上村英明
れいわ新選組 · Japan
“今おっしゃったんですけれども、諸外国では、公務員に労働基本権が保障されている国もあります。ヨーロッパではそうした国が決して少なくないということをお話ししたいと思いますが、次に移ります。 川本総裁にもお尋ねしたんですけれども、全公務員の三六%を非常勤公務員が占めております。こうした非常勤公務員の常勤化というものは、ある意味では政府の大きな課題であるというふうに思います。 まず一つは常勤公務員との格差を縮めることですが、年次休暇、病気休暇、住宅手当、扶養手当、寒冷地手当などでは依然格差が見られます。こうした意味では、二〇二一年に制定された厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインというのが、今、五年後の見直しでその拡充が図られているんですけれども、こうした見直しを公務員でも先行…”
“れいわ新選組の上村英明です。 会派を代表して、給与二法改正案の両案に反対の立場から討論いたします。 まず、一般給与法改正案についてですが、例年どおり、官民格差を埋めることを目的とする人事院勧告に沿ったものです。しかし、民間の賃上げ上昇が物価高に追いつけていない以上、公務員の給与引上げも現在の物価高には追いつけない不十分な内容であり、反対です。 高市総理は、さきの所信表明演説で、物価上昇を上回る賃上げが必要、継続的に賃上げできる環境を整えることこそ政府の役割と述べられました。今まさに求められている政府の役割は、地方を含めて約三百四十万人にもなる公務員に対し、物価上昇を上回る賃上げを官民共に実現し、継続的にその環境をつくることです。そのためには、人事院勧告の三・六二%を超える…”
“同一労働同一賃金ガイドラインの見直しや拡充など、厚生労働省の働き方改革関連法の施行五年後の見直しを公務員でも先行して行うべきではありませんか。さらに、そもそも非常勤公務員を増やさないため、例えば一定の期間内に完了する予定の業務にのみ非常勤を雇用するなど、入口での規制ルールを作るべきではありませんか。 最後に、特別職給与法改正案について、総理大臣や政務三役の特別職としての給与を当分の間支給しない点は、全面的に否定するわけではありません。しかし、自主返納から法改正による支給停止への移行は、企業・団体献金や裏金問題という政治と金の問題から国民の目をそらすための政府・与党のパフォーマンスとしか見えません。身を切る改革は、はっきり言って茶番です。 他方、本法案は、れいわ新選組が設置…”
“ありがとうございます。 今のお話にありましたように、国家公務員が国民からどう見られているかという部分も、実は人事院勧告という制度が見えにくくしているというふうに考えることはできないでしょうか。 例えば、公務員にも基本的なストライキ権などの労働基本権が認められるべきだという主張は以前からございます。現在でも、組織をすることはできますけれども、労働基本権というのは基本的に人権です、人権は人事院勧告のような代償措置で認められることは本来あってはいけないんです。これは例えば、ILOの条約にそうしたものがあるということも示しております。 その意味では、給与や勤務時間などの労働条件を決める団体交渉権の一部、今はまだありませんが、それから争議権を含めて、労働基本権の拡充が、こうした問題…”
“れいわ新選組の上村英明です。よろしくお願いいたします。 まず、一般職の件についてお話をしたいのですが。 高市総理は、十月二十四日の所信表明演説、これはもう皆さん繰り返し言われておりますけれども、物価上昇を上回る賃上げが必要、それから、継続的に賃上げできる環境を整えることこそ政府の役割と強調されました。 今回、給与法の改正は、国家公務員だけではなくて地方公務員の給与引上げにもつながりますし、民間への影響もあると思います。今まさに求められている政府の役割は、地方を含めれば約三百四十万人の公務員に対する物価上昇を上回る賃上げを実現していくことではないかなというふうに思います。 よく民間との比較ということをおっしゃいますけれども、生活者としての公務員を考えれば、やはり物価上昇を上…”
“ありがとうございます。 では、最後に特別職の話をしたいと思うんです。 今回の法改正によって閣僚給与の自主返納が支給停止になるという方向で、そして、これが政権のある種の決意を示すということを回答されたというふうに思っております。議場の皆さんは割と優しく、これを評価されていたと思うんですけれども、ある意味では、これはどういうふうに受け止められるかという、大人の世界というのはそうですよね、自分がどうだというだけではなくて、それはどういうふうな受け止められ方をするのかということでいえば、企業・団体献金や裏金問題という政治と金の問題から国民の目をそらすためのパフォーマンスとして取られかねないというリスクというものを想定されたことはありますでしょうか。”
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“ありがとうございます。 そういうふうな公式見解が返ってくるんですけれども、これはそういうふうな基準に改正されたというふうに理解しておりまして、ある意味では、政策というのは、どういうふうに自分たちがつくったかと同時に、それがどう見られているか。先ほど林官房長官の方からも、常に我々は見られているというお話がありましたように、自分がどうかと同時に、どう見られているかという中で、特に、この問題を扱うこの委員会のような、外交に関わる問題というのは重要かなと思います。 この点、朝鮮学校の無償化政策からの排除は、誰であれ、先ほど言ったように、元々は大変よい政策として始めようという政府の意気込みがあったんですけれども、残念ながら、特定の政治的理由を背景に朝鮮学校の子供たちを排除したというふうなことの理解が広がっているという状況であります。 これは、子どもの権利条約という国際的な人権条約の問題、あるいは、もう皆さんに私からここで言うまでもないんですけれども、日本の社会では、子供は社会の宝というのは誰でもおっしゃる普遍的な価値観だと思います。”
