上村英明
れいわ新選組 · Japan
“今おっしゃったんですけれども、諸外国では、公務員に労働基本権が保障されている国もあります。ヨーロッパではそうした国が決して少なくないということをお話ししたいと思いますが、次に移ります。 川本総裁にもお尋ねしたんですけれども、全公務員の三六%を非常勤公務員が占めております。こうした非常勤公務員の常勤化というものは、ある意味では政府の大きな課題であるというふうに思います。 まず一つは常勤公務員との格差を縮めることですが、年次休暇、病気休暇、住宅手当、扶養手当、寒冷地手当などでは依然格差が見られます。こうした意味では、二〇二一年に制定された厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインというのが、今、五年後の見直しでその拡充が図られているんですけれども、こうした見直しを公務員でも先行…”
“れいわ新選組の上村英明です。 会派を代表して、給与二法改正案の両案に反対の立場から討論いたします。 まず、一般給与法改正案についてですが、例年どおり、官民格差を埋めることを目的とする人事院勧告に沿ったものです。しかし、民間の賃上げ上昇が物価高に追いつけていない以上、公務員の給与引上げも現在の物価高には追いつけない不十分な内容であり、反対です。 高市総理は、さきの所信表明演説で、物価上昇を上回る賃上げが必要、継続的に賃上げできる環境を整えることこそ政府の役割と述べられました。今まさに求められている政府の役割は、地方を含めて約三百四十万人にもなる公務員に対し、物価上昇を上回る賃上げを官民共に実現し、継続的にその環境をつくることです。そのためには、人事院勧告の三・六二%を超える…”
“同一労働同一賃金ガイドラインの見直しや拡充など、厚生労働省の働き方改革関連法の施行五年後の見直しを公務員でも先行して行うべきではありませんか。さらに、そもそも非常勤公務員を増やさないため、例えば一定の期間内に完了する予定の業務にのみ非常勤を雇用するなど、入口での規制ルールを作るべきではありませんか。 最後に、特別職給与法改正案について、総理大臣や政務三役の特別職としての給与を当分の間支給しない点は、全面的に否定するわけではありません。しかし、自主返納から法改正による支給停止への移行は、企業・団体献金や裏金問題という政治と金の問題から国民の目をそらすための政府・与党のパフォーマンスとしか見えません。身を切る改革は、はっきり言って茶番です。 他方、本法案は、れいわ新選組が設置…”
“ありがとうございます。 今のお話にありましたように、国家公務員が国民からどう見られているかという部分も、実は人事院勧告という制度が見えにくくしているというふうに考えることはできないでしょうか。 例えば、公務員にも基本的なストライキ権などの労働基本権が認められるべきだという主張は以前からございます。現在でも、組織をすることはできますけれども、労働基本権というのは基本的に人権です、人権は人事院勧告のような代償措置で認められることは本来あってはいけないんです。これは例えば、ILOの条約にそうしたものがあるということも示しております。 その意味では、給与や勤務時間などの労働条件を決める団体交渉権の一部、今はまだありませんが、それから争議権を含めて、労働基本権の拡充が、こうした問題…”
“れいわ新選組の上村英明です。よろしくお願いいたします。 まず、一般職の件についてお話をしたいのですが。 高市総理は、十月二十四日の所信表明演説、これはもう皆さん繰り返し言われておりますけれども、物価上昇を上回る賃上げが必要、それから、継続的に賃上げできる環境を整えることこそ政府の役割と強調されました。 今回、給与法の改正は、国家公務員だけではなくて地方公務員の給与引上げにもつながりますし、民間への影響もあると思います。今まさに求められている政府の役割は、地方を含めれば約三百四十万人の公務員に対する物価上昇を上回る賃上げを実現していくことではないかなというふうに思います。 よく民間との比較ということをおっしゃいますけれども、生活者としての公務員を考えれば、やはり物価上昇を上…”
“ありがとうございます。 では、最後に特別職の話をしたいと思うんです。 今回の法改正によって閣僚給与の自主返納が支給停止になるという方向で、そして、これが政権のある種の決意を示すということを回答されたというふうに思っております。議場の皆さんは割と優しく、これを評価されていたと思うんですけれども、ある意味では、これはどういうふうに受け止められるかという、大人の世界というのはそうですよね、自分がどうだというだけではなくて、それはどういうふうな受け止められ方をするのかということでいえば、企業・団体献金や裏金問題という政治と金の問題から国民の目をそらすためのパフォーマンスとして取られかねないというリスクというものを想定されたことはありますでしょうか。”
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“そういうことを踏まえていくと、実は、デュアルユースの問題も、難しいけれども、やはり慎重に取り組まなくちゃいけない問題で、二〇一三年、日本学術会議は「科学者の行動規範 改訂版」というのを作っていらっしゃいます。この改訂版を作ったときに、科学者の責務の第六項に、当時はこういうふうな文言です、科学研究の利用の両義性に触れられていて、デュアルなので両義性という言葉を使っていらっしゃいますけれども、科学者は、自らの研究の成果が、科学者自身の意図に反して、破壊的行為に悪用される可能性があることを認識し、研究の実施、成果の公表に当たって、社会に許容される適切な手段と方法を選択する。 これはすごい、何というかな、明確とは言えないんですけれども、でも、当時としては多分ベストな表現だと思います。科学者は、自分たちの成果が意図しない悪用をされることに気をつけながらやってくださいよという、こういう警告であります。そういう意味では、日本学術会議は、私は、物すごくよく働いているなという、これは別に光石会長をよいしょしているわけじゃないんですけれども、というふうに思っております。”
