國重徹
中道改革連合・無所属 · Japan
“私たち中道改革連合は、憲法九条一項、二項を将来にわたって堅持します。その上で、積極的な対話と外交努力を尽くすとともに、憲法の専守防衛の範囲内で防衛力を着実に整備し、日米同盟を基軸とした抑止力、対処力を強化していく。これこそが、国民の命と安全、日本の平和を守り、国際社会からの信頼をより確かなものにする道である、そう私たちは考えています。 これに対し、憲法九条二項を削除して、他国の防衛それ自体を目的とする全面的な集団的自衛権を認めなければ我が国を守れないという意見があります。 しかし、私たちはそのような立場には立ちません。 憲法九条は、自衛のための必要最小限度の実力行使を否定するものではありません。さらに、二〇一五年に成立した平和安全法制によって、例えば、日本海の公海上で日本…”
“どの程度広い地域で、どの程度の期間、選挙の実施が困難なのか、要件を厳格に、そして具体的に定めなければなりません。 これについて、中道改革連合は、例えば憲法五十六条一項の趣旨を手がかりに、どの程度の議員が選出されれば安定的に定足数を満たし国会の機能を維持できるのか、こういった観点から、要件を具体化する新たな提案をこの審査会でさせていただきました。憲法全体の整合性を踏まえ、濫用を防ぐ要件を具体的に詰めていく、これこそ、私たち中道が実践する、国民のための責任ある憲法論議の一つの形であります。 今国会では、緊急事態条項に関するイメージ案が示され、これまでの議論が可視化されるとともに、論点が一定程度整理をされました。同時に、多くの課題が残されていることも明らかになりました。こうした…”
“我が国を守るための法制度は既に整っていると言えます。九条二項を削除しなければ我が国を守れない、そんな状況にはありません。 憲法の平和主義と国際協調主義に基づいて、我が国は専守防衛や非核三原則を堅持し、国際社会の平和と安定に貢献してきました。その積み重ねが、外交上の発言力や各国との連携を支える力にもなっています。平和国家としての信頼、これは日本の安全保障を支える重要な基盤です。この信頼の土台を自ら損なうようなことがあってはなりません。 一方で、自衛隊は我が国最大の実力組織です。だからこそ、自衛隊に対する民主的な統制をどう確保していくのか。例えば、憲法七十三条の内閣の職務権限に自衛隊に対する民主的な統制を書き込むことも考えられます。 こうした自衛隊の憲法上の位置づけを検討する…”
“中道改革連合の國重徹です。 憲法審査会で議論が始まってから約十五年、NHKで中継されるのは今日が初めてです。 そこで、本日は、私たち中道改革連合がどのような姿勢で憲法に向き合っているのか、そして、今国会で集中的に議論がされた憲法九条や緊急事態条項を中心に、私たちの考えを国民の皆さんにお伝えしたいと思います。 私たちの基本姿勢は明確です。立憲主義を政治の土台とし、権力の濫用を防ぎ、個人の尊厳や国民の権利を守る。憲法は、権力を持つ側の都合のためではなく、国民の権利と自由を守るためにある。これに尽きます。 私たちは、改憲それ自体を目的とする立場には立ちません。現行憲法を固定的に捉え、時代や社会の変化に伴う新たな課題に目を閉ざす立場にもくみしません。一九四七年の憲法施行時には想定…”
“大災害を始めいかなる緊急事態にあっても、政府の独走を監視し、必要な法律と予算を成立させる国会の機能を維持しなければなりません。その上で、大災害などの緊急事態によって国政選挙が長期間できなくなった場合に選挙を一定期間延期し、その間、国会議員の任期も延長できるようにすべきかどうか。国会議員の任期の延長は憲法改正でしか実現できませんので、これが議論の焦点になっています。 大前提として、選挙権は国民の皆さんの極めて重要な憲法上の権利であり、国民主権の核心です。だからこそ、まずは、憲法が定める期間内にきちんと選挙ができるよう、あらゆる環境整備に力を尽くしていく。さらに、参議院の緊急集会などの現行制度も最大限に活用していく。それでもなお国会機能に空白が生じるのであれば、それを埋める最…”
“フェイクニュースや不透明な広告によって国民の判断がゆがめられ、民主主義の基盤が損なわれるようなことがあってはなりません。 ネットの適正利用や国民投票運動の資金規制、ネットCM等の在り方については、既に国民投票法やその附帯決議で速やかな検討が求められています。国民投票の公正さを支えるルール、これが不十分なままでは、どんな憲法論議も砂上の楼閣にすぎません。その課題の解決に向けた議論を今後優先的に行うべきであります。 今国会では、特定の改憲テーマに絞った議論が多く行われました。その一方、国会の運営や政府の対応は憲法の理念に基づいたものと言えるのか、憲法で保障された国民の権利が現実社会の中でしっかりと守られているのか、こうした重要な憲法テーマがなおざりにされていた面は否めません。…”
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“改憲ありきでも、護憲を唱えるだけでもない、我々中道改革連合はこれからも国民の皆さんの権利と日本の未来を守るための憲法論議を責任を持って進めていくことをお約束し、私の意見表明といたします。”
“フェイクニュースや不透明な広告によって国民の判断がゆがめられ、民主主義の基盤が損なわれるようなことがあってはなりません。 ネットの適正利用や国民投票運動の資金規制、ネットCM等の在り方については、既に国民投票法やその附帯決議で速やかな検討が求められています。国民投票の公正さを支えるルール、これが不十分なままでは、どんな憲法論議も砂上の楼閣にすぎません。その課題の解決に向けた議論を今後優先的に行うべきであります。 今国会では、特定の改憲テーマに絞った議論が多く行われました。その一方、国会の運営や政府の対応は憲法の理念に基づいたものと言えるのか、憲法で保障された国民の権利が現実社会の中でしっかりと守られているのか、こうした重要な憲法テーマがなおざりにされていた面は否めません。 国会を公正に運営し、政府を謙虚に機能させる、これは与党自民党が自らの綱領に掲げた国民への約束です。私たちも全く同じ思いであります。こうしたテーマを、立法府の矜持を持って、時宜に応じてこの審査会で議論していくべきと考えます。”
