西園勝秀
中道改革連合・無所属 · Japan
“御答弁ありがとうございます。 ツキノワグマの月の模様の調査は私もすごく大事だと思うんですけれども、これはツキノワグマにしか適用できません。つまり、北海道で出ているヒグマにはこれは利かないわけでございますね。やはり私は、その意味でも、この鼻紋を用いた個体識別というのは非常に有効な手段じゃないかと思っておりますので、是非御検討いただければと思います。 最後に、ちょっと時間もありませんが、山岳トイレについて伺わせていただきます。 近年、インバウンド需要の拡大に伴い、国立公園や国定公園を始めとする観光地ではトイレ不足が深刻な課題となっております。観光客が安心して快適に利用できる受入れ環境を整備することは、観光立国を推進する上で極めて重要です。 一方、自然公園や山岳地域には上下水道…”
“これは、二度にわたって人間に捕獲されたんですけれども、そのまま放したという状況で、さらに、その熊が子熊を連れてまた戻ってきた、こういう状況なんですね。宮崎さんによれば、捕獲された熊を放すと、人間は脅威ではないというふうに認識をし、そのことが子熊にも学習して伝わってしまうということをおっしゃっておられました。 また、宮崎さんは、人里に出没する熊が森の餌不足である、出没する原因が餌不足であるという一般的な説は誤りであり、個体数の圧倒的な増加によって生息域からあぶり出された熊が人里に出ている、それが実態だということをおっしゃっておられました。 その根拠となる山の実態について、時間の関係上、ほんの断片にはなりますが、私が宮崎さんから伺ったお話を少しここで御紹介をさせていただこうと…”
“しかも、個体や家系、地域によって食性は異なり、その違いはふんの分析からも確認できるとのことで、御紹介した写真集にも掲載されています。 本来、熊は、鋭い牙を持つ雑食性の大型哺乳類であり、死肉の臭いを嗅ぎつけ、土葬された人の墓を掘り返す習性もあったとのことでした。また、道路にまかれる融雪剤、塩化カルシウムが、塩分を必要とする鹿を道路周辺に誘引し、鹿の個体数が急増、餌の鹿が増えたことで熊が激増する要因になったとの指摘や、空き家のトイレにあるふん尿のミネラル、鉱山跡の人の汗の塩分など、人間の痕跡に動物が集まる現象も、結果として野生動物の行動に影響を与えているともおっしゃっておられました。 こうした知見を踏まえ、宮崎さんは二十年以上前から、地域ごとに適正な個体数を設定し、それを上回…”
“子供の頃は、人々の暮らしを支えるエネルギーはまきや炭であり、里山では日常的に木が伐採されていました。そのため、集落から尾根まで見渡せるほど見通しがよく、それが緩衝地帯となり、人間の生活圏と自然動物とのすみ分けができていました。しかし、高度経済成長期に入り、エネルギー源がまきや炭から、電気、ガス、石油へと転換し、人々が山の木を利用しなくなると、かつて見通しがよかった里山はうっそうとした森林へと変化しました。さらに、戦後の植林や林業の人手不足により山林の管理が十分に行われなくなった結果、人と野生動物を隔てていた緩衝地帯が失われました。 森林は豊かになり、野生動物の餌も増え、さらには保護を重視した熊対策により、熊の個体数が増え続けた結果、生息域からあぶれた若い個体や弱い個体が人…”
“ありがとうございます。是非、安全なドローンの運航ができるように調整をお願いいたします。 本日、一冊の本をお持ちしました。これは、長野県にお住まいの宮崎学さんが、四十年以上にわたり熊の生態を追い続け、その成果をまとめられた「となりのツキノワグマ」という写真集です。 私は、先日、宮崎さんに直接お話を伺い、実際に熊のわなをかける現場にも御案内をいただきました。 こちらの資料を御覧ください。宮崎さんの横に、木に大きな傷がございます。これは、おりに捕獲された熊に対し、別の熊が威嚇のために暴れて、そして大きな傷をつけたということでございます。この傷、たった一つの情報で、捕獲された熊以外にも別の熊が近くにいるという事実が読み取れるものでございます。また、おりに捕獲された熊は激しく暴れる…”
“御答弁ありがとうございます。 まさに今おっしゃられた費用対効果の高いサプライチェーンの構築、やはりこれが私も鍵だというふうに思います。 そして、家庭から排出される年間約十万トン、この廃食油の回収についても大変重要かと思います。この点についてもちょっとお伺いさせていただこうと思います。 現在、家庭から出る廃食油の九割以上が廃棄されております。全国で回収を進めるには、住民の継続的な協力を得ること、収集運搬コストの削減という二つの課題を克服する必要がございます。 本日は、それらの課題を克服している神奈川県藤沢市の取組を御紹介します。藤沢市では、廃食油を週一回の戸別収集により回収しています。住民が回収拠点まで持ち運ぶ必要がないため、負担が大幅に軽減され、高い回収率を実現しています…”
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“これまでアクセス・無害化措置が警職法六条の二を準用し得る根拠について様々な議論がなされてきましたが、大澤先生の御意見を受け、改めて、警職法七条の武器の使用ではなく、六条の二の立入りを準用する根拠を教えてください。”
