緑川貴士
立憲民主党・無所属 · Japan
“最後なんですが、クマ被害対策パッケージ、政府の中長期に取り組むこととして、自治体における専門人材の育成、適切な個体数管理のための統一的な手法による個体数推定とあるんですけれども、この課題について、お配りしている資料を御覧いただきたいと思います。 都道府県別の専門職員の数なんですけれども、赤いマーカーを引いたところが熊対策に当たる専門職員の数です。最も多いところが兵庫県の十六人、そして島根県で十人、岡山が六人、北海道が六人であるのに対して、青森、宮城はゼロ人、岩手、秋田、山形、福島は一人ずつという状況です。 全国的に専門人材というのは不足しているんですが、その中でも特に東北。熊の生息数が多いところにもかかわらず、人材が圧倒的に東北で足りていません。こういうところにまずは優先…”
“重くお受け止めをした、それをしっかり行動に移していただくということを大きく期待をしたいというふうに思っております。心よりお願い申し上げたいと思います。 企業だけではないんですね。個人にも大きな影響が出ています。 熊に襲われて亡くなられた方が多くいらっしゃいます。現状、災害ではないので、これは法律に基づく災害弔慰金の支給も受けられないんです。 また、法律に基づく、精神又は身体に著しい障害を受けた場合の災害障害見舞金の制度もあります。熊の被害も同じように、精神的に、肉体的に深く大きな傷を負って障害が残ったり、多くの方が、医者が言うと八割がPTSDを発症する。この被害はまさに被害としては法律の要件に当たるはずなんですが、この見舞金も支給されていないんです。 さらに、被害世帯に貸…”
“自治体では独自の見舞金制度などを設けているところはありますけれども、ほとんどのところではこういう制度がないんですね。頼りになるのはやはり国の公助なんですよ。全国一律で、どこの地域で起こった被害にしてもしっかりと対応できるようにしていただきたいと思います。 時間の関係で、残りの問いに行かなければなりません。 放置されてきた柿や果樹、クリなどが熊を人里に引き寄せる餌となってきました。出没地域には所有者が分からない土地、いわゆる所有者不明土地が多く残っていて、ここにこうした誘引物が放置されています。自分たち一人一人は、所有者が分かっているところでは柿やクリを取り除いても、ほかで所有者不明土地一つあるだけで、ここに誘引物があれば、熊は嗅覚が鋭いのでここに集まってきます。その集落の…”
“私は秋田県に住んでいますけれども、今の状況をちょっとお伝えしますと、この秋の行楽シーズンは、やはり残念ながら、宿泊、観光のツアーのキャンセルが相次ぎました。そして、屋外イベントも次々に中止になって、また、この時期にぎわうはずの繁華街も、人が出歩いていません。寒いからというだけではないんですね。飲食店は忘年会で書き入れどきのはずなんですけれども、熊に警戒ということで、会社から飲み会の自粛をするように指示が出ているところもあったり、予約が次々にキャンセルになることで、地域経済に、売上げに大きく響いています。 大きな影響が災害並みに起きておりますし、山は餌となるドングリが大凶作、人里の食べ物に依存して、来年一月になっても、もしかしたらこれは出続けるんじゃないかというふうな可能性…”
“やはり大臣おっしゃっていただいたように、不断のパッケージの見直しというのが必要だと思いますし、今、中長期に、短期に、そして喫緊に対応するべきというふうにフェーズごとに書いてあるんですけれども、やはり未来の話なんですよね。これから被害を最小限に抑えていきます、管理をしていきますという話、私たちは全く異存はありません。 ただ、これまで起きた被害に対する支援が足りないんですよね。個人、企業で備えをしていなかったから、これは個人の保険で対応してください、支援はありません、こういう自己責任では片づけられない問題なんですよ。自分の生活や経営にここまで影響が生じるというふうに、個人がどこまで予測して判断できた被害でしょうか。 企業の責めによらない、こういう、経営努力のみではどうしようも…”
“そして、済みません、残りもう一つなんですが、個体数推定の方法も都道府県によってばらばらになります。異なる調査の方法や解析モデルが使われています。 例えば推定調査では、秋田、岩手のように、県境をまたいで生息している同じ個体群を調査しているのに、秋田ではセンサートラップ調査、そして岩手ではヘアトラップ調査、それぞれ同じ生息群が重なっているのに違う調査を行っています。調査の方法が両県で異なっていて、国主導でこの統一化を図っていく必要があります。そして、調査のサンプル数から生息数を推定する解析モデルも違っています。両県を含めて、全国の多様な調査、解析データを国として一元管理していくことが重要だと思います。 ただ、国でも、国立環境研究所の個体数推定の専門家というのは非常に少ないのが…”
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“やはり、地域全体の広い声をしっかり踏まえた上で計画を進めるということが必要ですけれども、やはり客観的なデータに基づいて進めていくということが大事だと思います。個別の、今古くなっている施設の機能診断、現地調査というものがやはり重要であるというふうに思います。 その中で、基幹的農業水利施設の突発事故の大半を占めているのはパイプラインであります。近年は、毎年千件を超えるような数字で事故が起きています。下水道の老朽化による道路陥没というのは深刻ですけれども、一方で、農業用パイプラインの漏水によって農道が陥没をしてトラクターが転落するという事故も発生しています。 自治体では、パイプラインなどの緊急点検のための経費を独自に支援をしているという自治体もあるんですけれども、国としてこれを、緊急点検の経費支援を行っていくということが必要ではないかと思いますが、その考えをお伺いしたいのと、また、あわせてなんですが、資料をお配りしているんですが、漏水が起きる主な原因というのはパイプの種類別でも違ってきます。”