“しかし、数は正義でも良識でもありません。 こうした今国会の状況を踏まえれば、政府・与党の活動を監視する野党の役割はますます重要になっています。その野党の行政監視機能を弱めること、これは国民の知る権利と政治を正す力を弱めることにもつながります。 緊急時の国会機能も確かに重要です。しかし、国民生活により広く関わる平時においてこそ、国民の代表機関である国会がその機能をしっかりと発揮できるようにしていく。そのための議論は、国民のための憲法論議として、より優先して取り組むべき重要な課題であります。 特に、国会議員による臨時国会の召集要求に内閣が速やかに応じない問題、また、内閣による余りにも恣意的な解散権の行使については大きな課題があります。こうしたテーマについて臨時国会以降集中的に議論することを改めて提案いたします。 次に、憲法改正のルールである国民投票法についてです。 今や、潤沢な資金とAI、SNSを駆使すれば、世論を動かし、選挙や国民投票の結果にまで影響を与えられる時代になりました。”
“どの程度広い地域で、どの程度の期間、選挙の実施が困難なのか、要件を厳格に、そして具体的に定めなければなりません。 これについて、中道改革連合は、例えば憲法五十六条一項の趣旨を手がかりに、どの程度の議員が選出されれば安定的に定足数を満たし国会の機能を維持できるのか、こういった観点から、要件を具体化する新たな提案をこの審査会でさせていただきました。憲法全体の整合性を踏まえ、濫用を防ぐ要件を具体的に詰めていく、これこそ、私たち中道が実践する、国民のための責任ある憲法論議の一つの形であります。 今国会では、緊急事態条項に関するイメージ案が示され、これまでの議論が可視化されるとともに、論点が一定程度整理をされました。同時に、多くの課題が残されていることも明らかになりました。こうした論点を丁寧に詰め、国民の皆さんに分かりやすくお伝えする工夫も必要になってくると考えています。 平時の国会機能について申し上げます。 今国会の衆議院では、与党が、圧倒的な議席数を背景に、委員長職権による極めて強引な国会運営を行う場面が目立ちました。選挙の結果は民意です。そして数は力です。”
“大災害を始めいかなる緊急事態にあっても、政府の独走を監視し、必要な法律と予算を成立させる国会の機能を維持しなければなりません。その上で、大災害などの緊急事態によって国政選挙が長期間できなくなった場合に選挙を一定期間延期し、その間、国会議員の任期も延長できるようにすべきかどうか。国会議員の任期の延長は憲法改正でしか実現できませんので、これが議論の焦点になっています。 大前提として、選挙権は国民の皆さんの極めて重要な憲法上の権利であり、国民主権の核心です。だからこそ、まずは、憲法が定める期間内にきちんと選挙ができるよう、あらゆる環境整備に力を尽くしていく。さらに、参議院の緊急集会などの現行制度も最大限に活用していく。それでもなお国会機能に空白が生じるのであれば、それを埋める最後の手段として議員任期の特例を検討する。憲法改正に係る議論をする際には、こうした順を追った慎重な検討が大切になります。 その上で、この特例が時の権力によって濫用され、政権の延命や議員の保身に使われるようなことがあってはいけません。”
“我が国を守るための法制度は既に整っていると言えます。九条二項を削除しなければ我が国を守れない、そんな状況にはありません。 憲法の平和主義と国際協調主義に基づいて、我が国は専守防衛や非核三原則を堅持し、国際社会の平和と安定に貢献してきました。その積み重ねが、外交上の発言力や各国との連携を支える力にもなっています。平和国家としての信頼、これは日本の安全保障を支える重要な基盤です。この信頼の土台を自ら損なうようなことがあってはなりません。 一方で、自衛隊は我が国最大の実力組織です。だからこそ、自衛隊に対する民主的な統制をどう確保していくのか。例えば、憲法七十三条の内閣の職務権限に自衛隊に対する民主的な統制を書き込むことも考えられます。 こうした自衛隊の憲法上の位置づけを検討することは、権力の行使を統制するという立憲主義の観点から重要です。その際、長年にわたる国会での議論を通じて緻密に積み上げられてきた九条の解釈、これを変えないよう慎重に議論を深めていきたいと思っています。 次に、この憲法審査会でここ数年最も議論されているのが緊急事態条項です。”
“私たち中道改革連合は、憲法九条一項、二項を将来にわたって堅持します。その上で、積極的な対話と外交努力を尽くすとともに、憲法の専守防衛の範囲内で防衛力を着実に整備し、日米同盟を基軸とした抑止力、対処力を強化していく。これこそが、国民の命と安全、日本の平和を守り、国際社会からの信頼をより確かなものにする道である、そう私たちは考えています。 これに対し、憲法九条二項を削除して、他国の防衛それ自体を目的とする全面的な集団的自衛権を認めなければ我が国を守れないという意見があります。 しかし、私たちはそのような立場には立ちません。 憲法九条は、自衛のための必要最小限度の実力行使を否定するものではありません。さらに、二〇一五年に成立した平和安全法制によって、例えば、日本海の公海上で日本を防衛するためにパトロールをしているアメリカの艦船に武力攻撃があった場合、それによって日本の存立が脅かされ、国民の生命や自由が根底から覆される明白な危険があるのであれば、自衛隊がアメリカの艦船を守るために武力を行使することも認められています。これによって、日米同盟の信頼性が向上し、抑止力が強化されました。”
“中道改革連合の國重徹です。 憲法審査会で議論が始まってから約十五年、NHKで中継されるのは今日が初めてです。 そこで、本日は、私たち中道改革連合がどのような姿勢で憲法に向き合っているのか、そして、今国会で集中的に議論がされた憲法九条や緊急事態条項を中心に、私たちの考えを国民の皆さんにお伝えしたいと思います。 私たちの基本姿勢は明確です。立憲主義を政治の土台とし、権力の濫用を防ぎ、個人の尊厳や国民の権利を守る。憲法は、権力を持つ側の都合のためではなく、国民の権利と自由を守るためにある。これに尽きます。 私たちは、改憲それ自体を目的とする立場には立ちません。現行憲法を固定的に捉え、時代や社会の変化に伴う新たな課題に目を閉ざす立場にもくみしません。一九四七年の憲法施行時には想定されていなかった課題が明らかとなり、憲法改正が必要と認められる場合には、その内容を真摯に検討していきます。その際の判断基準、それは、国民の権利と民主主義をより確かに守れるのかどうかという点にあります。 国民の皆さんの関心が高い憲法九条について申し上げます。”
“いずれにしても、結論ありきではなく、国民生活に直結する問題として真摯に議論することが重要です。 人口減少社会において、地方自治をどう持続可能なものにするのか。自治体の疲弊を踏まえればこれは喫緊の課題であることを申し上げ、私の発言といたします。”