“公明党の西園勝秀です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 能動的サイバー防御法案につきましては、これまで何度も議論されてきましたので、もしかしたら、かぶる質問があるかもしれませんが、御容赦願います。 まず初めに、自衛隊が準用する警職法の根拠について伺います。 自衛隊が警察権を用いて行うアクセス・無害化措置は、警職法六条の二を準用することになっております。アクセス・無害化措置のうち、アクセスが警職法第六条の立入りを準用していることに異論を挟む人はいないと思います。一方、無害化措置は、相手のコンピューターの機能を止める行為であることから、警職法第七条の武器の使用を準用しているとも読み取れます。もし自衛隊が警職法第七条を準用しているとすれば、先制攻撃を禁じる憲法九条に抵触していることになります。 三月二十八日の内閣委員会において、大澤淳先生は、無害化の措置は相手のコンピューター機能を止めますので、これはある程度、武器の使用に近いような概念になるのかというふうに思っておりますと述べておられました。”
“ありがとうございます。時間となりました。 岩屋大臣、今日は、NATO外相会議ですね。是非、お気をつけて行ってください。国際秩序の維持、そして力による現状変更を許さない、こういう立場をしっかり示していただければと存じます。 大変ありがとうございました。終わります。”
“御説明ありがとうございます。 母国語で相談できる窓口というのは、本当に大切だと思います。外国人介護人材が働きやすい環境づくりを是非よろしくお願いいたします。 次に、日・ウクライナ租税条約について伺います。 先ほどの委員の質問の中で、三十年以上たってなぜこの条約を結んだのかという話がございましたので、この点の質問は飛ばさせていただきまして、まさに日ロ租税条約の発効が二〇一八年であるということを考えれば、それから三年後の二〇二一年にウクライナとの交渉が開始されたということについては一定の理解ができると思います。 この日・ウクライナ租税条約は、二〇二四年二月十九日、日・ウクライナ経済復興推進会議の開催に合わせて署名がなされました。また、同会議の基調講演で、岸田前総理は、官民一体でウクライナの復興に向けた取組を強化する方針を示されました。アメリカのトランプ政権誕生により難しい立場に置かれているウクライナにとって、本条約の発効は復興支援の一助となるのでしょうか。政府の御見解をお聞かせください。”
“それは日本側の責任であり、日本の努力が両国の信頼関係を深め、将来的にもインドネシアの方々を安定的に受け入れる基盤となっていくと確信いたします。 これらの点も踏まえ、技能実習生、特定技能一号、EPA介護福祉士候補者に訪問介護サービスを担っていただくに当たり、リスク管理を含めた政府の対応についてお伺いをいたします。”
“これにより、これまで大変な思いをしながら介護現場を支えてくださっていた事業所を始め介護者の皆様にとって一筋の光明となることは間違いないと思います。 しかし、日本と文化が大きく異なるインドネシアの方々が訪問介護の現場に立つ際には、受け入れる我々日本側も彼らの文化を尊重し、適切な配慮を行う必要がございます。 例えば、左手は、トイレ使用後の洗浄に使われるため、不浄とされています。そのため、握手や物の受渡しを左手で行うことは礼儀に反すると考えられ、左手の握手は避けられます。日本では両手で名刺を受け取るのが一般的ですが、インドネシアでは、さきの理由で両手を使うのは御法度です。また、イスラム暦でラマダン月と呼ばれる約一か月間は日の出から日没まで断食を行い、食事や飲物を控える方も多くおられます。 介護現場の人材不足が深刻化する中、日本で働き、支えてくださるインドネシアの方々の文化的背景を理解し、配慮することは、彼らが心身共に安心して働ける環境を整えることにつながります。”
“御説明ありがとうございます。 インドネシア候補者の合格率を上げるためにも、日本語研修の充実を是非よろしくお願いいたします。 現在、介護人材の不足が深刻化しており、特に、訪問介護の現場は危機的な状況にございます。多くの事業所が経営難に陥り、倒産を余儀なくされるケースも増加しております。また、現場で働く介護職員は、人手不足の中で過重な負担を強いられ、心身共に疲弊し、離職を考える人も少なくありません。私も、地元静岡で訪問介護の事業所を運営されている複数の方々から悲痛なお声を伺っております。 今後ますます高齢者が増加する中、このような状況が続けば、訪問介護サービスの提供が困難となり、支援を必要とする高齢者や障害をお持ちの方々が必要な介護を受けられなくなるおそれがあります。 そこで、政府は、本年四月から、技能実習生、特定技能一号の外国人材による訪問介護サービスを認めるように要件を緩和しました。EPA介護福祉士候補者についても、送り出し国との調整が整えば訪問介護に従事できるようになります。”
“EPAで来日したインドネシアの候補者のうち、二〇二三年度の看護師試験には百三十人が受験し、残念ながら、合格者はゼロ人です。同年度の介護福祉士試験についても、百八十九人が受験し、合格者は僅か四十二人で、合格率は二二・二%でした。他方、同じくEPAに基づき来日するベトナムの候補者の場合、二〇二三年度の合格率が、看護師一六・四%、介護福祉士八六・四%と、インドネシアよりはるかに高くなっています。 この背景に、日本語の研修期間の違いが指摘されています。ベトナムの候補者は、訪日前に十二か月の日本語研修を受け、日本語能力試験N3以上を取得することが要件として課されています。一方、インドネシアの候補者については、訪日前の日本語研修が六か月のみで、日本語能力試験は、N3よりも一つ下のN4以上、つまり、基本的な日本語を理解することができる程度を要件としています。 ベトナムと同じ要件にすればインドネシアの候補者の合格率も上がると考えますが、政府の御見解をお聞かせ願います。”
