藤原規眞
立憲民主党・無所属 · Japan
“更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案では、例えば、社会的信望という言葉を削除して、若い人でも保護司の委嘱を受けやすくしています。その意味で、多様性の確保、あるいは任期を長くするなどとして保護司の先生の確保に努めているわけですけれども、これらのみでは実効的とは言えないというふうに考えるんですね。別に、社会的信望を削除したから一気に裾野が広がるとか、そんな安直なことではないと思います。 例えば、本法律案における保護司の先生方の活動環境の改善において、活動に対して地方公共団体が必要な協力に努めなければならないというふうに記していることとか、あるいは、事業主が保護司の職務を行うための休暇を取得しやすい環境の整備等に努めなければならないということを環境改善…”
“大臣に余りやる気がないというふうに私には見えましたが、皆様、いかがでしょうか。 ある施設に話を聞きますと、本当に、食事つきの宿泊委託十五日、宿泊委託十五日で合計三十日の委託が来る、しかし、住民票の取得やスマホの取得に一週間要する、働き始めるのが二週間後としても、給料は翌月なので、二週間で食事が切れる、どうして食べていけばいいのか分からないという問題が生じると。こうなったら、委託に基づかない任意保護をするしかない。これは法人なり保護司さんの持ち出しです。これは寮生も不安を抱えていますという声が上がっています。 よく衣食住と言いますけれども、実際の刑務所出所者が立ち直るためには、衣食住の中でやはり住、住まいというのが極めて大事なんですね。住まいがないと、仕事も探せない、医療サ…”
“保護司の先生方は本当に立派な方ばかりで、一生懸命時間を使って、労力を使って、場合によってはお金も使う。その先生方の負担を本当に軽減するように努めていただきたいと思っています。 昨今、各種詐欺犯罪が多発しています。令和七年上半期の認知件数、被害額は、前年同期比で増加しています。認知件数も四七・五%増えている。被害額も一六二・一%増えている。これは毎年増えているわけです。これも国民の体感治安の悪化を招いていると考えるんですけれども、特殊詐欺に従事する者というのは大半が若い世代なんですね。こうした青少年の更生支援に御高齢の保護司の先生方が寄り添うというのは、おのずと限界、無理が来ると考えます。体力的な問題もありますし、ジェネレーションギャップもあります。あるいは、若者の非行の、…”
“保護司の先生方というのは、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員です。無償のボランティアです。いわゆる篤志家精神の持ち主が自分の時間を割いて、罪を犯してしまった人の更生を助けるために活動する。 無償のボランティアであるということについては、保護司の先生方、多くは異存がないというふうに考えられています。しかし、保護司であり続けるために、例えば、毎年保護司会に会費を納入しなければならない。このシステムは、一部で異存、異論があるというふうに伺っております。 このことは質問主意書でも確認しています。資料三になります。政府の答弁において、保護司会によって様々であり、年会費を徴収する必要があるか否かについて一概にお答えすることは困難という回答が来ました。いかにも現場の声に耳を傾けて…”
“それに本当に、真剣に耳を傾けていただきたいというふうに思います。 刑務所などを出た後再び事件を起こす方、その多くは、帰る家や仕事がない、要は寄る辺がないという問題を抱えている方が非常に多い、そんな状況です。そういった方を一時的に受け入れて、宿泊、食事、あるいは就職支援、これを提供するのが更生保護施設になっています。運営管理をされているのは保護司の先生方です。 ところが、施設の主な収入源である委託費について、これは資料四に掲げていますけれども、本年度末時点で二億六千万円以上の不足額が生じる見込みと。厳しい予算状況を踏まえ、当局において、当初予算内で委託するとして試算したところ、今月以降、被保護者一人当たりの平均委託日数を六十五・三日以内として委託する必要がある、食事付宿泊の…”