“そういう形の産業に日本がのめり込むという時期が二〇一四年、一五年だとすれば、この時期に日本学術会議がこういうふうな声明を出された意味というのは、皆さんが考える以上に重要なことであったというふうに思います。 日本学術会議の副会長の日比谷さんがまとめられた「日本学術会議の組織及び海外のナショナル・アカデミーについて」という資料があるんですけれども、フランスの科学アカデミーの見解を紹介されています。フランス科学アカデミーは何とおっしゃっているかというと、最も正当な助言と勧告を行うためには、公的機関や産業界に対して政治的、財政的義務を負わない完全に独立した機関であることが不可欠であるということをおっしゃっています。 ところが、残念ながら、有識者会議も含めて、産業界の人が入らないと意見の多様性が担保されないということ自体が、ある意味では国際的な基準から外れるのではないかなと思います。 この辺は、笹川委員、いかがでしょうか。”
“軍産学共同体の問題点というのも、先ほどから何か出ているようで出ていないので、ちょびっとだけ言っておきますと、これは、大学が軍事研究に加担するとどういうふうになるかというと、皆さん、ちょっと想像するとお分かりになると思うんですけれども、研究成果が公開できない部分が出てきます。何でだか分かりますよね。一部分が軍事機密だからです。ですから、防衛省と一緒にやれば、ある部分は、研究が完成した後、公開できないということになります。 それから、それが軍産学まで行くと、海外に物が売れるので、どういうふうなことが起きるかというと、軍事産業というのは、アメリカを見たら分かるんですけれども、これは賄賂と癒着がどんどん広がっていきます。例えば、東南アジアに日本の武器を売るとかというと、幾らで売ったかというのは向こうは言いたがりません。こっちも言わないので、賄賂が飛び交うということになって、そういう意味でアイゼンハワー大統領は警告されたんです。”
“今までは、軍需産業はあっても売れなかったので、物すごくコスト高ではあるけれども、それは産業としては拡大しないということがあったんですけれども、早速売ろうということになります。 最初は、日本の潜水艦をオーストラリアに売るということがあったんですが、失敗します。何でかというと、これは武器貿易のノウハウを日本が持っていなかったんですね。それを踏まえて、様々な、武器見本市とかが今行われているんですけれども、こうした軍産複合体がある意味で始まったときに何がされたか。 先ほど言いましたように、二〇一四年にこの軍産複合体が日本で始まったということでいえば、二〇一五年の防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度は、日本における軍産学共同体の始まりと言ってもいいと思います。それに対して二〇一七年に日本学術会議が声明を発表されたのは、これは非常に卓見だというふうに私はその当時思いました。これはつまり、イデオロギーがどっちかの問題ではなくて、日本の戦後の平和主義の問題を体現してきた日本学術会議が、日本政府のある意味では変質に対してきちんとした対応をしたということであったと思います。”
“アイゼンハワー大統領というのは、日本では余り、マッカーサー元帥の方がなじみ深かったんですけれども、いわゆるノルマンディー上陸作戦の指揮をされた方です。相手方のドイツ軍はロンメルさんがいたので、上陸作戦はすごく難しかったんです。映画を見ると、船が揺れているんですけれども、あの日は天候が悪い日だったんです。その日しかなかったというのを決断されたのがアイゼンハワーさん。で、彼は大統領になりました。その方が、軍人の出身の方が軍産複合体を警告されたということがあり。 二〇一四年の安倍政権による、武器輸出三原則、これは御存じのように、七六年に三木武夫政権のときに確立されたものでありますけれども、実質的に日本は武器を海外に売らないという政策が取られていたものを、安倍政権が外して、防衛装備移転三原則へ転換しました。 これは、実は日本における軍産複合体の形成の始まりに当たります。つまり、武器を海外に売れるという構造ができれば、それによって軍需産業がどんどんどんどん拡大をしていくということになります。”
“その意味でいけば、こうした、分野の違う研究者、違うという、区別がつく研究者を統合的に扱う組織としての日本学術会議の重要性というものはとても大事だなというふうに思っていて、それを、内部構成は皆さんにお任せしますということの中で、先ほど言いましたように、内規でこれを定めるという形のものが、本当に政府の政策として、見える形になっているのかというのはとても疑問に思っています。 次の点に移りたいんですけれども、活動の独立性の問題というのは、これも皆さん何回も御質問になったので余り新鮮味がないかもしれませんが、私の視点からすると、実は活動の独立性というものの中には、産業界からの独立性や、それから、先ほどから言っております軍事研究からの独立性が入ります。 例えば、政府からの独立性と同時に産業界からの独立性が重要だということは、これも古い話と言われればそれまでなんですけれども、一九六一年、アメリカのアイゼンハワー大統領が退任演説のときに、軍産複合体ということを警告されて退任されました。これは何かというと、軍事産業と政府の癒着が民主主義を脅かすという警告をされたことであります。”
“その意味でいけば、今会長がおっしゃったように、やはり文系と理系のある意味ではちゃんとした融合がないと本当は科学政策というのは前進しないということがあり、それまでは、日本学術会議の場合は、少なくとも三部構成というのは、その基礎をつくられていたと思います。確かに、それぞれの研究者が分野を融合、個人で幾つかの分野にまたがるということはありますけれども、これはある種、社会学的に言うと、アイデンティティーの問題とよく似ています。 私も、いろいろな分野、それなりに話ができます。でも、あなたは何と聞かれたら、私は国際法が専門ですと言います。なぜかというと、これは、大学のときには政治学でしたし、私が一番近しい研究者の先生が社会学だったんですけれども、自分が今一番自信を持って語れるのは国際法学だから。ですから、どんなに分野をまたがっていても、あなたのアイデンティティーは何と聞けば、研究者というのはそれなりに答えられるものだというふうに私は思っています。”
