井上哲士
日本共産党 · Japan
“女性教育、ジェンダー教育は引き続き重要であると、そして機構でそれをしっかり位置付けているという答弁なんですが、果たして法案がそうなっているのかなというのが私の疑問なんですね。女性教育とかジェンダー教育というのは、一方的な知識の伝授やオンライン研修、出張講座等ではなし得ないものがあると思うんです。 NWECの主催事業等の実施報告書では様々な事例が紹介をされています。例えば、二〇一九年に教職員や教育委員会の職員を対象に一泊二日で行われた学校における男女共同参画研修というのが報告をされています。全国から集まった教育関係者が同じ施設に宿泊し共に学ぶ環境が整えられたことで、講義だけでなく、夜間の情報交換会などを通じた交流やネットワークがつくられたり、学校現場の喫緊の課題を踏まえた模…”
“これまで、そういう地方のこの男女共同参画の取組の職員の研修などにもやっぱりNWECは大きな役割を果たしてきたわけですよね。その感想でも、やっぱり集まって一緒に議論をしてきたことが大きな力になったと言っているわけでありまして、こうした学びの機会を奪うということは機能強化とは逆の方向になるんじゃないかと考えますし、日本の男女共同参画の促進となっていくこの女性教育の後退だけではなくて、NWECがアジア地域において非常に大きな国際貢献の分野で貢献してきましたけれども、この点の後退にもならざるを得ないと。機能強化というならば、今のNWECを維持発展をさせるべきだということを強く求めたいと思います。 最後に、この間、女性トイレの行列解消を度々、当委員会でも取り上げてまいりました。政府…”
“これを踏まえて、今年四月十五日の当委員会で質問しましたら、三原大臣からは、できる限り待ち時間の男女の均等化が図られるよう努めることが望ましいことを自治体に周知してまいりますと、こういう答弁がありました。こういう基準を災害時だけではなくて日常の社会生活で広げていく上で、私は学校というのは非常に重要な位置付けがあると思うんですね。 一方、以前質問でも紹介した、この公共空間のトイレの数を調べている百瀬まなみさんが六月八日付けの朝日新聞でこう述べております。都内のある区の教育委員会に電話をしました。区立小中学校全体で、男子用便器数は小学校が女子の一・三九倍、中学校が一・四二倍でしたと。これが現状なんですね。ですから、混み合うときには、女性の方が時間掛かりますから、やっぱり列ができ…”
“NWECで宿泊研修を受けた男女共同参画センターの職員の方々からは、自然豊かな環境の下、ゆったりと過ごす時間の中で、女性たちは自分を見詰め、他者から学び、お互いの成長を喜び合いました、宿泊棟、研修棟なくしてこの豊かな女性教育の蓄積は得られなかった、男女共同参画社会をつくるという熱い思いを持っていらっしゃる全国のセンターの人たちと出会うことで、地元に戻って、さあ仕事をしようと前向きな気持ちになりました、NWECは、全国のセンター職員の人たちが力を付けるだけでなく、元気をもらう場所とおっしゃっています。 このように、研修施設と宿泊施設が一体となったNWECならではの充実した研修が全国各地で男女共同参画の取組を進める専門人材を育ててきました。また、NWECでは、アジアの近隣諸国の…”
“女性の経済的自立やデジタルスキルの習得、少子化対策、それ自体は否定をいたしませんけれども、しかし、そういうスキルだけを身に付けたとしても、それだけでは厳然として横たわっている男女差別を乗り越えていくことはできないと思うんですよね。やはり、女性に対するエンパワーメントとスキルの両方の習得があってこそ、これが達成をできるとし、男性自身のこのアンコンシャスバイアスを克服する学びも必要だと思います。 現在の国立女性教育会館は文部科学省が所管する社会教育施設でありますけれども、今後は大半は機構の、なってこの内閣府の管理監督を受けるということになりますと、女性教育やジェンダー教育の位置付けが後景に追いやられないか、大変懸念を持っております。 もう一点お聞きしますが、今後自治体が、男女…”
“女性とエンパワーメントが非常に大事だという御答弁がありました。その重要な女性教育を担って大きな役割を果たしてきたのがこのNWECなわけですね。このNWECの行う女性教育、ジェンダー平等に係る教育、研修事業の目的は、まさに女性のエンパワーメントにあります。 女性差別撤廃条約の一般勧告第三十六号、女児及び女性の教育を受ける権利、この序論にはこう書いております。教育は人権という価値を促進する上で、変革を起こし、力を与える極めて重要な役割を果たし、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントにつながる道として認識されていると、こうしているわけですね。 このように、エンパワーメントというのは、もう単なる知識を身に付けるだけではなくて、学ぶことを通じて、抑圧され、周辺に追いやられている人々…”
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“政府は、維持管理等に年間数億円掛かる一方、施設利用率が低迷していることや老朽化を理由に挙げておりますが、運営費交付金を減らし続けてきた政府の責任こそ厳しく問わなければなりません。 女性版骨太方針二〇二五や新・女性デジタル人材育成プランは、女性に対するエンパワーメントよりも経済界の求めるデジタル人材の育成に機構と男女共同参画センターを活用しようと考えているとしか思えません。法案によって機構の中期目標、中期計画が内閣府の管理監督を受けることになれば、女性教育の位置付けが後景に追いやられかねないとの懸念は拭えません。法案は、男女共同参画の促進にとって基盤となる女性教育やNWECが果たしてきた国際貢献分野の取組も後退させるものと言わざるを得ません。 なお、修正案は、機構の廃止も含めた検討規定を設けるものであり、賛成できません。 以上です。”