“ところが、こうした中で、全国の朝鮮学校が対象から外されたのですが、これはどういう背景だったかといいますと、二〇一二年の十二月に、安倍政権の下で、当時の文部科学大臣が、拉致問題の進展がないことから、指定には国民の理解が得られないという記者会見をされ、朝鮮学校を排除するということを前提にした省令改正が二〇一三年二月に行われたというふうに理解しております。 別の委員会でも構わないんですけれども、文部科学省の担当者に拉致問題の委員会でこの辺の背景を聞くことは大変重要だと思いますので、この公式な理由を一度お伺いしたいと思います。”
“では、れいわ新選組を代表して、上村英明です。よろしくお願いします。 まず、拉致問題の解決の道筋を一度確認したいんですけれども、何度もおっしゃっていますが、日朝平壌宣言の重要性、そして、日朝国交正常化という重要課題の道筋の中でこうした問題を解決したいということは、何回も確認されているというふうに思います。 他方、今日の質問なんですけれども、二〇一〇年四月に高校授業料の無償化、それから就学支援金制度がありまして、今年の四月から就学支援金の拡充政策も始まっています。 そういう中で、日本は教育予算が外国に比べても少ないということがあったので、大変期待をされたこの制度なんですけれども、この制度は、国内の外国人学校やインターナショナルスクールも対象としている点が高く評価されておりました。”
“こうした未来に今から備えるためにも、やはり、AIに関する倫理的、法的、社会的課題、ELSI活動などを積極的に取り入れ、具体的には、デジタル時代の民主主義、立憲主義の在り方、プライバシーの保護や内心の自由等の普遍的価値をどのように実現するかについて、この国に住む全ての人々が議論を行い、得られた方向性や結論を、規制を含めたAI基本法として国民に分かりやすく示すべきことを重ねて強く申し上げ、れいわ新選組を代表しての反対討論といたします。 ありがとうございました。”
“しかし、本法案は、今後、AI戦略本部を置き、AI基本計画を策定し、その推進を図るという枠組み法でしかありません。 政府は、我が国のAI研究開発や活用が遅れている理由として、多くの国民がAIに対して不安であることを挙げていますが、そもそもAI空間の全体像が示されず、包括的な法規制がないとすれば、当然のことであると言わざるを得ません。言い換えれば、AIに対する国民の不安に応えるためにも、一般的には分かりにくい個別法やガイドラインではなく、EUのAI法のような包括的な法律が不可欠です。 近い将来、量子コンピューターが実用化されると予想される中、AIが人間の知能を超える瞬間であるシンギュラリティーの到来についても、SF映画のような絵空事あるいは遠い未来のことと言ってはいられない段階に来ているという認識からも、こうした包括的な法律が必要です。”
“れいわ新選組の上村英明です。 私は、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案及び修正案について、会派を代表して、残念ながら反対の立場から討論いたします。 AIを始めとするデジタル技術の加速度的な進化、発展は、私たちの生活に様々な利便性を提供しています。特に、二〇二二年、生成AIが導入されるとこの可能性は飛躍的に拡大し、国産のLLM開発などを土台に、我が国のデジタル技術もこれに追いつくチャンスを迎えました。反面、プライバシー権や表現の自由など基本的人権の侵害、選挙妨害など民主主義を含む普遍的価値を脅かす危険性を格段に増大させています。また、生産性の向上などの考え方も問い直されています。 そのため、AIの研究開発や活用の推進は、広くAIの負の影響や効果を知り、その対策についての方向性を明示したバランスの取れたものでなければなりません。特に、今後国民的な理解を広めるための議論の必要性などを考え、また、今回のAI法案及び修正案が我が国におけるAIに関する最初の法律であるとすれば、その責任は軽くありません。”
“確認いただけたかなというふうに思いますので、ありがとうございました。 もう時間がないので次の質問で終わりたいと思うんですけれども、報道によれば、AIに関して、新しい科学技術と社会の間に生まれたギャップを考えるELSIという活動があるんですけれども、こういうものが大学などでも始まっていると言われています。 特に、AGIのシンギュラリティーの可能性とか、本当に市民的な、あるいは国民的な議論が不可欠という状況の中で、この内閣委員会、衆議院だけですけれども、十時間余りの法案審議で終わっていいのかということがございますし、今後、AIの基本計画、あるいは本部の、成立の中で、もう少し今後の国民的あるいは市民的な議論を広げて、基本法に向かってどういうステップを踏むべきかということに対して、簡単で構いませんので、大臣の御見解を伺いたいと思います。”
“昨日は人事院の総裁の件で質疑をしたんですけれども、公務員の過剰な労働というものを、例えばこういうふうな質疑の答弁作りが忙しければ、将来的にはAIが全部作ってしまうということになれば政府委員は要らなくなっちゃうということも考えられなくもない。 こうしたAIの推進に伴うビジネスあるいは社会モデルの転換自体を同時にやらなければいけないということに関して、城内大臣のお考え、そしてまた、こうした仕事は多分政府がやらなくちゃいけないのではないかなというふうに私は思っているんですけれども、その辺について大臣の御見解をお伺いできればと思います。”