“ありがとうございます。 なぜこうしたことをお尋ねするかというと、二〇〇一年につくられまして、これは端々に出てくるんですけれども、総合科学技術・イノベーション会議という、もう一つの科学技術政策の司令塔と言われる組織が政府にあるんですけれども、このCSTIは、どうも文科系の研究者がなかなかいないんですね。 科学技術をいわゆる自然科学系の研究者中心で牽引していきたいという御議論があると思うんですけれども、私なんかは前から言っておりますように国際法の研究者なんですけれども、例えばバイオテクノロジーとかというのは、このCSTIの範囲内に入ると思います。いわゆる自然科学系の分野でありますけれども、じゃ、バイオテクノロジーが自然科学系の先生だけで構成できるかというと、今どういうふうな議論が文系の中でできるかというと、遺伝子資源の知的所有権という議論を国際的にはしています。つまり、DNAの構成が違った場合にどこで特許権を発生させるかということがございまして、国際的に知的所有権機関というのがジュネーブにあるので、こうした法的な枠組みをバイオの分野であっても文系の研究者が扱っているということがございます。”
“光石会長がいらっしゃるので、この分野別の構成に関しては、会長としてはどういうふうにお考えでしょうか。”
“そういう意味で、どういうふうな会員組織を扱うということが法文に明記されなかった理由をお尋ねしたいと思います。 さらに、これに付随するんですけれども、二百十名の会員がいれば、これは七十、七十、七十です。三つの分野を七十人ずつ分けて、ちゃんとした構成を考えていらっしゃったと思うんですけれども、これを二百五十にするという。二百五十では三で割れません、私の算数能力かもしれませんが、三つで割れないんです。こうした研究者のそれぞれの分野というものをどういうふうに統合していくのかというのを、今回の法案ではどういう議論をされたのかというのを笹川さんにお答えいただければと思います。 〔國場委員長代理退席、委員長着席〕”
“では、ちょっと今のも異論があるんですが、次のポイントに移りたいと思います。 これは、学術的に国を代表する機関というのが日本学術会議ということを言われていまして、その意味でいけば、現在の日本学術会議法が持っている三部制の問題をどう考えるかというのは極めて重要なことであるというふうに思います。第一部が人文・社会系、これはもう繰り返しませんが、第二部、第三部があって、特に人文・社会系の研究者の存在というのがとても大きな意味を持ってくると思います。 さらに、この下に、実は日本学術会議は各委員会を持っています。これは、機能別委員会、分野別委員会、課題別委員会というのがあるんですけれども、私のところにも、例えば法学委員会とか史学委員会とか、そうしたグループの先生方から、様々な、今回の状況に関していろいろな要望が内閣委員ということで寄せられています。 こうした会員組織をどう扱うかに関して、これも何回も言われていますが、法案に明文はなく、先ほどのお話ですと、内規で決めるということが書かれているんですけれども、学術的に国を代表する機関ということをちゃんと残すのであれば、さっきの学会とか大学とは違います。”
“そうした意味での、平和的復興に日本学術会議は役に立つという歴史の中で始まったんですけれども、これは古い時代の話に飛びますが、二〇一五年に防衛装備庁が、これは先ほどから何回も出ておりますけれども、安全保障技術研究推進制度ができ、これに対して、日本学術会議がそれに対する懸念を示される声明を出されました。さらにその後は、安保三文書が出て、ある意味では軍事利用の問題というのが日本の政治課題になっていくという。その意味では、日本学術会議は、学術の機関であるとともに、歴史的にいえば平和主義の組織なんです。 この問題を、今回の新しい法律を作るとおっしゃっておられて、しかも強化するというふうなことをおっしゃっている中で、どういうふうにお考えか。つまり、政府の政策に、ある意味ではイデオロギー的に反応しているのではなくて、元々、日本学術会議のでき方は、平和を守るという科学者の第二次大戦後の使命に基づいてつくられました。この辺について、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。”
“ありがとうございます。何かちょっとひっかかっているんですけれども、ちょっとずれているなという部分がございまして。 目的と前文は違います。前文は何が書かれているかというと、その法律の理念や歴史が書かれています。皆さん御存じの日本国憲法は、我々、第九条が平和主義だというふうに考えているんですけれども、実は日本国憲法の一番大事な平和主義は、前文です。この日本国憲法がどうしてできたのかという歴史認識が書かれているので、我々はその原点に立ち戻ることができる。 この原点とは何かというと、法律は時代が変わると新しい解釈を必要とします。条文が現実に合わなくなってくるというのは、どの法律でもあり得る話です。その場合に、法律学者は一般的に何をするかというと、前文に戻るんです。前文に戻ると、そこに理念と歴史が書かれているので、ああ、この第○○条はこういうふうに解釈すべきだなということができるというのが、この前文の、ある意味では重要な役目であります。その前文が第一条、目的に書き換えられたということは、これは実はかなり大きな問題であるというふうに私は考えています。”
“これを踏まえて、科学者の方たちが、戦後は自分たちは平和の目的に貢献するんだといって日本の中でつくられたのがこの日本学術会議だというふうに私は認識しております。 この日本学術会議法は、一九四九年ですけれども、科学技術が文化国家の基礎である、それから我が国の平和的復興への貢献をするという、ある種、理念といいますか、歴史的な背景を踏まえた前文が、決して長くはありませんけれども前文が掲げられているのに対して、今回の法案は、第一条、目的の中に、人類共通の知的資源、まあ、時代が違うと言われればそうかもしれませんが、科学技術は資源なんだそうです、資源であり、経済社会の健全な発展への基礎であるというふうに書き換えられました。これに対して、日本学術会議の総会で、こうしたものに対するある種の、反省、何というかな、懸念が生じたというふうに思うんですけれども。 大臣にお尋ねします。法律の前文というのは、本来どういう役目があるというふうにお考えでしょうか。”