“NWECで宿泊研修を受けた男女共同参画センターの職員の方々からは、自然豊かな環境の下、ゆったりと過ごす時間の中で、女性たちは自分を見詰め、他者から学び、お互いの成長を喜び合いました、宿泊棟、研修棟なくしてこの豊かな女性教育の蓄積は得られなかった、男女共同参画社会をつくるという熱い思いを持っていらっしゃる全国のセンターの人たちと出会うことで、地元に戻って、さあ仕事をしようと前向きな気持ちになりました、NWECは、全国のセンター職員の人たちが力を付けるだけでなく、元気をもらう場所とおっしゃっています。 このように、研修施設と宿泊施設が一体となったNWECならではの充実した研修が全国各地で男女共同参画の取組を進める専門人材を育ててきました。また、NWECでは、アジアの近隣諸国の女性政策担当官やリーダー層と人的ネットワークを築き、政策形成に寄与するなど、宿泊型の国際研修も行われてきました。NWECの宿泊研修施設の撤廃は、これらを困難にし、法案が掲げる機能強化に逆行するものと言わざるを得ません。”
“日本共産党を代表し、独立行政法人男女共同参画機構法案及び関係法律の整備に関する法律案に反対の討論を行います。 法案は、女性教育の振興を通じた男女共同参画社会の形成の促進を目的とする国立女性教育会館を廃止し、内閣府所管の男女共同参画機構を設立するものです。その際、現在の国立女性教育会館、NWECの宿泊棟、研修棟、体育施設等を撤去します。また、これまで地方自治体が条例等で設置してきた男女共同参画センターについて、その体制確保を努力義務として法定します。 NWECの教育研修事業の目的は、女性のエンパワーメントにあります。”
“多めにとどまらず、スフィア基準に沿って一対三、是非これが厳守されるように必要な備蓄や取組をお願いしたいと思います。 終わります。”
“適切な整備とおっしゃいましたけど、先ほど、現実に、ある都区内の小中学校で男性の方が多いということになっているわけでありまして、まあスフィア基準の中に示されたものからいえばかなり格差があるわけですね。 これ、やはりしっかり徹底をしていただきたいんですが、特に、災害時には学校の体育館の多くが避難所になります。能登半島地震では、冷たい床に雑魚寝で、温かい食事も提供されないなど様々問題になったわけでありますが、やはりきちっと計画と備蓄が必要だと思うんですが、この学校が避難所になる場合どう備えるのか、そして、特にこの女性トイレの確保、どういう方針を持って備蓄をし、新しい指針の下でどう強化していくのか、いかがでしょうか。”
“これを踏まえて、今年四月十五日の当委員会で質問しましたら、三原大臣からは、できる限り待ち時間の男女の均等化が図られるよう努めることが望ましいことを自治体に周知してまいりますと、こういう答弁がありました。こういう基準を災害時だけではなくて日常の社会生活で広げていく上で、私は学校というのは非常に重要な位置付けがあると思うんですね。 一方、以前質問でも紹介した、この公共空間のトイレの数を調べている百瀬まなみさんが六月八日付けの朝日新聞でこう述べております。都内のある区の教育委員会に電話をしました。区立小中学校全体で、男子用便器数は小学校が女子の一・三九倍、中学校が一・四二倍でしたと。これが現状なんですね。ですから、混み合うときには、女性の方が時間掛かりますから、やっぱり列ができることもあるでしょう。 これまで学校でのトイレの数の男女比というのはどのような考え方で設置されているのか、今後、待ち時間の均等化、重要だという答弁もあったわけで、どのようにこれを周知して徹底していくのか、文科省、いかがでしょうか。”
“これまで、そういう地方のこの男女共同参画の取組の職員の研修などにもやっぱりNWECは大きな役割を果たしてきたわけですよね。その感想でも、やっぱり集まって一緒に議論をしてきたことが大きな力になったと言っているわけでありまして、こうした学びの機会を奪うということは機能強化とは逆の方向になるんじゃないかと考えますし、日本の男女共同参画の促進となっていくこの女性教育の後退だけではなくて、NWECがアジア地域において非常に大きな国際貢献の分野で貢献してきましたけれども、この点の後退にもならざるを得ないと。機能強化というならば、今のNWECを維持発展をさせるべきだということを強く求めたいと思います。 最後に、この間、女性トイレの行列解消を度々、当委員会でも取り上げてまいりました。政府は昨年十二月に、能登半島地震の教訓を踏まえて避難所の運営指針を改定しました。その中で、これまでは参考にとどまっていた国連のスフィア基準を満たすべき基準として、男女のトイレの割合を一対三を確保するようにと、こういうふうに明記をされました。”
“今後この男女共同参画センターの職員の専門性の向上が大事でありますが、設置の形態、そこで働く職員の雇用形態が多様で、多くは非常に不安定雇用になっていると。 また、自治体職員の場合は三から五年で異動するなど専門的なスキルの蓄積がされていないという指摘がありますが、今後この男女共同参画センター職員の処遇改善、必須だと思いますけれども、どのように政府は対応するんでしょうか。”