“御説明ありがとうございます。 まさにアメリカの関税引上げで世界が戦々恐々とする中だからこそ、自国第一主義にとらわれない、EPAを始めとするグローバルな経済連携の重要性が一層高まっているのではないかというふうに感じております。 では次に、本議定書における看護師、介護福祉士候補者の受入れ条件の改善について質問させていただきます。 日本では、医療や介護の現場での人材不足が深刻な問題となっています。その意味では、日本での看護師、介護福祉士の国家資格取得を目指し、EPAに基づき来日してこられるインドネシアの方々は大変貴重なありがたい存在です。 気になるのは、看護師候補者の受入れ人数が近年減り続けていることです。現行の日イEPAに基づく看護師候補者の受入れ者数は、毎年度の上限二百人に対して、受入れを開始した二〇〇八年度は百四人、二〇〇九年度は百七十三人でしたが、二〇二一年度から二三年度までの三年間は、八人、十六人、十六人と、上限より大幅に少なくなっています。 また、せっかく来日しても、看護師、介護福祉士の国家試験に合格できず、帰国を余儀なくされている方が多いのも実態です。”
“しかし、駐在期間に、EPAに基づく日本からの投資で地下鉄を含む都市鉄道のインフラ整備が始まり、私の帰国後に開通しました。数年後、出張でインドネシアを訪れた際、空港からジャカルタ市内までの都市鉄道の快適さに感動し、羨ましく思った次第です。 一方で、ジャカルタからバンドンまでの高速鉄道整備事業は、日本側の提案は受け入れてもらえず、中国に受注されてしまいました。 中国や韓国の進出が加速する中、今回のEPA改正によって、日本はインドネシアに対してどのように存在感を発揮していくことができるのでしょうか。日・インドネシア経済連携協定の改正の意義について、岩屋外務大臣の御見解をお聞かせください。”
“公明党の西園勝秀です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 まず、ミャンマーの大地震で、ミャンマーとタイで甚大な被害が発生しております。亡くなられた方々への御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。日本政府におかれましては、被害が甚大なミャンマーへの最大の支援を講じてくださいますよう、お願いを申し上げます。 質疑に入らせていただきます。 なお、これまでの質問とかぶる部分があるかもしれませんが、御容赦いただければと存じます。 まず初めに、日・インドネシア経済連携協定改正議定書について伺います。 私は、国土交通省から出向し、JICAの専門家としてインドネシアに三年間勤務しておりました。赴任したのは二〇〇九年で、日本とインドネシアの経済連携協定、いわゆるEPAが二〇〇八年七月に発効してから約一年が経過した頃でした。ちょうどその時期、日本企業の投資が進み、雇用が創出され、インドネシア経済が活気に満ちているのを肌で感じてまいりました。 私が駐在していた当時、ジャカルタ市内は世界一の渋滞都市と言われ、どこへ行くにも渋滞を避けられない状況でした。”
“失礼いたしました。承知いたしました。 是非この両国の関係をしっかりと強化し、また、この度のJICA法の改正によって主要先進国としての日本が他国とともにより反映していけるよう、その仕組みづくりに万全を期し、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。”
“ありがとうございます。 済みません、ベトナムの割合、第二位でした。失礼いたしました。 岩屋大臣の御見解のとおり、親日、知日派を増やすことこそが日越友好関係の要であると確信をいたします。日本で学ぶベトナムの方々は、単なる経済的なつながりを超え、まさに両国をつなぐ懸け橋となる……”
“一方で、本国へ帰国したベトナム人が日本に滞在する同国出身者と共謀し、特殊詐欺に関与する事案が発生しており、深刻な課題となっております。その背景には、技能実習生が来日する際、仲介業者、いわゆるブローカーを通じて多額の借金を負い、経済的に厳しい状況に置かれることが一因であるとも言われています。 こうした問題を解決し、帰国後の犯罪防止を図るためには、ブローカーを介さず、正規のルートで円滑に来日できる仕組みを強化することが不可欠です。犯罪抑止という観点からも、帰国したベトナム人が日本との友好関係を維持し、日本社会に貢献できるよう、幅広い層を親日、知日派として育成することが両国の友好関係を促進する上で重要と考えます。 政府としてどのように取り組んでいかれるのか、岩屋大臣の御見解をお聞かせください。”
“御説明ありがとうございます。是非、日本企業の活躍の場をつくっていただければと存じます。 時間が残り少なくなりましたので、二問飛ばして、最後の質問に移らせていただきます。 ベトナムについて伺います。 日本政府は、ODAを通じて、ベトナムの経済発展やインフラ整備に大きく貢献してきました。道路、港湾、鉄道などのインフラ整備を始め、多くのプロジェクトが円借款によって実施され、日本企業も多数受注しています。しかし、近年、これらの事業においてベトナム政府による日本企業への支払いが遅延する事例が多発しており、日本企業の経営や事業遂行に深刻な影響を及ぼしています。この問題を放置すれば、日越間の経済協力に悪影響を及ぼしかねません。政府には、円借款事業の円滑な実施に向けた具体的な対策を速やかに講じることを求めます。 人材交流に目を向けると、技能実習生や特定技能制度を活用し、日本で働いている外国人のうち、半分以上がベトナム人であり、彼らが日本経済を支えてくださっているのは紛れもない事実です。”