“これらの憲法上の論点について考える上で、前提として重要になるのは、地方自治はどうあるべきか、国と地方の関係をどう設計するのかという視点です。 一方では、国の関与をできるだけ少なくし、自治体の多様性や独自性を発揮する基盤の強化を目指すという方向が考えられます。他方で、どこに住んでいても一定水準の行政サービスを受けられるよう、地方自治を毀損しない範囲で一定程度国が関与し、平等性を確保するという方向性もあり得ます。地方の多様性と全国的な平等性のバランスをどのように考えるのか。これは国の形に係る大きな議論になります。 その上で、地方自治のあるべき姿を実現するために、これまで同様、憲法附属法などの法律改正で対応するのか、それとも憲法改正まで必要なのか、順序立てて検討すべきです。 この点、憲法改正の必要性については、法律改正では足りない場合に限って憲法改正を行うべきだという考え方もあれば、地方の厳しい現状を踏まえ、法律の規定を憲法に格上げし、地方自治のあるべき姿を憲法に明記すべきだという考え方もあります。”
“そこで、これらの内容をどの程度憲法上明確化する必要があるかという論点があります。 第二に、国と自治体の役割分担についてです。 地方自治の本旨の三つ目の内容ともされる補完性の原則、すなわち、公的な役割は原則として住民に最も身近な市町村などの自治体が優先的に担い、それだけでは対応が難しいものや広域的、全国的に処理すべきものを都道府県や国が補うという考え方を憲法上規定する必要があるのかどうかが論点になります。 第三に、自治体の組織の在り方です。 首長と議会議員の双方を住民が選ぶ二元代表制、また基礎自治体と広域自治体の二層制という在り方を、人口減少や都市集中といった現代の課題を踏まえてどう考えるか。これは特別区や特別市の議論とも関わる問題です。 第四に、自治体の権能、すなわち条例制定権の在り方を再検討する必要があるか、また課税自主権を明記する必要があるかという論点です。 課税自主権については、基本的な行政需要を満たすための財政基盤を確保するため、自治体間の財政調整制度や国による財政上の措置の在り方なども検討する必要があります。”
“そこで、二〇〇一年に地方分権推進委員会が取りまとめた最終報告で課題の一つとされていた地方財政秩序の再構築について、小泉政権の下、補助金、地方交付税、税源移譲を一体で見直す三位一体改革が行われました。 ところが、この改革の結果、二〇〇四年の予算における地方交付税等は約三兆円もの大幅な削減がなされ、予算が組めなくなるとの衝撃が自治体関係者に広がりました。 その後、第二次地方分権改革を経て、法令による義務づけ、枠づけの見直しや、事務、権限の移譲は進められていますが、人口減少、地方の過疎化、担い手不足も重なり、現在の自治体にはもはや二〇〇〇年当時のような熱気はなく、疲弊を極めている地方自治の現場は少なくありません。 そのような地方の現状を踏まえ、憲法の地方自治に関する規定は十分に対応できているのか、こうした観点から、次のような憲法上の論点が指摘されています。 まず第一に、地方自治の指導理念である地方自治の本旨についてです。 地方自治の本旨から導かれる住民自治と団体自治については、その具体的な内容が憲法に明記されているわけではなく、多くが解釈や法律に委ねられてきました。”
“しかし、地方自治について定める憲法第八章は、規律密度がとりわけ低く、僅か四か条しかありません。そのため、憲法改正ではなく、憲法附属法とされる地方自治法の改正によって改革が実現されました。 なお、この地方自治法は、規律密度の低い憲法に対し、自治体の箸の上げ下ろしまで縛っていると評されるほどに詳細な規定を置く法律となっています。 このような制度上の大転換が実現した二〇〇〇年当時、これからは地方の時代だと言われ、改革派知事も相次ぎ誕生し、地方自治の現場には大きな希望が満ちあふれていました。 他方で、地方は財政上の課題を抱えていました。当時、我が国の地方財政は三割自治と呼ばれ、地方税は自治体の歳入の三割ほどしかないほど脆弱でした。国と自治体の事務事業の割合が四対六であるのに対し、その財源となる国税と地方税の配分割合は六対四と逆転。自治体は、多くの仕事を担いながら、常に財源が不足し、国の補助金や地方交付税に頼らざるを得ない状況でした。権限だけを移しても、財源と人材が伴わなければ現実の改革は成し遂げられません。”
“中道改革連合の國重徹です。 本日は、地方自治について意見を申し上げます。 地方自治を考える上で確認すべき転換点、それは、国と自治体の関係性を大きく変えた二〇〇〇年の第一次地方分権改革です。一九八〇年代の行政改革、一九九〇年代の政治改革の流れを受け、地方分権は国政の重要課題となりました。一九九五年には地方分権推進法が制定され、この議論が第一次地方分権改革として結実しました。 この改革の核心となったのは、機関委任事務の廃止です。国の事務を知事や市町村長に処理させるこの仕組みにおいて、国と知事、市町村長は上下の関係に位置づけられていました。機関委任事務は自治体の事務ではなく国の事務と整理されていたことから、その事務について、自治体が条例で独自に定めることもできませんでした。この機関委任事務は、都道府県の事務の七、八割、市町村の事務の三、四割を占めていたと言われています。 そこで、第一次地方分権改革によってこの仕組みを廃止し、国と地方の関係を、上意下達から対等協力へと位置づけ直しました。これは国の形に係る大きな改革で、諸外国であれば憲法改正により実施されたであろう内容です。”
“その権限行使の正当性は、参議院議員もまた、特定地域の意思や利益に法的に拘束された代表ではなく、全国民を代表する国会議員として選ばれているという憲法上の理解によって基礎づけられていると考えます。仮に、参議院を憲法上、都道府県代表としての性格をより強く帯びる院として再構成するのであれば、統治機構の根幹に関わる緊急集会における権限などについても併せて検討しなければなりません。 以上述べたとおり、合区の解消は重要な課題ですが、その前提として、まずは参議院の選挙制度を検討する必要があります。その上で、その検討に当たっては、投票価値の平等や二院制、両院の役割分担に加え、参議院の権限と組織の相関関係、さらには緊急集会の在り方といった憲法上の重要な論点について体系的に議論を深める必要があることを申し上げ、本日の私の発言といたします。”