“そして、農地バンク関連事業と急施の事業については、農家の負担はないんですが、自治体の費用負担は直轄事業以外では四割から五割の負担になるわけであります。 こういう負担割合自体は従来と変わらないんですが、やはり異なるのは、国主導のものを含めて、こうした発意というものを含めて、対象事業が広がった各種の非申請事業に今後取り組みやすくなっていく、つまり事業着手がスムーズにできるようになっていく分だけ、地区によってはトータルの事業量が増えていくという懸念がやはりございます。その自治体の人手や財政的な負担とのバランスもしっかり考えながら事業を進めていく必要があるというふうに思っています。 大臣のお考え、いかがですか。”
“やはり、経営体、現場では資材費も上がっているし人件費も上がっている、そうした中で、特に今、農地の集積、集約化が進んでいます。中小の経営体にも費用負担は生じますけれども、特に、大きな経営体が、土地改良区画内で営農を中心的に担っている経営体が、単位農地当たりの賦課金も更新設備によって費用の値上がりということがやはり懸念をされますので、こうした経営体が営農意欲がそがれることがないように、同意の手続を踏む以前の段階から広く丁寧に合意形成を図っていただきたいというふうに思っています。 今回の法案では、こうした基幹的農業水利施設に係る非申請事業の拡大ということに加えて、今議論になっている農地バンク関連事業、そして急施の事業の、二つの非申請事業も対象が広がることになります。 各事業の費用負担は、これは従来どおり、確かに従来どおりなんですが、国の補助としての基幹的農業水利施設整備の場合には、半分は国の負担、そして残る半分は都道府県と市町村、受益農家の負担になります。”
“そして、事業計画を公表した後に受益農家の三分の二以上の同意を取るという過程においても、事業に対する農家の理解が、手続がスムーズになるとしても、それが置き去りにならないように、とりわけ費用負担というものが基幹的農業施設の更新では発生をしてまいります。こうした費用負担への理解を国としてしっかり醸成をしていくということ、丁寧に説明をしていくということをお願いをしたいというふうに思います。 そして、あわせて、事業経費の一部を農家に求めながら施設の管理を担っている土地改良区の徴収を新たにしていくようなことも出てまいります。こうした現場の負担にも配慮する必要があるというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。”
“お疲れさまでございます。 農家の私的財産である農地、この利用関係にやはり影響を与える土地改良事業でございます。その利益を受ける農家からの申請によるということがやはり原則であります。 農家の申請によらない、いわゆる非申請事業は、一部の事業にこれまでも限られていますけれども、それを今回、老朽化が進んでいる、標準耐用年数を超えている基幹的な農業水利施設が半数以上あるということで、その更新に必要な事業として国や都道府県による発意でこれを行えるようにして、農家の申請や事業計画の作成などの手続負担をなくしながら計画的な整備を進めていけるというメリットはあるというふうに思いますけれども、あくまでも例外としての扱いである非申請事業というものが今後は増えていくことになります。 手続を国などが代行するという以上は、この国の発意というものが、そのきっかけがあくまで現場の声でなければならないと思いますし、その地域全体の意見を反映した発意であるということを常に、国の発意というときには確認をしなければならないというふうに思います。”
“時間が来てしまいまして、ほかの問いもしっかり立ててお伺いをしたかったんですけれども、様々な、また別の機会にしたいというふうに思います。 飼料用米については秋田県でも進めておりまして、養豚場とJAとが連携をしながら、また、機械についてもロットで生産することによって、やはり低コストに生産できるという体制が取れていますし、四〇%にまで飼料用米の混入を高めているところなんですね。 口溶けが滑らかでジューシーであるという食味の評価もありますので、こういうよさをしっかり取引レベルにまで、やはり価格に反映されるように、そこにまで落とし込んでいくということがこれから重要になっていくというふうに思っていますので、また議論をさせていただきたいというふうに思います。 ありがとうございました。”
“流通コストの削減、耕畜連携は進めるんですけれども、国産飼料としての飼料用米の配合割合を配合飼料メーカーにしっかり高めてもらう。飼料の輸入原料の依存度を下げながら配合飼料価格安定制度の持続性を高めていくということにつなげるべきであるというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。”
“さらに、そこで東北、宮城県との広域の流通、この資源循環が今進められようとしています。 そこに、稲わらだけでなくて、周辺産地の、東北の周辺の飼料用米などもまとめて大消費地、広域の流通ルートに乗せて九州に送る。流通の効率化を図りながら、コストの低減を図りながら大きな供給先である九州の畜産県に運んでいく、こういう耕畜連携を進めていくということがまず供給から大事だというふうに思います。 需要面の課題としては、資料の三、お配りしているんですが、配合飼料の原料として飼料用米の利用を増やしていく必要があります。配合飼料メーカーの飼料用米の利用量が昨年度では百三十九万トンで、近年これは少しずつ増えているんですが、もっと増やせるというのが次の資料の四です。上の緑のところで、家畜の生理や畜産物に影響なく与えられるという、農水省が安全な基準だと示している利用量が全体で四百五十万トンあります。与え方を工夫すれば下のように更に増やすことができるわけですけれども、今、配合飼料メーカーが、需要のほとんどを占めるメーカーでは四百五十万トンのうちの三分の一ほどしか使われていません。”