“相手国は日本の技術を信頼し、日本企業に工事を発注したいと考えているにもかかわらず、日本の資機材、役務を三〇%以上使用しなければならないという条件が足かせとなり、価格面が折り合わず、本来であれば日本企業が受注できる大型案件を中国に取られてしまうというような事態も発生しています。 私も、JICAに勤務していた際、ケニアのモンバサ港でSTEP案件の形成を図ろうとしたのですが、コストを気にする相手国政府に受け入れてもらえなかったという苦い経験がございます。 この問題を解決するため、例えば土木分野においては資機材、役務の調達率三〇%の要件を緩和するなど、価格競争力も考慮した制度の見直しが必要と考えますが、政府としての御見解をお聞かせください。”
“岩屋大臣、御説明ありがとうございます。 ただいま大臣がおっしゃったとおり、OECDを始めとする国際基準と整合的な形で援助が行われるよう是非中国に対して働きかけていただくよう、よろしくお願い申し上げます。 中国との競争という観点では、円借款の日本タイド、すなわち、日本の企業や技術の活用を条件とするSTEP制度をもっと活用できるようにすべきだと考えます。 日本のインフラ事業は、高品質で耐久性があり、環境や防災面でも優れた技術を備えています。この優れた日本のインフラ技術を途上国に提供し、長期的で持続可能な発展を支援することはとても重要です。また、日本企業の参入を促すことで、現地経済への貢献や雇用創出にもつながります。日本の顔が見える援助という意味でも重要です。 このSTEP制度には、日本原産の資機材、役務の調達率三〇%以上という条件があります。このルールは、例えば、鉄道案件における車両輸送などでは、日本の車両を採用してもらう機会となります。 一方で、全てのプロジェクトにこのルールを適用すると、コストが高騰し、途上国から敬遠されるケースが生じます。”
“中国がOECDに参加すれば、中国の経済政策が国際基準に近づき、他国との協力が円滑になることが期待されます。一方で、中国の市場経済の不透明性や政府の関与の強さ、人権問題などが、OECDの価値観と一致しないとの懸念もあります。さらに、中国がOECDに加盟することにより、公正な競争環境の確保が難しくなる可能性があることから、慎重な議論が必要だと考える国もあります。 このようなことを踏まえ、中国に責任ある援助を行ってもらうよう、政府として中国にどのように対応していく方針なのか、岩屋外務大臣の御見解をお聞かせください。”
“そして、二〇一〇年に第一期工事、二〇一五年に第二期工事が完了しました。しかし、スリランカ政府は、返済に行き詰まり、債務を削減する代わりに港の運営権を中国企業に九十九年間譲渡することになりました。この取引は、中国が途上国への影響を強める債務のわなだとして、国際的に批判をされております。 欧米や日本などのOECD加盟国は、重債務貧困国に対しては、有償援助の債務を帳消しにした上で、その後は主に無償援助の形で支援を行うようになりました。しかし、その頃から中国は、これらの国々への貸付けを増やし、OECD加盟国が債務を免除した後に多額の融資を供与するようになりました。そして、返済が困難になった国に対しては事業の運営権の取得を強要するなど、中国は、国際的なルールを無視し、自国の経済的利益を優先する姿勢を強めています。こうした状況は決して看過できません。 世界第二位の経済大国である中国には、国際的なルールの枠組みに参加し、責任ある援助を行うことが求められます。ただし、OECDへの中国の加盟をめぐり、加盟国の間で意見が分かれているのも事実です。”
“ありがとうございます。田中理事長を始めJICAの皆様には、日本の血税を決して無駄にすることなく、有効な国際協力を進めていただくことを期待をいたします。 次に、中国の対外援助に対する日本の対応について伺います。 私は、JICAに勤務していた際、途上国のニーズに合わせた案件形成に努めてまいりました。その中で、相手国の政府機関との協議では、日本の提案が中国の支援と比較されることがよくありました。日本のインフラ支援は、質は高いがコストがかかり、工期が長いと指摘されることが多々あり、そのことが印象深く残っております。 相手国の首脳が日本の技術力や品質のよさを理解していれば、多少のコストや工期の長さは問題にならず、日本の支援を選んでくれます。しかし、各国の政治的な事情によってスピードや安さが優先され、結果として中国の支援が選ばれることが多くあります。 スリランカ南部のハンバントタ港の整備は、その代表的な事例の一つです。ラジャパクサ元大統領の地元であったこともあり、彼の任期中に大型の港を建設したいという意向から、二〇〇八年に中国の融資を受けて工事が始まりました。”
“民間の資金だけでは実施できない、本当に公的資金を必要としている事業であるかどうか、そこをどのように見極めていくのか、JICAのお立場からも御見解をお聞かせ願います。”
“御説明ありがとうございます。くれぐれも相手国の市場をゆがめることがないよう、適切な制度の運用をお願いいたします。 同時に、ODAの原資をつくり出してくださっている日本の納税者に対しても丁寧な説明をお願いいたします。 近年の物価高騰により、多くの国民が生活の苦しさを感じています。食料品や光熱費の値上げが家計を圧迫し、特に低所得世帯や年金生活者の方にとっては深刻な影響を及ぼしています。そのような状況の中で日本がODAとして多額の資金を海外に提供していることに対し、まずは自国民の生活を支えるべきではないか、あるいは、財源に限りがある中、優先順位を見直すべきだとの批判の声があるのも事実です。こうした不満の声を受け止めつつ、日本の国益に資するODAでなくてはなりません。 その意味では、今回のJICA法改正で、本来なら民間の資金だけで実施できる事業に我が国の貴重な税金を投入することがあってはなりません。そのため、この新しい仕組みを導入する際、借入企業の財務状況をチェックし、必要なところに過不足なく資金援助を行っていく必要があります。”