“本来的な保護司活動以外の犯罪予防活動、いわゆる社会を明るくする運動ですね、これらを始めとする地域啓発活動等に保護司の先生方が時間が取られているという現状があります。とりわけ現役世代の保護司の先生方にとっては、プライベートな時間を大幅に削ってしまうという大きな負担となっている。それが現役世代における委嘱のハードルになってしまっているというふうに考えられます。 具体的には、はっぴを着て遊園地や野球場の出入口でティッシュを配ったり、ああいった活動、あるいはボウリング大会に出たりだとか、本来的な保護司の活動以外のことに相当時間を取られてしまっている。それがかなりの負担になっているというふうに言われています。 私は、保護司の活動について、現役世代と、あるいは退職された後の先生方で分…”
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“はい。 重要性について、あるいは保護司の先生方の役割についての重要性については理解なさっていますけれども、大臣が予算を要求したかどうかもちょっとおぼつかない。もうちょっとこの問題について真剣に、積極的に臨んでいただきたいということをお願い申し上げて、終わります。”
“国は、息の長い支援を目指す、息の長い支援という言葉を使われているんですね。今年六月には立ち直りを重視する拘禁刑が導入されたんですけれども、今回のように委託費を切り詰めても、息の長い支援がそもそもできるというふうにお考えですか。”
“前述の更生保護施設の実態というのを見るに、先ほどの答弁書の回答とかなり乖離が見られるというふうに考えるんですね。いかなる工夫をもって適切に実施するのか、具体策をお答えいただきたいと思います。現場からは、この予算で乗り切れたら、来年度も同じままか、更に切り詰められるのではないかという不安の声が上がっています。来年度の予算で委託費は増額しますか。先ほどの問いと一緒にお答えください。”
“こうした事態を受けて政府に提出した質問主意書、これは資料五になりますけれども、これに対する答弁では、予算の範囲内において、当該保護観察対象者の保護の必要性に応じ、適切な内容及び期間の措置の委託を行っている、引き続き、適切に実施してまいりたいと回答を得ています。これは自画自賛ですね。 本当に、今が適切で、引き続き適切だというふうに考えておられるのか、甚だ疑問なんですけれども、令和五年度以降の更生保護委託費の推移についてどういうふうになっているのか、お答えいただきたいと思います。”
“先ほど紹介しましたけれども、再犯して刑務所に戻った方がいいと思う人が出てくるかもしれないという関係者の危惧、不安、これはもっともな話なんですね。 令和五年三月に閣議決定された第二次再犯防止推進計画における七つの重点課題の一番目に、就労・住居の確保というのがあるんです。現状はこの重点課題に全く沿っていないんじゃないですかね。いかがでしょうか。”
“大臣に余りやる気がないというふうに私には見えましたが、皆様、いかがでしょうか。 ある施設に話を聞きますと、本当に、食事つきの宿泊委託十五日、宿泊委託十五日で合計三十日の委託が来る、しかし、住民票の取得やスマホの取得に一週間要する、働き始めるのが二週間後としても、給料は翌月なので、二週間で食事が切れる、どうして食べていけばいいのか分からないという問題が生じると。こうなったら、委託に基づかない任意保護をするしかない。これは法人なり保護司さんの持ち出しです。これは寮生も不安を抱えていますという声が上がっています。 よく衣食住と言いますけれども、実際の刑務所出所者が立ち直るためには、衣食住の中でやはり住、住まいというのが極めて大事なんですね。住まいがないと、仕事も探せない、医療サービスも受けられない、何より足場がない。 現在、法務省の予算が足りないということから、更生保護寮の委託、執行管理が滞って、刑務所出所者の住と食、特に住ですね、これが危機に瀕している状況があります。当然、保護司の先生方の負担も大きくなっています。”
“冒頭に、大臣は、保護司の先生方が社会でいかに重要な役割を果たしているかということをとうとうとおっしゃっていました。政治決断していただけませんか、事務方と検討してじゃなくて、今この場で。”
