西園勝秀
中道改革連合・無所属 · Japan
“御答弁ありがとうございます。 ツキノワグマの月の模様の調査は私もすごく大事だと思うんですけれども、これはツキノワグマにしか適用できません。つまり、北海道で出ているヒグマにはこれは利かないわけでございますね。やはり私は、その意味でも、この鼻紋を用いた個体識別というのは非常に有効な手段じゃないかと思っておりますので、是非御検討いただければと思います。 最後に、ちょっと時間もありませんが、山岳トイレについて伺わせていただきます。 近年、インバウンド需要の拡大に伴い、国立公園や国定公園を始めとする観光地ではトイレ不足が深刻な課題となっております。観光客が安心して快適に利用できる受入れ環境を整備することは、観光立国を推進する上で極めて重要です。 一方、自然公園や山岳地域には上下水道…”
“これは、二度にわたって人間に捕獲されたんですけれども、そのまま放したという状況で、さらに、その熊が子熊を連れてまた戻ってきた、こういう状況なんですね。宮崎さんによれば、捕獲された熊を放すと、人間は脅威ではないというふうに認識をし、そのことが子熊にも学習して伝わってしまうということをおっしゃっておられました。 また、宮崎さんは、人里に出没する熊が森の餌不足である、出没する原因が餌不足であるという一般的な説は誤りであり、個体数の圧倒的な増加によって生息域からあぶり出された熊が人里に出ている、それが実態だということをおっしゃっておられました。 その根拠となる山の実態について、時間の関係上、ほんの断片にはなりますが、私が宮崎さんから伺ったお話を少しここで御紹介をさせていただこうと…”
“しかも、個体や家系、地域によって食性は異なり、その違いはふんの分析からも確認できるとのことで、御紹介した写真集にも掲載されています。 本来、熊は、鋭い牙を持つ雑食性の大型哺乳類であり、死肉の臭いを嗅ぎつけ、土葬された人の墓を掘り返す習性もあったとのことでした。また、道路にまかれる融雪剤、塩化カルシウムが、塩分を必要とする鹿を道路周辺に誘引し、鹿の個体数が急増、餌の鹿が増えたことで熊が激増する要因になったとの指摘や、空き家のトイレにあるふん尿のミネラル、鉱山跡の人の汗の塩分など、人間の痕跡に動物が集まる現象も、結果として野生動物の行動に影響を与えているともおっしゃっておられました。 こうした知見を踏まえ、宮崎さんは二十年以上前から、地域ごとに適正な個体数を設定し、それを上回…”
“子供の頃は、人々の暮らしを支えるエネルギーはまきや炭であり、里山では日常的に木が伐採されていました。そのため、集落から尾根まで見渡せるほど見通しがよく、それが緩衝地帯となり、人間の生活圏と自然動物とのすみ分けができていました。しかし、高度経済成長期に入り、エネルギー源がまきや炭から、電気、ガス、石油へと転換し、人々が山の木を利用しなくなると、かつて見通しがよかった里山はうっそうとした森林へと変化しました。さらに、戦後の植林や林業の人手不足により山林の管理が十分に行われなくなった結果、人と野生動物を隔てていた緩衝地帯が失われました。 森林は豊かになり、野生動物の餌も増え、さらには保護を重視した熊対策により、熊の個体数が増え続けた結果、生息域からあぶれた若い個体や弱い個体が人…”
“ありがとうございます。是非、安全なドローンの運航ができるように調整をお願いいたします。 本日、一冊の本をお持ちしました。これは、長野県にお住まいの宮崎学さんが、四十年以上にわたり熊の生態を追い続け、その成果をまとめられた「となりのツキノワグマ」という写真集です。 私は、先日、宮崎さんに直接お話を伺い、実際に熊のわなをかける現場にも御案内をいただきました。 こちらの資料を御覧ください。宮崎さんの横に、木に大きな傷がございます。これは、おりに捕獲された熊に対し、別の熊が威嚇のために暴れて、そして大きな傷をつけたということでございます。この傷、たった一つの情報で、捕獲された熊以外にも別の熊が近くにいるという事実が読み取れるものでございます。また、おりに捕獲された熊は激しく暴れる…”
“御答弁ありがとうございます。 まさに今おっしゃられた費用対効果の高いサプライチェーンの構築、やはりこれが私も鍵だというふうに思います。 そして、家庭から排出される年間約十万トン、この廃食油の回収についても大変重要かと思います。この点についてもちょっとお伺いさせていただこうと思います。 現在、家庭から出る廃食油の九割以上が廃棄されております。全国で回収を進めるには、住民の継続的な協力を得ること、収集運搬コストの削減という二つの課題を克服する必要がございます。 本日は、それらの課題を克服している神奈川県藤沢市の取組を御紹介します。藤沢市では、廃食油を週一回の戸別収集により回収しています。住民が回収拠点まで持ち運ぶ必要がないため、負担が大幅に軽減され、高い回収率を実現しています…”
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“しかし、現実には、健康な人までが車で避難してしまい、大渋滞を引き起こすという課題が各地で指摘されております。その結果、本当に車での避難が必要な高齢者や要配慮者の避難ルートが塞がれ、逃げ遅れてしまう事態が生じかねません。 マニュアルに健康な人は徒歩で避難してくださいと書くだけでは、人間の行動特性や人間工学的な観点からして誰もがそのとおりに動くわけではございません。いかにして、自分は健康だから歩いて逃げよう、車は本当に必要な人に譲ろうという住民の主体的な行動変容を引き出し、地域としての最適解を導き出すかが極めて重要かつ難しい課題となっております。 私は、この最適解に近づくための大切な切り札が、地区防災計画の策定を通じた平時からの地域コミュニティーづくりにあると考えております。計画作りの過程で隣近所の顔が見える関係が構築されれば、あのお宅には支援が必要な高齢者がいるから自分は車を使うのは我慢しようといった助け合いの精神が自然と生まれてまいります。”