“こうした問題意識は、東京大学の宍戸常寿教授が論文「「憲法改革」としての立法プロセスへの地方の参画」において、参議院を地方の府として位置づけることは、両院制の改革として一つの合理性ある提案である、ただし、都道府県選挙区制を維持しさえすればよいというものではなくて、参議院の権限や意思決定手続の見直しとセットでなければ首尾一貫したものとは言えず、投票価値の平等を後退させるだけの合理性もないと述べられていることと軌を一にします。 また、最高裁判決では、参議院の役割が増大していること、衆議院と参議院が同質的な選挙制度となっていることが指摘されています。 こうした最高裁の指摘も踏まえると、権限と組織の相関関係は、今後の議論において十分に考慮しなければならない重要な論点であると私は考えます。 さらに、参議院の選挙制度の在り方は、参議院の緊急集会とも関わります。衆議院が解散されている間、国に緊急の必要があるときに参議院の緊急集会が開かれるのは、参議院が暫定的に国会機能を補完するためです。”
“上田教授は、本年四月二十二日の参議院憲法審査会において、大石眞教授がつとに指摘されるとおり、権限と組織は相関関係にあると考えられますと述べられた上で、二院制を取る欧州諸国、イタリアの元老院やイギリスの貴族院、さらにフランスの元老院などの例を取り上げ、両院の権限が対等であれば、第二院の民主的正統性、すなわち投票価値の平等は強く求められ、非対等であるならば、この要請はかなり弱まるということです、この論理は普遍的なものであり、日本でも妥当すると考えますと発言されています。 その上で、上田教授は、我が国においても、参議院が今後法案等の決定案件に際し衆議院の判断に譲歩するような運用を取るならば、自制を取るならば、投票価値の平等の要請は弱まるのではないかと指摘されています。 さらに、地域代表という要素を持ち込めば、権限を弱めなくても投票価値の平等の要請は弱まるという考えについて一言申し上げますと切り出された上で、日本における現状の都道府県の権限、国との関係を前提にする限り、投票価値の平等の要請が弱まるというのは難しいと考えますとも述べられています。”
“同じ令和五年十月十八日の大法廷判決において、最高裁も、憲法が二院制を採用し衆議院と参議院の権限及び議員の任期等に差異を設けている趣旨は、それぞれの議院に特色のある機能を発揮させることによって、国会を公正かつ効果的に国民を代表する機関たらしめようとするところにあると解されると指摘しています。二院制を採用した趣旨に鑑みて、衆議院と参議院の役割分担をどのように考えるか、また、その役割分担を踏まえて、それぞれの院に期待されている役割を最大化するためにはどのような選挙制度が望ましいのかという議論が必要です。 この検討における重要な論点として、上智大学の上田健介教授の、権限と組織の相関関係についての指摘を紹介したいと思います。”
“現在の選挙制度を前提とするのではなく、まずは、参議院の選挙制度についてどのような制度が望ましいのか、そのあるべき姿についての議論の積み重ねが合区解消に向けた出発点になります。その検討を踏まえた上で、あるべき姿を実現するための手段として、法律改正で対応できるのか、それとも憲法改正が必要なのかが次に検討されることになります。 そして、参議院の選挙制度の在り方を検討するに当たって重要になるのは、投票価値の平等の実現をいかに図るかということです。もっとも、最高裁は、令和五年十月十八日の大法廷判決において、投票価値の平等は、選挙制度の仕組みを決定する唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮することができる他の政策目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものと述べています。このように、投票価値の平等は、他の考慮要素との調和の中で実現していくべきものであります。 そのような考慮要素の一つが二院制です。”
“中道改革連合の國重徹です。 本日は、参議院の選挙制度における合区問題への対応について意見を申し上げます。 二〇一五年の公職選挙法改正により、翌二〇一六年の参議院選挙から、鳥取、島根の合区と徳島、高知の合区が導入されました。この合区制度については、対象県の方々から自分たちの県から直接代表を送り出せないことへの不満や懸念の声が上がってきたことなどを背景に、特に参議院において熱心な議論がなされてきました。 こうした中で、多様な民意、とりわけ地方の声を国政に反映させるべきといった観点から、多くの会派が合区は解消すべきと主張されていると承知しています。また、全国的な一票の格差解消を行うに当たり、特定の一部人口少数県にそのしわ寄せをもたらしている点を重大な問題とする指摘もあります。 選挙権は極めて重要な憲法上の権利であり、その実効的な行使は国民主権の核心です。このような観点から、合区解消に向けた議論は必要です。 しかし、合区解消に向け直ちに憲法改正の議論をすべきかといえば、そうではありません。”
“もっとも、この議論において、一点留意しなければならないことがあります。それは、仮に憲法に自衛隊を書き込んだ場合に、意図しない結果として現行憲法の解釈が変わることとなってはならないという点です。 現行の九条や自衛隊に関する解釈は、長年にわたる国会での議論を通じて緻密に積み上げられてきたもので、まさに政府と国会の共同作業の成果にほかなりません。私たちはこの連綿と積み重ねられてきた解釈を今後とも維持すべきであり、仮に憲法の文言を改正する場合であっても、その解釈に変容をもたらすようなことがあってはならないと考えます。憲法改正論議に当たっては、この点を慎重に検討する必要があります。 憲法九条は国民にとって非常に関心の高い憲法テーマです。だからこそ、本審査会において議論を深めていくことが重要です。同時に、九条は我が国の平和国家としての歩みそのものに関わる重要な条文です。議論に当たっては、いたずらに国論を二分することにならないよう十分な慎重さと丁寧さが求められます。そのことを最後に申し述べ、私の発言といたします。”
“したがって、九条二項を削除してフルスペックの集団的自衛権の行使を認める必要はありません。我が国は、平和国家としての基本姿勢を今後も貫き、これまで国際社会から得てきた信頼の上に更なる貢献を果たしていくべきと考えます。 次に、いわゆる自衛隊明記論について申し上げます。 まず、現状では、多くの国民が現在の自衛隊の活動を理解し、支持しています。自衛隊の存在を違憲であると考える国民はほとんどいないものと思われます。また憲法学者の間でも、自衛隊の存在自体を違憲だと捉えている学者はもはやごく一部にとどまるのではないでしょうか。このような現状に鑑みると、自衛隊違憲論の解消だけを目的とした、自衛隊明記のための憲法改正は不要と言わざるを得ません。 一方で、自衛隊は我が国最大の実力組織です。だからこそ、その憲法上の位置づけやシビリアンコントロールの在り方について、国会での議論を踏まえ、憲法改正論議を深化させることには立憲主義の観点から意義があります。その旨は我が党の基本政策にも掲げているところであり、党内でも鋭意議論を重ねているところです。”