“これは見通しが大甘だったということですよね。この状況でいいと思っているんですか、この見通しの甘さで。”
“そもそも、八千九百万円も予算が減ったにもかかわらず、今年度に二億六千万円以上の不足額が生じる見込みと法務省自身が認めているわけです。これは一体全体どうなっているんだ。理由、事情はどういうものなんですかね。また、なぜ法務省がこれを予見できなかったんでしょうか。”
“それに本当に、真剣に耳を傾けていただきたいというふうに思います。 刑務所などを出た後再び事件を起こす方、その多くは、帰る家や仕事がない、要は寄る辺がないという問題を抱えている方が非常に多い、そんな状況です。そういった方を一時的に受け入れて、宿泊、食事、あるいは就職支援、これを提供するのが更生保護施設になっています。運営管理をされているのは保護司の先生方です。 ところが、施設の主な収入源である委託費について、これは資料四に掲げていますけれども、本年度末時点で二億六千万円以上の不足額が生じる見込みと。厳しい予算状況を踏まえ、当局において、当初予算内で委託するとして試算したところ、今月以降、被保護者一人当たりの平均委託日数を六十五・三日以内として委託する必要がある、食事付宿泊の委託日数は三十日としているという趣旨の、「更生保護委託費の一層厳格な執行管理について」と題した事務連絡が今年十月九日に法務省から発出されています。資料四ですね。 この発出された事務連絡の趣旨を伺いたいと思います。”
“令和元年から減員傾向があったということで、九十二人の増員では十分ではないと考えますので、今後、更なる増員のための努力を求めたいというふうに思っています。 刑務所を出た出所者の皆さんを受け入れる施設、いわゆる更生保護施設ですね、国の予算不足を理由に、運営の危機に直面しています。 保護司の先生方や関係者の方から、再犯して刑務所に戻った方がいいと思う人も出てくるかもしれないという非常に切実な不安の声が上がっています。ちょっと、私自身も、弁護士として、ある宿泊型保護事業を伴う更生保護法人のボランティア相談をやってきたんですけれども、そこの理事さんや施設長さんも同じようなことを心配しておられます。 こういった不安の声、現場の声というのは法務省に届いていますか。”
“これに少年の保護観察、仮退院が加わるため、現役世代の保護司確保は本当に急務だというふうに考えます。 そうであれば、保護司の若返りと同時に、対象者の更生支援、保護司の先生方に対するサポート体制を充実するために、本職の若い保護観察官が対応する必要性というのを痛感するんですけれども、安心、安全な社会づくり、持続可能な保護司制度を考えたときに、現在、全国で約一千二百名と言われる保護観察官、これを増員すべきだというふうに考えるんですけれども、政府のお考えはいかがでしょうか。”
“保護司の先生方は本当に立派な方ばかりで、一生懸命時間を使って、労力を使って、場合によってはお金も使う。その先生方の負担を本当に軽減するように努めていただきたいと思っています。 昨今、各種詐欺犯罪が多発しています。令和七年上半期の認知件数、被害額は、前年同期比で増加しています。認知件数も四七・五%増えている。被害額も一六二・一%増えている。これは毎年増えているわけです。これも国民の体感治安の悪化を招いていると考えるんですけれども、特殊詐欺に従事する者というのは大半が若い世代なんですね。こうした青少年の更生支援に御高齢の保護司の先生方が寄り添うというのは、おのずと限界、無理が来ると考えます。体力的な問題もありますし、ジェネレーションギャップもあります。あるいは、若者の非行の、副次文化の理解というのも難しいというふうに考えます。 令和五年の犯罪白書を見ると、全部実刑者の仮釈放者で五十歳以下は六一・五%です。一部執行猶予者も六九・三%ですね。保護観察つきの全部、一部執行猶予者も五十歳以下の割合が多いわけです。”
“篤志的な無給の活動に従事する保護司から会費を徴収するというのは納得がいかないんですけれども、会費制を継続するよりも、保護司の先生方の負担を軽減するために、例えば保護司会組織の運営に向けた補助金を出すなど、そういったことは検討されていますか。”