“女性の経済的自立やデジタルスキルの習得、少子化対策、それ自体は否定をいたしませんけれども、しかし、そういうスキルだけを身に付けたとしても、それだけでは厳然として横たわっている男女差別を乗り越えていくことはできないと思うんですよね。やはり、女性に対するエンパワーメントとスキルの両方の習得があってこそ、これが達成をできるとし、男性自身のこのアンコンシャスバイアスを克服する学びも必要だと思います。 現在の国立女性教育会館は文部科学省が所管する社会教育施設でありますけれども、今後は大半は機構の、なってこの内閣府の管理監督を受けるということになりますと、女性教育やジェンダー教育の位置付けが後景に追いやられないか、大変懸念を持っております。 もう一点お聞きしますが、今後自治体が、男女共同参画センター、これが法的に位置付けられるわけでありますが、いろんなアンケートを見ましても、職員の理解が少ない、意欲に欠けているとか、専門性の高い職員の配置が不可欠という声が寄せられております。”
“そういう様々なことをやるの、それを否定するものではありません。しかし、これやっぱり果たしてきた役割を照らせば、両方ができるようにするべきでないかと考えますし、様々な費用面のことも言われましたけれども、運営費交付金を減らし続けてきた政府の責任こそが問われるということを指摘をしておきます。 さらに、この女性版の骨太方針二〇二五や新・女性デジタル人材育成プランでは、不足するデジタル人材を女性に求めて、デジタルスキルを身に付けて地元で起業や就職をしてもらって女性の経済的自立を促進するとか、それによって地方から都市への若年女性の流出を食い止める少子化対策の側面が非常に強調されております。 どうも女性に対するこのエンパワーメントよりも、経済界の求めるデジタル人材の育成にNWECや男女共同参画センターを活用しようと考えているように見えるんですけれども、大臣、御見解いかがでしょうか。”
“対面は研修であり、これからも各地でというお話がありました。 実際にNWECで宿泊研修を体験した方は、自然豊かな環境の下、ゆったりと過ごす時間の中で、女性たちは自分を見詰め、他者から学び、お互いの成長を喜び合いましたと、宿泊棟、研修棟なくしてこの豊かな女性教育の蓄積は得られなかったということもおっしゃっております。 対面型研修重要だということであれば、答弁あったようないろんな地域でやるということと、やっぱり全国からこの嵐山町に集う形式のどちらもできるようにするということは私、重要だと思うんですよね。 NWECの宿泊棟や研修棟を撤去する積極的理由はないと思うんですけれども、追加していかがでしょうか。”
“今回、新たに設立される機構の主たる事務所はNWECの所在地に置いて研修、調査研究等を行うわけですが、宿泊棟や研修棟、体育施設等は撤去するとされております。対面で、しかも宿泊もしながら一定期間学びを共にするという、こういう研修の意義や重要性についてはどのように認識をされているでしょうか。”
“女性教育、ジェンダー教育は引き続き重要であると、そして機構でそれをしっかり位置付けているという答弁なんですが、果たして法案がそうなっているのかなというのが私の疑問なんですね。女性教育とかジェンダー教育というのは、一方的な知識の伝授やオンライン研修、出張講座等ではなし得ないものがあると思うんです。 NWECの主催事業等の実施報告書では様々な事例が紹介をされています。例えば、二〇一九年に教職員や教育委員会の職員を対象に一泊二日で行われた学校における男女共同参画研修というのが報告をされています。全国から集まった教育関係者が同じ施設に宿泊し共に学ぶ環境が整えられたことで、講義だけでなく、夜間の情報交換会などを通じた交流やネットワークがつくられたり、学校現場の喫緊の課題を踏まえた模擬授業の参観や体験型ワークショップなど連続性のあるプログラムが無理なく構成できたと、こう報告もされているんですね。つまり、研修施設とその宿泊施設が一体となった現在のNWECだからこそ、こうした充実した研修が可能になっているということだと思うんですね。”
“今回の機構の創設によって、業務の範囲が女性教育から男女共同参画全般に広がるとされていますけれども、そうであるならば、これまで以上に、この男女共同参画社会の促進の基盤となる女性教育、ジェンダー教育が重要になると考えますけれども、いかがでしょうか。”
“女性とエンパワーメントが非常に大事だという御答弁がありました。その重要な女性教育を担って大きな役割を果たしてきたのがこのNWECなわけですね。このNWECの行う女性教育、ジェンダー平等に係る教育、研修事業の目的は、まさに女性のエンパワーメントにあります。 女性差別撤廃条約の一般勧告第三十六号、女児及び女性の教育を受ける権利、この序論にはこう書いております。教育は人権という価値を促進する上で、変革を起こし、力を与える極めて重要な役割を果たし、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントにつながる道として認識されていると、こうしているわけですね。 このように、エンパワーメントというのは、もう単なる知識を身に付けるだけではなくて、学ぶことを通じて、抑圧され、周辺に追いやられている人々が自覚をし、自己決定能力、経済的、社会的、法的、政治的な力を付けて、そうした個人の連帯が人々による社会変革を実現をするプロセスを目指すと、こういうふうに言われております。”