“大臣、ありがとうございます。 私も役人でずっといた感覚からすると、例えば、私が復興庁で防災庁の職員と協力してくださいと言われると、協力はするけれども、多分責任がないんですよ。ですから、防災庁の職員には復興庁の経験を持っている方がそこでちゃんと責任を持って働いてもらいたいというのが私の願いなんです。 例えば、職員はそのまま復興庁でもいいと思うんです。ただ、いわゆる兼務をする、併任発令を出すとか、これで全然違うんです。結局、公務員ですので、与えられたミッションがそこに明確にあるとなれば、その組織でしっかり働くことができますので、組織自体の定員を動かさなくても併任発令とかだったら全然できると思います。それは大臣の一存でできますので、私は防災庁を効果的に動かすために提案させていただきますので、是非御検討いただければと思います。 次に、人間工学に基づく高台避難という、ちょっと高尚というか、少し着眼点が違う話をさせていただきます。 大津波からの高台避難ですけれども、これは政府のガイドライン等では原則徒歩避難とされております。”
“防災庁を真の専門組織として機能させるため、復興庁の知見班を防災庁へ移管することも含め、復興庁が培ってきた貴重な知見やノウハウをどのように新組織へ移管し、専門組織としてのベースを定着、継承させていくか、大臣の御見解をお伺いいたします。”
“この専門性の継承において極めて重要な鍵となるのが、東日本大震災以降、被災地支援をワンストップで担ってきた復興庁の知見です。有識者や元復興事務次官からも、能登半島地震のような複合災害に対応し、中長期的な生活再建を円滑に進めるためには、復興庁の知見や機能を統合すべきとの強い意見が出ております。 私自身、かつて復興庁に勤務し、東日本大震災からの復興の教訓を取りまとめた復興政策十年史の編さんに携わりました。その経験に照らせば、震災の教訓を体系的に整理、継承してきた復興庁の知見班こそ本来防災庁に一元的に移管すべき中核的な部門であると考えます。 復興庁の主業務が今後福島の復興へと移行していく中で、これまで培ってきた震災対応のノウハウを防災庁のベースとして定着させることこそが新組織が本格的に機能するための土台につながります。しかしながら、この度の政府の基本方針には、二〇三一年三月三十一日までの時限組織である復興庁の組織の見直しは含まれておりません。 そこで、お伺いします。”
“御答弁ありがとうございます。 顔の見える関係というのは私もすごく重要だと思います。誰かがいるからその方が助けていける、そういういろいろなネットワークがすごく大事だと思いますし、さらに、そういう関係性の大切さというものをしっかり防災庁が教育課程の中で日頃から訴えていただくことが私も本当に大事だと思います。是非よろしくお願いいたします。 これまでの内閣府防災担当は、数年で異動を繰り返す各省庁からの出向が多くを占めており、過去の災害対応から得られるノウハウを蓄積し、国としての対応力を強化させることが難しいという構造的な課題を抱えておられました。新たに創設される防災庁が真の司令塔となるためには、こうした二年で異動する一般行政職員主体の組織から脱却し、災害対応の知見を継続的に蓄積、継承する専門組織へと転換することが不可欠です。 防災庁設置準備アドバイザー会議においても、被災自治体の首長から、復興庁の職員が出向元に帰ることで、現場の初動の肌感覚や記憶が失われることへの強い危機感が示され、防災の中枢に専門性を持ったプロパー職員を継続して置くことの重要性が指摘されております。”
“新たに創設される防災庁は、こうした縦割りを乗り越え、関係施策を一体的に推進する司令塔としての役割が期待されます。防災庁として、幼児期からの防災教育の推進に当たり、省庁間の連携をいかに強化し、学校にとどまらず地域全体で生涯にわたる防災教育をどのように体系化していくのでしょうか。国民の防災意識を飛躍的に高め、行動変容を促すための戦略と併せて、大臣の御見解をお伺いいたします。”
“この防災大学校の設立に向けた具体的な構想やスケジュール、そして、多様なステークホルダーをつなぐコーディネート力を持った人材をどのように育てていくのか、その将来像について政府の現在のお考えをお聞かせください。 さらに、国民の行動変容を促す防災教育も重要です。 有識者会議では、幼児期からの防災教育が保護者や地域の大人たちの意識改革にも波及し、極めて有効であると指摘されました。牧野大臣や私の地元である静岡県では、中学生が地域の防災訓練に毎年参加する、こういう仕組みがあるわけでございますが、子供のときの実践的な訓練は、将来の地域防災の担い手育成につながる大変すばらしい取組だと思っております。 しかし、幼児教育の現場に目を向けると、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省、認定こども園はこども家庭庁と、管轄省庁の縦割りが壁となり、指導者研修などが円滑に進まない現状も浮き彫りになっております。加えて、グローバルスタンダードである子供を救助者にしてはいけないという原則や、トラウマへの配慮が必要との慎重論も交わされました。”
“ありがとうございます。複合災害は本当にシミュレーションが難しいと思います。産官学民の力を結集しての対策をよろしくお願い申し上げます。 次に、防災教育についてお伺いいたします。 頻発する自然災害や切迫する巨大災害において、行政による公助には限界があり、国民一人一人が自ら命を守るという主体的な行動変容が不可欠です。そのためには、実践的な防災教育の推進と、現場を支える専門人材の育成が急務となります。 政府の基本方針には、体系的な防災人材育成を推進する防災大学校の設置検討が盛り込まれました。有識者会議でも、気象大学校や海上保安大学校のように、防災の専門人材を養成する機関が必要との強い要望が出ています。これに対し、事前の確認によれば、気象大学校のような年単位の修業期間とする学校を一から創設するのではなく、国や地方自治体の行政職員、さらには民間人材を対象に、ビデオ講習と実践演習を組み合わせた研修機関として検討されているとのことです。 そこで、お伺いいたします。”