“つまり、AIの導入によって、組織の労働者に正規雇用や賃金や社会保障費が維持される中で、加えて、多様に使える余暇が生まれれば、それが生活の向上になります。これが多分、AI導入の本当の目的だというふうに私は思っているんですけれども、そうした意味で、AIの推進をするには、生産性の向上や効率化をどう考えるかという発想が並行して議論され、新しい社会的価値の共有に向けて社会モデルが転換されなければいけないのではないかというふうに思っています。 四月十六日の参考人質疑で、田中邦裕参考人も大変興味深いことを御指摘されました。それは何かというと、AI推進の成果は製品とかサービスの販路の拡大に向けられるべきであって、それがコストカットに向けられるべきではないということを彼もおっしゃいました。こうしたことを考えると、やはり社会全体の価値観の転換を伴いながらAIの推進というものを図っていかないと、なかなか難しいというふうなことを思っています。”
“多分今日がこの質疑の最後の山場になると思いますので、今日はさくさくと行きたいと思います。 本日の質疑においても、リスクの問題、また、その対応が必要であるということについていろいろな委員が言及されたというふうに思います。同時に、リスク問題とは別に、AI推進上での便益の問題についても、生産性の向上や効率化にもこの時代ならではの検証が必要なことは四月十一日の質疑の中で指摘いたしました。 今、山崎委員の方から雇用という言葉が出てきたんですけれども、雇用という概念で本当に区切られるのかということ自体も一つ問題だというふうに思っています。 例えば、生産性の向上と生活の向上は別物であるという指摘をしましたけれども、生産性の向上や効率化が、従来の視点で、賃金や社会保障などのコストカット、私の場合はコストカットというのは一つキーワードになると思うんですけれども、コストカットの言い訳とされれば、それは労働者の生活の向上にはつながりません。具体的には、非正規化、それから減給とか解雇などがその結果として表れると思います。”
“こうした問題について、それを改善していくための幹部の研修であるとか、そういう点に関してはどういう御意見をお持ちでしょうか。”
“では、二点目に移りたいなと思うんですけれども。 人事院というのは、人権という視点からすれば、労働権という一番重要な人権の分野を扱うということになります。国際機関で見ても、例えば、ILOが仕事を始めたのは、国際機関の中では非常に古い歴史を持っておりまして、その意味では、例えば、労働権の問題を扱っていながら、これはもう難しい問題ではあるというふうに理解しているんですけれども、公務員の労働権がやはり制約されているという問題について、総裁としてどういう御意見かというのを一つお伺いしたいと思います。 つけ加えまして、私との最初の質問の際に、アンコンシャスバイアスという、人権に向けて公務員組織も努力をしているということをおっしゃいました。ILOは、どういう労働の形が一番いいかというと、ディーセントワークという言葉を使っているんですけれども、やりがいのある仕事をつくるということであります。 その際に、公務員組織の問題点は何ですかという話をちらりとしたら、無謬性であるというお答えをそのときいただいた覚えがあります。無謬性とは何かというと、間違いを認めないという特質が日本にはあるということです。”
“その意味では、こうした改善に向けて、非正規公務員をどう扱うかということは一般社会に向けても非常に重要なポイントではないかなと思うんですけれども、この点について、川本参考人の御意見を伺いたいと思います。”
“れいわ新選組の上村英明と申します。 川本参考人は、私が政治家になって初めてこういうところに立ったときの質疑に対面させていただきまして、その意味では、非常に感慨深くここに立っております。よろしくお願いします。 まず一点目は、人事院は、昨年の六月に非正規公務員の三年目公募の制限を撤廃したり、それから、非正規公務員の待遇改善に関しては努力をされているということは大変ありがたいなというふうに思っているんですが、低賃金の改善とか同一労働同一賃金の実現、それから無期転換ルールの公務員への適用等、取り組むべき課題は山積しているのではないかなというふうに思います。 公務員の労働環境だけが独立してあるのではなくて、社会全体の労働環境の中で、残念ながら、今、日本というのはコストカットというのが一つの至上命題のようになっておりまして、そういう意味でいけば、少子化と言われていながら非正規の労働者が増えるという、これはどう考えたって矛盾しているような状況があります。”
“ありがとうございました。 多分、権力の集中というのは、意図するかしないかにかかわらず、結果的にそういうふうな構造をつくってしまうということが大きな問題ではないかなと思いますので、また今後とも、そうした問題でお話をしたいと思います。 どうもありがとうございました。”
“これは、ある種、架空戦争を想定して、どこかの拠点がやられたときにどこでも自由に連絡できるよというシステムが元々だと思うんですけれども、だんだんだんだんAIとか生成AIの世界になってきて、どうも情報が何か集中しているのではないかなという懸念、例えばマイナンバーにいろいろなものが集まってくる、こうした情報集中社会というものが、ある種の国家権力の強化にやはり結びつくのではないかなという懸念は、今回の法案で感じるところがあります。 最後ですが、城内大臣にちょっとこの辺でコメントをいただければと思います。”
“これはある意味で日本の教育の質の問題にも関わるところなので、是非前向きにいろいろと御検討いただければと思います。 最後の質問になると思いますので、どこまで行けるか分からないんですけれども、一応話をしておきますと、AI推進の周辺の部分でいろいろな動きがあるんですけれども、現在、同時並行で、例えばマイナンバー法の改正というのも国会審議の中で進んでいます。 二〇一六年に始まったマイナンバーカードが、戸籍とか収入とか税金だったんですけれども、最近、医療機関とか薬局の利用などにひもづけられてきましたけれども、その後の改正で、今回、国家資格、例えば介護福祉士とか社会福祉士、精神保健福祉士、保険医とか保険薬剤師の資格の氏名変更とかデジタル資格者証の取得のようなところまで、どんどんどんどん広がっているということがあります。 これは何を言いたいかというと、元々インターネットが出てきたときは、インターネットは分散型のシステムなんだと。”