“日本共産党の井上哲士です。 法案は、文部科学省所管の国立女性教育会館法を廃止し、国立女性教育会館、NWECを改組して、内閣府所管の男女共同参画機構を設立するものであります。このNWECは、女性教育の振興により男女共同参画社会の形成の促進に資するということを目的としてきました。 そこで、まず大臣に基本的認識をお聞きしますが、この男女共同参画社会の形成にとって、この女性教育の意義についてどのように認識をされているでしょうか。”
“私は、やっぱりこういう問題も含めてしっかりとした検証をして、がんと診断されながら、この保釈がされずに、必要な治療も受けずに命を落としたということを、深くその反省を胸に刻んだしっかりとした検証をし、人質司法そのものもただしていくということを強く求めまして、終わります。”
“事前に法務省から来てもらって説明聞きますと、この相嶋さんの問題で、勾留執行停止をして治療を保障したということを言われたんですね。これ、とんでもない話なんですね。十月十六日に勾留執行停止が認められて大学病院を受診して、進行胃がんと診断されたんです。しかし、勾留執行停止状態での入院、手術はこの病院では受けられなかったんですね。その後、弁護側が改めて保釈請求しましたけれども、それも認められなかったと。その後、勾留執行停止状態でも入院、手術の受入れが可能な病院を探し出して、やっとそこに入院できたけれども、その三か月後に亡くなったんですよ。 ですから、やっぱり検察の対応が治療の機会を奪ったと、これは私明らかだと思うんですね。そのことを、結局保釈請求を認めなかった、却下した裁判所も、私は自ら検証してもらう必要があると思うんですけれども、この大川原社長らの身柄拘束は三百三十二日間に及んでいるんです。不当な長期拘束の背景には、罪を否認すると保釈されにくいという、いわゆる人質司法という問題があるわけですよ。”
“さらに、十月七日に、拘置所内の医師による診断検査で胃に悪性腫瘍があると判断をされました。しかし、十一月五日に勾留執行停止がされるまで入院もできずに、翌年の二月の七日に亡くなったわけですよ。 ですから、違法な勾留請求を続けたことによって、助かったかもしれない命が奪われたと、そういうことになったんだという認識が検察にあるのかと、この問題をしっかり検察が検証すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。”
“監察部門といいますけれども、やはり警察庁の内部なんですね。やはり身内での検証は不十分にならざるを得ないと思います。 裁判で公安警察官が、事件は捏造だという証言に対して公安部側は、壮大な虚構だと、こういうふうに裁判でも言ったわけですよ、罵ったわけですよ。しかし、それが高裁判決でまさに違法だったというふうに認定された。こういう経過を見れば、自浄能力が私はないのは明らかではないかと思います。重ねて第三者機関による検証を求めたいと思います。 最後に、もう一回法務副大臣にお聞きしますけれども、この判決は、検察官の起訴について、有罪と認められる嫌疑がなく、勾留請求も合理的根拠がないことが明らかであり違法というふうに判決を下しております。こうした違法な勾留が続けられて、その下でがんと診断をされた相嶋さんが亡くなったわけですね。 相嶋さんは東京拘置所内で体調を崩して、二〇二〇年九月十五日には拘置所内で輸血処置などを受けるなどしたために、緊急の治療の必要性を理由に弁護側が保釈請求しましたけれども、検察官は保釈に反対しました。裁判官も保釈請求を却下しました。”
“つまり、やっぱり警視庁は、そのときに、問題があったということでアンケートをわざわざ取ったと。そうやってやったものを何で破棄したのかと。やっぱり上から言われたんじゃないかと、そういう疑い出るわけですよ。そして、記者会見でわざわざそういうことはなかったと言っていますけど、言わされたんじゃないかという疑念もあるわけです。それは、やはり警察庁自身の問題としてしっかり検証してもらわなければ、結局根絶することはできないということを強く申し上げたいと思います。 この問題一つ見ましても、身内による検証では警察の信頼は回復できないと思います。このような冤罪の事件を二度と再び繰り返さないために、警察の検証チームにとどまらない第三者機関による検証を行うべきではないかと思いますが、坂井国家公安委員長、いかがでしょうか。”
“やっぱりそれにとどまらないと思うんですよ。 これは警察庁にお聞きしますけど、二〇二一年の七月に東京地検が起訴を取り下げた翌月に、警視庁公安部は異例の事態となった捜査の問題点を検証しようと、事件を手掛けた捜査員を対象にアンケートを実施したけれども、警察庁から破棄するように命じられたと、このように報道されています。実際に破棄をされています。 警察庁としては、こういうアンケートが行われたという事実は認識しているのかが一つ。それから、その後、この警視庁の公安部は警察庁から破棄を命じられた事実はないと記者会見では説明をしておりますけれども、実際どうだったのか。警察庁がこの問題にどう関わっているのか、これはしっかり検証していただきたいと思いますけれども、警察庁、いかがでしょうか。”
“どうも人ごとのように聞こえるんですよね。 裁判では、この犯罪事実の合理的根拠もないまま逮捕、起訴に突き進んだ背景について、捜査に関わった公安警察官が、捜査の決定権を持つ人の欲でやっていると証言をしているんですね。緻密かつ適正な捜査を検察上層部が手柄欲しさにねじ曲げたんではないかという問題なんですよ。しかも、警視庁公安部は、この件で警察庁長官賞それから警視総監賞を受賞するなど、高い評価まで当時受けたわけですよね。 私は、警察庁自身の責任は免れないと思うんですね。警察庁自身がどうだったのか、自ら検証を行うべきではないでしょうか。公安委員長、いかがでしょうか。”
