仁比聡平
日本共産党 · Japan
“結局、政府案が規律しようとする証拠提出命令と、その際にあるかもしれないインカメラとしての提示命令ということについてのお話をしているだけで、ちなみに、その提示命令というのは再審請求人側には開示をされないわけですから。だから、結局、裁判所の判断に全部委ねられてしまうということで、これまでとどう変わるんだというこの争点は法案審議の中できちんと議論していきたいと思うんですけど。 今のようなお話を長く答弁されても、これまでの裁量によって広く行われてきたと元裁判官たちが示しているこの勧告について、検察官が判断して応じる応じない決めることになるじゃないかという点については、お答えはないですよ。 この検察による証拠隠しという、これがどれだけ冤罪をつくり出してきたか。四月十四日のこの委員会…”
“全くはっきりしないと。この政府案が規律するという制度について、請求理由に関連するというのが広くなるというような根拠というのは全くはっきりしない。そもそも、手持ち証拠というのは、再審請求人、弁護人にも、それから裁判所にも分からないわけですよね。検察官が強大な力で収集した捜査資料を独占して、これを公判廷になっても出すか出さないかという判断を握ってきたということに根本の課題が私はあると思うんですよ。 政府案の場合も、今お話しのように、これまで行われてきた裁判所による証拠開示の勧告ということについては変わらないというふうにおっしゃるんですけれども、この勧告に応じるか応じないか、自分たちが手持ちで持っている証拠、これがその勧告に当たるのかどうかの判断も含めて、結局、検察官の判断で行…”
“つまり、一定の要件を満たす場合にはという大きな留保付きではあるんですけれども、これまでなかった証拠開示義務を適切に定めるなら、再審格差をなくして、非常救済手段にふさわしい全面証拠開示は実現できるということだと思うんですよ。問題は、その要件をどう定めるか、それから、再審請求人への開示を制度として実現するということだと思います。 この政府案に対して、再審審議に関与してこられた元裁判官たちの共同声明、以前もこの委員会で取り上げましたけれども、こう言っていますよね。再審請求事件の審理の現状を直視すれば、現状を肯定的に評価することなど到底できないはずである、裁判所が職権によりある程度広範な証拠開示を求める場合もある現状よりも、明らかに証拠開示の範囲を狭める結果をもたらすもので、改悪…”
“ちょっと時間がなってしまいましたね。 控訴の判断あるいは証拠というのは、これは一人の検察官が、などということではないんですよ。組織として共有して判断していくんですね。 この福井の事件で言えば、だから高検、最高検、それから第一次再審請求審を担当した地検、高検、そして第二次請求審を担当した検察組織が全部一件記録を引き継いでいったわけですね。この現場から最高検の幹部まで膨大な数の検察官がこれに関与している、この捜査報告書の存在を知っていたわけですよ。それを知りながら組織ぐるみで冤罪をつくり出してきたのか。ここに今回の法改正に当たっての立法事実があるのであって、私は、高検、最高検が知ったのはいつかという点について、この委員会にちゃんと明らかにするということを強く求めたいと思います…”
“日本共産党の仁比聡平でございます。 司法と福祉の連携について、まず厚労省にお尋ねをいたします。 成年後見制度利用の促進状況の調査を厚労省行っていらっしゃいますけれども、令和七年度の調査によりますと、今日も随分議論になっている中核機関の設置率というのは、去年四月時点で七七%と。年々増加しているんですけれども、小規模自治体ほど設置率が低いというのが現実です。 お手元の資料を御覧いただくと、この未整備自治体の主な課題ということで、割合が大きい方から行きますと、自治体内部での調整が必要というのが五四・五%、人材の確保が難しいというのが五二・四%、続けて、制度利用に関する相談受付はできても、受任者調整など権利擁護支援チームの形成支援に係る仕組みが整えられないというのが四六・七%もあ…”