“いわゆる日本学術会議のある種の歴史というものをちゃんと認識して、この取組をしてほしいなという期待だというふうに思うんです。 戦前は一九二〇年につくられました学術研究会議があり、これも前回私が指摘したと思うんですけれども、一九四三年の東条英機内閣の閣議決定で、科学研究は大東亜戦争の遂行を唯一絶対の目標としてこれを推進するとして、軍事研究に動員され、この軍事研究の展開の中で著しい人命が損なわれた歴史をくぐった経験から、この日本学術会議が誕生します。 人命の損傷と言いましたけれども、これは今、議長席には沖縄の出身の先生が座っていらっしゃいますけれども、やはり、沖縄戦の問題とかが忘れ去られようとしているという現実を考えると、本当に重いなというふうに思うんです。 第二次大戦の犠牲者は全体で五千万から八千万と言われています。どうしてこれだけの多くの犠牲を払ったかというと、原因の一つが科学技術なんです。つまり、物すごい軍事技術の発展によってこうした人命の損傷が行われた。”
“それからもう一点は、もう少し具体的なことなんですけれども、日本学術会議が四月十五日に採択した中に、ある意味では、国会で、抜本的な修正の可能性を含む、十分に慎重な審議をしてほしいという期待が記入されております。しかし、今までの質疑を見ても、内閣委員会を含む本衆議院審議で抜本的な修正が行われる可能性はないなというふうに私は思っています。 ちょっとこの辺の確認をまずは坂井大臣に率直にお尋ねしたいんですけれども、これから少し、若干まだ委員は残っているんですけれども、本委員会で今回の法案の抜本的な修正は可能だというふうにお考えでしょうか。御意見を伺います。”
“れいわ新選組の上村英明です。 四月二十五日の質疑、五月七日の参考人質疑、それから本日の午前の質疑、大変勉強になりました。特に、今回の日本学術会議法案に関して、学術会議と政府の溝は深いなということを感じることになりました。 それに関して、二点まずは前置きしたいんですけれども、この法案は、ある意味では法律の体を成していないなということを思います。法律の体を成していないというのはどういうことかというと、立法府がいかに軽んじられているかということを感じざるを得ない形になっていると思います。 具体的には何かというと、これこれは内規で定める、例えば、構成に関して内規で定めるとか、それから事務局に関しても内規で定めるとか、こういうことがたくさんあるので、委員の皆さんが、大臣、どう思いますかというのを問わざるを得ない。大臣の発言の議事録を言質としてこの法案のある意味では担保にしたいという構図を取るということは、法案自体が法の体を成していないということを実は感じております。”
“ありがとうございます。 私が今日何を言いたかったかというと、どうもこの法案を読んでいて、何かごまかされているなということを感じておりました。先ほど言いましたように、本来であれば高等研究機関の改革に使えるような手法を、日本学術会議という全く種類の違う組織に対して適用しているのではないかなというふうに思います。このままいくと、残念ながら、ナショナルアカデミーがナショナルクロデミーになってしまうとか、そういうふうな懸念も、これは冗談ではないようなことを考えております。 そういう意味でいけば、本来、有識者会議が提出された報告書を、司法的に言えば、裁判では差戻しというのを使うんですけれども、本来であれば差し戻して、日本学術会議を改革するとは何かということを、きちんとしたメンバーも入れてやるべきだというふうに思っております。 大体時間が来ましたので、私の質問はこれで終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。”
“ただ、これは設置すればいいという話ではなくて、国際的な要件が定められておりまして、これは一九九三年十二月に国連総会で採択されたパリ原則というものがあるんですけれども、その独立性の保障の中に、独自の職員と事務所を持つことが明記されています。 先ほど梶田参考人からも事務局の強化という御意見があって、これは本当に賛同するところなんですけれども、法案の規定によれば、附則の十二条なんですけれども、新しい学術会議の事務局職員は、基本現職員が移行するということになっています。 四月二十五日現在、事務局の正規職員は四十九名と聞いておりますけれども、そのうち、内閣府の職員が三十八名、そして文部科学省からの出向が四人、その他民間からの任期つきの出向職員が七名ということなんですけれども。 もし、政府が本当に日本学術会議の独立性を強化するということを目的にしているのであれば、職員の独自性についてもっと踏み込んだ対応があったというふうに思うんですけれども、こうした点に関して福田参考人はどういうふうにお考えでしょうか。御意見を聞ければありがたいです。”
“ありがとうございました。 その意味では、若手の意見を取り入れたり、それから、まさに多様性を、国籍を含めて取り入れる努力はされているというふうに思いますが、ある意味では御賛同いただいたと思いますけれども、やはり、深い洞察という、この社会に今一番欠けている、皆さんが表層の中で社会問題、社会問題とおっしゃいますけれども、それがどんな社会問題なのかということに対する見識を持たなければ、科学者としての役割は果たせないというふうに思っております。 では、最後に福田参考人にお尋ねしたいと思いますけれども。 国際人権法の世界では、政府から十分な独立性を確保された国内人権機関の設置というのが大きな課題になっております。残念ながら日本はまだできていないんですけれども。人権を扱うときに、裁判というのは物すごく時間がかかります。裁判に訴えると、最初の判決が出るまで大体二年ぐらいかかってしまうという。具体的な人権侵害にはなかなかタイムリーな対応ができないというので、国内人権機関というものを設置するということがあるんですけれども。”