“新たに創設される防災庁は、こうした悲劇の劇的な増大を阻止するために、従来の延長線上にはない抜本的な防災戦略・戦術を再構築する司令塔とならなければなりません。社会機能の崩壊を食い止め、複合災害を見据えた全く新たな事前防災施策として、具体的にどのような中長期的戦略や重点施策に取り組んでいくお考えでしょうか。また、それを実現するための省庁横断的なアプローチについて、政府の御見解をお伺いいたします。”
“これからの巨大災害で最も恐ろしいのは、被害が単独で終わるのではなく、ドミノ倒しのように次々と連鎖し、ある限界点を超えた瞬間に社会機能が一気に崩壊してしまう現象です。自然災害による物理的な被害に、過度な人口集中、インフラの老朽化、ライフラインの複雑な相互依存といった要因が組み合わさることで、この負の連鎖は一気に加速します。 例えば、大都市で長期間の広域停電と断水が同時に発生した場合、単なる不便にとどまらず、通信の途絶、医療機関の機能停止や物流網の断絶を引き起こし、結果として災害関連死を爆発的に激増させてしまうような事態がこれに当たります。こうした限界点を超えるような被害の連鎖を事前に先読みし、劇的に被害が増大する前にそれを阻止するための対策を先取りすることが極めて重要です。 これまでの我が国の事前防災は、過去の災害の教訓に基づく対策や個別の省庁が単一の災害を前提としたものが多く、複合的な要因が引き起こす負の連鎖には十分対応し切れていない懸念があります。 そこで、お伺いします。”
“御答弁ありがとうございます。 本当にこの勧告権というのがまさに私は肝だと思っております。そのためにも、先ほど政府参考人の方から御答弁がありましたように、各省庁の施策が定量的に見える化されていることが私はすごく重要だと思います。定量的に把握ができていれば、例えば、進んでいないところに機械的に勧告を出すことが私はできると思いますので、そうすれば、例えば、仮に国交省が進んでいないときにも、牧野大臣も遠慮なく金子大臣に進めてくださいとはっきり言うことができる。客観的な指標こそが私は勧告権を発動する重要な指標だと思っていますので、是非よろしくお願い申し上げます。 今の防災庁の取組ですけれども、南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、今後想定される国難級の大規模災害においては、まさにこれまでの延長線上にある対策だけでは国民の命と暮らしを守り切ることは困難です。防災庁設置準備アドバイザー会議の議論においても、今後の防災戦略を考える上で、従来の想定を超えた事態にどう備えるかが強く指摘されております。”
“有識者からは、縦割りの弊害で国が一丸となって動けていない現状を変えるため、防災庁が政策能力や意思決定能力を高め、勧告権をしっかり行使して、他省庁の一歩上に立つことが重要であると指摘がなされております。また、各省庁が所管する法律とバッティングし、その調整に時間がかかって災害対応が遅れる事態を防ぐ必要がある、勧告だけでなく、予算とひもづいた強力な指示、勧告でなければ他省庁は動かないといった、より踏み込んだ権限行使や実効性担保を求める厳しい意見も出ております。 防災庁が真の司令塔として意思決定を牽引するためには、この勧告権が形骸化することなく、適切かつ強力に行使される仕組みが不可欠です。 そこで、お伺いします。 防災庁に付与される勧告権について、他省庁の抵抗や出身省庁への忖度といった組織的課題を乗り越え、真に実効性を持たせるための具体的な運用方針をどのようにお考えでしょうか。他省庁の壁を打破し、必要であればちゅうちょなく勧告権を行使して防災施策を強力に牽引していくという防災担当大臣の強い決意をお聞かせください。”
“ありがとうございます。まさに定量的把握というのは本当に大事だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。 政府の基本方針において、防災庁には、司令塔機能を発揮するため、各府省庁に対する尊重義務を伴う勧告等の権限が付与される方針が示されました。この勧告権は、平時から各府省庁の取組の抜け、漏れを把握し、縦割りの弊害を打破して防災対策を強力に進めるための極めて重要な権限と認識しております。 しかしながら、同様の権限を持つ復興庁やデジタル庁においては、これまで他省庁に対して勧告権が行使された事例はないとされています。過去の報道等では、各省庁の方が政策に詳しく、その意向を無視して使えない、出身省庁とのあつれきは避けたいといった理由が指摘されており、勧告権がいわゆる抜かずの宝刀になり、実効性を不安視する声が少なくありません。 防災庁設置準備アドバイザー会議においても、この権限の在り方が大きな論点となりました。”
“防災庁は、これまで各府省庁が所管してきた事前防災施策について、既に一覧としてのリスト化を進め、施策の全体像を網羅的に把握されているのでしょうか。もし未完了であれば、新組織設置に向けてどのようなプロセスと仕組みで情報の一元化を図り、分野横断的な施策の全容を把握していくおつもりか、見解をお示しください。 さらに、施策の全体像を把握した上で不可欠となるのが、それらが確実に実行され、被害の予防、軽減に結びついているかを評価する進捗管理の仕組みです。防災庁は、各府省庁や自治体が実施する事前防災施策の進捗や効果を客観的かつ定量的にどのようにモニタリング、評価していくお考えでしょうか。外部有識者を交えた定期的な調査、審議の枠組みなど、実効性のあるPDCAサイクルを機能させ、防災施策を確実に前進させるための進捗管理の在り方と具体的な体制について、政府の御見解をお聞かせ願います。”