“保護司の先生方というのは、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員です。無償のボランティアです。いわゆる篤志家精神の持ち主が自分の時間を割いて、罪を犯してしまった人の更生を助けるために活動する。 無償のボランティアであるということについては、保護司の先生方、多くは異存がないというふうに考えられています。しかし、保護司であり続けるために、例えば、毎年保護司会に会費を納入しなければならない。このシステムは、一部で異存、異論があるというふうに伺っております。 このことは質問主意書でも確認しています。資料三になります。政府の答弁において、保護司会によって様々であり、年会費を徴収する必要があるか否かについて一概にお答えすることは困難という回答が来ました。いかにも現場の声に耳を傾けていない姿勢があらわになっていると言わざるを得ないと思うんですけれども、国はボランティアに依存し過ぎじゃないですかね。とりわけ罪を犯した人の更生というのは、保護司の先生方の善意のみに頼ることは無理があるというふうに考えています。”
“じゃ、確保できれば、地区をまたいだ活動ということは前向きに検討するということでよろしいんですね。”
“さらに、ケース担当だけでよければ、例えば社会福祉士会とか精神保健福祉士協会などに推薦依頼をして、専門分野を有する保護司の先生を出してもらうという推薦システムをつくることも念頭に置くべきではないかと考えるんですけれども、こういった専門的な保護司というのは特定の保護区に所属せずに地区をまたいで活動できる方が効率的と考えるんですけれども、こうした試みというのは保護司の多様性の確保というのに資すると考えますけれども、これについて法務省はどのようにお考えでしょうか。”
“では、今のお答えでは、例えばティッシュを配ったりボウリング大会に出たりすることも重要だから、そこは分けるべきではないという考えの方が多かったということですか。”
“でも、先ほど言ったような、はっぴを着てティッシュを配ったりとかボウリング大会に出たりだとか、そういう社会を明るくする運動、犯罪予防活動などの活動は、退職された年代の先生方が中心に担っていただく方が現役世代の負担にならないというふうに考えるんですね。そこら辺はいかがでしょうか。”
“本来的な保護司活動以外の犯罪予防活動、いわゆる社会を明るくする運動ですね、これらを始めとする地域啓発活動等に保護司の先生方が時間が取られているという現状があります。とりわけ現役世代の保護司の先生方にとっては、プライベートな時間を大幅に削ってしまうという大きな負担となっている。それが現役世代における委嘱のハードルになってしまっているというふうに考えられます。 具体的には、はっぴを着て遊園地や野球場の出入口でティッシュを配ったり、ああいった活動、あるいはボウリング大会に出たりだとか、本来的な保護司の活動以外のことに相当時間を取られてしまっている。それがかなりの負担になっているというふうに言われています。 私は、保護司の活動について、現役世代と、あるいは退職された後の先生方で分けて考えることが一定有効だというふうに考えるんですね。すなわち、本来業務であるケース担当というのは可能な限り現役世代に担ってもらえるように整備をしていく。”
“なので、さきに掲げた改善のみでは人材を確保できるか疑問なんですけれども、そこら辺を法務省はどのように考えていらっしゃるでしょうか。”
“更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案では、例えば、社会的信望という言葉を削除して、若い人でも保護司の委嘱を受けやすくしています。その意味で、多様性の確保、あるいは任期を長くするなどとして保護司の先生の確保に努めているわけですけれども、これらのみでは実効的とは言えないというふうに考えるんですね。別に、社会的信望を削除したから一気に裾野が広がるとか、そんな安直なことではないと思います。 例えば、本法律案における保護司の先生方の活動環境の改善において、活動に対して地方公共団体が必要な協力に努めなければならないというふうに記していることとか、あるいは、事業主が保護司の職務を行うための休暇を取得しやすい環境の整備等に努めなければならないということを環境改善の一環として掲げています。そのこと自体は、現役世代、要は若い人材確保に尽力しているという評価もできるとは思います。 しかし、こうした環境改善は、役所とか大企業、一定以上の規模の会社に勤めている者を対象にしか考えていないんじゃないですかね。保護司の先生方で現役世代の方というのは自営業者の方が多いわけです。”