“私は、日本共産党を代表して、成年後見法など民法等一部改正案、同整備法案に賛成の立場から討論いたします。 成年後見制度を抜本的に見直して、包括代理権を廃止し、特定の行為の代理のみを行う補助制度に一元化し、本人の意思決定の尊重、好みを含む意向把握義務を明文化、明確化することは、障害者権利条約の観点からも、代理決定を縮小する点で前進です。 障害者権利条約は、本人の意思決定を支援して一緒に決める制度への転換を求めています。障害のあるなしにかかわらず、全ての人に法的能力があり、障害者の様々な困難は社会の側の障壁によるものという観点にしっかり立って、なお残されている代理決定の仕組みを廃止し、意思決定支援制度への転換を検討する必要があります。 不断の見直しのため、附則十条に基づいて、本…”
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“そこで、葛藤の高い父母、しかも、皆さんから、お立場それぞれ違うんですけれども、極めて厳しい批判が寄せられている裁判所によってその子の最善の利益を見出していくことができるんでしょうかということが大問題なんだと思うんですよ。 その点で、まず熊上参考人に、DV、虐待について現在の裁判所が認定できていないという厳しい批判がありました。これが一体なぜなのかということ、なぜ裁判官はあるいは調停委員会はそうした深刻な権利侵害を見出せないケースがあるのかという、そこはどうお考えでしょう。”
“実際、子供のペースってすごく速いというか、大人とサイクルが違って、新しい何々ちゃんという友達ができたのよと、誕生パーティーに呼ばれたんだけど今度の週末おうちに行っていいというような、そういうやり取りの中で育まれていくものだなというふうに思うんですけれども。 ちょっとそれに関わって、浜田参考人が先ほどもおっしゃっていただいたんですけれども、日常の養育に関する決定は原則として監護親が行い、非監護親は監護親の権限行使を不当に妨げてはならないものとしてはどうか、あるいはすべきではないか、あるいは、今後のこの改正案を前提にしたときの問題としては、監護者の指定を定めれば参考人がおっしゃっていることと同じような効果をもたらすことができると思いますし、部会でもそうした議論があったと思うんですけれども、そうした提案をされるのは、今、熊上参考人に伺ったような意味で、子の利益あるいは児童の最善の利益に沿うものだからという、そういうことでしょうか。”
“そうしたことからだと思うんですけれども、冒頭の意見陳述の中で、共同監護につきまして、父母が互いにリスペクトし、子供の意向を踏まえて協議できれば、子供にとって双方から愛されていると感じ、子に好影響ですというふうにおっしゃったと思うんですが、ちょっと別の角度で言うと、そうした子供のペースや意思が尊重されるような関係、父母間に、たとえ夫婦としては別れても、子供の育てていくということに関してはそういう関係性というのが存在するということがこの共同監護を子の利益のために実らせていく上での言わば条件といいますか、前提のように思うんですけれども、いかがですか。”
“日本共産党の仁比聡平でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 本法案で果たして子供の利益を見出していけるのかということについてまず熊上参考人にお尋ねをしたいと思うんですけれども、私がこの参議院の審議に入りましてしばしば引用させていただいています日本乳幼児精神保健学会の声明がございます。その中でこういう引用、記述があります。 主たる養育者を始めとする周囲の人とやり取りし、優しく温かい声や浮き浮きするリズム、心地よい身体的刺激などの肯定的な交流を得て脳や神経が成長し、心と体を発達させていく、子供にとって主たる養育者とこうした幸せなやり取りができることは生存と発達の重要な要素であると。それゆえ、子供の成長発達にとって最も重要なのは、安全、安心を与えてくれる養育者との安定した関係と環境が守られることである。 こうした指摘について、熊上参考人はどんなふうにお考えでしょうか。”
“最後に、熊谷参考人に、一問になると思うんですが、先ほど御紹介いただいた令和二年十二月の検討会議の取りまとめ、拝見いたしまして、立替払ですね、養育費の、この制度などについて、選択肢や課題等を整理しつつ引き続き検討を続けていくべきであると提言をしておられますよね。 ですが、私、その後、法務省がそのような検討に応えている、求めに応えているのかというと、そうじゃないというふうに思うんですけれども、子の養育費の確保のための今の状況ということについてはどうお考えでしょうか。”