“ありがとうございます。防災庁が立ち上がった際には、是非ただいまの施策を進めていただければというふうに思います。 防災庁が真の司令塔として効果的な対策を打つためには、現在各府省庁に分散している多岐にわたる事前防災施策の全体像を政府として正確に把握することが出発点となります。 これまで、我が国の災害対策は、各府省庁が個別の行政分野ごとに実施してきたため、縦割りによる施策の抜け、漏れが生じやすいという課題が指摘されてきました。個々の施策の進捗や効果を客観的に把握し、優先順位の見直しや資源配分の最適化に反映させていくとともに、過去の災害対応から得られた教訓を将来の備えに確実に生かしていく実効性あるPDCAサイクルの確立が大変重要です。 防災庁設置準備アドバイザー会議においても、関係機関による事前防災対策の抜け、漏れの把握や全体の進捗管理を行うとともに、個別災害への対応を中長期的、定期的に検証し、得られた教訓を次の備えにつなげるPDCAサイクルの構築が極めて重要であると指摘されております。 そこで、お伺いします。”
“防災庁として、この地域レベルでの具体的なシミュレーションに基づく災害リスク評価は具体的にどのようなプロセスや評価内容で行われるのでしょうか。また、そのシミュレーションの結果として地域特有の弱部があぶり出された場合、それを各府省庁の施策や自治体の地域防災計画などにどのように反映させ、優先順位を持った実効性のある事前防災対策へと確実につなげていくお考えでしょうか。司令塔としての具体的な対応方針について、政府の御見解を伺います。”
“大臣、ありがとうございます。力強い御決意を賜りました。 激甚化する自然災害や切迫する巨大地震に備えるため、防災庁には徹底的な事前防災の推進加速の司令塔としての役割が求められております。 これまでの行政体制では、国や都道府県が死傷者数などの被害想定を算出し、それに基づいて各府省庁が個別に政策を進めてきました。しかし、トータルパッケージとして地域の防災力が本当に向上しているのかを評価し、横断的に牽引する仕組みが弱いという課題が指摘されてきました。 ここで、お手元の資料一を御覧ください。 新たに創設される防災庁の取組として、シミュレーションに基づく地域ごとの分野横断的な災害リスク評価が示されています。これは、単なる被害想定から一歩踏み込み、災害時に人がどう動くかといったシナリオに基づくシミュレーションを通じて、発災後に地域住民の命を守る、命をつなぐために必要な機能や物資の過不足を定量的に分析する画期的なアプローチです。資料の右下、赤枠内にあるとおり、この不足部分を地域の弱部としてあぶり出し、重点的に対応策を検討していく方針が打ち出されています。 そこで、お伺いいたします。”
“これまで推進されてきた福祉や女性の視点を生かし、災害関連死ゼロの実現等を図るために、縦割りの弊害を打破し、産官学民のあらゆる力を結集する必要がございます。この度新たに防災庁を設置することによって、これまでの災害対策の体制と具体的に何が変わるのでしょうか。新組織の使命と牧野大臣の御決意をお聞かせいただければと存じます。”
“さらに、災害時の液体ミルクの国内解禁や、高齢者や障害をお持ちの方など、自力での避難が困難な避難行動要支援者の方々の個別避難計画作成の努力義務化など、誰一人取り残さない防災、減災を政治の主流へと押し上げてまいりました。 しかし、近年の気候変動による風水害の激甚化や切迫する国難級の巨大地震などを前に、これまでの体制の限界も指摘されております。各実施主体の縦割りによる抜けや漏れ、避難生活における災害関連死の増加など、課題は山積しており、長年、全国知事会からも、専任の大臣を置く防災省の設置が強く求められてきました。そして、今般、防災庁設置法案が国会に提出され、事前防災から復興までの一貫した司令塔機能を担う防災庁の役割が議論されているところでございます。 四月十四日の衆議院本会議で、我が党の中川宏昌議員の質問に対し、高市首相は、内閣府防災担当を発展的に改組する防災庁を内閣の下に置き、一段高い司令塔となって関係府省や自治体と連携し、徹底的な事前防災と、効果的、効率的に災害対応に臨む体制を構築してまいりますとお答えになりました。 そこで、お伺いいたします。”
“中道改革連合の西園勝秀です。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。 本日は、熊本地震から十年ということになります。改めまして、お亡くなりになられた全ての方々に哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。 我が国の災害対策は、大きな災害を経験するたびに強化されてきました。私は、衆議院議員として二期目を迎え、中道改革連合の立場で活動しておりますが、かつて所属していた公明党は、大衆とともにの立党精神の下、現場の声をすくい上げ、ハード重視だった日本の防災に生活者、弱者の視点を取り入れてまいりました。 例えば、一九九五年の阪神・淡路大震災では、国会で初めて福祉避難所を提唱し、高齢者や障害を持つ方々への配慮を制度化しました。また、二〇一一年の東日本大震災後には、全国の女性議員による避難所総点検を実施し、女性ならではの細やかな視点で被災された方々のフォローをするとともに、災害対策基本法の改正を主導して、地方防災会議への女性委員の登用を事実上標準としました。”
“ありがとうございます。 この努力義務というのは、私、どの程度の効力があるのか、ちょっと正直よく分からないところがありまして、例えば、事前復興まちづくり計画という、事前防災で作る取組はありますけれども、国交省が進めていますけれども、これだけ事前防災が必要だと言っておきながら、全国で三%ですよ。結局、しっかり頑張ってください、その努力だけでは、現実、物事は私は動かないと思います。本当に、義務化して、当然、義務化しようとすれば、いろいろな課題はありますよ。でも、それは一つ一つやる中で、運用していくことで私は解決すると思うんですね。私は、この努力義務というところにちょっと限界があるんじゃないかというふうに思います。 時間が来ましたので、他の質問がございますが、ここで終わらせていただきます。 ありがとうございました。”