“立憲民主党・無所属の藤原規眞です。 平成二十八年に全国で四万七千九百三十九名を数えた保護司登録者は、令和七年、保護観察対象者のケース担当を持てない特例再任を除いた人数は四万四千七十人であって、約十年間で三千八百六十九人減少しています。これは資料一に掲げたとおりであります。 保護司の年齢別登録者を見ると、昭和五十年代から六十年代は、五十九歳以下の保護司の先生方が占める割合は約四五%、しかし、令和七年では、六十代以下の保護司は約二二%と半減しております。六十歳以上が約七八%と、明らかに高齢化が進んでいます。これは資料二に挙げたとおりです。 以上のデータを御覧になって、保護司の先生方の高齢化が進んでいること、担い手の確保が急務であること、特に若い保護司の先生方の担い手が確保されていないという状況、これを大臣は認識されていますか。そして、どのように対応しようとされていますでしょうか。”
“いずれにいたしましてもばかりだったんですけれども、平口大臣の在任中にこの問題が解決することを強く望んで、質問を終わります。 ありがとうございました。”
“タイ人の十二歳の少女の件に、冒頭の件に戻りますけれども。 あれだけの社会を震撼させた事件が起こって、ニュースにもなって国際的な批判も浴びている、そういう状況で、現行で足りる、このまま努力をしていけばもう必要にして十分だという姿勢だったら、問題は解決しないと思います。私は現場で元々弁護士をやっていましたけれども、人身取引、これはかなり深刻な問題なんですね。 大臣、御自身の任期中にこの問題を抜本的に解決する、そういう決意を示していただけませんか。”
“別に事務方においてじゃなくて、大臣の所感、思うところ、決意を伺っているんです。答えてください。”
“公の場で総理から具体的に指示されたものについて調査にとどまるというのは、随分腰が引けた姿勢だというふうに考えるんですけれども。 例えば、売春防止法一条、この目的規定の、しかも最初に書かれている「売春が人としての尊厳を害し、」という趣旨に立ち返って、男性が女性を買春の相手方となるよう勧誘することそのもの、これも罰則の対象にすべきだというふうに考えるんですけれども、大臣の見解はどうですか。”
“上記議定書が言っている営利目的で人を売る行為を処罰するためには、当然、買受けした者についても捜査の射程に捉えてこれを取り締まっていかなければ、議定書が目的としている人身取引の撲滅などかなわないわけです。殊に、人身売買被害者の大多数が性的搾取の対象となっているというのは、先ほど申し上げたとおりであります。 法務大臣は、高市総理から、買春者の処罰について検討の指示を受けておられます。予算委員会の場で指示を受けておられます。その後、具体的な指示はあったんでしょうか、あるいは個別に検討しているものはあるんでしょうか。お答えください。”
“別に、売春防止法の歴史を教えていただきたいというんじゃなくて、買春を処罰しなければ需要の抑制など到底望めないんじゃないですかと伺っているんです。答えてください。”
“人身取引、この需要の抑制ということも大切な機能だというふうに言われています。 UNHCRの指針七は、被害の深刻性に加えて、未然防止が極めて重要な意義を持ち、加害者処罰による一般予防だけでなく、需要の抑制、潜在的被害者への情報提供、被害を増加させる要素の是正等が必要であるというふうに記載しています。 ここに言う需要の抑制というのが重要であるということはよく指摘されています。例えば、昨年の人身取引被害者として保護された六十六人のうち、実に五十八人が性的搾取を受けているわけですね。売買春の買春、これを処罰しなければ需要の抑制など到底望めないというふうに考えるんですけれども、政府はどのように考えておられますか。”