“十年先を考えると、それがどうなっているのかよく分からないという中でやって本当にいいんでしょうかということがあります。 それから、同じ教育の面でいくと、これはよく聞くんですけれども、やはり教育組織のトップが全体を俯瞰したAIの世界についての理解がないと、子供たちがタブレットを使っているとか、使い方を分かったというレベルだけでは、多分、AI人材の育成にはそれほど役に立たないのではないかなという指摘もあります。 例えば、本当に若い人がちゃんとデジタル担当大臣になるように、中学校、高校の校長先生は、最低限、全体のリスクも含めて、こうした問題についてすごく知見を持っている、こうした人材の登用とかですね。 こういうことを考えるときに、日本の教育は現状でAIの世界に対応できるかというのを、ちょっと政府参考人にお尋ねしたいと思います。”
“こういうふうな人材を育成するルートを開くという点では、現在の日本の、例えば暗記中心で画一化された教育制度で、こういう人材は確保できるのかなということを考えてしまいます。 私が大学にいたときに、モスクワから女性の経済学者を呼んでシンポジウムをやったんですけれども、彼女はお母さんで、子供さんを連れて日本に来られたんですけれども、たまたま子供さんのお守り役を私がやっていたもので、小学生なんですけれども、モスクワ大学の数学科の学生でした。これは聞かれたことがあると思いますけれども、ソ連も含めて、その当時の社会主義圏では、技術や数学の分野に関しては、才能はもう小さいときから出てくるわけですね。 そういう人たちがちゃんとした才能を伸ばせる環境をつくるという意味では、例えば、トップのそうした人材ということでいえば、飛び級とか、ある種、今の教育システムではないようなものをつくらなければいけないのではないか。それから、同時に、ある種の裾野を広げるという意味では、先ほどもどなたかがおっしゃっていましたけれども、学習指導要領の改訂が十年に一回でいいのかということもあります。”
“ある意味では、それはそれでそのとおりだと思うんですけれども、例えば、城内大臣が時々おっしゃられるように、グローバルに通用するようなAIを開発するということであれば、グーグルとかマイクロソフトに匹敵する、あるいは凌駕するAIシステムを構築しようという目的の際に、現在の日本の教育制度で大丈夫かなということは、よく考えると、やはり懸念事項ではないかなというふうに思います。 これは端的に申しますけれども、例えば台湾では、二〇二二年から二四年にデジタル担当大臣を務められたオードリー・タンさんという方がいらっしゃいます。彼は十四歳で中学を中退し、十九歳のときにシリコンバレーでソフトウェアの会社を設立し、三十五歳でデジタル担当の無任所閣僚として入閣されました。今日の午前中の参考人の中にも、田中邦裕さんは、十八歳で高等専門学校在学中にさくらインターネットを創業されたということがあります。田中さんの履歴とかを見ると、中学校卒業というふうに書いてあるんですよね。”
“残念ながら、私は最適だとは思えないんですけれども。 先ほど御答弁ありましたように、これが最初のAI法だというふうなことはおっしゃられました、大事である。であれば、AIの世界がどんな世界なのかということをやはり市民の目にちゃんと描くというのもすごく大事だと思うんですよね。 この法案であれば、残念ながら、リスクの部分が、抽象的に、やりますと書いてあるんですけれども、よく分からない。我々、審議してみて、本当にこれは大変なことが起こり得るなということが分かった人間としては、こうした書き方で本当にいいのかなというのは思ってしまいます。 第二点目に移りたいと思います。 今回の質疑を聞いていても、AIの開発、研究、活用にはAI人材の確保が必要だという指摘を何度も伺いました。それに対しては、先ほどの、大学などの教育機関を使った人材育成が進んでいるという話を伺いました。”
“ここにいらっしゃる方はちょっと記憶があるかもしれませんが、食品安全委員会の基準設定のときに、日本はこの予防原則を取っていない。つまり、何かあったときの被害は甚大なので、先駆けて厳しい規制を作るというのが予防原則の在り方なんですけれども、こうした基準の下に先ほどの容認できないリスクというものが設定されているということがあります。 先ほど、午前中の委員会でもお話があったんですけれども、やはり変化が激しいAIの世界ということは言えているんですけれども、それにも増して、逆に言えば、先手先手で予知していくということがむしろ日常的に行われないとこの世界に対応できないのではないかという専門家の御意見を午前中は伺いました。 その意味でいけば、やはり容認できないリスクのようなものを日本もきちんとこうした法案に書き込まなくちゃいけないんじゃないかというふうなことを考えるんですけれども、城内大臣の御見解をお伺いいたします。”
“六番目には、職場や教育における感情を推測するための感情認識、これはちょっとまだ私も理解できていないんですけれども。七番目には、人種、政治的意見、労働組合への加入、宗教又は哲学的信条、性的指向などのデータを集めて人間を分類してデータ化する。こういうことは禁止項目になっています。 こうした八項目のAIシステムを使っちゃいけないという領域があるんですけれども、この領域はどういうふうな基準で選ばれたかというと、一つは、基本的人権の尊重です、そしてもう一つが、普遍的価値。この二つは、日本政府でいっても、安保三文書の中に、日本は世界でも進んだ民主主義国家であり、こうした価値は共有できるんだということは明確に書かれています。その意味では、こうした価値を共有することは日本では何ら問題ないのではないかなというようなことを思っています。 ただ、若干違うのが三番目の原則でして、これは何かというと、EUは厳しい規定を設けているんですけれども、この厳しさの背景にある判断基準は何かというと、予防原則というものです。”