“御説明ありがとうございます。 今回の法改正では、今御説明がありましたように、JICAが行う有償資金協力の手法として、現在の資金の貸付けと出資に加え、新たに、開発事業に必要な資金に係る債務の保証、その資金を調達するために発行される社債の取得をJICAの業務として追加することになっています。 政府や国際機関の資金と、企業や銀行などの民間資金を組み合わせて開発を支援する仕組みは、既に国際金融機関や他国の援助機関で活用されており、日本は導入が遅れていると指摘されております。今回の法改正により、JICAが債務保証と社債取得という新たな資金支援の手法を取り入れることは大変意義があると考えております。 その際、公的資金が入ることで、民間の投資意欲がそがれたり市場に悪影響を与えたりしないかという懸念もございます。この点について政府はどのようにお考えでしょうか。御見解をお聞かせ願います。”
“そして、今回、JICA法を改正することにはどのような意義があるのでしょうか。政府の御見解をお伺いいたします。”
“公明党の西園勝秀です。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 JICAは、二〇〇六年の法改正によりまして、これまで行っていた技術協力に加え、新たに、国際協力銀行、JBICが担っていた有償資金協力、外務省が実施していた無償資金協力を加えた三つの援助を総合的に行う国際協力機関となりました。 私は、国土交通省からJBICに一度、JICAに二度出向し、勤務をいたしました。港湾分野を中心に、有償資金協力、無償資金協力、技術協力の業務に携わってまいりました。本日は、その経験を生かし、現在審議されているJICA法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。 今回の法改正が実現すれば、日本のODAを総合的に担う機関としてJICAが発足して以来、初めてのJICA法改正となります。前回の改正以降、途上国の発展には、ODAだけでなく、民間資金やその他の活動の役割がますます重要になっていると政府も認識しておりました。 そこで、お伺いします。 これまでの間、制度の見直しや法改正についてどのような議論が行われてきたのでしょうか。”
“防災庁が先頭に立って防災意識の啓発を進めていかれることを願い、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。”
“赤澤大臣、大変ありがとうございます。赤澤大臣の防災立国にかける熱い思いを拝聴し、大変うれしく思います。 赤澤大臣は、先ほどの防災省創設に関する論文の中で、国家国民を挙げて一刻も早く防災立国を実現することにより、日本国内で生まれ、いち早く実用化されて進化を遂げた世界最先端の我が国の防災技術が、災害に悩まされる世界中の国々に輸出されて我が国の国富を創造する、さらに超ハイスペックの防災技術と民生技術の相互転用により更なる異次元の国富が創造されるという展開が確実に期待できると述べておられます。私も全く同感でございます。 高度経済成長期に技術立国として世界をリードしてきた日本がいま一度その技術力を発揮できる分野の一つとして、防災分野が挙げられると思います。南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模災害は、いつ起こるか分かりません。その大規模災害に備え、災害リスクを最小限に抑える防災技術の開発に国は全力を注いでいかなければなりません。 それと同時に、国民の皆様の更なる防災意識の向上も、これらの大災害を乗り越えるためには絶対に必須です。”
“御答弁ありがとうございます。 トイレカーの納入を危惧する自治体の声を是非聞いていただき、交付金の執行に当たっては、繰越手続などで柔軟な対応を取っていただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。 現在普及しているトイレカーは輸入車が大半だと思いますが、私は先日、トイレトラックを製造している日本の中小企業にお話をお伺いしました。トイレトラックについては、国内に統一した規格がないため、一部の部品は輸入に頼っているとのことでした。防災立国を目指す日本として、トイレカーについては国産車両での技術開発が進むよう、政府がリードすべきと考えます。 また、防災立国を目指す大前提として、過去の災害の教訓を生かすことは当然のことと思います。その意味から、新たにできる防災庁は、復興庁を始めとする関係省庁、民間企業、団体、ボランティアなど、これまで復旧復興に携わってきた全ての人々が蓄積した教訓や知見に学び、それをベースに防災政策をつくり上げるべきと考えます。 本気の事前防災を目指す赤澤大臣の防災庁設置に向けた意気込みをお伺いいたします。”
“トイレカーやキッチンカーの全国広域での配備については、令和六年度補正予算で新地方創生交付金の中に地域防災緊急整備型が創設されたと承知しております。地方公共団体からは、全国でトイレカー等の注文が殺到しており、予知された事業期間内に資機材の納入が完了しないのではないかという不安の声も聞かれます。どのように対応するのか、政府の御見解をお聞かせ願います。”
“ありがとうございます。要配慮者への支援、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、トイレカー、キッチンカーについて質問させていただきます。 災害時の避難生活では、トイレ不足や衛生環境の悪化が深刻な課題となります。東日本大震災や熊本地震では、仮設トイレの不衛生さから排尿を控え、膀胱炎や脱水症状を引き起こす事例が発生しました。令和六年能登半島地震では、トイレ不足が問題となったことから、自治体や企業がトイレカーを派遣しました。水洗式で清潔に使用でき、バリアフリー仕様も可能なため、高齢者や障害者にも対応できます。今後の防災対策として、トイレカーの全国広域での配備が急務です。 また、被災地では食料確保が大きな課題となり、食材を持ち込み、現地で調理できるキッチンカーが重要な役割を果たしています。移動可能な調理施設を有し、迅速かつ衛生的に温かい食事を供給できるため、被災者の支援に貢献します。災害時には栄養バランスも重要で、キッチンカーは多様な場所で柔軟に支援できるため、今後の防災対策には欠かせない存在です。”