“例えば、タイ人少女の事案、マッサージ店経営者は、先ほど申し上げたとおり、人身売買罪ではなくて、労働基準法違反で検挙されています。 現行の労働基準法、児童福祉法、職安法、これを駆使してと、駆使という言葉がやけに出てくるんですけれども、駆使して対応する方法では、先ほど来申し上げている一般予防の見地からも不十分だというふうに考えるんですが、政府はこれでも十分だと考えるんですか。桝野参事官に伺いたいと思います。”
“現行の制度を着実に進める、その結果が今回のタイ人の女性の事件なんじゃないですか。現行ので十分だ、必要にして十分だというふうにお考えなんですか。”
“いずれにしてもといずれにいたしましてもばかりが出てくるんですけれども。 例えば、政府発表で、日本国内で人身取引の被害者として保護された人は、令和六年だけで六十六人に及んでいます。その前の年、令和五年も六十一人です。にもかかわらず、なぜか人身売買罪による検挙はゼロ件。人身売買罪が機能していないというふうに考えますけれども、もしこれを問うたところで、全く同じ、いずれにいたしましてもという回答しか来ないと思いますので、次に移りたいと思います。 人身取引被害者弁護団で活動されている弁護士の先生は、日本の法律では人身取引とは何かということが明確に定義されていない、被害者の認定基準も不明確だという指摘をされています。 例えば、人身取引議定書、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書、これの三条は、人身取引の定義を明確に定めているんですね。”
“法律の組合せによって対応しているんです、今は。それが適切だとお考えですかという質問をしたんです。”
“例えば、人身売買事件が起きました、今回でいえば、あのマッサージ店、違法マッサージ店の経営者の人が、人身売買罪ではなくて、労働基準法違反で逮捕されているわけですね。そうすると、結局、世の中の人は人身売買が起きたということを深く認識することなく、そのニュースは流れ去ってしまうわけです。 今の現状で、人身売買、これを抑止することができるというふうにお考えでしょうか。”
“例えば、内閣府が、人身取引、人身売買について比較的物々しい、これは意図的にだと思いますけれども、ポスターをいろいろなところで掲示されています。それは毎年更新されています。人身取引が近いところで起こっていても見逃さないでほしい、ここに通報してほしいということを記したポスターです。 しかし、そのポスターの重要性は理解しますけれども、ポスターでの啓発と、実際に人身売買、人身取引の事件が発生したときに報道された場合、これに人身売買罪が適用されるかどうかということでは、国民に与える影響の度合いが違うと思うんですね。 今の人身取引に対するポスターでの啓発、ああいったもので一般予防効果としてはもう十分だというふうに考えていらっしゃるんですか。”
“一般予防の見地から、人身売買罪、これを適用すること自体が重要だというふうに考えませんか。”
“例えば、米国の国務省の人身取引監視対策部の二〇二四年の人身取引報告書において、日本に対して厳しい指摘がされているんですね。具体的には、厳しさが十分ではない刑を規定している法律に基づき、人身取引犯を訴追し、有罪判決を下した、また、少なくとも七年連続で裁判所は、有罪判決を受けたほとんどの人身取引犯に対して、実刑の全ての執行を猶予するか、罰金刑のみを科したというふうに記されています。 これは国際的にも恥ずべきことじゃないですか。法務大臣、どう思われますか。”
“これほど世界を震撼させる事件が起きて、大臣は今どうお考えですか。法定刑を引き上げるべきじゃないですか。政治決断すべきじゃないですか、ここは。”
“今、拐取罪、同じ章にある誘拐等についての均衡で適正さは欠かないというお答えでしたけれども、例えば人身売買罪は、対価を伴う点で、その客体、被害者の自由を拘束し続けるという強い動機があります。法益、ここでいえば客体の自由と保護者の監護権ですけれども、を更に侵害する危険が高いのが人身売買罪です。刑法二百二十四条の拐取罪との均衡というのを殊更に顧慮する必要はないんじゃないですか。”
“現行の二百二十六条の二の法定刑について、法務省は適正だとお考えですか。一般予防の見地から、このままでいいというふうにお考えですか。法定刑を引き上げるべきじゃないですか。”