“今の御答弁で努力義務というのがございましたけれども、これは、大臣、どうですか。努力義務で進むと思われますか。私は、やるのであればちゃんと義務化すべきだと思うんですけれども、ちょっと大臣、どうですか。質問通告はないんですけれども、御感想をお願いします。”
“今後想定される南海トラフ地震、日本海・千島海溝地震、首都直下地震といった大規模災害に備え、地方環境局が中心となり、災害廃棄物処理における自治体間の広域連携を着実に推進していくことを期待しております。 そこで、石原大臣にお伺いいたします。 今後、全国どこで自然災害が発生した場合でも災害廃棄物の迅速な処理が可能となるよう、自治体間の広域連携を促進するための協定に関するガイドラインを策定するなど、環境省がリーダーシップを発揮していくことも重要ではないかと思いますが、この点について御見解をお伺いいたします。”
“ありがとうございます。 二十九名増員ということで、是非取組を加速していただければと思います。 市町村が策定した一般廃棄物処理計画については、その実効性をどのように評価していくのかということで、今の財政的、人的支援を含めたフォローアップが必要です。また、先ほど西野委員も触れられておりましたが、実際の運用に当たっては自治体間の広域連携が必要です。 環境省は、先ほど御答弁にありましたが、地域ブロック協議会を設け、地方公共団体が相互に連携して、災害時に起こる様々な課題の解決を目指しておられます。災害廃棄物の広域処理もこの枠組みの中で検討されているというものと承知しております。能登半島地震においては、この地域ブロック協議会が有効に機能し、中部環境事務所が調整役を担うことで、新潟県などでの広域処理が行われました。 今回の環境省設置法の改正により、地方環境事務所は地方環境局へと再編され、その調整機能の一層の強化が見込まれます。”
“さらに、候補地の面積や搬入動線、環境負荷への配慮といった技術的検討についても、自治体単独では十分な知見や人員を確保できないケースが少なくありません。 そこで、伺います。 環境省として、今回の義務化を実効性あるものとするために、地方環境局やJESCOといった専門的知見を有する機関をどのように位置づけ、具体的にどのような形で自治体支援に関与させていくお考えでしょうか。政府の御見解をお伺いいたします。”
“ありがとうございます。 ちょっとこれは廃掃法の改正の議論のとき、私はもう少し踏み込ませていただきたいと思います。 まさに、災害廃棄物の迅速かつ適切な処理体制を平時から構築するということが私は本当に大事だというふうに思っております。しかしながら、今、もし場所が、どういう形で公表されるか分からないんですけれども、形式的な計画にとどまってしまえば、実際の災害時には機能せず、かえって初動の遅れを招くおそれが私はあるんじゃないかというふうに思います。特に、過去の大規模災害においては、仮置場の確保や運用をめぐる混乱が復旧復興のスピードに大きな影響を与えたことは周知のとおりでございます。 現場に目を向けますと、平地が限られる中山間地域や土地利用が高度に集積した都市部などにおいては、そもそも適地の選定そのものが困難な状況にあります。さらに、仮に候補地を選定できたとしても、周辺住民の理解の醸成や関係者との調整に相当の時間を要し、その結果、計画策定が停滞するというボトルネックが各地で点在しております。まさに今御指摘のとおりでございます。”
“ありがとうございます。 済みません、確認をさせてください。 今回の廃掃法の改正で、市町村の一般廃棄物処理計画に非常時における仮置場の候補地や必要量をあらかじめ明記することが義務化されましたけれども、場所については公表されないんですか。ちょっと確認をさせてください。”
“東日本大震災では、この仮置場が不足していたことが原因で復興が大幅に遅れました。この仮置場の確保という点について、私はこれまで各委員会での質問で度々その重要性を訴えてまいりました。 今回、環境省設置法の一部を改正する法律案で、災害廃棄物処理対策に係る地方公共団体への支援強化が図られることは大変大きな前進と受け止めております。災害廃棄物対策の第一歩は、現状を正しく把握することです。環境省は毎年、一般廃棄物実態調査を行っておりますが、各自治体が確保している仮置場の具体的な面積や場所については、これまでも必ずしも十分な集計がなされてこなかったと承知をしております。今後、公表を前提とした把握を進めるとの方針ですが、いつまでにどのような制度で調査を行う予定でしょうか。具体的なスケジュールと調査の透明性についてお伺いいたします。”
“ありがとうございます。 まさに、この脱炭素化推進事業債、私も本当に大事だと思うんですが、この交付税措置率は五〇%ですよね。つまり、半分は地域の自治体が負担をしているということなんです。考えてみると、地球温暖化対策というのは、その地域のためにやっているんじゃないんですよ。日本全国のためにやっているんです。それを半分が自治体の税金で賄っているというのは、私はこれは制度に欠陥があるんじゃないかというふうに実は考えています。 例えば、災害復旧事業債は交付税措置率九五%です。このように、やはり自治体の負担が少ないようなこういう取組を、私は制度として考えていただきたいなというふうに思います。これは質問通告しておりませんので、問題提起にとどめさせていただきます。 次に、災害廃棄物の仮置場の確保について伺います。 私は、議員になる前、復興庁に勤務し、東日本大震災の教訓を取りまとめた復興政策十年間の振り返り、いわゆる復興政策十年史の編さんに当たってまいりました。この復興政策十年史を取りまとめた後、今後の事前防災の観点で私が最も大切だと思っているのが、災害廃棄物の仮置場の確保です。”