“例えば、リスク全体はレベルを四つに分けて、許容できないリスク、それからハイリスク、限定的なリスク、最小リスクという四つのリスクの分類をした後、それぞれに対応が違っているという、かなり柔軟な構造を持っているのではないかなというふうに思っています。特に、最小リスクの場合は、リスクの対応はほとんど必要ないということになっています。 では、例えば、容認できないリスクというのはどういうリスクがあるかといいますと、これは八項目が挙げられているわけですけれども、例えば、意思決定を無意識のうちに操作するサブリミナル技術、こういうことがよくあるというふうな、聞かれたことがあると思いますけれども。 それから、これは四番目なんですけれども、プロファイリングなどに基づく犯罪リスク評価と犯罪予測。これは何なのかというと、いわゆる冤罪事件を生んできたような捜査のやり方をAIがやるとこうなるということです。つまり、この人が犯人だろうという情報を集めて、犯人を逆に最初から特定するということです。 それから、五番目ですけれども、インターネットあるいは監視カメラの映像を使った顔認証のデータベースの作成。”
“れいわ新選組の上村英明です。よろしくお願いします。 この審議が始まったときには、本当に、私は天然知性という話をしましたけれども、AIとはちょっとほど遠いなというふうに思っていたんですけれども、さっき黄川田委員がおっしゃっていたように、学習していくと、だんだんだんだんレベルが上がってきたなというふうに思っていて、案外、何か私も、うそをつくし、裏切るし、人間というのは元々AIに近いのかなというふうなことも考え始めたという、とんでもない勘違いなんですけれども、そういうことを前提に、さくさくといきたいと思います。 まず、EUのAI対策というものが午前中の話でも出たんですけれども、どちらかというとハードロー的な法規制を取るもので、日本は放任主義の強いアメリカとEUの中間的な位置を占めたいと城内大臣がおっしゃったというふうに覚えております。 しかし、EUのAI法も、細かく見ると結構よくできているなと思うところがあるんですけれども、法規制の分野で細かい配慮があって、むしろ放任的な領域も認めています。”
“なかなか課題も多いんですけれども可能性もあるということで、大変貴重な御意見、皆さんに。田中先生、済みません、先ほどの御意見は引用させていただきましたので。 また今後ともよろしくお願いいたします。”
“月並みですが、AIあるいはSNSのデジタル技術というのが、今後、政治活動や選挙活動でますます重要になるということは確実だというふうに思います。 他方、こうした技術が、ある意味で選挙の不正とか不公正に影響することも考えられるというのも、またこれも確実なところでありまして、これを習得できる人たちとできない人たちの、世代間あるいはいわゆるデジタル格差の問題とか、それから、今本当にアメリカなんかでも今回の大統領選をめぐって、ある意味では勝手にフェイクニュースが飛び交うみたいなことが言われているんですけれども。 先生の御経験からして、我々も七月には参議院選挙がまたあるんですけれども、政治とこういうAIの関係、あるいは選挙とAIの関係というのはどういうふうにお考えかというのを、ちょっと意見をいただければと思います。”
“どうもありがとうございました。 私も若干心配していたのは、ハードローかソフトローかどこに落とすかという議論が本当に主体的なのかなというふうに思っていまして、アメリカとかヨーロッパというのは少なくとも基本的人権に関する概念の共有化というものはどこかにあるわけですよね。日本の場合それはないので、ない段階の中でここに落としますと言ったときに本当にそれが意味を持っているのかというのはこれからもきちんと議論していくべきだというふうなことを思っておりました。どうもありがとうございます。 最後に、時間もあれなので、安野参考人にお尋ねしたいんですけれども、二〇二四年七月に都知事選挙があったというのは記憶に新しいんですけれども、それに立候補されて、十五万票というのはこれはもう本当に、政治をやっているとすごいなというふうに思うような得票をされました。その中で、伝統的な選挙が私たちの頭の中にあるんですけれども、特に有権者との対話に、検索拡張生成、RAGというAIのシステムを利用されたというふうにお伺いしております。”
“特に、私はここに立つ前は大学で人権法を教えていたものですから、基本的人権の視点に立って、あるいは、いわゆる普遍的価値の視点に立って、一番厳しいところはやはり構成されているなというのが私の認識なんですよね。 そういうことでいけば、日本の法制度の中でも、少なくともこの部分に関してはもう少しセンシティブにあっていいかなというふうに思っているんですけれども、その辺の御意見を伺えればと思います。”
“ありがとうございます。 生産性の向上で、一般にトリクルダウンと言われて、高いところが潤えばどんどんどんどん下へ下がるということがあったんですが、なかなかこの十五、六年、そううまくはいかなかったということもありますので、その辺も含めて、また検討したいと思います。 次に、生貝参考人にお尋ねしたいんですけれども、これも一般的な話でもあるかもしれませんが、AIをやるときに、ソフトロー的な自主規制か、あるいはハードロー的な法規制にするかという議論が続いていると思うんですけれども。参考人の御意見というのは、どちらかというと、EU的でいけば、ハードローだけれどもソフト的に使うというところに近いのではないかなというふうにちょっと理解させていただいています。 私もEUの二〇二四年のAI法の部分というのは、少し読ませていただきますと、特に四つの細かい区分に分けて、いわゆるアンアクセプタブル、つまり受け入れられないリスク、それからハイリスク、それからリミテッドリスク、それからミニマルという四つに分けて、結構丁寧にやっているなというふうなことを思っています。”