“そういう状況の下で、本参議院の法務委員会に求められている役割、審議のありようというのはどのようなものだと思われますか。”
“今の点で木村参考人にお尋ねしたいと思うんですけれども、先ほどの意見陳述の中で、被害者やその代理人、支援者への嫌がらせや濫訴への対策がないということを具体的にはお語りにはならなかったんですけれども、指摘がありました。どんなふうにお考えでしょうか。”
“ということは、むしろ子の利益のためにということが強調される法改正であることによって、一層真に子の利益になるために積み重ねが続くはずであるという、そういう趣旨でしょうか。”
“そこで、沖野参考人にこの点についてお尋ねしたいと思うんですけれども、民法の、あるいは家族法の議論の中で、裁判所の実務というのが、今、木村参考人に御紹介いただいたように、私は積み重なってきているんじゃないかと思っているんですけれども、これが今回の法案で変わってしまうのかと。いかがでしょうか。”
“先生の論文で、ちょっと引用しますと、「裁判所は、離婚までの監護者・離婚後の親権者を指定する際に、監護の継続性・監護態勢・監護環境・監護能力・監護開始の違法性・子の意思などを総合的に考慮して判断する。ここでは、同居中に子を監護してきた実績(主たる監護者がどちらだったか)も重視される。」とされていますが、今の家裁の実務とおっしゃったのは、こうしたことでしょうか。”
“木村参考人に、その問題で、「世界」の論文を拝見をいたしまして、こうした子連れ別居に対して、違法な実子誘拐だ、あるいは不当な連れ去りであるというような裁判上の申立てがされた場合に、裁判所はどのような審査をすべきなのか。そして、今、今日、どんな基準が裁判所にあるのか。そして、かつ、この今回の法案によって、そうしたこれまでの取組、積み重ねというのは変わるものと考えますか。”
“日本共産党の仁比聡平でございます。 皆さん、本当にありがとうございます。 まず、子連れ別居の適法性について実情を山崎参考人にお尋ねしたいなと思うんですが、二〇二一年の女性プラザ祭の講演録を読ませていただきました。別居する、子供を連れて別居するというのはなかなか決断できないことだということが御本人のお言葉で、まるで夜の海に飛び込むような感じという表現もされているんですが、山崎参考人御自身のこと、あるいはシェルターでの活動を通じて、この決断、なかなか決断できるものじゃないという、そうした状況、実情を教えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。”
“それから、親の同意や関与というのが規定されている法令というのはもっとたくさんある。それらについて今のような議論しかできていないで法案提出しているじゃないかと私は厳しく指摘をしているわけです。 これを全て法務省の責任において、あるいは政府全体の責任においてこの委員会に提出してもらって、それぞれの運用基準や課題が何なのかということをちゃんとこの法務委員会として協議すべきだというふうに思います。 これ、取り計らっていただきたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。”
“つまり、現行、婚姻中は共同親権なわけですよ。その婚姻中の今の家族がDVや虐待によってそうした状態に陥るということがあるわけで、そのときにはそういう対応をしていますということだけだと。ということは、離婚後共同親権という新たな関係を創設しようとしておられるにもかかわらず、そのときの家族の問題状況というのがどんな状況になるのか。 前回の質問のときにも申し上げましたけど、私、そうした葛藤状態にある、例えば中学校三年生の受験生がですよ、自分は学校に、高校に行けるんだろうかとか、授業料免除、無償化ということを聞くけど、自分は受けられるんだろうかとか思っても、相談するのってなかなか大変なことだと思いますよ。あるいは、学校の先生がこれだけ多忙を極めている中で、全ての子供のそうした状況に気付いて相談に乗ってあげるような余裕が果たしてあるのかと。それは文科省の現場の問題として大きな課題だと思うんですよ。ところが、そうした中身の、つまり子供をちゃんと中心にした協議は行われていないということじゃないですか。 そして、この高校授業料無償化の問題のみならず、様々な支援策、少なくとも給付に関して二十八件ある。”