“脱炭素の取組が進んでいる自治体に対し、脱炭素化推進事業債の交付税措置により自治体の取組を後押しすることが地球温暖化対策として有効ではないかと考えますが、政府の御見解をお伺いいたします。”
“御答弁ありがとうございます。まさに、この優良事例の横展開というのは私も本当に重要だと思いますので、是非一〇〇%の達成率を目指して頑張っていただければというふうに思います。 この環境省からの交付金を活用して自治体が脱炭素の取組を進めたとしても、結果、五年間の事業期間終了後にその取組が継続されなければ、十分な効果は期待できません。また、この交付金の対象外である全国約千七百の自治体の脱炭素の取組をどのように進めるのかという課題もございます。 自治体の脱炭素の取組を持続可能なものとするためには、企業間で導入が進む排出権取引制度、GX―ETSも参考にしつつ、自治体間において民生部門の排出量取引を可能とする新たな枠組みの構築が必要であると考えます。 その意味で、三月十日の衆議院総務委員会で我が党の田嶋要委員が提案したように、脱炭素の取組を頑張っている自治体に交付税を増やすような仕組みを新たに導入することも一案かと思います。この田嶋委員の指摘に対し、林総務大臣は、環境省と連携して、地域における脱炭素化の取組、適切な算定に努めていきたいと御答弁されました。 改めて、総務省にお伺いいたします。”
“こうした利害の調整こそが国会の役割であり、本委員会の重要な使命であると考えます。その観点から、我が国の排出量取引制度、GX―ETSなども活用しながら、脱炭素をいかに着実に進めていくか、本委員会において建設的な議論を進めていきたいと考えております。 石原大臣には、四月十日の環境委員会において、私の質問に対し、我が国の気候変動対策を取りまとめる立場として、GX―ETS制度も含め、対策全体の推進や進捗管理をしっかりと行っていくと御答弁されました。 改めて、石原大臣にお伺いいたします。 環境省は、脱炭素先行地域づくりを通じて、全国九十九の地域における脱炭素の取組を支援しておられますが、その進捗は約三割にとどまっております。この進展が十分に進まない要因をどのように分析しておられるのか、また、その課題をどのようにして克服していこうと考えられているのか、大臣の御見解をお伺いいたします。”
“中道改革連合の西園勝秀です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 本日の委員会では、環境省設置法の一部を改正する法律案の審議がされますが、その前提として、環境省の任務を確認したいと思います。 環境省設置法第三条には次のように規定されております。環境省は、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全並びに原子力の研究、開発及び利用における安全の確保を図ることを任務とする。 ここで最初に掲げられているのが、地球環境の保全です。言い換えれば、各省庁に多様なステークホルダーが存在する中で、環境省にとっての最大のステークホルダーは地球そのものだということでございます。しかしながら、地球は自ら言葉を発することができません。温暖化という現象を通じて、人類に深刻な警告を発し続けるだけでございます。環境省の皆様は、その警告を真摯に受け止め、各種施策を推進されているものと承知しており、その御努力に敬意を表します。 一方で、その政策は、事業活動の中でやむを得ずCO2を排出する企業など、他のステークホルダーとの利害が衝突する側面もあります。”
“ありがとうございます。 まさに、知る、測る、減らす、このそれぞれのステージでの支援がやはり本当に大事かと思います。 GXの推進とサーキュラーエコノミーの確立、これは、脱炭素と経済成長の両立を図る上で極めて重要な取組でございます。EU主導のルール形成に受け身で従うのではなく、日本の技術と価値を守りつつ、温室効果ガス削減に向けた国際標準を主体的にリードしていく、そのための仕組みを構築すべき、まさに今重要な局面にあるというふうに思います。 中小企業を含む現場の声に寄り添い、持続可能で強靱な経済社会の実現に向けた御尽力に期待をし、私の質問を終わらせていただきます。 本日は、ありがとうございました。”
“ありがとうございます。 今、インセンティブ制度の話がございまして、私は非常に期待をするところでございます。特に、脱炭素の最前線にいる中小企業への支援を是非お願いしたいというふうに思います。大企業はGXを進める中でサプライチェーンがうまくできるんですけれども、その末端にある中小企業には、なかなか、排出量の算定や削減のプレッシャー、これが重くのしかかっています。しかし、多くの中小企業には、そのための資金も人材も不足しているというのが現状でございます。 GX推進は、単なる環境政策ではなく、地域経済の活性化策でもなければなりません。中小企業がこの変化を乗り越え、持続可能な経営を実現するための環境省独自の伴走型支援をどのように強化するのか、石原大臣の御見解をお伺いいたします。”
“ありがとうございます。 今のような形で、このウラノス・システムの世界展開を是非図っていただければというふうに思います。 そして、循環経済への移行に向けては、環境省さんは、経産省とともに様々な施策の検討がなされていることと思います。先ほど言及しましたウラノス・エコシステムは、動静脈連携を進めるに当たって、今後重要な情報源となってくるシステムでもあります。これは、循環経済実現を更に加速することのできる極めて重要な仕組みであると考えます。 サーキュラーエコノミーの実現には、製品を作る動脈産業と、回収、再資源化を担う静脈産業の連携が不可欠です。しかし、現状は、再資源化された材料、いわゆる再生材の供給が不安定であったり、設計段階でリサイクルしやすさが考慮されていなかったりと、多くの壁があります。 そこで、石原大臣にお伺いいたします。 循環経済に向けて、現状と課題についてどのように把握され、それらの解決のためにどのような検討がなされているのでしょうか。お聞かせ願います。”