“輸入飼料に全く頼るなというのは無理がありますけれども、これだけの巨額の補填を行わなければならない輸入のデメリットというものをこれまで考えれば、国産飼料のコストがたとえそのいっとき割高であったとしても、定着するまでには時間がかかったとしても、中長期で見て、国産飼料を安定的に作っていく、利用していくという供給基盤を整えるべきであるというふうに思います。 水はけのいい土地ができる、整えられるところは畑でトウモロコシを効率よく作っていくということが大事ですし、一方で、日本はやはり元来瑞穂の国と言われてきました。モンスーン気候で、高い気温と豊富な水、こういう気候の中で、稲作が日本の農業の軸であって、飼料生産の活路というのはやはり、水田作として利用することができる、作ることができる飼料用米にあるというふうに思います。 課題としては、供給先が離れている、流通コスト、マッチングの問題もありますけれども、大臣の御地元の宮崎県、これをちょっと調べましたら、稲わらと堆肥の資源循環が鹿児島県などでは行われていた、地域内の循環がこれまで行われていました。”
“検討している間に、酪農、畜産の経営では、やはり、これからを担おうとしている四十歳未満とか、あるいは四十代、五十代の今、経営不振、悪化を理由にした離農というのが相次いでいるわけですよね。石川委員もお話ししたように、酪農は全国もう一万戸を割っているわけです。十五年間で半数以下に減っているというこの状況の中で、今を支えなければ今後の制度の持続性も担保されないということは強く申し上げておきたいというふうに思っております。 やはり、濃厚飼料を始めとして余りに輸入に依拠してきたこの飼料供給の帰結として、配合飼料価格安定制度の持続性にも揺らぎが出てしまっている。直近の三年間で五千七百億円の財源による補填をしてきたわけですけれども、この緩和にもやはり、輸入の原料がこれだけ上がってしまうことが続きますと、制度の疲労がもはや起き続けているという状況です。”
“生産者が補填がゼロ、飼料高騰で離農して、基金を支える人が減ってしまえば、制度の持続性も元も子もないというふうに思いますので、まずは今助けるということを優先をしていただきたいというふうに思っています。 その意味では、今、補填がゼロのところも、これは後追いでも構いませんから、追加的に補填をしていくということもお考えをいただきたいというふうに思います。令和五年度の第四・四半期から今後も、原料の高止まりが、緊急補填の仕組みでも、これはゼロになっちゃうんですね、出ないんですよ。今年度の少なくとも第四・四半期まで、想定される期間までは国による追加的な補填を求めたいというふうに思いますが、大臣、いかがですか。”
“トウモロコシの相場が下がってきているというふうな傾向には今あるんですけれども、残念ながら、それが配合飼料価格の原料価格には反映されていません。令和二年の原料価格は二万円だったんですけれども、同じトウモロコシの相場で、令和二年で二万円だったんですが、同じ今の下がっている相場の中では、原料価格は四万円で高止まりをしているんですね。 ですから、国際相場というものは、正直、比例をしていない、全然相関関係が、ちょっと乖離してきている状況だというふうに思います。ですので、民間の基金による補填がやはり今できない、通常補填はもちろんできませんし、異常補填も、財源が今ゼロということです。 返済金の財源も、今後の補填があった場合の財源も、積立金の負担というものが生産者の方でやはり増えているんです。全農の基金の中で、これまで一対二で、生産者と県連、全農で負担していた一対二の負担が、今大臣申し上げたように、今は一対一になって、より重くなってしまっています。ですので、負担金というこれまでのコストがまた、補填がされないことに加えて、積立金の負担も重くなっています。”
“確かに、昨年度当初の緊急補填としては、お配りしている資料の二を御覧いただきたいんですけれども、一番右側で文字がちょっと見えづらくて申し訳ないんですが、緊急補填と書いてあって、そこに、昨年度当初の緊急補填は確かに行われました。しかしながら、昨年度、これまでの水準と比べて、通常補填、異常補填が出てきた水準と比べていけば僅かな額にとどまっていますし、前期の四分の三までしか補填が行われないという条件がありますので、その後、次第に額が縮小していきました。 そして、連続三四半期までしか補填をしないという制限から、今、昨年度の第四・四半期以降は補填がもうゼロになっています、なくなってしまいました。以前と比べて生産者の負担が重くなっているという状況に対する大臣の御認識をまずはお伺いしたいと思います。”
“立憲民主党・無所属の緑川貴士です。 私からも、江藤大臣、改めて、大臣御就任おめでとうございます。四年半ぶりの農林水産委員会でのやり取りがまたできますことをうれしく思っております。 私からは、畜産政策についてを中心に伺いたいと思いますので、今日最後の午前の部ですけれども、よろしくお願いいたします。 まず、配合飼料価格の安定制度の課題、今日のお話もございます。補填額を計算する際の基準価格そのものがやはり高くなってしまって、通常補填による補填が減っていく、あるいは補填がなくなってしまっている。民間の補填財源の枯渇の問題もございます。 これらに対応するために、昨年度から国の緊急補填ということで仕組みをつくって、二・五年の平均価格を基準としています。だとしても、令和三年度から原料価格というものは急騰しているわけであります。高止まりを今も続けている中で、二・五年間というのは、高止まりしている期間が入っているわけであります。”
“二毛作によって水田の高度な活用を進めながら、国内の生産力、食料自給率を高めていくべきであるというふうに思います。 あわせて、最後の問いですけれども、二毛作は積雪のある地域ではなかなか実施が難しいと言われてきたんですけれども、裏作として、牧草では、例えば栽培で人気のあるイタリアンライグラスの新しい品種で、積雪があっても栽培できる品種が出てきました。表作として主食用米、転作田であればWCSあるいは飼料用米、トウモロコシ、そして裏作ではイタリアンライグラスの雪に強い品種を組み合わせれば、雪国であっても二毛作ができます。引受手の見つからない、鳥獣被害が懸念されている遊休農地の活用に取り組めたりとか、耕畜連携で安定的に飼料を確保しながらそこで放牧ができたりとか、良質な和牛の生産にもつながるというふうに思いますが、最後に御所見を伺いたいと思います。”