“引き続き議論をしていかなきゃいけません。 時間が参ろうとしているので、文科省に一問お尋ねをしておきます。 今日も高校授業料無償化の支援に関わって様々御議論ありました。先ほど公明党の伊藤議員から御質問があった件は私もよくそしゃくしてみたいと思っているんですけれども。 そもそもでちょっとお尋ねしたいんですけど、私の本会議に対する答弁では、親権者が二名の場合であっても、一方がドメスティック・バイオレンスや児童虐待等により就学に要する経費の負担を求めることが困難である場合には一名で判定を行うという、それは共同親権となった場合でも同じだという答弁をされているじゃないですか、大臣が。大臣、基本一貫してそう答えているわけですよ。 ということは、離婚後共同親権になる場合に、DVやあるいは虐待によって大変になる場合があるんだと、そんな説明を法務省から受けてきたんですか。”
“ある同僚の児童精神科医師からは、法の領域に入ってしまうと守ってあげられないという話を聞いたり、また別の医師からは、診断書に記載したのに今も結局加害親との関係性を続けるように裁判所からの指示が出ているという話を聞いたり、カンファレンスでは、別の担当者の児童が加害親との面会交流を継続することを裁判所から指示され続けていて児童の具合が悪くなっているという症例が報告されたことがある。 何に基づいて裁判官あるいは調停委員会が、父母も合意をしてもいないのに共同親権、別居親の親権者としての関与がふさわしい、子供の利益になるというふうに判断するのかと、そこがおかしいじゃないかという指摘が数々噴き上がっているんですね。 その点を今回の法案提出においてどう検討されたんですか、あるいは検討していないんですか。今の裁判所に対するこうした批判を民事局長はどう受け止めるんですか。”
“今の御答弁だと、あれですか、児童福祉法上の取組には当たらないような場合、まあ見守っておきましょうみたいなそんな場合に、父母間で合意がないのに、裁判所が、その同居親の養育についてこれでは駄目だとか良好でないとかというような評価をして別居親との共同親権を定めるみたいな、そんなことになるんですか。何だか、どういう、具体的にどんなふうな場合が、どんなふうな評価、アセスメントに基づいてされるのかということがちょっとなおなお分からないんですね。 例えば、様々な状況で傷ついている子供、児童を診療している精神科のドクターの皆さんいらっしゃいます。先ほどの学会の声明もそういう積み重ねでできていると思いますけれども、先日、院内集会での私どもの発言を受けてメールが寄せられまして、診断書で加害親から子供を守っていただきたいという意見書を裁判所に提出しても、それが役に立つという実感もありませんという言葉なんですよ。”
“ありがとうございます。 民事局長、という取組が制度上あるいは実際に行われている中で、この親権者変更や親権の停止又は喪失に至らない事案において別居親の関与があった方が子の利益にかなうケースというのがどんなケースなのかというのが私ちょっとよく分からないんですけれど、これどういう場合をいうんですか。”
“その上で、非合意型の共同親権を導入することが子の利益に必要だとする立法事実を示してくださいと私は問いました。これに対して本会議で、恐らく初めて御答弁されたようにも思っているんですけれども、次のように答えられました。例えば、親権者変更や親権の停止又は喪失に至らない事案においても、同居親と子供の関係が必ずしも良好ではないケース、同居親による子の養育に不安があるために別居親の関与があった方が子の利益にかなうケースがあり得るという、この同居親の養育に問題がありそうなときという、こういうケースを挙げられたんですよね。 そこで、まずこども家庭庁に先に聞きますけど、親と子供の関係が良好ではないとか養育に不安があるとかという場合は、行政によってどのような支援が取り組まれるか。虐待が行われる場合は、虐待が疑われる場合は、その調査や評価、一時保護などの取組が専ら児童相談所において行われると思うんですが、いかがですか。”