“その意味では、今、永田先生にちょっとお尋ねしたんですけれども、日本学術会議は、通常の学会や大学などの高等研究機関とは異なり、表層の社会課題に向き合うのではなくて、科学研究に従事されてきた研究者の科学的知見とプラス長年の経験を合わせて、深い洞察を示すというのが日本学術会議の本来の役目だというふうに私は思っています。 もちろん、若手の研究者との交流、結構です。それから、多様性を認めること、結構です。ただし、それだけではなくて、科学的知見と長い経験を積まれた方たちが集まり、深い洞察を示すという意味では、従来の学会や大学とは異なる組織であるというふうに考えていますが、梶田先生の御意見はいかがでしょうか。”
“では、梶田参考人にお尋ねしたいと思いますけれども。 現在の政府は、学術政策として、競争的資金獲得などと結びついて、自然科学系の偏重を目指しているように私には見えます。しかし、理科系の研究者が社会問題と向き合ってきた歴史もあります。 かつて私は明治学院大学の国際平和研究所で働いておりましたが、一九八六年から九二年まで初代の所長を務められたのが豊田利幸先生でありました。一緒に、お話を聞く機会も何回かあったんですけれども、先生は素粒子論を専門とする核物理学者でしたけれども、日本学術会議の初代会員であった湯川秀樹先生や朝永振一郎先生と核兵器廃絶の運動に熱心に取り組まれました。 これは、ここにいらっしゃる皆さんは御存じだと思いますが、一九四三年、東条英機内閣の下で閣議決定した事項がございます。科学研究は大東亜戦争の遂行を唯一絶対の目標としてこれを推進するということがございました。 こうして、軍事研究に動員された歴史をくぐってこられた研究者の方たちが、日本学術会議のこうした位置づけを、設立をされたというふうに考えております。”
“今の発言が少し問題だなと実は思っているんですけれども。 最後に、永田先生、もう一点だけ。 この報告書は、日本学術会議改革の提言書ということになっていますが、残念ながら私の経験からするとそう読めないです。 何かというと、これは一般的な、高等教育機関としての大学や博物館などの改革をするための提言書ではないんですか。つまり、例えば、中期活動計画とか自己点検評価書、あるいは外部の知見の導入などというのは、私が大学にいるときにさんざん文科省から書かされました。その結果、閉校になったんです。なぜかというと、学生を教育する時間がなかったからです。 こういう問題のときの、ある種のメカニズムがこの法案の基礎であって、こうした大学や博物館などのような機関の改革には適当かもしれませんが、日本学術会議という組織を改革するときにこの提言書が適切であるというふうにお考えでしょうか。”
“どうしてこの点を気にするかといえば、二〇二〇年に菅政権によって任命拒否された会員候補六名は全て人文・社会系の研究者でした。 日本学術会議は二百十名の会員組織ですが、人文・社会系七十名、生命科学系七十名、理学・工学系七十名で、全分野を等しく網羅していると思います。 例えば、この有識者懇談会に、私の視点からいえば、憲法学や国際法学、あるいは歴史学などの研究者が不在だったことについて、先生は疑問を持たれなかったでしょうか。”
“四人の先生方、今日はありがとうございます。 れいわ新選組の上村英明と申します。 私は、小さい女子大ですけれども、東京郊外にあり、間もなく閉校になりますが、恵泉女学園大学というところで、二〇〇二年から二二年まで専任教員をしておりました。専門は国際人権法であります。 本日は、学問の自由に関する憲法第二十三条と民主主義における政府を批判する権利についてお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 まず、永田先生にお尋ねしたいんですけれども、今回の法案の基礎は、今もありましたけれども、二〇二三年の八月に設置された日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会と、二〇二四年十二月の同懇談会による報告書にあると考えています。 先生は、その懇談会の中で、十二名の委員のお一人でした。 この懇談会は十二名の委員なんですけれども、人文・社会系の学術に見識のある方というのを私なりに見ると、僅か二人です。ほとんど自然科学系の方が多いということがあり、人文・社会系は行政法と社会言語学の二人です。これはすごくマイナーな領域です、申し訳ないですけれども。”
“最後ですけれども、日本も、こうした外部資金の導入ということで、企業の冠講座みたいな授業が増えています。こうしたことがやはり学術の質を落としているということでいけば、ひょっとして、稼げる日本学術会議みたいなことになったら本当に世界の笑い物というか、そういうことになるという懸念を表明して、私の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。”
“先ほど、こうした例は少ないんだとおっしゃったんですけれども、これは私の質疑で今まで述べたと思いますけれども、人権の分野は国内人権機関というものをつくるように運動がずっと続いていたんですけれども、国内人権機関というのは、政府の機関でありながら、なぜ大事かというと、これは学術会議が言っている、こうした公的な地位というものが学術会議には必要だからです。この公的な地位を担保しながら安定的に意見を中立、独立で言っていくためには、そういう、政府の機関でありながら政府に物を言えるという組織が必要であります。 これを、今のような多様な財源という話になると、私が思い出すのは、私は大学にいたものですから、どんどんどんどん大学は、外部資金の導入、もっと別の言葉で言うと競争的資金というふうに言われました。その挙げ句は何かというと、二〇二二年に、先ほどの理科系ですよね、理科系の、科学技術立国を考え国際卓越研究大学法というのができ上がりまして、今何と言われているか、皆さん御存じだと思いますが、大学は稼げる大学にならないといけない。”
“法学者の方がいないと、何か基本的な論理がまかり通らないというのが今よく分かったなという感じなんですけれども。 時間がないので最後の点をお伺いしたいと思います。 今回、日本学術会議は、多様な財源という、選択肢を広げるべきだということをある種書かれています。この議論を見たときに、例えば安定的な政府財源ということがどうして日本で起こるのかというと、これは、日本ではこうした分野にきちんとしたお金がなかなか集まらないからです。 アメリカの場合は確かにいろいろな財源があるというふうに言われますけれども、これは、アメリカの場合は財団法人がしっかりしていて、しかも、企業の財団であっても中立性が担保されている場合がしっかりあります。それに対して日本では、政府がきちんとこうした面倒を見なければ安定的に話をすることができないということがございます。”