“答申では、貨幣の価値以外に数量評価の事例も挙げています。 農業総合研究所では、水田にためることができる水の量は、畦畔の高さや水田の面積からおよそ五十二億立方メートル、それに対して、畑は、土壌中にためられる量として八億立方メートルというふうに評価しています。 大臣は畑にもそういう機能があるというふうに言うんですけれども、明らかに数字が違うんですね。畑の五、六倍の水というのを水田はためることができるわけです。水を一時的にためることで河川への急激な水の流れ込みを和らげて、周辺、下流域での水害の被害を軽減したり防止できる機能というのは、完全な畑になれば、それが低下するのは明らかではないでしょうか。”
“毎年のように国内各地で起こる豪雨災害に対して、水をためる大きな役割を果たす水田の面積が、今回、畑地化によって減ることによって、この価値が損なわれることはないのか。 今、防災・減災のために田んぼダムや流域治水を関係省庁と協力して農水省は取り組んでいますけれども、畑地化を進めることによって、こうした取組の効果が薄れることはないんでしょうか。”
“詳しい御答弁、ありがとうございます。 コストであったりとか、あるいは人間に危険が及ぶというような部分についても、やはり、いろいろな視点から取り組んでいかなければならないというふうに思いますし、地域の実情を踏まえた上で、それでもなお、同じ生息域においての全体の数を正確につかむということが必要であると思います。 秋田県では、昨年度、既に二千三百頭以上が捕獲されています。これは、これまでの推定生息数でいえば四千四百頭ですけれども、半分以上が捕獲されたということになるんですが、果たして全体の数がどうなのかということ、それに基づいた対策もやはり変わってくると思いますので、正確につかむ上での効果的な対策というのに努めていただきたいというふうに思っております。 続いて、水田の畑地化を進めることによる農業の多面的機能への影響について伺います。 日本学術会議の答申では、農業の多面的機能を貨幣の価値で評価すると、年間で五兆八千億円以上の価値になります。このうち、最も大きいのが洪水防止機能、治水ダムの代わりとして評価をすれば、およそ三兆五千億円と試算されています。”
“推計調査の手法などについても国が伝えているということなんですけれども、例えば、同じ個体群で成っている秋田県と岩手県ですけれども、熊の生息域がやはり重なっている。同じ個体群で、秋田県ではカメラトラップによる調査、つまり、餌でおびき寄せた熊をセンサーカメラが捉えて撮影をして、胸の月の輪の模様でツキノワグマの場合は個体を識別して生息数を出すということなんですが、その映像を判別する人手とか、時間もありますし、何より判別する人の能力によっても結果が大きく左右されるということで、数が大きく変わるということが言われています。 それに対して、岩手県ではヘアトラップによる調査。有刺鉄線を張り巡らせた中に餌を置いておびき寄せて、鉄線にひっかかった熊の体毛から個体を識別して生息数を出すということで、同じ個体群を調査しているのに、同じ個体群でさえ手法が違うんですね。 そこで、やはり、国が主導しながら複数の県が共同で、同じ個体群でダブらないように、しっかりと、しかも調査も統一化を図って調査に当たるということが必要ではないかと思いますが、この点についていかがですか。”
“推定調査の手法の統一化をスムーズに進める上でも、指定管理鳥獣となった熊については国が主体的に調査を進めるということが必要になってきていると思います。お考えはいかがでしょうか。”
“出没抑制に取り組めるハンターであったりとか、あるいは自治体の専門職員、こうした方々の人材の育成にやはり重点的に交付される必要があるというふうに思いますし、熊の個体数の推定調査というのは、各都道府県で個別に調査をしていますけれども、一方で、同じ個体群が複数の県をまたいでいて、各都道府県で同じグループが生息をしていたとしても、その各県がそれぞれに独自で調査をしている形になっています。培ってきた調査のやり方も異なっているわけです。 個体数の適切な管理に向けては、やはり全国の生息数を正確に把握するために、推定調査の手法の統一化を図る必要があるのではないかというふうに思います。 そして、そもそも指定管理鳥獣に指定されるまでは、環境省の特定鳥獣保護・管理計画の一環で、これまでこのように都道府県単位の調査が行われてきたわけなんですけれども、今は指定管理鳥獣に追加指定になりました。同じ指定管理鳥獣でいえば、イノシシについては全国の推定調査を国が行っていますし、同じくニホンジカも、北海道以外、本州以南で推定調査というものを国が担っています。”
“従来の施策を更に前に進めていくということは重要でありますし、今回違うのは、指定管理鳥獣に熊が先月追加指定されました。都道府県への支援が強化されてくるということもこれは前進なんですけれども、やはり省庁の縦割りによる支援、それぞれのすみ分けを行った上での支援ということではなくて、やはり省庁一体的に進めていくことが、都道府県そして市町村の取組の充実にもつながるというふうに思いますので、指定管理鳥獣に指定されたということを受けて、更なる後押しをお願いしたいというふうに思います。 その上で、この指定管理鳥獣の管理を実際に担うのは都道府県になります。熊対策の交付金が、今年度懸念される更なる被害というものを最小限に抑えなければなりません。”
“しかしながら、例えば個体数の管理では、どのぐらいの数に抑えれば、人里での熊とのあつれき、被害を減らすことができるのか。あるいは、熊の個体数とするならば、森林に餌であるドングリをつける広葉樹が、豊作か凶作かというその年の変動はありますけれども、まず絶対数としてどのぐらいあればその個体数として熊の暮らしの環境が保たれるのか。つまり、管理する個体数が適切かどうかを決める上で大きく関係しているのは、農山村の活性化の度合いであったりとか、あるいは熊が暮らせる森林環境の保全の状況であったりとか、農業部門や林野部門が密接に関係しています。 こういう状況を踏まえて、関係省庁で一体的に対策を進めていくという視点が重要ではないかと思います。適切な管理を進めるために、省庁として別分野とされてきた状況も、よりこれは把握、共有をしながら、より広い視点で取り組んでいくことが必要ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。”