“先生へのまず一つは、検索エンジン以来の日本が失敗した原因というのは、どこにその原因があるのかというのをお尋ねしたいと思います。 もう一点、済みません、十六条に不正な目的とか不適切な方法ということは書かれているんですけれども、もう一つ、AIが広く社会的な課題と多分ぶつかるんだろうなということを私は懸念していて、こういうことがなかなかこの法律には書かれていないということがあります。 具体的に言えば、生産性の向上ということがよく言われるんですけれども、生産性の向上と生活の向上は別です。 これは、さっき田中参考人がおっしゃったように、日本のようにこうした技術をコストカットで使おうとすると、生産性は向上したけれども生活は向上しなかった。先ほど安野参考人からも言われたと思うんですけれども、例えば少子化で役立つと言われていますけれども、少子化のこの時代に実は非正規雇用の方が伸びているんです。”
“皆さん、御苦労さまでございます。れいわ新選組の上村英明と申します。本日はよろしくお願いします。 まずは松尾参考人にお尋ねしたいんですけれども、いろいろと御論考とか読むと、検索エンジンの日本での失敗を取り上げられて、デジタル敗戦という言葉も使っておられますし、先ほどもずっと出ていますけれども、やはり、なかなか厳しい状況とか、負けているんだという表現もあるんですけれども、AIの開発の歴史がある意味で戦争と類推できるような状況であるとすればということを前提にお伺いしたいんですけれども。 日本が敗戦したときに、実は、何で敗戦したのかという、これは御存じの方もいらっしゃると思いますが、失敗の本質という部分が検討されなかったんですね。今も、一般的に言うと、グッドプラクティス、つまり、何で成功したかという分析はよく行われるんですけれども、本来であれば、やはりバッドプラクティス、何で失敗したかという原因を本当は分析されないと、新しい状況で新しく頑張っているから大丈夫と思われながら、本質の部分で間違っていると、また同じことを違う形でやってしまうということもあり得るというふうに思うんですけれども。”
“ありがとうございます。 その意味でいくと、午前中に三木委員が御指摘になったように、AIの研究開発あるいは活用に関する推進法ではなくて、やはり基本法として、我々のバランスは、どんな中でバランスを取るべきなのかというのがもっと明確な法案であるべきじゃないかなということを最後に指摘して、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。”
“今までリスクを皆さんいろいろおっしゃったのであれなんですが、私の個人的な経験から一つリスクの話をしますと、AIが人間を超えるということがあったんですけれども、ちょっと心配しているのが、人間の知能の方が低下するんじゃないかということを思っています。 何かというと、私は大学で仕事をしていたんですけれども、今大学で何が問題になっているかというと、学生がチャットGPTを使って論文を書くので、全然勉強していないということがございます。同じようなことを言えば、友人が出版社にいるんですけれども、本を出版しようと思って原稿が送られてくるんだけれども、それがオリジナルの原稿かどうかをチェックする仕事が物すごく大変だということがあります。 そういう意味でいけば、逆に、知識を簡単に使える社会が広がってしまえば、むしろ知識のレベルが落ちてしまうという、人材の確保どころか、人材がいなくなるという心配があるのではないかなということも思うんですけれども。”
“ありがとうございます。お考えいただけるような御答弁だったというふうに思うんですけれども。 新しい産業という話だけではなくて、これは先ほどの河西委員の御発言にも関係するんですけれども、例えば、能動的サイバー防御をやりましたので、名古屋港の積荷の作業のところがサイバー攻撃に遭ったんですけれども、三日間で回復しました。なぜかというと、AIを使っていないときの労働のノウハウを知っている人たちが残っていたからなんですね。ですから、AIが、あるいはサーバーがダウンしても、どういうふうに手続をやればこの作業が回るかということを知っている人材が残っているということが、こうした回復の、レジリエンスの、非常に効率的な回復につながったということがございます。 その意味でいけば、新しい仕事だけではなくて、本来我々の社会が持っていた技術力あるいはノウハウというものを同時にキープしていかないと、まさに何かあったときの回復はできないということがあるのではないかなというふうに思います。 ちょっとこれは通告にないので申し訳ないのですけれども、さっきから聞いておりまして、実は一つだけ。”
“ところが、企業が、例えば私が三日二十四時間従来の仕事をすればいいということになれば、当然、次の判断は何かというと、非正規雇用に移されるとか、ある意味では解雇されるということになる。 そういう意味では、この生産性の向上というのは、労働分配をどう考えるかというビジョンと一緒に考えていかないと、やはり、人を排除する、先ほど河西委員からもありましたように、人を排除するのではないかということにつながっていくのではないかというふうに思います。 新しい仕事が創造されるということも言われていますけれども、私なんかは、本当でしょうかと。どうしてかというと、僕らの世代には多分新しい仕事は回ってこない。これは、いろいろな技術が革新されれば、新しい技術についていける世代はオーケーかもしれないけれども、ついていけない世代は世代ごと排除ということになります。少子化の社会に貢献すると言われていますけれども、これも、少子化、少子化と言われている割には非正規雇用の労働者が増加している。”