“警察という組織全体の捜査の在り方が問われていると思うんですね。 判決では、警察庁公安部が、この噴霧乾燥機が輸出規制対象に当たるかどうか必要な追加捜査をせず、合理性を欠く法令解釈をした上、問題点を指摘されても再考しなかったなど、犯罪の成立に関する判断に問題があり、合理的根拠の欠如が明らかにもかかわらず逮捕したことは違法だと判示しました。さらに、元役員の供述を誘導し、偽計的な方法で署名させるなどした警察官の取調べについても違法としました。 国家公安委員長、お聞きしますけど、裁判では、この捜査に関わった公安警察官が事件は捏造だと裁判で証言したんですよね。これ緻密とか適正な捜査という話ではなくて、ありもしない事件を捏造したんではないかと、このことからしっかり検証しなくちゃいけないと思いますけれども、国家公安委員長、いかがでしょうか。”
“今回と同様に、公安警察が断罪された岐阜県の大垣警察による市民監視事件の名古屋高裁判決でも、県側が上告を断念し、判決が確定をしたわけですね。 私、昨年十二月十九日の当委員会でこの問題ただしましたけれども、当時の警察庁の答弁は、重く受け止めるとしつつも、何で敗訴したかという要因は、警察の情報収集活動という事柄の性格上、岐阜県警察からその目的、対応などを明らかにすることができなかったことにあるという答弁だったんですよ。つまり、市民の個人情報を無断で収集し、第三者に提供したことへの違法性についての全く反省がなかったと、裁判対応の問題だったということなんですね。その公安警察がまたしても違法判決を受けたということです。 ただし、今回は、この検証チームをつくって検証するという点では、問題点が大きいということを警察自身も認識をされていると思うんですが、じゃ、どういう姿勢でやるのかということが問われているんですよ。 先ほど紹介のあった警察庁の六月十一日の通達でも、緻密かつ適正な捜査の徹底についてと題しているんですね。問われているのは、緻密だったか、適正だったか、そういう問題じゃないんですよ。”
“次に、大川原化工機事件で、警視庁公安部と東京地検の違法捜査を認定した五月二十八日の東京高裁の判決に対して、国と都が上告を断念したという問題について聞きます。 化学機械メーカーの大川原化工機の社長ら三人が二〇二〇年三月に外為法違反で逮捕、起訴され、約一年四か月後の二〇二一年七月の初公判の前の日に起訴が取り消されたということであります。大川原化工機側は、この逮捕、起訴が違法だったとして、同年九月に東京都と国に賠償を求める裁判を起こしました。先月二十八日に、東京地裁は二審判決で、警視庁公安部と東京地検の違法捜査を認定する判決を下しました。今月十一日に国と都は上告を断念して、約一億六千六百万円の賠償を命じた高裁判決が確定をしたと、こういう経過であります。 まず、国家公安委員長と法務副大臣、お聞きしますが、この判決をどう受け止めているのか、そして原告への直接の謝罪をするべきだと思いますけれども、それぞれいかがでしょうか。”
“オンラインギャンブルが依存症につながりやすいという認識を持ちながら、一方で公営ギャンブルではこれだけオンラインが拡大をしているのがそのままになっているというのは、私これ矛盾だと思うんですよね。これ、しっかり取組を強化をしていただきたいということを重ねて求めたいと思います。 伊東担当大臣と参考人の方、この問題はここまでですので、結構でございます。”
“是非、効果が上がるような取組を更に求めたいと思います。 もう一点伊東大臣に今日聞きますが、公営ギャンブルである競馬、競輪、競艇、オートレースの賭け金の売上げのうち、今やもう八割から九割がオンライン購入となっています。依存症の専門家は、このオンライン化がギャンブル依存の最も強いリスク因子の一つだと指摘をしています。インターネットはいつでもどこでも利用できるし、実際にお金をその場で賭けている感覚が薄いということでのめり込んでしまう、賭け金が大きくなるということになるわけですね。 公営ギャンブルのオンライン化の見直しや規制強化が必要ではないでしょうか。いかがでしょうか。”
“是非、実効性がどう上がっているのかよく見ながら、必要な強化をすることが求められていると思います。 さらに、外国との関係なんですが、十六日の共同通信の報道では、日本政府は、日本向けにサービスを提供するオンラインカジノサイトにライセンスを発行しているオランダ領キュラソーやマルタなど八つの国や地域に対し、日本からの接続を禁止するよう、日本政府が初めて対策の実施を申し入れたとしております。 法律成立後、改めてこれらの国に対策実施を要請するとも報道されておりますが、こういうオンラインカジノを合法としている国の政府から実際に具体的な協力を得ることができるのか、坂井国家公安委員長、いかがでしょうか。”
“これで果たして実効性が上がるのだろうかと思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。”