“その裏返しが、二〇二〇年十月の菅首相による六名の日本学術会議会員候補の任命拒否だったと思いますけれども、加藤陽子さん歴史学、それから、宇野重規さん政治学、芦名さんキリスト教学、岡田さん法学、小沢さん憲法学、松宮さん法学、全て文科系の先生方であります。 つまり、どう考えても、文科系の先生たちをこういうところに入れると、これは私なんかもそうなんですけれども、いろいろな批判的なことを言うのではないかということが見え見えではないかなと思います。 法学の先生を入れなかったので若干言っておきますと、法学の考え方の中には推定ということがございます。推定というのは、「推定無罪」とかという映画があったので御記憶だと思いますけれども、反証が示されない限り、状況から考えてこういうふうに考えるしかないというのが推定という考え方であります。 それでいけば、この任命拒否の問題は、先ほどからいろいろな理屈はおっしゃっておりますけれども、推定で考えれば、どうしても政府に批判的な、特に文科系の研究者を排除したかったというふうなことを考えざるを得ないんですけれども。”
“例えば、類推でいくと、新しい日本学術会議法の構成の基礎となった有識者懇談会は、東大の岸輝雄先生を座長に全体で十二名の有識者で構成されているんですけれども、そのうち十名は理科系の先生たちです。 先ほど、日本学術会議は三分の一が人文・社会科学系だというふうにあったんですけれども、この組織の在り方を検討する会議が、十二名中二名しか文科系の先生はいらっしゃらない。皆さんが理科系であって、これは、政府が今やっておりますようなイノベーション会議みたいな、理科系を中心に日本の学術政策を発展させたいというある種の意向かもしれませんが、文科系のお二人は行政法と社会言語学の研究者でありました。 私から言わせれば、何で憲法学とか国際法学とか歴史学の先生がこれに加わらなかったのかということは大変不思議なことでありまして、この有識者懇談会の人員の選定がどう行われたかというのは、是非資料を出していただきたいというふうに思いますので、委員長の方にお願いいたします。”
“ありがとうございました。 第二点目に移りたいと思うんですけれども、二点目は、日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の正当性が本当に大丈夫なのかという議論を一度しておきたいなというふうに思っています。 日本という国は、政府が科学や学術に介入しようとする際には、一般的に、理系を重視して文系を軽視するという傾向にあるのではないかなというふうに思っています。 例えば日本政府は、戦前ですけれども、当時、徴兵猶予のあった旧制大学、高等学校、専門学校の学生に対する学徒動員をいたしました。これは一九四三年十月なんですけれども、皆さん御存じの、同じ月に出陣学徒壮行会が明治神宮外苑で開催されたという記憶は、御存じだというふうに思います。 しかし、このとき徴兵された学徒兵は、文科系の学生と農学部生だったんです。つまり、戦争に役立つだろうという、兵隊さんにならないと役に立たないということでありまして、当時の理科系の学生は、兵器の開発や戦争継続に役立つとして兵役猶予が延長され、陸軍、海軍の研究所で勤労動員をされたということがございます。つまり、こうしたある種の分断を用いることがあるんですけれども。”
“その方が日本学術会議の中に入って到達した知見が何だったかというと、核軍縮です。核兵器をどうやってこの世界からなくすかということに到達した知見を持って、この学術会議の中でいろいろな活動をされてきたというふうに思っています。 こういうものの価値を生かすことが学術会議の意味だとすれば、先ほどから議論がある、外部評価が必要だとか、外部の人たちがどう入るか、入らないと学術会議が広い意味での社会的貢献ができないんじゃないかという議論は筋違いだというふうに思います。 ということをまずは指摘したいと思うんですけれども、この辺に関して、大臣はいかがお考えでしょうか。”
“その意味では、今回皆さん余り議論されませんでしたけれども、それなりの御年齢の方しかこの学術会議のメンバーに私はいないというふうに理解をしております。 では、なぜこういうことになるかというと、先ほど、この法案は、ちょっと科学や学術に対して基本的に分かっていないんじゃないのという話をしたんですけれども、日本の中で、科学的な研究や業績、つまり真理の追求という、これはほかの人は余りやりません、先ほど実学とかという話もありましたけれども、実学をやっている方は真理の追求は余りやらないんです。つまり、どう役に立つかということで物を考えるために、そうした真理の追求をやらない。この真理の追求を、ある程度年齢を経て培ってきた方たちの知恵を集めようというのが、この日本学術会議の社会的な意味だというふうに私は思っています。 つまり、例えば、日本学術会議の初期の段階では湯川秀樹先生がいらっしゃいました。湯川先生は何を専門にされていたかというと、核物理学です。核物理学を専攻し、実は、戦前は日本の陸軍と一緒に原爆開発をやろうとした方でした。”
“貴重な御意見をいただきました。ありがとうございます。 一つは、非常にそうだな、そうだなというか、私が言いたいなと思っていたことなんですけれども、先ほど、学会は特定の学術専門分野を想定しているというお話をしましたけれども、日本学術会議は、基本的に全ての学問分野を総括する組織である。これは、日本学術会議の中に、三部制を取っていらっしゃるんですけれども、第一部が人文・社会科学系の部会があり、第二部が生命科学系の部会があり、第三部に理学・工学系の研究者も参加していらっしゃるということになります。光石会長はこの理学・工学系の研究者の出身だというふうに思いますけれども。 さらに、二点目は、ちょっとずれたかなという部分だったんですけれども、優れた研究や業績がある人が会員としてこの組織に加盟できるということがございます。 先ほどの国際人権法学会のように、人権に関心があるから、誰か理事を一人探してきて、二枚推薦状をもらえれば入れるということではなくて、本当に、括弧つきなんですけれども、優れた研究や業績を持った方という基準をクリアしないと入れない。”