“また、国連の平和活動への参加などを通じて国際社会の平和と安定にも積極的に寄与してきました。このような徹底した平和主義、専守防衛の立場に立った国際貢献は諸外国から高く評価されております。 その積み重ねは、我が国に対する国際社会からの信頼を確固たるものにし、外交上の発言力やプレゼンスを向上させるとともに、各国との連携や効果的な情報収集を支える力にもなっています。つまり、平和国家としての信頼は、単なる理念上の価値にとどまりません、我が国の国益を守り、平和と安全を確保する上で極めて重要な安全保障上の基盤となっています。 もとより、激変する安全保障環境の現実から目を背けることはできません。我が国の平和と安全を守るためには、積極的な対話と外交努力を尽くすとともに、憲法の専守防衛の範囲内で防衛力を着実に整備し、日米同盟を基軸とした抑止力、対処力を強化していくことが必要です。外交努力と防衛力整備、この二つは車の両輪として進めていくべきものであります。そして、これらは九条一項、二項を維持したまま十分に行うことができます。”
“憲法九条に関する確立した政府解釈において、九条二項は我が国固有の自衛権まで否定するものではありません。自衛のための必要最小限度の実力を行使することは認められています。 そして、二〇一五年に成立した平和安全法制では、例えば、日本海の公海上で我が国防衛のため警戒監視活動を行っている米艦船に対し外部から武力攻撃があった場合には、新三要件の下で、自衛隊がこれを排除するために武力を行使することも認められます。これにより、我が国防衛の基軸である日米同盟の信頼性と抑止力は強化されました。 このような存立危機事態における自国防衛のための自衛の措置を始め、重要影響事態における後方支援活動、グレーゾーン事態への対処、他国軍隊への武器等防護など、平時から有事に至るまで切れ目のない安全保障体制が幅広く整備されています。つまり、現状において、既に我が国の防衛のために必要な法整備はなされていると言えます。 さらに、我が国はこれまで、九条一項、二項に具現化された憲法の平和主義や国際協調主義の精神に基づき、専守防衛や非核三原則を堅持してきました。”
“中道改革連合の國重徹です。 我が党の憲法九条に関する基本的な考え方を申し上げます。 まず、私たち中道改革連合は、憲法九条一項、二項を将来にわたって堅持します。日本国憲法の三大原理である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義は、今後もゆるがせにしてはならない普遍の原理です。 とりわけ、我が国の憲法の最大の特徴とも言われる徹底した平和主義、これは平和国家日本の根本原則として極めて重要な意義を持ちます。この徹底した平和主義を体現した九条一項、二項を堅持しつつ、現実の安全保障環境に的確に対応していく、これこそが、我が国の平和と安全を守り、国際社会からの信頼を確かなものにする道である、そう私たちは考えています。 現在、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しく複雑な状況にあります。このような状況を踏まえ、戦力の不保持、交戦権の否認を定める九条二項を削除し、フルスペックの集団的自衛権の行使を認めなければ我が国を守れないという意見があります。いわゆる九条二項削除論です。 しかし、私たち中道改革連合はそのような立場には立ちません。”
“ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 国は、速やかに、次に掲げる事項について検討を加え、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。 一 投票人の投票に係る環境を整備するため必要な事項 二 国民投票の公平及び公正を確保するための次に掲げる事項その他必要な事項 1 国民投票運動等のための広告放送及びインターネット等を利用する方法による有料広告の制限 2 国民投票運動等の資金に係る規制 3 国民投票に関するインターネット等の適正な利用の確保を図るための方策 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。”
“先週の審査会では、平時の国会機能維持に関する臨時会の召集期限や解散権行使の在り方及びその制限を議論することについても、日本維新の会、国民民主党から前向きな御発言をいただきました。これらは国会機能維持の点で共通するテーマです。 仮に、新たな制度を憲法上設けるにしても、設けないにしても、問うべきは同じ、国民の権利を守るために権力をどう縛るのかです。その仕組みを憲法上あるいは法律上可能な限り明確にしていくことが、立憲主義の要請です。その問いに正面から向き合い、国民のための真摯な憲法論議を積み重ねていく決意を申し述べ、本日の意見表明といたします。”
“そのため、相当程度長期間とされている長期性要件を深掘りするに当たっては、議院内閣制の趣旨に照らしてどの程度の期間であれば暫定的な内閣の職務継続を憲法上許容できるのかという観点からの議論も重要です。 以上は要件そのものの問題ですが、その要件をどのような手続で認定、承認するのかも重要です。 例えば、武力攻撃事態では、選挙困難事態の認定に必要な情報が、作戦情報や同盟国との機密情報と不可分に絡み合う可能性があります。公開情報による通常の国会審議を原則としつつ、機密情報については、情報監視審査会の仕組みを参考にしつつ、限定的な秘密審査手続を設けることも一つの方向性として考えられます。 しかし、機密を理由に情報提出が過度に制限されれば、国会の実質的な検証ができず、国会の承認は内閣の判断を単に追認するだけのものになりかねません。こういった点も議論を深める必要があります。 イメージ案が示されたことは、これまでの議論を可視化する点で意義のあることですが、本日申し上げたとおり、それぞれの論点を詰め切るには更なる議論が必要です。”
“前者は在任要件とされ、後者は内閣の構成上の要件を定めたものとされています。 これまでの内閣の構成を踏まえると、衆議院が解散された場合には、通常、これらの要件を欠くことになります。もっとも、この場合にも、内閣は、憲法七十一条により例外的に、次の内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行うこととされています。この職務継続が憲法上認められているのは、解散後四十日以内に総選挙が行われ、その後三十日以内に召集される特別会において新たな内閣総理大臣が指名されるという時間的枠組みがあるからです。 つまり、このような一時的な職務継続は、あくまで、七十日程度の間に総選挙が実施され、新たな内閣が構成されることを前提とした、暫定的な仕組みと言えないでしょうか。 したがって、その状態が長期化すれば、憲法六十七条、六十八条が予定する議院内閣制の仕組み、すなわち、内閣が国会との結びつきの中で民主的正統性を確保するという構造との関係で、内閣の正統性に深刻な問題が生じます。”