“その後、政府は、本年二月十四日、被災者支援の充実などを柱とする災害対策基本法改正案を閣議決定しました。 そこで、厚生労働省にお伺いします。災害救助法に福祉の概念が取り入れられることで、在宅で生活する高齢者や障害者など要配慮者に対する支援をどのように行っていくのか、御見解をお聞かせ願います。”
“御答弁ありがとうございます。 ただいまおっしゃってくださったように、場所から人への支援に考え方を転換すること、これはとても重要なことだと思います。 近年の大規模災害では、高齢者や障害者など要配慮者の避難生活が長期化し、適切な福祉サービスを受けられないケースが多発しています。例えば、東日本大震災では、福祉避難所の開設が遅れ、一般の避難所で適切な介護を受けられない高齢者が多数発生しました。また、熊本地震では、車中泊を余儀なくされた障害者が血栓症を発症する事例が相次ぎ、移動支援や見守りの必要性が改めて指摘されました。 こうした状況を受け、公明党は、発災後に要配慮者への支援が後回しにされる課題を重く受け止め、災害のたびに福祉支援の充実に向けた対応を推進してきました。 そして、昨年三月の参議院予算委員会で、当時の山本香苗参議院議員が、災害救助法の救助の種類に介護などの福祉支援が含まれていないことを指摘し、災害法制に福祉を明記するよう強く求めました。これに対し、当時の岸田文雄首相は、国会で初めて法改正に言及。”
“令和六年能登半島地震では、避難所に行かず自宅で避難生活を送られる方や、地域住民が自主的に開設した避難所に身を寄せておられる方が多数おられました。しかし、在宅避難者の状況把握が難しく、十分な支援が行き届かない課題が浮き彫りとなりました。今後、防災庁はこうした在宅避難者をどのように把握し、適切な支援を提供していくのか、政府の見解をお聞かせ願います。”
“ありがとうございます。 災害時には、多くのボランティアが被災地に駆けつけ、復旧復興活動を支えています。その受入れ拠点として、災害ボランティアセンターが被災地の市区町村福祉協議会に設置されることが一般化しています。 例えば、東日本大震災では、このセンターの設置により全国から集まった延べ約百五十万人のボランティアが適切に配置され、瓦れき撤去や炊き出し、心のケアなど、多岐にわたる支援が実施されました。さらに、学生や企業ボランティアが漁業支援を行い、ふんばろう東日本支援プロジェクトでは、被災者一人一人のニーズに応じた物資提供が行われました。 また、熊本地震では、益城町ボランティアセンターが設置され、避難所での炊き出しや仮設住宅での見守り支援を実施しました。さらに、NPOや大学生ボランティアが、倒壊家屋の片づけを行うだけでなく、高齢者や障害者などの方々に寄り添い、精神的なケアも行いました。 一方で、個人情報保護の観点から、行政が中心となって行わなければならない支援もございます。その一つが、在宅避難者への支援です。”
“ありがとうございます。 ただいま御答弁にもあったとおり、自治体やボランティアとの連携、これが本当に鍵となってまいりますが、支援の実効性を高めるためには、具体的な連携の仕組みが求められると思います。その意味で、防災庁の設置に当たり、地域防災力強化担当を置く意義は大変大きいと思います。例えば、都道府県ごとのカウンターパートとなるこの地域防災力強化担当は、自治体やボランティアとどのように協力し、訓練や備蓄の強化を進めるのか。また、地域ごとに異なる課題に対応するための情報共有の仕組みや、訓練の成果を防災政策にどのように反映させるのか。 こうした課題に対応するには、防災庁が司令塔となり、各省庁の職員が専門性を発揮しながら、政府全体で漏れなく、重複なく防災活動を進めることが求められます。特に、被災現場では混乱が生じるため、防災庁が被災自治体と緊密に連携し、必要な業務を各省庁に的確に指示する必要がございます。 例えば南海トラフ地震が発生した場合、防災庁は被災自治体とどのように連携し、自衛隊やボランティアの支援をどのように調整するのか。”
“防災訓練を実施する目的は、こうしたリスクを最小化し、実効性のある防災体制を構築することにあります。そのためには、現行の防災体制の課題や不足している点を正確に把握し、適切な対策を講じることが不可欠です。国や自治体、ボランティアを始め、全ての関係者が参加する防災訓練を実施し、その結果を分析しながら継続的に改善を図ることが求められます。 防災庁の設置にあっても、こうした訓練を通じて明らかになった課題に的確に対応し、実効性のある防災体制を築くことが重要と考えますが、政府の御所見を伺います。”
“ただいまおっしゃったように、一口にハザードマップといっても、その種類は本当に多岐にわたります。それを作成するためには最新のデータや技術者の高度な知見が必要であり、予算もまた必要です。ハザードマップで危険な地域に区分されるとその土地の地価が下がるなどの理由から、ハザードマップの作成が困難なケースも多く見られます。大変な道のりであるとは思いますが、自治体に対し、どうかきめ細やかな御支援をお願いいたします。 次に、防災庁設置に当たり、防災訓練を通じた課題のあぶり出しについてお伺いいたします。 私は、役人時代、毎年秋に実施される防災訓練に参画し、多くの貴重な経験を積みました。訓練を通じて現場の状況を再現することで初めて気づく課題も多くあり、その重要性を改めて痛感した次第です。例えば、危機対応マニュアルが存在していても、実際に訓練を行うと、状況にそぐわず形骸化している部分があると判明したこともあります。また、部署間で役割が重複し、責任の所在が不明確なために対応が遅れるといった問題も少なくありませんでした。こうしたトラブルや行き違いを挙げれば、枚挙にいとまがありません。”