“ありがとうございます。 今まさに、日本の場合、このウラノス・エコシステム、ウラノスというのはギリシャ神話の神みたいな感じだというふうに聞いたことがありますが、要は、全体を俯瞰をして見るというか、製品のいろいろな市場のメカニズムを俯瞰をして見る。だから、バッテリーパスポートとか、バッテリーの、一部のものだけですけれども、それを、もっとあらゆる製品、リサイクルした、いろいろなことを、全体を俯瞰して見るという、実はかなり壮大な目標を日本は掲げているというのを私も勉強させていただいて、非常に頼もしいなと思ったところですので、是非これを世界に向けて発信できるようにしていただきたいと思うんですね。 ただ、このシステムなんですけれども、やはり懸念するのが、企業の営業秘密を守り抜かなきゃいけないということと、あとは環境価値の証明に必要なデータを共有するということは、やはりどうしても二律背反する事象なんですよね。ですので、この課題をシステムとしてどう解決しようとしているのかということについても、是非ちょっとお聞かせいただけますでしょうか。”
“ありがとうございます。 まさに今私も、ちょっとこの日本の取組というのを是非促そうと思っていたところでございます。 EUがこのDPPを導入する最大の狙いというのは何かということを私なりに考えてみますと、これは、製品に含まれるレアメタル等の希少資源の種類や、あるいはリサイクル可能な設計かどうかを可視化することで、製品を効率的に回収し、資源として再利用する、この循環型経済を支えようとしている点にあると私は見ております。 しかし、このDPPはサプライチェーン全体でデータを共有するため、そこには企業の営業秘密や独自技術のデータも含まれる可能性がございます。政府は、中小企業を含むサプライヤーが安心してデータを提供できるためのセキュリティー担保や情報漏えいリスクを軽減する仕組みづくりについて、どのように認識され、どのようにEUと調整されているのか、お伺いいたします。”
“このEUのDPP導入の義務化に対して、政府はどのように認識し、今後どのように対応されるのかについて、お伺いいたします。”
“ここでは、バッテリーのライフサイクル、つまり原材料の調達から製造、使用、リユース、リサイクルまで、バッテリーに関するあらゆる情報をデジタルで一元的に管理するバッテリーパスポートが義務化されています。このバッテリー規則を先駆けとして、現在、EUでは、電池以外の製品も対象とするデジタル製品パスポート、DPPの導入が急速に進められています。消費者は、DPPにアクセスするためのQRコードなどをスキャンすることで、その製品がどれだけ環境に配慮されているかを瞬時に確認することができるようになります。そして、来年二月からはEV用バッテリー等へのDPP導入が決定しており、実務上の対応期限は、まさにこの二〇二六年中ということになります。 もし日本が欧州の決めたルールに受動的に従うというのであれば、我が国製造業の機密情報やサプライチェーンの核心データが他国に握られ、欧州市場への参入をちゅうちょする企業が増えるおそれがあります。あるいは、これに対応できない企業については、欧州の市場ではビジネスを行えないということになるわけです。”
“ありがとうございます。 まさにこの分野も世界で競争だと思いますので、是非環境大臣には、日本をリードして、世界を引っ張っていっていただければというふうに思います。 次に、資源を効率的に循環させ、廃棄物を最小化しつつ経済活動を行っていく取組、サーキュラーエコノミーについて質問させていただきます。 CBAMはいわば炭素の関税であり、製品の製造過程でどれだけのCO2を出したかを正確に証明することが求められる制度でございます。 しかし、この排出量の見える化という動きは単に炭素価格の調整にとどまりません。今、欧州を中心に、製品がどこでどのような素材で作られ、どうリサイクルされるべきかという全工程のデータをデジタルで管理、共有しようとする大きなルール形成が進んでいます。 カーボンニュートラルの実現には、エネルギーの転換だけでなく、資源を無駄なく使い回すサーキュラーエコノミーへの転換が不可欠であり、その鍵を握るのが情報の透明性です。 EUでは、二〇二三年に欧州バッテリー規則が発効しました。”
“これまでの取組を通じて、知見やノウハウの蓄積、そして必要なデータの収集が進められ、公平性や実効性を高めるための制度が進められてきました。そして、二〇二六年度からは排出量取引が本格的に稼働される予定とされています。 そこで、石原大臣にお伺いしますが、気候変動対策の司令塔でございます、是非、環境省、排出量取引制度をどのように活用し、そして炭素政策全体をどのように推進していくのか、大臣の御見解をお伺いできればと存じます。”
“ありがとうございます。 まさに、いわゆる国内の産業界に負担を課さない状態の中で、EUとの調整をどう図っていくか、やはりこれが非常に難しい課題だと思うんですね。今御指摘があったように、各国でも既にいわゆる対抗措置として、このCBAMを課そうとしている動きがあるということでございます。既に台湾がそういう動きをしていると。台湾がもしこのCBAMを導入するようになってくると、中国本土がこのCBAMを入れ出すと、もはやゲームのルールは完全にそちらにシフトされてしまいますので、日本がその状況でこのCBAMが全体の中で導入されたら、大変な、私、大きな問題になるというふうに危惧しています。ですから、是非、経産省さんには、リーダー役となって、日本が積極的にこの運用を行っていただきたいというふうに思うんですね。 その上で、今まさに日本が進められている、二〇二三年に設立されましたが、GXリーグ、これが非常に私は重要かと思っています。これは、企業がそれぞれ自主的に排出削減目標を定め、その達成に向けて排出量取引を行っているわけでございます。”