“この趣旨を踏まえ、どの程度の議員が選出されれば安定的に定足数を満たし国会の機能を維持できるかを検討することが、条文に根拠を持つ客観的基準を考える上で重要な視点になるのではないでしょうか。 もっとも、具体的な数値基準をどう置くかは、慎重な検討を要します。ここで申し上げたいのは、広範性要件を単なる地域的な広がりとして捉えるのではなく、こうした機能的な観点からも検討する必要があるのではないかということです。 このように、憲法五十六条一項を手がかりに広範性要件を構成することは、認定の恣意性を抑制する上でも重要な検討軸になり得ます。従来の選挙の一体性論と併せて、この視点からの議論を深めることを提案いたします。 次に、長期性要件について、イメージ案では相当程度長期間としていますが、その憲法的な根拠は何か。判断の軸がないまま政治判断に委ねることは、立憲主義の観点から問題があります。 ここでも、憲法の条文を手がかりに考えてみたいと思います。 憲法六十七条一項は、内閣総理大臣を国会議員の中から指名することを、六十八条一項は、国務大臣の過半数を国会議員から選ぶことを定めています。”
“確かに、国政選挙の公正性確保との関係で、選挙の一体性は重要な視点です。しかし、広範な地域の具体的基準が法律に委ねられることで、法改正によって要件が実質的に緩和されるリスクはないのか、また、選挙の一体性がそれだけで国民の選挙権行使を延期し得るほどの憲法上の根拠となるのかについては、更に議論を深める必要があります。 そもそも、補充条項としての議員任期特例の目的は、政府に権限が集中しがちである緊急時において、国民の代表機関である国会の機能を発揮させることにあります。とすれば、適正な選挙を実施した結果、国会、とりわけ衆議院が安定的に議事を開き議決を行い、立法機能、行政監視機能を果たし得る状態になるのかどうかという点がポイントになります。 その意味で、着目すべきは、定足数を総議員の三分の一以上とした憲法五十六条一項の趣旨です。これは、少数派の審議拒否等による流会を回避し、国会をできる限り機能させるとともに、一定数の出席により国会の権威を保つ点にあります。”
“中道改革連合の國重徹です。 前回の審査会で、私は主として次のことを述べました。選挙権は極めて重要な憲法上の権利であり、その実効的な行使は国民主権の核心である。だからこそ、選挙の実施をできる限り可能にするため、平時から選挙制度の強靱化に力を尽くさなければならない。その選挙実施優先原則、さらに、繰延べ投票、参議院の緊急集会を最大限尊重してもなお、国会機能維持の観点から制度的な空白が生じ得るのか。仮にそのような制度的空白が認められる場合には、立憲主義の観点から、補充条項としての議員任期特例を検討することになる。その際、濫用の危険を防ぐために、憲法及び法律でその要件を厳格に定め、恣意的な解釈の余地をできる限り狭めることが不可欠である。その要件の核心部分は憲法そのものに明確に定めるべきである旨述べました。 本日は、仮に議員任期特例を創設するとした場合の広範性要件と長期性要件を中心に、憲法の条文を手がかりに問題提起をしたいと思います。 まず、広範性要件について、イメージ案は、国政選挙の一体性が害されるほど広範な地域としています。”
“憲法には法律で具体化する際の枠組みや限界を明記する、法律ではその範囲内で客観的基準や手続を具体化する、こうした振り分けにしなければ、時の多数派が法律改正によって議員任期特例の発動要件を実質的に緩めてしまうおそれがあるからです。 この点、本日示されたイメージ案の、国政選挙の一体性が害されるほどの広範な地域や相当程度長期間といった要件は、依然として抽象的です。その具体化が不可欠ですが、その際、憲法レベルでどこまで書き込むのかという視点、さらには、要件を詳細化する法律ではどのように定めるのかについても、セットで議論することが必要です。 以上、立憲主義の観点から所見の一端を申し述べ、本日の意見表明といたします。”
“その上で、仮にそのような制度的空白が認められるのであれば、その空白を補うためのいわば補充条項として一定の制度的対応を創設することは、立憲主義にかなうものではないかと私は考えます。 もっとも、補充的なものである以上、実際に発動される場面、すなわち、別紙、すみ分けメモの5、議員任期特例等による対応に当たる場面は極めて限られたものになると考えられます。そして、そのような補充条項としての議員任期特例制度を設ける場合、濫用の危険を最大限防止するために、憲法及び法律でその要件を厳格に定め、恣意的な解釈の余地をできる限り狭めることが不可欠です。 とりわけ、議員任期特例の最も重要な要件である広範性要件、長期性要件について、具体的な基準を明確にしなければなりません。その際に重要なのは、憲法に何を定め、法律に何を委ねるのかという振り分けです。 硬性憲法にルールを定めることによって権力の濫用を防止する、この立憲主義の観点からすれば、要件の核心部分は憲法そのものに明確に定めるべきです。その核心部分まで法律に委ねることは相当ではありません。”
“その上で、本日配付された資料を基に何点か申し上げます。 まず、別紙、すみ分けメモの3で、四十日以内に総選挙実施が可能かが最初の分岐点とされています。この点、選挙権は極めて重要な憲法上の権利であり、その実効的な行使は国民主権の核心です。だからこそ、まず問うべきは、四十日以内に総選挙を行うという憲法上の大前提を可能な限り満たす仕組みを平時にどこまで構築できるかです。選挙人名簿のバックアップ、自治体間の協力体制、避難先での投票確保、緊急時の郵便投票の拡充など、平時にこそ取り組むべき課題は多岐にわたります。議員任期特例は、こうした選挙制度の強靱化を尽くした上での最後の補充制度でなければなりません。 こうした制度整備がどこまで進んでおり、何が足りないのか、本審査会で明確にすべきです。つまり、国会機能維持のために最優先で考えるべきは選挙の実施であるという、いわば選挙実施優先原則に基づいて議論を進める必要があります。 このように、選挙権の保障、そして参議院の緊急集会の役割を最大限尊重した上でもなお、国会機能維持の観点から制度的空白が生じ得るのかどうか、我が党内でも真摯に検討しているところです。”