“会員にはどうやってなるかといいますと、会員二名の推薦状が必要です。そのうち一名の分は理事が推薦しないといけないという、これだけで実はこの学会に入ることができます。 これに対して、政府参考人にお尋ねしたいと思いますけれども、ここで議論しているナショナルアカデミーという組織は、こういう視点からすると、学会とどう違う組織上の特徴を持っているとお考えでしょうか。御意見を伺えればと思います。”
“正直にお答えいただきまして、大変ありがとうございます。 私自身は、現在、国際人権法学会という学会の会員でありまして、二〇一二年から二〇一八年には理事という役職を務めてまいりました。 学会の目的はというと、目的というのが規約に入っているんですけれども、この学会は、人権をめぐる国際的及び国内的諸問題を関連学問領域の協力によって研究し、もって人権の伸長に資することを目的とするというふうに書かれています。 実は、この中には国際人権法という言葉は入っていないんです。どうしてかといいますと、関連する学会が近くにいろいろありまして、例えば国際法学会とか公法学会、それから国際政治学会などの学会がございまして、むしろ、私の入っている学会は、こうした分野を横断的にあるいは学際的に結ぶということを研究の目的にし、その成果を人権の伸長に結びつけるということが目的で集まった研究者の集団であります。やや視野の広い学会なんですけれども、それでも、国際人権法という特定の学術専門分野を想定し、これに関わる研究者の交流を図るということを存在意義としています。”
“れいわ新選組の上村英明です。 今日は、済みません、坂井大臣がいらっしゃるんですけれども、ちょっと失礼な出だしで始まることをおわびしたいと思います。 私は、二十年間、大学で研究者をしておりました。今回、その立場でこの法案を見せてもらったんですけれども、残念ながら、問題があるというレベルを超えて、日本の政府というのは、学術とか科学ということについて余りよく分かっていないなということを考えざるを得なかったということがございます。 先ほど石井委員の方から、アカデミーというのは昔は学会という意味で使われたというふうにお話があったんですけれども、研究者の集まりというと、学会という組織があることは皆さん御存じだと思います。 坂井大臣にお尋ねしますけれども、これまで、こういう学術的な組織である学会の会員になられたことはありますでしょうか。また、学会はどういう組織だというふうにお考えかというのを、ちょっと最初にお伺いしたいと思います。”
“認識の違いを最後に伺ったので、ちょっと残念なんですけれども。 文化を実行するための、お祭りのための採捕もありますけれども、元々その地域に生活をしていた方たちなので、生活のための採捕も含めて、実はアイヌ民族に権利があるということを確認して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。”
“御存じのように、この前、四月九日に、ラポロアイヌネイションの方たちが、伝統的な行事のためにサケを捕りたいということで札幌地裁に訴えましたけれども、札幌地裁は、みんなの川なので、アイヌ民族だけの商業利用は認められないといって、これを敗訴にいたしました。 では、もう一つの特別採捕をやっている団体のこうした数字というのは商業利用に当たらないのかということがこれまで議論をされてこなかったというのが大変大きな問題ではないかと思います。 水産庁がいらっしゃるので、こうした実態に関しては把握をされていたでしょうか。”
“二〇二二年度の特別採捕許可の実績によれば、アイヌ民族の団体は、この許可が下りたところが十一団体、河川の数が十二本、そして、捕獲実績が全道で七百七十五匹という数字が上がっているんですけれども、これに対して、増殖事業協会の特別採捕の件数はどういう数字になっているかといいますと、許可を受けた団体は、これは地区団体なので九団体、そして河川数が百十四本、そして、捕獲したサケの数ですけれども、四百七万五千二百四十三匹という数字がございます。 先ほどもお話ししましたけれども、この捕獲されたサケが、先ほどのふ化場は百二十五か所なんですけれども、この百二十五か所のふ化場で受け入れられるサケの量は百二十二万匹ということになっています。じゃ、その差額はどうなっているかというと、この協会が市場に卸して、その資金は協会の財源に充てられているということになります。 もう一度申しますけれども、アイヌに対しては全道で七百七十五匹に対して、この事業協会は四百七万匹捕り、本当に必要な部分の百二十二万匹との差額は、自らがある意味では商業利用している。”
“これは、民族の文化や伝承を守るという意味では大変失礼な状況を生み出したということを行政の方で反省する中から、二〇〇五年の調整規則の改正があったという事実がございます。 今日は、その問題ではなくて、その結果出た特別採捕がどういう問題を含んでいるかということを御指摘したいと思うんです。 二〇〇五年にアイヌ民族に対する特別採捕が認められたという話をしたんですが、じゃ、元々この特別採捕は誰のためにつくられたのかということに関して、ほとんど政治の世界でも議論されていません。誰のためにつくられたかというと、北海道さけ・ます増殖事業協会という公益社団法人がございまして、この事業協会は、秋に川で捕獲したサケを全道百二十五か所のふ化場に送り、採卵して稚魚になるまで育て、春に放流しています。先ほども回答があったと思いますが、いわゆる資源管理をする団体であります。”