“基本を行った上で、まだいまだに対応が、周知をした上でも変わっていないわけです。被害が懸念されているわけですから、広域での被害に対して国がしっかりと動いていただきたいというふうに思っています。 タケノコは、北東北では根曲がり竹とも言われまして、初夏の味覚なんですけれども、山のごちそうとして、この時期、やはり売れるわけです。でも、お金よりやはり命が大事である。自分は大丈夫なんだという意識、正常化の偏見は捨て去るべきでありますし、行政が立入禁止とした場所に入れば犯罪になるんだ、軽犯罪法が適用されるんだということも、これは国として、法律に基づいてしっかりと通知をしていただくことも必要ではないかというふうに思います。是非、抑止のために国として動いていただきたいと思います。 昨年度も熊による人身被害が相次ぎましたけれども、熊の対策では、個体数の管理は例えば環境省が担当しています。被害の防止については農業部門として農水省、そして森林の管理を担当するのは林野部門として林野庁というふうに、縦割りに分かれているんです。”
“これまで一度も熊を見たことがないし、ヘルメットもかぶっているんだ、鈴や爆竹も持っている、だから大丈夫なんだといって入ってしまっているわけなんですけれども、人間は食べ物を持っているんだ、しかも、更に言えば、人間は食べ物であるということを覚えてしまっている熊がこれから積極的に見つけた人に近づいていって襲ってくるケースも、やはりこれから音を察知して襲うケースも考えられるわけです。 県を越えた広域での呼びかけ以降も続いている入山に対しては、やはり深刻な被害を防いでいくために国として入山禁止の周知徹底を図っていく必要があるというふうに思いますが、政府対応、どのようにお考えでしょうか。”
“増資が負担になって、農協の店舗が縮小されたりとかサービスの縮小という形であおりを受けることがないように、是非とも監督庁として最大限のお取組をお願いしたいということを申し上げたいと思います。 質問の順番を変えて、熊対策について先にお尋ねいたします。 今月の十八日に、秋田県の鹿角市で、タケノコ取りに入った男性が遺体で見つかりました。熊に襲われたものと見られていて、そこで捜索に当たっていた警察官二人も熊に襲われて大けがをしています。 先週二十一日には、秋田県は、現場の山に県外から入らないように通知をすることを、隣接する青森、岩手、宮城、山形の四県に要請をしているんですけれども、それでも、その後もタケノコ取りのために禁止エリアへの入山が残念ながら続いています。 特に、立入禁止エリアの道路脇に止まっているのは県外ナンバーの車が目立ちます。事故を知った上で、それでもあえてタケノコ取りに来ている人もいるわけなんです。”
“メガバンクなどは、株であるとか企業向けの融資で、今回、リスク分散をしながら資金を回収しているのに対して、農林中央金庫は、投資の大部分を外債運用に頼るという収益構造の見直し、国際情勢を見通す部分についてやはり課題があったというふうに思います。 この事業構造を見直して、海外の大型の事業向けの融資であったりとか、あるいは手数料ビジネスといった、収益の柱ということで進めようということで考えているようなんですけれども、これが成長するのは時間がかかりますし、やはり、農林中金の利益が収益の大きな源泉になっているという地域の単協、農協も少なくありません。 今回それが最終赤字ということになって、シナリオとして、今後五年間はその後も赤字が続くということが示されているわけですから、そのシナリオのとおりになってしまえば、農協や組合員である生産者の収入にも影響してくるわけであります。 今日は時間が限られていますけれども、また機会を見ながら注視をしていきたいというふうに思っていますけれども、足下では、農林漁業者、やはり資材高の影響を受けています。”
“皆さん、お疲れさまです。 農林中央金庫が、アメリカ国債など債券の運用で多額の含み損を抱えています。損失処理に伴って、今年度末、二〇二五年三月期には、五千億円を超える最終赤字になる見通しが示されています。 リーマン・ショック並みの今回巨額の赤字、改めてリスク管理の甘さが指摘されるところですけれども、農水省、監督庁としての御認識と、そして、今回、財務の健全性を保つための一兆二千億円規模と言われる資本増強では、その増資はJAなどが引受先になります。増資の要請が大きな負担になって、農林漁業の生産現場、あるいは地域経済への影響も懸念をしているところですけれども、政府対応、どのようにお考えでしょうか。”
“危機的な状況を招いた農政への反省が皆無であると受け止めざるを得ず、反対の立場を取らざるを得ないことを申し上げて、討論といたします。”
“多様な農業者が生産活動を通じて農地維持の主体に位置づけられた見直しの反面、具体的な支援が政府答弁からは出てきません。小規模集落のように共同活動自体が困難になっている集落が増える中、中山間地域等直接支払制度の個別協定の対象を広く認めて支援するべきです。 輸入依存や、食料、資源の取り合い、戦争や災害リスクが増す複合危機に直面する時代に、食と農を結び直す動きが強まる中、食料自給率目標は、地産地消などを通じて日本型の食生活や食文化が守られているかをチェックする点でも依然として意義のある指標であり、多くの指標の中で、国民に最もなじみのあるものです。 農業の疲弊が農家の問題を超えて消費者、国民の命の問題であるという認識に立つならば、各指標の中の一つに落とすのではなく、食料安全保障の強化に重要な国民の理解の醸成に深く関わる指標として、最上位に位置づけるべきです。 私たちは、こうした問題点を含めて、基本理念、基本的施策の内容を明確にした修正案を取りまとめてまいりましたが、政府・与党は、修正項目の全てに対して規定済みあるいは対応不可といって一顧だにせず、ゼロ回答でありました。”