“じゃ、刑法二百二十六条の二の人身売買を処罰する規定について伺います。 まず、法定刑について、国内の場合は、最高が、営利、わいせつ、結婚、加害目的、売渡しを定めた三項、四項が一年以上十年以下の拘禁刑というふうに定められています。これは、万引きなどの窃盗罪、刑法二百三十五条と同じなんですね。「条解刑法」の第五版にも、拐取罪の法定刑を踏まえというふうに記されています。法定刑の設定にほかの罪との均衡を考慮した旨が記載されています。 しかし、人身売買が万引きと同程度の刑罰水準ということがなかなか衝撃的なんですけれども、例えば、国連難民高等弁務官事務所、UNHCRの指針七も、人身取引は、一度その被害が生じたときには、完全な回復は不可能な深刻な損害を被害者に与えるというふうに記されています。 にもかかわらず、被害弁償によって完全な回復が可能な窃盗と同じ法定刑というのが日本の刑法です。到底国民の納得は得られないというふうに考えるんですが。なお、米国では、人身売買罪は終身刑もあります。英国も終身刑あり。ドイツ、韓国でも最長十五年です。日本の十年というのは余りに短いという指摘があります。”
“今のお答えの後段を少なくとも聞くと、客だから、客にすぎないから、そういうことで捜査対象とはならないというものではないと考えていいですね。”
“これほどの重大事件に所感すら述べられないという法務大臣の姿勢には寂しさを感じます。 女性の客となった男性六十数名には、刑法百七十六条の不同意わいせつ罪、あるいは百七十七条の不同意性交等罪、若しくは児童買春防止法四条の児童買春罪が成立するかに見えますけれども、本件の客となった男性に対して何らかの刑事責任を問い得るという認識を法務省は持っておられますか。”
“立憲民主党・無所属の藤原規眞です。 タイ人の十二歳の女性の人身売買事件が発覚いたしました。性的サービスを強要されて、六十名余りの男性がその客となった、それが東京で発生した。 社会を震撼させたこの事件について、検察庁を所管する法務大臣はどのような所感を持たれましたか。伺いたいと思います。”
“五月二十七日の民事局長答弁で、戸籍は、国民の身分関係を公証し、検索するという機能という答弁があります。これに尽きると考えるんですね。 維新さんが今おっしゃった、藤田委員が答弁くださった、戸籍制度の根幹が、夫婦が同じ氏を名のるというものというふうにおっしゃいますけれども、これは本来の戸籍の機能に独自の意味合い、味つけをしているということになりませんか。それを後生大事にしているようにしか見えないんですけれども、違いますか。”
“維新さんは、法案提出時に、選択的夫婦別姓の推進派と、戸籍制度の根幹を変えるべきではないと主張している人の両方と合意形成できる案と説明されています。これはかなり苦渋の色がにじむんですけれども、苦心の跡がにじむんですけれども。一方、法務省及び法務大臣は、国会で何度も、選択的夫婦別氏制度導入後も、戸籍の記載、機能は変わらず、仮に導入されても問題ないという答弁があるわけですね。 維新さんのおっしゃる戸籍制度の根幹、これはどういうことなんでしょうか。”
“ちょっと、期待に基づいて制度設計してはいけないと思うんですけれども、例えば、単記できても、免許証、パスポート、資格、これを立ち所にやるためには、全ての省庁の準備ができていないといけない。名義変更のタイムラグというのは本来的に許されないわけです。でも、民間は自由だ、強制になじまないというのは先ほどの藤田委員のお答えなんですけれども、例えば、日本の名義変更というのは、エストニアみたいにDXで一気呵成にはできないわけですね。 もし維新案が通った場合、これは例えばですけれども、維新銀行というのがあって、大阪本店営業部では、マイナンバーカードで、旧姓の吉村さんで口座を開設する。同じく維新銀行の東京支店では、免許証で、戸籍姓で前原さんという名前で口座開設する。このタイムラグが生じてしまったらこういうことになり得るんですけれども、そこはどうお考えですか。”
“自治体がまちまちにやったら、大災害時の安否確認としては非常に心もとなくならないですか。”
“維新案が実現した場合、災害時の住民の安否確認、これは、戸籍姓、それとも旧姓、どちらで管理するんでしょうか。”