“今、先のところまで御説明いただきましたので感謝申し上げたいんですけれども、今おっしゃられた北海道内水面漁業調整規則が改正されたのは二〇〇五年のことです。今お話しいただいたんですが大事なところなので繰り返しますが、第五十二条に、伝統的な儀式や漁法の伝承、これらに関する知識や普及啓発という目的が書き込まれ、この中で特別採捕というものがアイヌ民族に公開されたということがございます。 実は、この背景のところは今説明されなかったんですけれども、先ほどのように、アイヌのサケ漁を禁止した状態の中で、一九八二年に、先ほどの豊平川で、新しいサケを迎える儀式、アシリチェップノミが多くのアイヌ民族の努力で復活いたしました。復活したんですけれども、このときは漁業権がアイヌに認められておりませんでしたので、主催者は何をしたかというと、河原に生けすを掘って、その生けすの中に市場で買ってきたサケを入れて、それを捕ったふりをして伝統行事をやったということがございます。”
“こうして禁止されたサケ漁が、先ほどのアイヌ民族の文化伝承の名目で一定解禁されたのはいつの頃でしょうか。よろしくお願いします。”
“知っていらっしゃる方が目の前にいると大変心強いんですけれども。 四月九日の質疑で、私の方から、一八六九年に現在の北海道が日本に編入されたという指摘をいたしました。御存じのように、すぐに開拓使が設置をされ、間もなく北海道の内水面管理とサケの資源化が図られます。 当時、政府は、北海道の開拓をお金にしようと思って、鹿猟とサケ漁、これで実は缶詰を作って海外に輸出をするということをやったんですけれども、その中で、北海道のサケの資源管理は支庁ごと、あるいは河川ごとにかなり複雑な管理が進められておりましたので、一概には言えないんですけれども、大体、一八七八年の開拓使乙第三〇号布達というのがございまして、これで、千歳川、豊平川などでのアイヌの自家消費のサケ漁も禁止するという規定が設けられました。同時に、違反した者は、先ほどの密漁者という形になるということであります。こうした禁止が様々な河川に広がり、あるいは行政区が広がっていく中で、先ほどの一九五一年の水産資源保護法で完成という形になるわけです。 政府委員にお伺いいたします。”
“ありがとうございます。 前者は一九五一年に制定された水産資源保護法でありまして、具体的には、その第二十五条で禁止をされております。一方で、特別採捕を認める文書は、これは多分北海道の管轄になると思うんですけれども、北海道内水面漁業調整規則で、その五十二条で特別採捕を認めるということになっています。 もう一回大臣にお尋ねしたいんですけれども、一九三〇年代ぐらいに、かつてアイヌ民族で国会議員をされていた萱野茂さんがいらっしゃいまして、萱野茂さんのお父様が、近くの沙流川でサケを捕ったら密漁として逮捕されたというお話があります。これについては御存じでしょうか。”
“今日は、アイヌ民族の特別採捕に関して大臣にお伺いしたいと思います。 早速ですが、現在、北海道の内水面においては、基本的にはサケ類は、これはマスも含みますけれども、禁漁となっています。一方、アイヌ民族の伝統的行事のためであれば、一定のサケの捕獲が可能です。これを特別採捕という言い方をしているんですけれども、サケの禁漁についての法令及び特別採捕を認めた法令の名前を、簡潔で構いませんので、大臣からお答えいただければと思います。”
“また別の機会があればお話をしたいと思います。 今日は、どうもありがとうございました。”
“残念ながら、国際社会においては、多数を占めるグローバルサウスの国々がございます、そうした国々は、ある意味では植民地問題にとても敏感であるということも事実だと思います。その意味でいけば、どういう具体的問題があるかの背景の中で、日本が旧宗主国であり、北朝鮮との間にもそうした関係が成り立つということも頭の中に入れながら交渉を進めていくということがなければ、こうした国際的協力を広く取り込むということは難しいのではないかなと思います。 四月四日に石破総理と能動的サイバー防御のことでお話をした際に、総理がおっしゃられたんですけれども、体制が違っても話合いができないということはないというふうにおっしゃいました。その意味では、同盟国、同志国だけではなくて、やはり話合いで物を進めたいということを総理もおっしゃっていただいたというふうに思っています。 そうした話合いで物を進めたいと思ったときに、国内でどうかはともかく、こういうふうに見られている政策が進んでいるということに対して、どういうふうにお考えかということをお伺いしたいと思います。岩屋外務大臣、もしよろしければ林官房長官も、よろしくお願いします。”
“では、もう一点、外務大臣も今日いらしていますので。 この問題は、二〇一三年四月に国連の社会権規約委員会の審議で取り上げられました。五月にこの委員会の総括所見がまとめられたんですけれども、その第二十七段落の中で、こうした排除というものに対して国際社会は懸念するという言及をいただいております。人権条約は政府の管轄が及ぶ空間に住む全ての対象者に適用されるということになっていますので、当然、こうした適用が非難されるというのは、国際社会の常識からいうと当然かなというふうに思います。 先ほどからお話ししましたように、政府は、国際協力の必要性はおっしゃっております。そして、一番最初の段階で確認したように、将来的にも、北朝鮮との交渉の中でこの問題を解決するというのも、皆さんの合意のところだと思います。そういう意味でいけば、こうした国内的な問題が、国際的な交渉をしていく上でマイナスになるというふうには外務大臣はお考えにならないでしょうかということをお伺いしたいと思います。”
“多分、子供はどうなってもいいよなんということを政治家が言おうものなら、それはもう政治家として失格と言われるぐらいの、子供たちの重要性というものを考えたときに、こうした排除が日本の中で行われたということをどうお考えなのかというのを、ある意味では、今日考えていただきたいと思います。 先ほどから出ておりますけれども、私も仕事の都合上、川崎に住んでいたものですから、横田さんとはいろいろな機会があったんですけれども、拉致被害者家族連絡会の代表を務められ、残念ですけれども二〇二〇年に亡くなられた横田滋さんは、「めぐみへの遺言」という本の中で、拉致を理由に朝鮮学校に補助金を出さないのは筋違いだと思います、単なる嫌がらせですというふうに書かれています。 拉致と教育は別問題とする、こうした意見というのは、ある意味で広がっていると思うんですけれども、林官房長官に、こうした意見についてどういうふうにお考えかというのをお伺いしたいと思います。”