“政策目標である食料自給率の低迷、農村の支え手の自営農家の半減と農村コミュニティーの衰退、耕作放棄地の拡大と多面的機能の喪失など、基本理念の実現を目指した取組とそれがもたらした現実との乖離に対する真摯な総括と批判的な検証がなければ、新たな農政の展開は絵に描いた餅になりかねません。 農産物、食品の価格形成についても、あくまで食料システムの関係者の各段階での交渉を経て、関係者が納得できる価格が合理的な価格であり、農業者の再生産を担保した価格水準となる保証はありません。関係者の交渉力、価格支配力に多分に左右される不確実性をはらんでおり、消費者の食品アクセスに配慮した価格とのバランスも求められることから、農家にとって厳しい価格で妥結せざるを得ない場合に対応した直接支払いの仕組みが不可欠です。 農業の持続的発展では、スマート農業技術の活用による担い手の育成を進めるとしますが、基幹的農業従事者はこれからの二十年でおよそ三十万人にまで激減すると見込まれ、特に、中山間地域を始めとした条件不利地では、通信網整備への対応も十分ではありません。”
“ただいま議題となっている政府原案に対しては反対、修正案に対しては賛成の立場から討論をいたします。 基本理念である食料安全保障の重要な要素である食料の安定供給のその供給能力は、海外への輸出を図ることによって維持することが強調されています。しかし、輸出は、原料の多くを海外に依存する加工食品がその大半を占めています。輸出先のニーズに対応した専用産地の基盤が不測時に転換できるといいますが、輸入大国である日本は、二〇〇〇年のWTO農業交渉日本提案において輸出の制限、禁止に反対しており、国内向けへの切替えが進むとは思えません。 海外で売れるものを優先した国内生産と、縮小する国内市場向けの多くは安定的な輸入で賄うという、従来の取組をなぞったものにすぎず、食料自給率の向上を通じた国内への安定供給、国内農業の発展という戦略は、残念ながら後退していると言わざるを得ません。”
“農村での振興という点で、生きがいづくり、仲間との交流の機会を何とか絶やさないように、きめ細かい支援をお願いして、質問を終わります。”
“施設整備の費用は県の補助に市町村の補助が上乗せされているところもあるんですけれども、自治体によっては支援には差がありますし、事業者の設備投資への負担というものはやはり生じています。事業を続けるか分からないと答えている方もいらっしゃるんですけれども、次の世代に引き継ぐためにも、法改正に当たっての国の責務として、事業者の費用負担を含めた負担軽減、自治体による後継者確保の取組への支援、積極的にこれは国の責務として行っていただきたいと思いますけれども、最後にお尋ねいたします。”
“雪国の保存食として重宝される、食文化として地域に深く根づいている漬物なんですが、法改正のきっかけとなった問題の浅漬けとは製造方法が根本的に違いますし、いぶりがっこによる食中毒の問題はこれまで確認されていないんですけれども、今回、一律の漬物製造業ということで、衛生基準を満たす施設整備が求められるようになりました。 改正法に対応する三年間の経過措置というものがいよいよ来月末で終了するわけなんですが、秋田県の調査では、直売所で漬物を販売する農家六百三十六人のうちの三割、およそ二百人が営業許可を取らずに事業を終えるというふうに回答しています。高齢化に伴う廃業という側面もありますけれども、今回の改正が多くの廃業を決断させる決定打になってしまっているという事実はあると思います。各農家、小規模生産でありながらも、その家々の伝統の味を求めて産直や道の駅に買い付けに来るという地域の方も多いんですが、一旦廃業してしまいますと、なりわいの継承というのは難しくなってしまいますし、それと結びついた農業生産、農村の活気も失われてしまうという懸念があります。”
“元々、食品の製造であったり、食べ物でなくても物づくりに携わっていた方とか、また、サービス業、お店をやっていた方が農村に移り住んで農業に関わるといった場合には六次産業化に取り組みやすいというケースもございますので、部局ごとの各事業の縦割りではなくて、しっかりこれは、結果として、同じ取組を行っているという事業者の結果にもつながることになると思いますから、横の連携を取りながら事業の後押しをしっかりしていただきたいというふうに思っております。 最後に、食品加工の中で、漬物製造に係る課題についてお伺いしたいと思います。 食品衛生法の改正に伴って、二〇二一年の六月から、漬物を製造して販売する場合には漬物製造の営業許可が求められるようになりました。 大臣の御地元の熊本で、冬場の冷たい風に大根をさらして作る寒漬けがあるのに対しまして、秋田では、外にさらせば大根が凍ってしまいますので、いろりの上につるしながらいぶして、ナラの木や桜の木を燃やして薫製にして、米ぬかで漬け込んで作るいぶりがっこというものがあります。”
“農業との、多様な農業体、経営体ですけれども、接点を持ちながら自分の趣味や強みなどを仕事とする半農半Xというのは非常に大事ですけれども、六次産業化ということの関係においては、政策の目的はそれぞれ異なるんですけれども、半農半XのXは、農村の外での収入というものが想定されていることが多いと思うんですが、関係人口を増やしながら農村のコミュニティーを維持していくということを考えれば、六次産業化を目指すということも一つの目標の形として、農村の内側からの発展を考えていくことが大切ではないかというふうに思っております。 今、副業的な経営体の農の暮らしが定着をして、それを発展させた形の一つとして六次産業化を位置づけしやすいというふうに思いますし、農地の保全やコミュニティーの活性化にもつなげることができるんじゃないかというふうに思っていますけれども、新規就農者が減る中で、場合によっては将来の担い手としても期待される、意欲を持って取り組む半農半Xにうまく橋渡しができるような、六次産業化につながるような支援が必要ではないかというふうに思いますが、この辺り、大臣のお考えを伺いたいと思います。”