“先ほど御答弁いただいた各都道府県のカウンターパートとなる防災庁の地域防災力強化担当には、国土交通省と連携し、是非その推進を図っていただければと思います。 事前復興まちづくり計画の策定に当たっては、住民が被る自然災害のリスクを最小限に抑えることが重要です。具体的には、ハザードマップを活用し、危険度の高い地域を極力避けるとともに、仮設住宅や復興まちづくりの適切な場所を選定することが求められます。 しかし、全ての自治体が、洪水、土砂災害、高潮、津波、液状化などのハザードマップを一〇〇%作成できていないのが実情です。本気の事前防災を進めるというのであれば、まず最初にやるべきは、ハザードマップの整備だと思います。ハザードマップが生かされず、作成されていない自治体もある中、いま一度、ハザードマップの重要性を認識し、作成を周知させ、事前防災に生かすべきと考えますが、政府の御見解をお聞かせ願います。”
“例えば、応急措置や罹災証明書の発行、被災者情報の収集など、被災後に発生が想定される膨大な事務作業に事前に備えることで、被災後の職員の負担軽減を図ります。また、自治体における復興まちづくりに対応可能な人材を育成します。これにより、被災後、応急復旧と並行して同時に復興まちづくりに取りかかることで、復興までの時間短縮を図ることが可能となります。こうして行政の仕事が円滑に行われることは、被災者の負担軽減にも直結し、彼らの生活再建を強力に後押しすることにつながります。 現在、国土交通省は、復興まちづくりのための事前準備ガイドラインを策定し、各市町村に事前復興まちづくり計画を取りまとめるよう促しております。大規模災害における被害を最小限に抑え、発災後の円滑な復興を図るため、平時から土地利用やインフラの復旧の方針を定める事前復興まちづくり計画は、事前防災の重要な要素です。しかし、その必要性が十分に認識されておらず、全国千七百八十八の全ての自治体のうち、それを策定しているのは、作業中を含め、僅か三%にとどまっています。”
“ありがとうございます。 ただいま御答弁された事前防災の取組は本当に重要です。東日本大震災では、大量の瓦れきが発生し、その仮置場が不足していたことが原因で、復興が大幅に遅れました。広域災害にあっては、被災した自治体が単独で瓦れきの処理を行うのは不可能です。例えば、私が住む静岡市では、南海トラフ地震で発生が見込まれる瓦れきを仮置きできる場所は、想定される発生量に対して十分の一もございません。全国の自治体が同じような状況にあります。そのため、災害廃棄物の処理を被災自治体のみに負わせるのではなく、他県も含めた広域で行う仕組みが必要です。 現在、環境省は、南海トラフ地震などの広域災害を想定し、自治体が連携して災害廃棄物の処理を担う地域ブロック協議会を全国八か所に設けています。災害時の広域連携を確実に実行するため、各都道府県のカウンターパートとなる防災庁の地域防災力強化担当がこの地域ブロック協議会の枠組みに参画し、その推進に取り組むべきと考えます。 また、復興事前準備も、事前防災の中核を担う取組として重要です。”
“そのためには、現在、各省庁が担う防災業務を俯瞰的に捉え、国や自治体等が作成する各種計画が整合的に適切に実施されなければなりません。何が必要で、今、何が足りないのかを、防災庁は正確に把握する必要がございます。そして、司令塔として、政府の災害対応をリードしていかなければなりません。 防災庁が取り組むべき事前防災とはどのようなものを考えているのか、御答弁をお願いいたします。”
“それは、本来であれば被災した皆が心を一つにして復興への歩みを進めていかなければならない、つらい思いを共有できる被災者同士だからこそ一緒に町づくりをしていきたい、それなのに、町長を始めとする役場の幹部が皆亡くなり、意思決定をする人がいなくなったために、被災者同士が語気を強めて言い争うような事態に発展してしまった、もし事前にルールがあればこのようなことにならなかったのではないかと思うとそれが本当につらいんですと肩を落としておっしゃっておられた姿でした。 大槌町旧役場庁舎が解体されたのは、二〇一九年三月、東日本大震災から八年後です。被災後の復興の在り方を事前に決めていたとしたら、八年もの時間を費やす必要はなかったのかもしれません。この教訓を生かし、災害後の混乱を最小限に抑え、迅速で持続可能な復興を可能にする仕組みを構築するべきです。 政府は、防災業務の企画立案機能を飛躍的に高め、平時から不断に万全の備えを行う、本気の事前防災に徹底的に取り組むとともに、災害発生時の司令塔機能を抜本的に強化するために、令和八年度中に防災庁設置に向けた検討を行うとしております。”
“被災地を回り、現地の皆様から様々な御意見を伺い、将来的に起こり得る南海トラフ地震などの大規模災害に備え、今、何をしなければならないのか、後世に何を伝えなければならないのか、本当に肌身で実感してまいりました。 東日本大震災の復興政策を振り返る中で、今でも深く教訓として心に残っていることがあります。それは、東日本大震災の津波で当時の町長と職員計二十八人が犠牲となった岩手県大槌町旧役場庁舎の解体をめぐる議論です。大勢の方が亡くなられた庁舎を見るのがつらいという方々と、震災の遺構として将来の教訓を残すために残すべきだと訴える方々との間で意見が分かれ、町を二分する大きな議論となりました。津波でこれ以上ない辛酸をなめた被災者である現地の皆様が、更に一重、つらい選択を迫られる事態に追い込まれました。 私は、語り部の方から多くのお話を伺いましたが、そのうちの数名の方がおっしゃっていたことが胸に刺さり、これまでずっと忘れられません。”