“これについて、政府は、この価格差の解消をする、そのためにどのような方法で解消していこうとされているのか、この点について御見解をお伺いいたします。”
“御説明ありがとうございます。 今の交渉で言われているいわゆる控除というのは、この資料の下の図でいくところのEU域外の炭素価格、これが聞きたいんですけれども、この部分を、EUに対して、同じように、炭素価格の同等程度を引いてくれと、同じだというふうに、控除してくれと、そういう意味だと思うんですけれども、でも、結果として、それでもEUの炭素価格の方が今は高いわけですよ。結局、やはり差額が残る。その差額分はCBAMとしてEUは課してしまう。ですから、控除するのは確かに大事なんですけれども、CBAMのこの差額は残ってしまうということなんです。 ですので、このCBAMの支払い額、これは、結局、EUの炭素価格と日本国内で既に支払われた炭素価格の差分で決まるということですので、現在のEU価格、炭素価格は高騰しており、日本との差はもう歴然としているというのは明らかです。したがって、日本とEUでは制度そのものの仕組みが異なるなど様々な理由はありますけれども、この価格差が存在し続ける限り、日本は、企業は継続的にCBAMの支払い義務が生じてくる、これは変わらない事実でございます。”
“そこで、EUは、域内で生産しても域外で生産しても、企業が脱炭素のために負担するコストを同じにするという新たな経済ルールを導入しました。これがCBAM、炭素国境調整措置でございます。 この制度では、域内と域外の炭素価格の差額を調整金として支払う仕組みとなっています。そのため、域外で排出量の多い安価な方法で製造した場合でも追加の負担が生じてしまい、域外で生産するメリットがなくなります。結果として、CBAMは温室効果ガスの排出削減に大きく寄与しております。 現在、EUの炭素価格は一トン当たり約六十ユーロから百ユーロの間で推移しており、日本とは数倍の開きがございます。CBAMが本格運用されれば、日本の輸出企業は、日本国内での炭素価格に加え、EUに対しCBAMの支払いという二重のコスト負担を強いられるリスクがあります。 このような二重負担を回避するため、日本政府としてEU側とどのような交渉を行っているのか、お伺いいたします。”
“ありがとうございます。 日本もしっかり頑張ってくださっていると思いますが、やはりEUの動きというのは大変私たちも注視しなきゃいけないというふうに思っております。 そこで、日本企業への影響が懸念されるEUのCBAMについて伺います。 資料二を御覧ください。 EU―CBAMとは、EU炭素国境調整措置のことです。資料の上段、CBAM導入前を御覧ください。 例えば、EUの地域外で安価な石炭火力発電により製品を作るとします。一方、EUで風力などの再生可能エネルギーで製品を作った場合、温室効果ガスの排出量は抑えられますが、製造にかかる費用は高くなります。炭素価格とは製品を作る過程でかかるコストであり、温室効果ガスの排出削減のためのコストであるとも言えます。 このように、EU域内では、企業は排出量取引制度、EU―ETSにより高い炭素価格を負担していますが、域外の企業は、その負担が軽いため価格競争で有利になります。EUだけが厳しい規制を強めれば、企業は規制の緩い域外へ生産拠点を移転させてしまいます。これでは、地球全体の排出削減にはつながりません。”
“一定の成果は出ておりますが、イギリスやEUと比較すると、まだ改善の余地があると思われます。 EUは、一九九〇年から四十年後の二〇三〇年までに五五%以上を削減するという目標を掲げ、制度設計、法整備、そして市場形成において、極めて戦略的に動いています。一方、日本は、二〇一五年に合意されたパリ協定に基づき、二〇二一年の閣議決定で、約三十年後の二〇五〇年までに温室効果ガスの排出量と吸収・除去量を均衡させ、実質的に排出ゼロを目指すカーボンニュートラルの実現を目指すと宣言をしました。 日本もEUと同様に野心的な目標を掲げているわけですが、これまでの削減実績の評価と、環境省が政府の中でどのようなリーダーシップを発揮していくのか、石原環境大臣の御見解をお伺いいたします。”
“中道改革連合の西園勝秀です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 早速質問に入らせていただきます。 地球温暖化対策は全ての省庁が横断的に取り組むべき課題でありますが、中でも環境省はその旗振り役としての役割が期待されているところでございます。 そこで、本日は、温暖化対策の重要な施策としてのGX、グリーントランスフォーメーション、そしてサーキュラーエコノミーに関する質問をさせていただきます。 まずは、これまでの化石燃料中心の社会構造からクリーンエネルギー中心の脱炭素社会へと転換させる取組であるGXについて質問させていただきます。 配付資料の一を御覧ください。これは、主な国別の温室効果ガス排出量の推移を示すものです。右側の表を御覧ください。これは、一九九〇年から二〇二三年までの三十三年間の排出量の変化率を表した表です。中国やインド、ブラジルなど、極端な増加をしている国もある一方、上から四段目のEU二十七か国はマイナス三四%、下から三段目のイギリスはマイナス四七%と、かなり努力の成果が見られます。一方、日本は、中段にありますとおり、マイナス一一%となっております。”
“ありがとうございます。 ドクターヘリの質問を準備しておりましたが、時間となりましたので、これで終わらせていただきます。本日は大変ありがとうございました。”