“これは、ここにいらっしゃる皆さんそうだと思うんですけれども、こいつにだけは人事考課させたくないよみたいな人が上司にいれば、人事考課をやっても逆にマイナスになっちゃうということもあり得る。それから、ある意味では、スタンドプレーが上手な人が成果が上がってしまう。そして、労働者の分断とか、むしろ移動が頻繁にできるようになれば離職率が増加するなど、こういうことがあり、どちらかというと成功しなかったという評価を受けられるのではないかなというふうに思います。 効率化とか生産性の向上という目標をどういうふうに考えればいいかというのが、ある種、今の時代の重要なポイントではないかなというふうに思います。 これでいけば、例えば、生産性の向上が社会に貢献する、さっき石井委員がおっしゃったように、私が、例えば正規の労働者として五日四十時間働いていたときに、AIが導入されたので私の仕事が三日二十四時間で済むということになります。その条件の下で従来の賃金と社会保障が維持されていけば、生活の向上です。”
“ありがとうございます。 今、政府委員の方から、AIの便益では効率化とか生産性の向上という言葉が聞かれたんですけれども、私も若干古い人間なので、そういう話を聞くと、一九九〇年代、小泉内閣のときだと思うんですけれども、アメリカからある種の成果主義というものが日本に導入された時期がございます。 この成果主義というのは何かというと、それまでの日本のビジネスモデル、例えば年功序列であるとか終身雇用というものが余り効率よくないと。その効率とは何かというと、コストをカットしないと企業はもうけが増えないじゃないかということで、こういうモデルが導入されたことがあります。 しかし、こうした成果主義のモデルというのは、この時期をちょっと超えた段階でやはり限界に達したというふうなことを言われております。 どういう理由からかといいますと、短期の成果に走りやすい、まず身近なところで成果が上がればそれはオーケーということになってしまう。それから、これは実は労働管理の中の人事考課に使われたんですけれども、御存じのように、日本のように人事考課が元々余りなかったような社会では、公正な人事考課ができるかどうか。”
“今のお話を伺いますと、目標は設定したけれども実際には政策が追いつかなかったということが言えるのかというふうに思います。 次に、先ほどから皆さんリスクに関してたくさんお話をいただきまして、何か、AIが裏切っちゃうとかだましちゃうとかというのは、私も聞いていてすごいショックを受けた段階まで来ているというふうに思うんですけれども。 政府委員の方に簡単にお尋ねしたいんですけれども、AIの便益とリスクに関してどういうふうに考えればいいかというのを整理していただければありがたいと思います。”
“この基本法の中で、重点分野として、ナノテクノロジーとかライフサイエンスという分野が挙がっているんですけれども、同時に、情報通信分野というのが、この九五年の法律の中で、これからイノベーションを図っていくための重点分野だというふうに言われております。さらに、AIに関する基本戦略の起点としては、二〇一六年に人工知能技術戦略会議というものが設置されております。 こうした、ある種の歴史があったにもかかわらず、この二〇二五年に、我が国はAIの開発とか活用が遅れているという評価が下る理由は何だというふうに政府としてはお考えか、お尋ねします。お答えいただければありがたいです。”
“れいわ新選組の上村英明と申します。 私は、ある意味では天然知能なので、なかなか切替えがうまくいかないんですけれども、能動的サイバー防御からAIの話に移って、城内大臣に、早速さくさくとお尋ねしたいと思います。 まず、一般に、政府の資料によっても、日本はAIの開発とか活用が遅れているというふうに言われています。アメリカや中国、ドイツが比較に挙がっていて、もちろんグーグルとかマイクロソフト、オープンAIを生み出したアメリカに遅れているというのは分かるんですが、中国に対しても遅れたという評価をされています。 かつて、これも先ほどいろいろな映画の話が出たんですけれども、私のイメージからすると、日本というのはやはり技術立国だったと思うんですね。ソニーとかホンダとか、それからトヨタも含めて、そういうふうな、技術ではそんなに他の先進国に引けを取らない。 私の認識しているところでは、一九九五年に科学技術基本法というのが制定されております。”
“ありがとうございます。 今おっしゃられたことはすごく大事なことなんですけれども、松前藩は松前藩領の中では統治権を持っていました。例えば人別帳というのがちゃんとあって、これは江戸時代の国内制度、ただし、松前藩領を出れば統治機構はなかった。つまり、どんなに商人が北海道沿岸で活動しても、その人たちは冬になると帰ってきちゃうんです。国内の統治制度というのはそこにはありません。そういうことのきちんとした権利関係を考えないと、アイヌ民族が、伝統的な漁業権があって、それが必要だという訴えをやっても皆さんの理解に及ばないという現状があるということなので、今後ともこうした質問を続けていきたいというふうに思います。 また今後ともよろしくお願いいたします。”
“残念ながら、日本ではなかなかこうした論理がきちんと整理されないためにこうした問題が起こるんですけれども、北海道は、今、入植者植民地というふうに分析をされることが多いんですけれども、カナダやオーストラリアでは、こうした宗主国の統治が行われる以前に存在した慣習法の固有性を確認して、先住民族の権利というものが前に進んでいるわけです。 そういうことを考えると、残念ながら、こうした残念なことが日本でまかり通っている理由というのは、日本政府が重要な人権課題に歴史認識を示していないからだというふうに私は考えています。そういう意味で、こうした問題について、今の話を、やり取りを聞かれて、伊東大臣に御感想をいただければというふうに思います。”