“また、国民民主党の浅野幹事は、臨時国会の召集要求から実際の召集まで百日を超えるような例も現実に存在しています、こうした状況は、少数派による行政監視という立憲主義の要請に真っ向から反するものであり、議会制民主主義を空洞化させる重大な問題です、国民民主党は、この制度的不備を放置するべきではないと考えていますと述べられた上で、憲法改正によって召集期限については明記をすべきと発言をされています。 さらに、昨年十一月二十六日の参議院の憲法審において、国民民主党の川合参議院議員は、党としての課題認識として、恣意的とも言える衆議院解散権行使が続く一方、憲法上の要件は満たしても臨時会が召集されず、国会の統制が十分機能していない、三権分立のゆがみを是正し、憲法の規範力を再構築して法の支配を貫徹させることが喫緊の課題になっていると述べられています。 これらの発言は、我々の問題意識とも重なるものです。そこで、平時の国会機能の維持に関する課題の重要性とその議論の必要性について日本維新の会や国民民主党はどのようにお考えなのか、来週以降で結構ですので、改めてお伺いしたいと思います。”
“それは、発生確率が極めて低い緊急事態における国会機能の維持もさることながら、国民生活に広く関わる平時の国会機能をいかに維持するか、これこそ国民のための憲法論議としてより優先すべき重要課題ではないかということです。その意味で、緊急時の議員任期の延長だけでなく、平時の国会機能を維持するための臨時会の召集期限の明記や解散権行使の在り方及びその制限についても、イメージ案の末尾にあるように、セットで議論することを改めて提案いたします。 この点、昨年四月二十四日の本審査会において、日本維新の会の阿部委員は、日本維新の会、国民民主党、有志の会の三会派がまとめた憲法改正条文案では、臨時会召集要求に係る召集期限を明記しております、臨時会の召集要求といった平時の国会機能維持を含めて、憲法改正に積極的に取り組んでまいりたいと発言されています。”
“中道改革連合の國重徹です。 緊急事態条項のイメージ案とその説明によって、本審査会におけるこれまでの議論が相当程度可視化をされました。憲法審査会事務局及び法制局の御尽力に感謝を申し上げます。 他方で、これは、各会派の賛否を示すものでも、各会派間で合意された事項をまとめたものでもありません。あくまでも議論の整理です。むしろ、このイメージ案によって、様々な課題、論点の所在とその具体的な内容が改めて浮き彫りになりました。 これらを踏まえると、論点は出尽くしているのであとは決めるだけだといった現状認識は当てはまりません。実際の運用場面を想定し、憲法改正や関連の法改正を真摯に考えれば考えるほど、臨時国会の召集期限の明記などと比べても論点は多岐にわたり、法技術的にも難度の高いテーマであるとの認識を深めています。だからこそ、丁寧に論点を詰めていくことが必要です。 その上で、緊急時の国会機能の維持を論じる前に一点申し上げます。”
“例えば、そのような事態は絶対に起こしてはなりませんが、仮に万一、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した場合、その影響が及ぶ範囲や収束時期を事態発生時に見通すことができるのか。明確に予測できない場合には、ややもすれば、念のために議員任期を延長しておくという判断に傾くおそれがあります。だからこそ、制度設計に当たっては、要件の抽象性ゆえに運用が広がり過ぎることのないよう慎重な検討が必要です。 以上申し上げた点は、決して議論を遅らせるためのものではありません。むしろ、この問題を真摯に検討するのであれば、こうした課題を具体的に整理し、代表的な論点として共有しておく必要があるとの趣旨で申し上げたものであります。 参議院も含めた幅広い合意形成に向けて着実に検討を重ねていくべきであること、また我が党としてもそのための議論に真摯に取り組んでいく決意を申し述べ、私の発言といたします。”
“この点、昨年六月十二日の当審査会における自民会派の意見として、当時の船田筆頭幹事は、長期性の要件については、従前は七十日間としていたが、参議院での議論も踏まえ、緊急集会の活動期間を厳格に限定するものではないことを明確にするため、相当程度長期間と改めた、七十日程度が目安と考えているが、必ずしもそれに縛られるものではない、また、参議院の緊急集会の機能拡充等については、参議院との調整も必要になることは言うまでもないなどと述べられています。したがって、前回申し上げたとおり、この問題については、参議院との関係も十分に意識しながら議論を進めていくことが重要と考えます。 さらに、これらの要件について、実際の被害や被害想定を踏まえて具体的に検討することも重要です。 加えて、広範性要件、長期性要件のいずれについても、緊急事態発生の時点における予見可能性が論点になります。すなわち、その時点で、事態がどの範囲にまで及ぶのか、いつ選挙を実施できるのかについてどの程度の確実性を持って見通すことができるのかという問題です。”
“その際、選挙権の保障の重要性を踏まえつつ、必要な国会機能の維持とどうバランスを取るのかという視点で丁寧に議論を深めていくことが必要です。 まず、広範性要件については、これまで、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域といった抽象的な基準が示されてきました。しかし、その具体化は十分でなく、共通認識も形成されていません。選挙権という極めて重要な憲法上の権利の保障に関わるものである以上、どの程度の地域的広がりがあれば選挙の適正な実施が困難であると言えるのか、更なる議論が必要です。 また、長期性要件についても、参議院の緊急集会での対応がどうしても難しいほどの長期であるとか、七十日間であるとか、様々な見解が示されてきましたが、具体的な基準は定まっておりません。そして、この論点は、参議院の緊急集会の射程、つまり、その活動期間や権限、対象案件をどう考えるかと密接に関わります。”
“その上で、後ほど我が党の委員が述べる緊急政令や緊急財政処分については党内でおおむね意見の一致が見られる一方、緊急時における国会機能の維持については議論を重ねているところです。 まず、対象とする事態について、自民、維新、国民の三会派は、大規模自然災害、テロ・内乱、感染症蔓延、国家有事・安全保障の四つの事態と、その他これらに匹敵する事態を挙げています。この点について、参政党から、感染症蔓延を対象とすることへの反対意見が示されています。また、チームみらいからは、事態ごとに、選挙の実施や国会機能の維持に生じる課題を具体的に整理すべきだとの意見がありました。 もっとも、これらの事態は、その他これに匹敵する事態という包括条項が設けられていることからも明らかなように、通常時の統治機構では対処できない事態の例示です。とすると、重要なのは、その例示された事態そのものではなく、選挙困難事態、つまり選挙の適正な実施ができなくなる事態の具体的要件、いわゆる広範性要件と長期性要件をどう定めるかという点です。したがって、この二つの要件をどのような内容にするかが合意形成のポイントになると考えます。”
