持そのものとなり、私は法の趣旨には合致していないと思います。 さらに、公益の代表性とおっしゃるんですけれども、もう再審請求手続で検察官は当事者ではありません。公益の代表性と言うのであれば、無実の人を救済するというのが公益の代表性なわけであります。”
“資料一を示しますが、ほぼ機械的にと言ってもいいほど、検察官の抗告、特別抗告がなされているわけであります。しかも、再審公判になって、そして無罪になれば、検察官は全く控訴していません。それだけでなくて、再審公判になると、今度は立証すらしないという事件も多くあるわけであります。これでは、再審公判が何のためにあるのか分からない。 もう一つ、資料二を示します。これによりますと、欧米では、再審開始に対する検察官の上訴ができないとしている国が多いです。できるとしている韓国でも、マニュアルを作って慎重に行うようにしているわけでございます。 私は、検察官の抗告について何らかの制限が必要だと思いますが、大臣の見解を伺います。”
“無罪判決後、大西裁判官は異例の説諭を行い、逮捕から十五年以上たって初めて開示された証拠もありました、取調べや証拠開示など、一つでも適正に行われていれば、本件は逮捕、起訴されることもなかったかもしれません、十五年余り、さぞつらく苦しい思いをしてきたと思います、もう西山さんはうそをつく必要はありません、これまで裁判を通して支えてくれる人に出会ったと思います、これからは自分自身を大切に生きてもらいたいです、今日がその第一歩になっていることを願っていますと結んだ裁判官の目は赤く、言葉を詰まらせていたといいます。私も、涙なくしてこのくだりを読むことはできませんでした。 不当な捜査と証拠隠しで女性の二十四歳から四十歳までの人生を葬り去るようなことがあってはなりませんし、私は、これを個別の事件だといって片づけることができないんです。刑事司法の在り方に対する重大な問題提起です。再審手続において証拠開示のルールのないこと自体が問題だと思います。 さらに、検察官が不服の申立て、抗告を申し立てていることが再審請求審を長引かせています。”
“死刑確定から三十年以上、弁護人が繰り返し行った証拠開示請求を検察官も裁判所も無視し続けることができるということ自体が、私は、法の不備、手続保障がなされていないということだと思います。 もう一つ例を挙げます。 二〇二〇年に再審無罪が確定した湖東事件では、第二次再審の即時抗告審まで一点の証拠開示も実現せず、再審公判で多数の証拠が開示され、捜査機関が隠していた無罪を裏づける証拠が明らかになって、無罪判決が言い渡されました。 逮捕時に二十四歳であった女性は、無罪判決が出たときには四十歳。その間、刑の執行がなされて満期で出所になる三十七歳まで拘束を、服役しておられました。一体、誰が責任を取るんでしょうか。有罪判決を受けて服役をした当事者とその家族のお苦しみに思いを致さなければならないと思います。”
“今大臣から、証拠開示などについて動き始めている、そして議論が進んでいるというお言葉を聞きました。期待をしたいと思います。 ただ、法的安定性ということに関しましては、再審請求というのは無実の人を救済するというのが目的ですから、そこで法的安定性ということを言うと、それはまさしく有罪判決の維持ということになって、私は法の趣旨に反してくるのではないかと思います。 刑訴法の四百四十五条において、再審開始事由の有無の判断が必要と認められるときは事実の取調べができるということが規定をされています。これだけです、規定は。ということは、ルールがない、まさしく、取調べをするのが必要かどうか、裁判所の広い裁量が認められているということです。 再審請求者には、証人尋問や検証などの事実の調べや証拠開示を請求する権利はありません。法務省は、裁判所は柔軟かつ適正な対応をしているとおっしゃるんですけれども、袴田事件の再審請求において証拠が開示されたのは二〇一〇年以降、つまり、死刑確定から三十年以上、一つの証拠の開示も許されなかったんです。これで柔軟で適正な対応と言えるんでしょうか。”
“現行憲法の下でこれだけ多くの再審無罪が確定し、その審理に長年を要するという現状はもう見過ごすことができない、人道上の問題になっていると言っても過言ではありません。 大臣に伺いますが、今のこの現状、明らかに立法事実があると思います。法改正をすべきではないでしょうか。”
“憲法三十一条から四十条、これは刑事手続における手続保障について諸外国に例を見ない詳細な規定があります。これは、戦前の刑事手続の濫用、人権弾圧の反省の下に決められたものであって、無実の人が処罰されないというのは憲法の要請でもあります。 一方、再審法、たったの十九条です。そして、不利益再審は現行憲法下で廃止をされましたけれども、それ以外、百年以上改正がなされていないということでございます。 既に四件の死刑判決が再審無罪、日弁連が支援をしている十八件の再審無罪、これは決して少ない数ではありません。現在第二次の再審請求中である飯塚事件では、既に被告人の久間三千年さんの死刑は執行されているんです。新たな目撃証言や有罪の重要な証拠を覆す証言などが再審請求審で調べられ、その動向も注目されています。死刑執行後に無罪判決が出るとすれば、日本の刑事司法の在り方を根本から問い直すことにもなります。 刑事再審は、誤判による冤罪被害者を救済する最終手段です。”
“おはようございます。久しぶりにこの法務委員会で、また大臣には初めて質問ができますこと、感謝申し上げます。 大臣は気骨のある、そして筋を通す政治家だと私は思っております。今日は再審法の改正について大臣と政治家としての骨太の議論がしたいと思っています。私は国会での質疑は目を通しておりますので、その御答弁の紙にあることではなくて、大臣の本当のというか、気持ちというか意見を聞きたいと思っています。 再審事件、この長期化が問題になっています。昨年三月に東京高裁で再審開始が決定した袴田事件、今から十年前に静岡地裁でも再審開始が決定をされております。事件から五十七年、第一次再審請求から四十二年、最初の再審開始決定からでももう十年が経過をしていて、十年前の静岡地裁でも、捜査機関による証拠の捏造の可能性、そして、当時の村山裁判官は、これ以上拘置を続けることは著しく正義に反するといって保釈を認めたわけであります。無実の人が捏造証拠で死刑になるといったことはあってはならないし、国家による究極の人権侵害だと思います。 今、超党派で議連も立ち上げて、百六十五名、その半分以上が自民党でございます。”