“そういうお答えだろうというふうに思ったんですけれども、伊東大臣にお話を伺う前に、今の話についてもちょっと言及しておきたいんです。 実は、二〇二四年四月の札幌地裁判決は、アイヌ民族の慣習法があるということは認めているんです。認めています。ただし、現在の現行法である水産資源保護法などのような一般法に比べれば、慣習法はやはり下位にあるということを判決の中で述べています。 これは、例えば日本にも慣習法、先ほど通則法という話が出ましたけれども、日本の農山村において入会権がある、それから商慣習、これは取引をやっていると慣習的にやる部分もいっぱいあるんですね。そうしたものには慣習法を適用するということがあるんですけれども、その場合の慣習法は、日本政府の統治の下での慣習法という位置づけです。であれば、日本政府の統治が及ばなかった時代の慣習法であれば、これは特段に配慮されることが必要だというふうに思っています。”
“ですから、北海道、蝦夷地というのは日本の国内ではなかったというふうに考えてもいいのではないかなと思います。 そうしたことを踏まえて、一八六九年以前には、札幌地裁判決が述べるように、アイヌ民族の慣習法が存在したというふうに思うんですけれども、その後、そうした慣習法を日本政府が公式に否定したということがあるのでしょうか。まず、政府参考人、いかがでしょうか。”
“これは何かというと、蝦夷地というのは、これは実は北海道のホームページにも今載っかっているんですけれども、北海道の経歴というところを見ますと、異民族が住む土地が蝦夷地です。これを北海道に読み替えるということなんですけれども、この北海道は何かというと、これは、律令制度のときにできた五畿七道という日本の地方行政区分があったんですけれども、御存じのように、七道というのは、東海道、それから北陸道、今でも新幹線の名前なんかに出てくるのは、日本のかなり古い時代からの、ある種の地域行政制度だったんですけれども、これに足して八道目として北海道を新設する。つまり、この段階が、日本の行政制度の中に実はこの土地が組み込まれたことになります。 同時に、この日に十一国八十六郡の国郡制が実施されます。今でも胆振国とかいろいろな言い方をするんですけれども、そうしたものが組み込まれたのがこの一八六九年八月でありまして、このとき初めて、日本の国内統治機構が北海道に適用されたんです。それまでは鎖国でしたから、日本の国内というのは鎖国の範囲内です。”
“ありがとうございます。 認識もそうですし、多分国会で余り議論をしたこともないなというふうに思っているんですけれども、一つの考え方を、もし間違っていれば御指摘いただきたいんですけれども、あり得るとすれば、一八六九年七月から八月がこの時期に当たります。 御存じのように、明治政府は一八六八年から始まったように取られているんですけれども、実はその後すぐ戊辰戦争が始まったので、実は幕府の方を欧米列強は交戦団体として認識しておりました。ですから、交戦団体があるうちは、明治政府は正統政府ではなかったわけです。これが終結したのが一八六九年六月で、その後に国家建設が始まるということになります。 この年の七月に統治機構としての開拓使が設置されたというのは北海道であれば当たり前のことですけれども、さらに、その次の月の八月十五日、これも、北海道にいると北海道の重要な記念日として認識されることが多いと思うんですけれども、この八月十五日に太政官布告が出まして、蝦夷地を北海道に改称するということをやります。”
“ここで政府にお尋ねしたいんですけれども、我が国の統治が及ぶ前というのはいつだというふうに認識されているでしょうか。政府参考人、よろしくお願いします。”
“係争中の問題に関しては難しいかなと思っていたんですけれども、伊東大臣、釧路で、釧路は大きなアイヌのコミュニティーもありますので、いろいろな御関係があったということを伺わせていただきまして、大変ありがとうございました。 では、次の質問に移ります。 こうしたプロセスの中で重要なポイントは何かというと、アイヌ民族が、我が国の統治が及ぶ前から北海道に居住していたという認識がございます。この認識は、一九九七年三月の二風谷ダム判決という、札幌地裁ですけれども、裁判所の判決文の中に出てきますし、二〇〇九年七月にはアイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会の報告書にも出てきます。これは、その前年の二〇〇八年に内閣官房長官の下にこの懇談会が設置されたことによる報告書なんですけれども。そして更に、この二〇二四年四月の札幌地裁判決そのものでも、この文言は言及されています。 具体的にはどういう表現を使っているかというと、「アイヌの人々は、独自の文化を持ち、他からの支配・制約などを受けない自律的な集団として我が国の統治が及ぶ前から日本列島北部周辺、とりわけ北海道に居住していた。」ということを書かれています。”
“れいわ新選組の上村英明です。 久しぶりに自分の大事な問題で質問できるので、さくさくと行ってみたいと思います。 今日のテーマは、アイヌ民族の団体のサケの捕獲権の訴訟についてということで、まず伊東大臣にお尋ねしたいんです。 ラポロアイヌネイション、旧浦幌アイヌ協会という団体があるんですが、二〇二〇年九月にアイヌ民族の伝統的なサケ捕獲権を札幌地裁に提訴いたしました。この裁判は、二〇二四年の四月に原告敗訴となりましたが、現在、札幌高裁で上告されて、今審議が進んでいるところです。 裁判に関しては具体的なコメント云々を求めているわけではないんですけれども、アイヌ施策担当大臣、そのほか釧路市の市議会議員とか釧路市長も歴任された経験者として、伊東大臣に、この訴訟に関してどういうお気持ちがあるのか、あるいはどう認識されているのかをお伺いできればと思います。”