“神谷委員とのやり取りでも聞いていましたけれども、将来的に、基幹的農業従事者が今のおよそ百二十万人から三十万人、四分の一にも減るという中で、いまだ抜本的な仕組みを変えずに担い手に担い手にというのであれば、私は、農村の集落というものが危機的な状況に陥っていくのを、見放していくしかないというような大臣の御答弁、事務方の御答弁であるというふうに思ってしまわざるを得ないと思います。 この集落協定というところと個別協定というところの仕組みを、やはり比率を含めてしっかりと見直していただきたいというふうに思っております。 時間がないので、次の問いに行くところですけれども、今年度末までに地域計画というのは策定されることになりますから、各自治体でこれは出てくるわけですから、早めに多様な農業者に対する支援措置というものを、具体的にはどういった支援ができるのかということは、しっかりと現場に周知をしていただきたいというふうに思っております。”
“個別協定というのは、そもそも、集落協定の圧倒的に例外的な取組として認められているものの中で、担い手だけで取り組める数というのは、今、現状においても非常に限りがございます。認定農業者以外でも、認定農業者に準ずる者ということで、地域の実情に応じて、今後の担い手として市町村の認定を受けた人ですけれども、これも調べると、個別協定というのはそもそも六百弱の協定、二〇二二年度でも相当少ないんですけれども、その中で、準ずる者というのはたったの十四件。非常にやはり担い手というところに対するハードルが高いわけですね。 基本法でも多様な農業者というものが位置づけられていますし、先般の農業経営基盤強化促進法でも、地域計画に位置づける主体として、効安経営体のほかに農業を担う者が加わりました。地域計画に多様な農業者が位置づけられることも想定されているんですが、こうした、市町村が認めた場合、自治体が認めた場合にこそ、個別協定に基づく交付対象としてしっかり支援をしていくべきではないか、これは認めてもいいんじゃないかというふうに思いますが、これはいかがでしょうか。”
“ただ、今回の基本法案では、効安経営の農家に加えて、中小の家族経営とか副業的な経営体、半農半Xあるいは自給的農家、これら多様な農業者が生産活動を通じて農地を維持するという主体として、今回、条文に書き込まれています。 人手が確保できずに共同活動自体が成り立つのが困難になっている、そういう集落に対しては、個別協定の対象を、従来の認定農業者や法人だけでなく、多様な農業人材を交付対象に加えて、積極的に支援をしていく必要があるというふうに思います。 大臣、御所見いかがでしょうか。”
“そして、これからの見通しとして、資料の2をお配りしているんですけれども、農村の集落が、人口九人以下の小規模集落となるところが、二〇五〇年には全集落のうちの一割を超えて、山間地域では三割を超えていく。これからの集落の農地面積が、三十万ヘクタールにこうした集落が及ぶとしています。 小規模集落にこれからなり得る、高齢化が半分を超えている集落の農地面積についても、これは七十万ヘクタールに達するということが見込まれています。 集落の戸数が九戸以下となれば、農地の保全など集落の活動の実施率が急激に下がると言われていますから、人口九人以下であれば当然戸数は九戸以下になるわけですから、こうした集落が機能不全に陥る可能性があります。 現状、この中山間直払いの交付対象が、集落などの農家が組織する団体が基本であります。これからも集落協定というのは多くの集落で柱になることは、これは前提でありますけれども、他方、個別農家への交付というのは、これまでかなり特例的なものとして制限されてきました。”
“六割という荒廃農地がやはり条件不利地で多いというところで、営農環境が特に厳しいところで、大型の機械がやはり入れにくい、除草や防除も本当に難しい、生産効率が上がりにくい、そうした難しいところで食料の供給基盤である農地を守りながら、耕地面積の四割、そして農業産出額の四割をこれまでも担ってきた、そんな農地の減少を食い止める経営体への支援というものが、私は食料安全保障の確保には不可欠だというふうに思います。 中山間地域等直接支払金は、これまで裁量性の高い交付金で、共同の集落活動が行えるようにして、農村の活性化、地域資源の保全に果たしてきた役割は非常に大きいというふうに思うんですけれども、やはり今現状を見ると、集落協定についていえば、制度が始まった二〇〇〇年の第一期からほぼ同じ方々が持ち上がりで、協定の参加者が高齢化をしています。四半世紀近くで協定の数、参加者の数、そして交付金の受給面積というのは、いずれも少しずつですけれども減ってきています。この協定数も減っていることから、集落の協定の広域化というのは、残念ながら、狙いとしてきたことは進んでいないというのが今の状況にあると思います。”
“平均以上にこれは面積が減少しています。そして、経営規模の大きい北海道を除く都府県で比べたときには、特に減少が進んでいるのが中間農業地域の九・五%、山間地域では一三・五%です。 耕作放棄地の統計が前回二〇一五年の調査を最後にして正確な数字、統計が取られていないというのは残念ですけれども、二〇二〇年の耕作放棄地の正確な数字はないんですが、担い手への集積が難しいところ、こうした条件不利地で耕地面積が大きく減って、耕作放棄がやはり特に進んでいると言えるのではないかというふうに思いますけれども、大臣、御認識はいかがでしょうか。”
“あくまで、目標を堅持するにしても、改善するべきこの集積に当たっての課題、また、この八割目標を設定する、これから改めて設定したにしても、それに向かうまでの、大臣おっしゃったように、立て方のプロセスはしっかりと見直していかなければならないというふうに思っておりますし、中山間地域では、神谷委員がおっしゃったように、やはり集積が進んでいないという現状が、この影響が表れているというふうに思います。 二〇一五年と二〇二〇年の農林業センサスの数字を比較したときに、担い手へのこれまでの集積、集約化、また法人化を進めてきたことで、一経営体当たりの耕地面積は確かに増えているんですけれども、配付している資料の1を御覧いただきたいんですけれども、国内全体の経営耕地の総面積というのは、二〇一五年が三百四十五万ヘクタールあったんですが、この五年後、二〇二〇年には三百二十三万ヘクタール。この五年間で二十二万ヘクタールの経営耕地が減りました。 全国の平均では六・三%という減少ですが、これは地域別に見ると、沖縄では二〇・八%、四国では一二・九%、中国地方で一二・二%、東海で一〇・一%。”