“いろいろ言われましたけど、私、最初に紹介したような、物すごい規模での拡大にもう全く追い付いていないというのが実態だと思うんですね。 こういう急増の一つの問題として、同じ警察庁の報告書にあるように、違法オンラインカジノ利用者の四三%は違法と認識しなかったということがあるんですね。二〇一六年に、既にもうパチンコや公営ギャンブルによるギャンブル依存症が問題になっていたのに、安倍内閣が経済成長の起爆剤だといって、IR、カジノを解禁いたしました。私はこれが、カジノは刑法の賭博罪という意識を薄れさせてしまったのではないかと思っておりまして、このギャンブル依存症を防止するためにも、IR、カジノを今からでもやめるべきだと申し上げておきたいと思います。 今度の法案は、国内の者に対して、ウェブサイトやプログラムを用いた違法オンラインギャンブルの提供や、違法オンラインギャンブルの広告や誘導する情報発信を禁止をします。野放しになっていた違法オンラインカジノを抑止するものではありますが、一方、法案には罰則やプラットフォーム事業者への規制強化などの規定がありません。”
“日本共産党の井上哲士です。 まず、この後議題になる衆議院内閣委員会提出のギャンブル依存症対策基本法改正案、いわゆるオンラインカジノ法案について伊東担当大臣に聞きます。 二〇二四年の警察庁の委託研究の報告書では、国内でのオンラインカジノの利用者は約百九十六万人、利用経験者は三百七十七万人、年間の賭け金は一兆二千四百億円になるとされております。 どのように増えてきたのか。二〇二一年十二月十九日の日経新聞は、民間会社の調査結果によって、オンラインカジノへの日本からのアクセス数は、二〇一八年十二月は月間七十万回だったのに対して、二〇二一年九月は月間約八千三百万回と、百十八倍に膨らんだとしております。アメリカ、ドイツに次いで日本が世界第三位の規模になった。日本から利用すれば違法となる海外のオンラインカジノへのアクセス数が、約三年で百倍以上に急増したと。 なぜこの時点で政府による防止対策の強化が行われなかったんでしょうか、お答えください。”
“今回の禁止、携帯禁止罪の規定は、二〇〇三年のピッキング対策法でのマイナスドライバーやバールなどの指定侵入工具の隠匿携帯禁止罪の規定を下敷きにされていると説明をされております。このピッキング対策法の趣旨、要点及び運用上の留意事項についてという通知では、各都道府県警にあっては、いやしくも取締りの権限の濫用のそしりを受けることのないよう、濫用の絶無を期すと、ことが記載をされております。こういう通知大事だと思うんですが、実際どうなのかとこの間お聞きしますと、報告を受けていないというだけであって、調べていないというわけですよね。 私は、やっぱり本当にこれ徹底する上でいえば、実際に濫用がなかったのかどうかということをしっかり把握をするということが必要だと思う。その上で徹底をすることが必要だと思いますけれども、最後に大臣、いかがでしょう。国家公安委員長、いかがでしょうか。”
“結果として、そういう配慮がされている人がこれによって排除をされてしまうと、自立のすべを失うというようなことはあってはならないということを申し上げているので、是非これはしっかり配慮をしていただきたいと思います。 次に、いわゆる指定金属切断工具の隠匿携帯の禁止についてお聞きをいたします。 こういう切断工具の所持そのものを禁止すべきという議論もありますが、今日も汎用性があるという答弁ありましたように、例えば私の実家の周りの農家なんかも皆さん普通に持っているわけですよ。それを犯罪に使用するのが問題なのであって、所持を禁止してがんじがらめにするような社会は私はあってはならないと思います。 その上で、何が指定金属切断工具にするかは政令で定めますが、まず確認したいのは、この隠匿携帯を禁止することの保護法益というのは一体何なんでしょうか。”
“この論点が適切だという意見も出ていないんです。にもかかわらず、そうだったかのように書かれているのはおかしいじゃないかということを私は申し上げております。以降、きちっとこれはやっていただきたいと思います。 近年、一般廃棄物のごみ収集所から古紙回収業者等による資源ごみの持ち去りが問題になって、一般ごみの持ち去り禁止条例の制定が広がっております。環境省の調べでは、全国四百十一の市区町村でできているという話です。 この中で、大阪市の持ち去り禁止条例は、空き缶を収集することを自立の手段としている方々もいるということを理由に、空き缶を対象外にしているんですね。大阪市のホームページ見ますと、本市では古紙、衣類の持ち去りは条例で規制しておりますが、空き缶等については、収集することを自立の手段としている方々もおられることから、福祉的な観点も勘案し、持ち去り行為を直ちに規制の対象とすることは慎重にならざるを得ないと考えていると、こういう説明がされております。”
“ですから、ないんですよ、専門家からそういう意見は。当局の側がそういう論点を設置をした、それについても専門家から全くいいとも悪いとも意見がなかったのに、何か最後のまとめには、それが専門家からの意見だったかのようなまとめがされているんですね。私、これはやり方おかしいと思うんですよ。結局、専門家でまとまった意見だからとか、有識者からの意見だから、それを錦の御旗にしてやるということがほかの法案でもやられていました。 追加して、国家公安委員長、聞きますけど、こういう専門家による検討会ではなかったような発言を警察の判断で盛り込むようなことが行われるのは私は不適切だと思いますけれども、いかがですか。”