“定めようとするものでもないということだと思うんですよ。現行法は定められたものじゃないし、これから定めようと提案しておられる改正案も、児童福祉法やこども基本法や子どもの権利条約と合致しているものだと、共通するものだと。子の利益というのは、つまり、子の親権を考えるときの目的だということだと思うんですね。あれこれの要素の一つではありませんよね、そういう意味で。 例えば、子の意見表明について大臣は、裁判所が判断をするときの重要な考慮要素の一つという言葉を使っておられるじゃないですか。重要な考慮要素の一つというのはあれこれの一つなんですよ、重要であろうがどうであろうが。子の意思や心情を把握して、それをどういうふうに生かすのか、その場面についてお答えになっているんだろうと思うけれども、子の利益を全うするんだと、これは、あれこれの一つじゃなくて、取組全体の、あるいは法そのものの目的ですよね。”
“そして、子の利益に反するのか害するのか、あるいは子の利益に沿うのかというのが、親子関係のあらゆる場面あるいは親権者を定める場面などでこれが規範になるわけですよね。 その規範というのは、私は、先ほど御答弁いただいた児童福祉法の二条の理念だったり、あるいは子どもの権利条約、そして子どもの権利条約も踏まえて我が国でも作られたこどもの基本法、こども基本法ですね、今日も三条三項という議論が与党からもありましたけど、そうしたものと共通するものと考えなかったら、一国の法制度として成り立たないと。だから、児童福祉法やこども基本法、そのベースにある子どもの権利条約の指導理念と同様だと思いますが、いかがですか。”
“だから学会から、現在の司法は科学的、実証的な視点を軽視していると批判されてしまうんじゃありませんか。 先ほどこども家庭庁に御答弁いただいた、児童福祉法に基づく様々な取組と。様々な実践、現場があって、支援すべき子供たちがいて、だから先ほどのような御答弁が積み重なってくるわけじゃないですか。 これまでの離婚後単独親権を共同親権に変えると、しかも父母間に合意がない場合に裁判所が定め得るという法案を提出しておられるわけです。ならば、それがなぜ子供の利益になるのかということを誰にも説得できる形で、そうだと胸に落ちる形で、それは逆に言えば、そういう場合以外は裁判所は定められないんだなということが分かる形で答弁し、条文を作らなきゃ駄目じゃないですか。それは分からないんですか、大臣。 私は、ちょっとまず確認しておきたいと思いますけれども、この法案で言う子供の利益、つまり、これは改正されればですよ、家族法という基本法に子の利益という言葉がたくさん出てくることになります。”
“子の利益を実現するために何が適切なのかを語らなければ意味がないじゃないですか。極めて抽象的な規範を新たに作って、極めて厳しい指摘がされている裁判の運用で合意をしていなくても共同親権を定め得るということにしてしまったら、そうしたら新たな危険が起こるじゃないかと不安が広がるのは当たり前じゃないですか。 適切な形の関与というのは、これ一体何のことを言っているんですか。”
“二〇一一年の改正というのは極めて不十分、中途半端なものでした。後に削除されましたけど、当時、子の利益のためと言いながら、懲戒権の規定は削除されませんでした。依然として子供を親の附属物のように捉えるというそういう認識が、この二〇一〇年以降の時期にもですよ、この法の、基本法の改正を阻んだわけでしょう。 実務では、その後の時期に家庭裁判所において原則面会交流と呼ばれるそういう取組、運用が行われて、この今回の法案に対しても多くの方々から、この裁判所の実務によって、運用によって傷ついたと、傷つけられているという声が寄せられているわけですね。その上に立って今回の改正案を提出されているわけです。にもかかわらず、子の利益とは何かと何度聞かれても、今のいろんな場合があるという答弁しかできないのかと。 逆に、大臣、聞きますけれども、改正案の趣旨として、何回もおっしゃっているでしょう、適切な形で子の養育に関わる、そのことで子の利益を確保すると言うじゃないですか。適切な形でって、何も言っていないのと同じでしょう。不適切な形で関与しちゃ駄目なのは当たり前じゃないですか。”
“資料の一枚目に条文をちょっと抜粋しましたけど、監護及び教育の権利義務について子の利益のためにと、親権喪失の審判において八百三十四条が子の利益を著しく害するとき、親権停止の審判について子の利益を害するときと要件を掲げ、先ほどもお話ありましたが、民法七百六十六条の一項、離婚後の子の監護に関する事項を定めるという条文について、子の利益を最も優先して考慮しなければならないと規定されたわけですね。この現行法の下で裁判も行われているわけですよ。だから、施行後たくさんの事案が、この法の下、法の適用という形で取り組まれてきたわけですね。 だから、二〇一一年から今日までの間の取組も踏まえて、改めて子の利益とは何なんですか。”