“高齢農家の減少を十分にカバーできずに、最近の基幹的農業従事者、今日の御議論もありますけれども、もう年間で最近では六万人から七万人減っているわけです。昨年が百十六万人、二〇三〇年には、このままのペースでいきますと、基幹的農業従事者自体がこの数字で八十六万人と書いてあったんですが、基幹的農業従事者自体が八十万人台になってしまう。相当な乖離があるというふうにやはり思いますので、その時点でも甘い試算であったと言わざるを得ないというふうに思います。 この集積も、やはり一律の目標設定ではない仕組みにするべきである。この取組の難しさを考えて、栽培とか地域類型別に基づいて集積目標を設定したりとか、あるいは、担い手がそこにいないのであれば、担い手に準ずるような経営体に集積ができないか、そのような仕組みを取れるような支援をしていくべきであるということを、私は委員会でも議論を大分前からさせていただいたんですけれども、なかなかそれが改善されないままここまで来たというふうに思っております。”
“これは現行の基本計画の際ですけれども、五年前の時点でも、調べますと、これが八十六万人じゃなくて九十万人だったんですよね。ですから、どんどん減らしているんですけれども、それでも見通しがやはり甘いというふうに思います。もう一段、低い数字というのを低い担い手で支えていかなければならない、少ない数でしっかり支えていかなければならないという現実が迫っていたということを、やはり重くこれを反省をして、受け止めて次に向かわなければならないというふうに思っています。 個人、法人問わず、新規就農者の確保がこれは必要ですけれども、減少幅が拡大をし続ける理由の一つは、やはり新規の就農がなかなか進んでいないということが一つあると思います。次世代人材投資事業だったりとか農の雇用事業も新規就農の後押しになってきたわけですけれども、毎年これは採択の人数が漸減していますし、将来の担い手として期待される四十歳以下、特に若い就農というのは二万人台をいよいよ割り込んできている。一万八千人台とかになっているような状況です。”
“八割目標という数字自体は、これは堅持をしていくということだと思いますが、これまで八割という目標を設定をするという状況において影響を受けている数字というものにちょっと触れたいと思うんです。 お配りしている資料の3なんですが、現行の基本計画の策定の際に示されている二〇三〇年の農業就業者の数のイメージです。四年前に展望として示されていたのは、この上の方の八十六万人の担い手や主業の経営体ということなんですけれども、これはあくまでも、書かれているように、農地の八割を担うことになるという前提での数字です。 これは、実際には集積率がやはり頭打ちで、全国では八割、各都道府県では八割に到底達しないというところが現実的であるというふうに思いますけれども、そのような状況であれば、これは八十六万人ではなくて、主要な農業の支え手というのは、集積が進まない中ではもっと必要になるというふうに思います。見通しはやはりこの時点で甘かったのではないかというふうに思わざるを得ないところですが、この辺り、大臣の御認識を伺いたいと思います。”
“地域類型で見ても、南関東のように都市的な地域が主体であったり、北陸や東北、九州のように平地や中間地域が多かったり、あるいは、中国や四国のように中山間地域が大半を占めていたりと。また、作付についても、比較的大規模化を進めやすい水田地帯に対して、一方、果樹の産地であったり、都市近郊の地域では、大きな担い手への集積というのはやはり進みにくいといった地域の事情があります。 この取り組みやすさが違う中で、一律に八割というのは、やはりこれは地域によっては相当な高いハードルだというふうに思います。もちろん達成しているところはあるんですけれども、達成していないところが大半です。 この二二年度の一年間の実績で見ても、ここ最近は集積した面積は一・四万ヘクタール。つまり、年間の目標面積の九%に足らない状況なんです。ほぼ頭打ちという状況の中で、ここから更に二割を引き上げるというのは、現実としてかなりこれは難しいんじゃないかなというふうに、やはり実感としては感じてしまいます。目標の見直しであったり、あるいは取組の軌道修正がやはり今この節目で求められているというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。”
“これまで、荒廃農地を未然に防ぐということを主眼として農地の集積また農地の集約化を図って、まとまった農地で、なるべく一枚にして効率性を高めて生産性を高める、生産拡大を図るということ自体は否定するものではありませんけれども、数字として、今事務方から御答弁いただきましたように、バンクがつくられての集積率が五〇・三%から十年で、二〇二二年度で一〇%弱、九・二%という伸びに、これは九年間ですから、とどまっているわけです。六割弱という数字、九ポイントで、今からあと五、六年でこれを今まで以上の、倍以上の割合で高めていかなきゃならない、それが八割という目標であると思います。 大臣から御答弁いただきました、相対で、地域内で顔の見える関係に、これは、安心感を感じて農地を貸している所有者もやはり多いわけであります。地域内で担い手以外への農地の貸し借りが行われてきたことももちろんあります。 そして、そもそも都道府県によって担い手の数にやはり大きな差があります。”
“皆さん、お疲れさまです。 食料安全保障の確保が、この基本法案の重要な基本理念の一つに位置づけられています。その上で、重要な食料供給基盤である農地、その集積について、私からも初めにお尋ねをしたいというふうに思っております。 担い手に集積させるという目的で農地バンクがつくられてから十年になります。先月末、二三年度までに担い手への農地集積を八割にするという政策目標を掲げて長らく取り組んでこられたところですけれども、まずはその達成状況についてお伺いしたいと思います。”