“この点について、警察庁の生活安全局長の下に設けられた検討会の報告書でも、取引時の本人確認の方向性として、一万円未満の金属くずについて本人確認等を免除することは抜け穴となるおそれがあるため適当でないとまとめられております。今日も、先ほど、この免除することとすると法の規制を潜脱されるおそれがあると、こういう答弁もありました。 しかし、この三回行われた検討会の議事要旨を読みましたけれども、そういう発言や意見は見られないんですよね。逆に、例えば議事要旨には、業界団体の代表からも、鉄スクラップの買取りについて総額一万円以下の取引はほとんどない、例えばグレーチングでいえば、一枚だけ持ってくるということはまずあり得ず、二十枚、三十枚あれば一万円は優に超えてしまうといったものや、非鉄スクラップ買取りについても現状で総額一万円以下の取引はほとんどないという意見がありまして、負担軽減を求める議論はありましても、一万円未満の本人確認免除は抜け穴になるという意見は少なくともこの議事要旨には見当たらないんですけれども、一体誰の発言だったんでしょうか。”
“対象を拡大するときには考えなくちゃいけないというお話がありましたけど、つまり、この国家公安委員会規則で一万円未満は本人確認を不要とするという規則を設けることは禁じられてはいないということで、確認してよろしいですか。”
“同様にこの一万円未満は本人確認を不要とするなど、これからの国家公安委員会の規則で本人確認方法を定める際には、こうした空き缶集めなどをされているホームレスの方などにも配慮した方法を検討すべきでないかと思いますが、いかがでしょうか。”
“午前中からの質疑でも、本人確認については写真付きの証明書、犯罪収益移転防止法における本人確認の手法などを検討していると、こういうお話でありました。 そこで、一問飛ばして聞きますが、空き缶集めとかスクラップ集めをしてスクラップ業者に販売して生活費としている方々がいます。その中で、ホームレスの方の場合は身分証明書を持っていないということが想定をされるわけですよね。本来的にはこういう貧困状態を放置せずに住まいや生活の支援、自立支援が求められると思いますけれども、現に生活の糧にしているということを禁止をすれば、ホームレスの人などのこの自立のすべを奪うことにもなりかねないと思います。今回の法案の本人確認義務の措置によってこういう人々を締め出すということになるおそれはないのかというのが一点。 それから、古物営業法では、取引における本人確認について、コンピューターソフト、CD、DVD、書籍、オートバイやオートバイ部品を除いて、美術品、時計、宝飾品類その他の古物の一万円未満の取引は本人確認を不要としております。”
“日本共産党の井上哲士です。 法案は、近年増加する金属窃盗の防止対策として、特定金属くず買受け業者に対して都道府県公安委員会への届出や買受け時の本人確認を義務付けるものです。 何を特定金属にするかは政令で定め、当面は銅のみの指定とされておりますけれども、将来、アルミや鉄にも拡大をする可能性についてはどうか、また、その際、この指定が拡大される場合の要件、それから判断基準はどのようになるでしょうか。”
“四月十五日の日本学術会議の総会決議は、「日本学術会議の理念と位置付けは変わらず存続し、そして、その先も、学術の振興を通じて文化を育み、平和で豊かな社会を作り、国民の安心して生き甲斐があり、健康で文化的な生活の維持増進に貢献していく。」と述べています。これは、日本学術会議のあるべき姿を宣言したものです。 日本共産党は、日本学術会議のこの宣言を支持するとともに、学問の自由を守り、戦争する国づくりに反対する多くの科学者、市民と力を合わせ、これからも全力で闘い抜く決意を述べ、反対討論とします。(拍手)”
“さらに、新法人設立時は、外部の有識者との協議を経て選ばれる外部有識者を含む候補者選考委員会が会員を選考し、その同じメンバーが三年後の改選時にも会員選考を行うという特別な会員選考の仕組みが設けられます。これにより、次期会員の選考に現在の学術会議会員が関与できる機会が極端に狭められます。 これは、現行のコオプテーション方式による学術会議の自主的、自律的な会員選考の継続性を分断することにほかなりません。どれほど政府が説明しようと、独立性、自主性、自律性を根こそぎ奪い、学術会議を解体する法案の本質は覆い隠せません。だからこそ、学術会議は一貫して懸念は払拭できないと表明しているのです。 この法案に反対し、学問の自由を守れという学協会や学会を始め、多くの科学者、それに連帯する市民の声は今なお広がり、今も会館前で行動が行われています。これは何をもってしても押さえ込むことはできません。 運動の中で学問の終わりの始まりにするなというスローガンが掲げられましたが、昨日の委員会採決後には、あくまでも廃案を求めつつ、政府の介入を監視し、学問の自由を守り発展させる新しい運動の始まりと決意が述べられました。”
“会員選考に際し、会員で構成する会員候補者選定委員会が作成する選定方針案に、会員外の者で構成する選定助言委員会が意見を述べる、会員候補者選定委員会の諮問に応じて意見を述べるとしていることは重大です。 政府は、選定助言委員会を設置する理由について、会員選考の客観性、透明性の確保などを挙げます。しかし、現に学術会議は、自ら会員選考の改革を進めてきました。外部の意見も取り入れ、会員候補者に求められる資質、専門分野の構成、候補者の多様性の確保のために、ジェンダーバランス、地域分布、活動領域や年齢構成等の観点を選考方法として定め、公表しています。 どのような基準や方法で会員を選考するかは、そもそも学術会議自身が定めるべきものです。にもかかわらず、選定助言委員会を設置することは、政府による介入の仕組みをつくる狙いにほかなりません。会員候補者選定委員会が選定助言委員会に諮問しなければ、総理任命の監事から監査の対象にされるという答弁からも、そのことは明らかです。”