“だからこそ、国会機能の維持という共通の問題意識の下、臨時会の召集期限や解散権行使の在り方、その制限についても併せて議論する必要があるのではないかと考えます。 私たち中道改革連合は、憲法施行時には十分に想定されていなかった課題が明らかとなり、その対応のために憲法改正が必要と認められるときには、改正の内容を真摯に検討していく立場です。これは、一九四七年の施行以来約八十年に及ぶ日本国憲法の運用の経験を踏まえ、維持すべきものは維持し、改めるべきものは改めるという姿勢にほかなりません。 その観点からすれば、臨時会の召集や解散権の行使といった日本国憲法に直接規定されている事項については、これまでの運用に照らして大きな課題があるのではないでしょうか。こうした課題の存在は、二〇二三年に日本維新の会や国民民主党などが臨時会の召集期限を明確化するため憲法五十三条に二十日以内と明記する改憲案を取りまとめたこと、また、自民党も二〇一二年草案で同様の改憲案を示したことなどからも明らかです。”
“中道改革連合の國重徹です。 緊急時における国会機能の維持は、統治機構の根幹に関わる重要なテーマである一方、要件や制度設計に関して詰めるべき論点も少なくありません。私自身、前々回の憲法審査会において、この点を今後議論を深めるべきテーマの一つとして挙げました。また、前回の審査会においても、これを含む緊急事態条項について多くの意見が表明されました。 こうした点を踏まえ、まずは緊急事態条項について集中的に議論を深めていくことには賛同いたします。緊急時においても国会機能を維持することは極めて重要です。それは、単に立法機能を維持するためだけではありません。緊急時には政府に権限が集中しがちであるからこそ、その行使が適切な限度にとどまるよう、国民の代表機関である国会が行政監視機能を果たすことが必要であるからです。 そして、緊急時でさえそのような国会機能の維持が求められる以上、国民生活に広く関わる通常時において国会が本来有する立法機能や行政監視機能を十分に発揮することは、なおさら重要です。”
“本日は、三名の参考人の皆様に貴重な御意見を賜りましたこと、改めて感謝と御礼を申し上げます。今日いただいた御意見を踏まえて、また更に十分な法案審議をしっかりとやってまいりたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。”
“そこで、両参考人にお伺いいたします。 今般の手数料額の引上げに伴う増収分について、具体的にどのような施策に充てることが望ましいとお考えか、お伺いします。”
“ありがとうございました。 次に、結城参考人と鈴木参考人にお伺いいたします。 今回の手数料の上限額の引上げについては、外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用の額等、いわゆる応益的な要素、これも勘案して引き上げるということとされています。手数料額の引上げによる増収額分は外国人施策に充てるというふうにもされています。 ただ、具体的にはどういうものを挙げているかというと、先ほど鈴木参考人の方も言われていましたけれども、例えば、デジタル技術の活用による出入国在留管理行政のDXの推進であるとか、あるいは難民等の適切かつ迅速な保護、支援、国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランの強力な推進、こういった施策が挙げられています。 これに対し、先ほど鈴木参考人から、合法的に日本に滞在する外国籍者には無関係な施策が少なくないんじゃないか、ましてや長年日本に居住する者や日本生まれの外国籍者に至ってはほぼ無関係なものばかりと、こういう御指摘もあったところであります。また、結城参考人の方からは、受益と負担の関係が実感として理解できる制度設計にすべきだと、このような御意見もいただきました。”
“引き続き、鈴木参考人、生田参考人にお伺いしたいと思います。 今やり取りをした手数料の減免、これはあくまでも例外的な取扱いでありまして、原則は手数料を納付しなければ在留資格の変更の許可等を与えることはできない、これが政府の立場になります。しかし、今回の手数料の、これはあくまでも上限の引上げですけれども、一気に十倍あるいは三十倍ということになりまして、多くの当事者の皆さんには大きなインパクトを与えるものになります。 そこで、手数料の減免以外にこの影響を和らげるための配慮、工夫としてどのようなことが考えられるのか、御意見がありましたらお伺いしたいと思います。”
“私も、この内容について十七日の対政府質疑で問うたんですけれども、まだこの内容は明らかになっておりません。そのときの政府答弁は、この内容を具体的に政令で定めるに当たっては、国会審議、ここで今やり取りしている内容であるとかパブコメを踏まえて検討するというように言っております。 先ほど、生田参考人の方からは、書面の中で、お願い事項としてこの点については具体的に意見をいただきましたので、次、結城参考人と鈴木参考人に、この手数料の減免について、具体的にどのような要件に該当する者を対象とすべきとお考えなのか、その理由も併せてお伺いしたいと思います。”
“おはようございます。中道改革連合の國重徹です。 三名の参考人の皆様には、何かと御多用な中、当委員会までお越しいただき、貴重な御意見を賜りましたこと、まずもって心より感謝と御礼を申し上げます。 今日、十五分という限られた時間になりますので、できるだけ参考人の皆様の御意見を更に聞かせていただきたいというふうに思います。 先ほど参考人の皆様から、意見陳述の中で、手数料の上限額、また実際に支払う手数料の金額の引上げというのが在留外国人の生活とか活動にどんな影響を及ぼすのかという、現場の実態に基づいた非常にリアルな御意見をいただきました。 その上で、まずは結城参考人と鈴木参考人にお伺いをいたします。 今回の法案では、現行制度にはなかった手数料の減免措置、これが新たに定められています。条文を言いますと、六十七条の三項で、法務大臣は、経済的困難その他特別の理由により手数料を減額し、又は免除することが相当である者として政令で定める者であるときは、政令で定めるところによって、第一項の手数料を減額し、又は免除することができると定めております。”