“そのとおりだと思います。 そこで、民法、家族法の親子関係における子の利益とは何かということなんですけれども、今日もこれまで何度か質問がありましたが、大臣の答弁あるいは局長の答弁というのは極めて抽象的ですよね。子の利益って何をもって子の利益とするのかということが、実際の子供の姿がこの議場にイメージが出てこないじゃないですか。わくわくしないじゃないですか。子の利益のために親権を行使しなきゃいけないなんて言いながら、結局何か父母間の争いの焦点になっちゃっているじゃないですか、子供が。これ、おかしいでしょう。 そこで民事局長に聞きますけれども、二〇一一年の改正で、親子法制に子の利益のためにという条文が明記されました、八百二十条。”
“ありがとうございました。 今御答弁いただいたような、児童福祉の上での取組の言わば指導理念と言っていいんだと思うんですけれども、児童福祉法の二条一項にこういうくだりがあります。全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身共に健やかに育成されるよう努めなければならないという規定ですけれども、これが指導理念として重いものだということでしょうか。”
“その学会の声明の一枚目の下の方に、こんなくだりがあります。主たる養育者を始めとする周囲の人とやり取りし、優しく温かい声や浮き浮きするリズム、心地よい身体的刺激などの肯定的な交流を得て、脳や神経が成長し、心と体を発達させていく、子供にとって、主たる養育者とこうした幸せなやり取りができることは、生存と発達の重要な要素であると。 こうした指摘についてはどう思いますか。”
“例えばネグレクトなどの関係があったときに、一時保護をして親子を分離して、その取組の中で子供も安心、安定をする、親の方も、いろいろな学び直しとか自らの生活の立て直しとかいろんな取組を行って、もう一回一緒に暮らせるように再統合を目指していくと、そういう取組もありますよね。”
“委員会としても深く認識を共有していく必要があるんではないかなと思うんですが、今日はちょっと次の問いに進みますけれども。 もう一点、私が本会議場で問うたのが、子供の成長、発達にとって最も重要なのは、安全、安心を与えてくれる主たる養育者との安定した関係と環境が守られることだというこの声明に対する認識だったんですね。私はそのとおりだというふうに思うんですけれども、ここも答弁をちょっと避けられた。 確かに、主たる養育者の養育が常に適切とは限らない、不適切な養育というのがあり得ます。典型が同居親による虐待ということだと思いますが、それを調査し、評価し、一時保護や施設入所や里親委託といった親子分離を行うという取組をするんですが、それらは子供の健やかな育成を実らせるための取組だと思うんですよね。ここはどんなふうに考えて取り組んでいらっしゃるんですか。”
“ということなので、そういう御答弁として受け止めたいと思うんです。 そこで、改めて伺うんですけれども、この私が今指摘しているようなダメージというのは、子供をどのように深く傷つけるのか。こうした、自分が育っている環境の下でのこうした葛藤なりダメージというのは、子供に対してどんな影響を与えるのか。これはいかがですか。”
“つまり、離婚をめぐる葛藤という下で子供がこうやって傷つくというのはこの学会の指摘のとおりだろうけれども、それは離婚のときだけではない、婚姻中であっても事実婚の場合であっても、どんな場合であってもそうなんだと。だから、児童相談所を始めとした児童福祉行政としては、子の利益、子の利益といいますか、つまり、この子供の健やかな育成、この観点から一貫して取り組むんだと、そういう趣旨の御答弁なんだということですね。”
“この学会の指摘に対して、こども家庭庁の認識を問いたいと思って聞いたんですが、これに対する加藤大臣の答弁は極めてそっけなくて、この問題の指摘に対する答弁を避けたのかというふうに聞こえましたし、議場でもそういう声が上がりました。 そこで改めて伺いますが、答弁でいう、婚姻状態であるかを問わず子供の健やかな育成に支援していくという趣旨の答弁はどういう意味なんですか。”