“その中で、学術会議への介入が強まり、二〇二〇年の任命拒否が起きました。さらに、二〇二三年には安保三文書を閣議決定し、敵基地攻撃能力の保有と一体で防衛産業を成長産業とすることが推進をされています。 政府が本法案を提出したことは、科学を軍事に従属させ、目先の経済的利益追求に貢献させようという政府の立場が、科学者の総意の下に、科学を平和と人類社会の福祉に貢献させるという日本学術会議の憲法に基づく理念と矛盾しているからにほかなりません。 そのことは、法案が現行法の前文を削除したことに示されています。政府は、前文の理念は法案の目的に置き換えられたとし、前文の平和的復興という言葉は法案の経済の健全な発展という目的に含まれているという驚くべき答弁をしました。まさに平和の理念を投げ捨てるものです。 法案の運営助言委員会、日本学術会議評価委員会、総理大臣任命の監事、選定助言委員会等が学術会議の自律性、自主性を奪うための具体的な仕組みであることが審議を通じて明白となりました。”
“現行の日本学術会議法は、前文には、学術が政治に従属させられ、また、学術の側も戦争遂行に加担する役割を果たしたことの痛苦の反省が込められ、学問の自由を保障する日本国憲法に立脚した使命が書かれています。 一九四九年の日本学術会議の発会式の祝辞で当時の吉田茂首相は、戦争を永遠に放棄し、平和的文化国家として新しい日本を建設することを決意し、科学の振興を通じて、世界の平和と人類社会の福祉に貢献するという国家的要請に応えて設立されたと述べています。そのために、時々の政治的便宜のための制肘を受けることのないよう高度の自主性が与えられている、こう吉田総理が述べているんです。 二〇一五年の有識者懇談会の報告も、現在の制度は、日本学術会議に期待される機能に照らしてふさわしいものであり、これを変える積極的な理由は見出しにくいと結論付けています。学術会議の使命と、国の機関でありながら独立して職務を行うという組織形態には矛盾はありません。 では、何が矛盾しているのか。 政府は、二〇一五年、安保関連法を強行し、その年に防衛装備庁を設置し、安全保障技術研究推進制度を創設しました。”
“ところが、坂井大臣は、自らの答弁を正当化するために、特定なイデオロギーや党派的な主張を繰り返すということが望ましくないというのは衆議院からの審議の中でもコンセンサスが取れていると答弁をいたしました。許し難いねじ曲げです。一体どこにコンセンサスがあるというんですか。政府の気に入らない質問には聞く耳を持たない、存在すら認めないというものにほかなりません。まさに法案の本質を明らかにしているではありませんか。 大臣は、学術会議が法案にも法人化にも反対していないと繰り返し答弁しました。しかし、学術会議の川嶋参考人は、大臣答弁は虚偽とさえ言えると厳しく批判し、ナショナルアカデミーの五要件を具備した法人化には反対しないが、五要件を満たしていない法案に反対しているからこそ総会で決議を可決したと明確に述べました。政府のごまかしの破綻は明らかです。 一九四三年、科学研究は大東亜戦争の遂行を唯一絶対の目標としてこれを推進するとの閣議決定がされました。政府により学問研究の自由が奪われ、科学研究の目的は戦争遂行とされたのです。”
“日本共産党を代表し、日本学術会議法案に断固反対の討論を行います。 そもそも、内閣総理大臣による日本学術会議会員の任命が形式的なものであるという確定された法解釈を政府内部で一方的に変更し、それを根拠に六人の会員の任命を拒否したことは、明白な違法行為にほかなりません。法解釈変更の検討過程の行政文書の黒塗りを開示し、任命拒否の理由と経過を明らかにして政府自ら違法行為を是正することは、本法案審議の最低限の前提です。それもないまま本法案を成立させるなど、到底許されません。 政府は、会員任命拒否に対する厳しい世論の批判の矛先を学術会議の在り方の問題にすり替えて本法案を提出いたしました。しかし、その狙いが日本学術会議を解体し、政府の言いなりになる組織にすることであることは、特定なイデオロギーや党派的な主張を繰り返す会員は今度の法案の中で解任できるという坂井大臣の答弁で浮き彫りになりました。この発言には、思想で会員を排除するのかとの怒りの声が湧き上がり、質疑の中でも答弁の撤回要求が相次ぎました。”
“修正案はこれら法案の重大な問題点の多くをなお残したままであり、賛成できません。 以上、討論とします。”
“法案は、学術会議が国の機関でありながら独立して職務を行うことは矛盾があるとして法人化します。学術会議が矛盾はないと言っているにもかかわらず法人化するのは、科学者の総意の下に科学を平和と人類社会の福祉に貢献させるという学術会議と、科学を軍事目的に従属させ、目先の経済的利益追求に貢献させたい政府が矛盾するからにほかなりません。 法案は、現行の日本学術会議法の前文を削除します。これは、学術会議の使命を否定し、運営や会員選考の自主性、自律性を奪い、政府の意向に従わせるためです。法案の運営助言委員会、日本学術会議評価委員会、総理大臣任命の監事、選定助言委員会等がそのための具体的仕組みであることが審議を通じて明白になりました。 さらに、新法人設立時の特別な会員選考の仕組みによって、コオプテーション方式による会員選考は断絶させられます。どれほど政府が説明しようと、法案の本質が独立性、自主性、自律性を根こそぎ奪い、学術会議を解体するものだからこそ、学術会議は一貫して懸念を払拭できないと表明しているのであります。学術会議の理念、理解も同意のないままのこのような法案は、廃案以外にありません。”