“公明党の西園勝秀です。 私は、一九九五年に、国土交通省の前身である運輸省に入省しました。本日は、運輸省出身の大先輩であられます赤澤大臣に質問する機会を与えていただき、大変ありがとうございます。 まず初めに、防災庁が取り組むべき事前防災とはどのようなものかについて伺います。 私は、赤澤大臣がお書きになられた防災省創設に関する論文を拝読させていただき、大変感銘を受けました。この中で、赤澤大臣は、日本航空一二三便墜落事故、また阪神・淡路大震災で多くの貴い人命が失われた経験が原体験となり、あらゆる災いから一人でも多くの人命を救いたいという熱い思いが私の体の中で燃えていると表現されています。こうした思いを持つお方が防災庁の設置をリードしてくださることが大変心強く、赤澤大臣の防災立国にかける熱い思いに深く共感する一人として、本日は質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 私は、復興庁に出向し、東日本大震災からの復興の教訓を取りまとめた復興政策十年間の振り返り、いわゆる復興政策十年史の編さんに携わってまいりました。”
“中野大臣、加藤大臣、大変ありがとうございます。 六月に中期計画をまとめられるということでございます。その際には、二十兆円というお言葉を聞けることを切に望みます。 答弁を、終わらせていただきます、大変ありがとうございました。”
“下水道を含むインフラの老朽化対策を次期中期計画にどのように反映させるのか、ソフト施策はどうするのか、それらの予算規模はどの程度か、御見解をお聞かせいただきたいと存じます。”
“日本のインフラは、高度経済成長期に集中的に整備され、多くが耐用年数を迎えています。二〇一二年の笹子トンネル崩落事故は老朽化が引き金となった典型例です。地方自治体も危険性を認識しつつ、予算不足で対策をしたくてもできない状況にあります。現在の予算配分では全国で大事故が頻発するおそれがあると私は大変危惧しております。 今我が国は、抜本的な国土強靱化が不可欠です。国土の強靱化は、ハード面だけではなくソフト面も重要です。二〇二三年に名古屋港がサイバー攻撃を受け、三日間機能が停止し、多大な経済損失が発生しました。サイバーセキュリティーの強化も急務です。 石破総理大臣は所信表明演説で、国土強靱化中期計画に関し、おおむね十五兆円程度の現在の五か年加速化対策を上回る水準が適切と御答弁されました。しかしその後、八潮市の道路陥没事故が起き、下水道の老朽化対策が喫緊の課題とされたところです。私は次期五か年の中期計画の予算規模は二十兆円でも足りないと考えております。 中野国土交通大臣と加藤財務大臣のお二人にお伺いいたします。”
“ありがとうございます。 ただいま御答弁くださったように、財政難や技術者不足に悩む自治体にどうぞお力をおかしください。よろしくお願い申し上げます。 次に、次期国土強靱化中期計画について伺います。 埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は日本全国に大きな衝撃を与えましたが、これは老朽化インフラがもたらす事故の氷山の一角にすぎません。被害者が出なかったため大きなニュースにはなりませんでしたが、一歩間違えれば人命に関わる大事故となる事例が全国で多発しています。 私は、国土交通省に二十八年四か月勤務する中、全国各地でこうした事例をたくさん見てきました。 お手元の資料を御覧ください。これは鹿児島港の岸壁付近で起きた陥没事故の写真です。長さ十五メートル、幅十メートル、深さ三メートルにわたり地面が陥没しています。これは、矢板岸壁が腐食し、穴が空いたことで内部の土砂が海へ流出し、空洞化した結果、陥没が発生したものです。原因は老朽化です。幸いこの事故では人的被害はありませんでしたが、もし貨物船の荷役作業中に発生していたら、人命に関わる大事故となっていたでしょう。”
“前向きな御答弁ありがとうございます。検討会で有意義な議論が行われ、最適な点検方法が見出されることを切に望みます。 次に、自治体が行う下水道整備に対する国の予算補助について伺います。 下水道の管理は各自治体が行っており、主要な管渠については設置又は改築に要する費用の半分を国が補助し、半分は自治体が負担しております。 しかし、各自治体はその予算の確保に苦労しているのが実態です。私の地元は静岡県ですが、浜松市からも国の財政支援を強く求める要望をいただいております。また、自治体は技術系職員の不足にも直面し、インフラの老朽化対策が後回しとなっているケースがほとんどです。このような現状がある限り、個々の自治体任せでは十分な老朽化対策は難しいと思われます。 その上で、国土交通省にお伺いいたします。自治体が行う下水道整備に対する国の財政的支援、技術的支援はどうなっているのでしょうか。現在の取組状況と今後の方針についてお聞かせください。”
“しかし、検査後三年で今回の事故が発生しました。もし三年目で検査を行っていれば、破損を見つけられたかもしれません。今後更に老朽化が進展すれば、下水道管の強度は加速度的に劣化します。 それらの意味で、再発防止の観点から、特に旧基準で造られた下水道管については、五年に一回以上の検査の頻度ではなく、例えば三年に一回以上など、検査の頻度や内容を見直す必要があるのではないかと私は考えます。 これらの点について、国土交通省の御見解をお聞かせ願います。”