“今、お手元にお配りをしております二枚目以降に全文を紹介していますが、「人格の土台を作る乳幼児期の重要性を踏まえて」、二〇二二年の六月二十五日に発されたものですが、御覧のとおり、発達科学の到達点を共有し、臨床現場の実情あるいは知見に基づいて、家族法制部会、当時の、その審議についてこう述べています。その議論においては、子供の育ちにおける重要な科学的事実が礎とされているであろうか。これ厳しい指摘ですよね。現在の司法制度において、科学的、実証的な視点が軽視されているのではないかと。私は、この厳しい指摘を正面から受け止める必要があると思うんです。 そこで、傍線を引いていますが、子供は離婚により傷つくと言われることがあるが、正確ではないという一文を御紹介しました。子供は離婚という事象だけで傷つくのではなく、離婚に至るまでの生活環境(面前DVなどによる心理的虐待など)や父母のいさかいに伴う親子関係、そして離婚後の生活環境や親子関係の変化などの複数のストレス要因の複雑な絡み合いにより、身体的、心理的、社会的に大きなダメージを受けている。”
“日本共産党の仁比聡平でございます。 今日、初回の議論を始めてみて、やっぱりこの法案というのは、親子関係と家族の在り方に関する戦後民法の根本に関わる改正なんだと、これを国民的合意のないまま押し切っては絶対にならないということを改めて強く思います。与党からも厳しい懸念が示されている、野党の問いに対して安心できる答弁が返ってきていないと。それが、この参議院の審議が、委員会審議が始まってなおそうなのかと私は率直に思います。 そうした下で、この法案で言う子の利益とは何なのかという問題について質問したいと思いますけれども、まず、こども家庭庁に伺いたいと思います。 さきの本会議で私は、日本乳幼児精神保健学会の離婚後の子どもの養育の在り方についての声明、これを土台にして議場の皆さんにも質問をお伝えをし、認識を問うたわけですね。”
“親の同意や関与が規定されている法令も多数に上っています。離婚後共同親権の導入がこれらにどのような影響を及ぼすか、関係省庁ときちんと協議し、当該施策の基準と運用、課題と検討の見通しを国民が一覧できるよう、速やかに示すべきです。 子を監護する者が誰かなどの混乱をなくすためにも、少なくとも、非合意型で裁判所が共同親権を定めるというなら、監護者の指定を必須とすべきではありませんか。 さらに、省庁横断的な連携協力体制の構築について、衆院では与党の質問に対し、構築に向けて具体的な検討を進めてまいりたいと逃げ道を残す答弁にとどまっていますが、一体どう進めるのですか。 養育費の国による立替払と求償制度も具体的速やかに検討すべきだと考えますが、いかがですか。 法務大臣の明確な答弁を求め、質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣小泉龍司君登壇、拍手〕”
“戦前の家制度を引きずるかのように親の子に対する支配権という認識が色濃く残る親権という用語、概念を改め、子供を主体に親子関係を捉え直し、子供が安心、安全に暮らせるようにするための親の責務であり、社会による子供の権利と福祉の保障であることを明確にするときです。法務大臣、どう取り組むのですか。 法案では、既に離婚し単独親権となっている親子に対して、別居親が共同親権への親権者変更を申し立て、合意できないのに裁判所が共同親権を定めることもあり得、その後、約定の養育費が払われないことがあり得ることになります。 盛山文部科学大臣は、高校無償化の就学支援金について、共同親権で二人の親であれば合算、親権者二人分、二名分の収入に基づいて判定を行うということに当然なると述べましたが、共同親権になって高収入の別居親が授業料、養育費を払わないとき、無償でなくなるのは子の利益に反することは明白ではありませんか。 法務大臣、親の資力、収入などが要件となっている各省庁の主な支援策は、児童扶養手当や日本財団のまごころ奨学金など、昨日までの調べで少なくとも二十八件あります。”
“別居親との面会は原則よいこととし、子供が別居親を拒否すると、根掘り葉掘り拒否の理由を尋ねたり、どういう条件なら会ってもよいかという聞き方で直接の面会交流が実施されるように誘導し、あるいは子供が別居親を拒否するのは同居親の刷り込みであると評価して子供の意思を尊重しない扱いは、子供の意思を否定することに等しい、それは逆に親子関係の改善を困難にし、大人不信、社会不信を募らせるリスクを持つとの指摘は、そのとおりだと思います。法務省は、最高裁判所とともに、この間の面会交流を含む子の監護をめぐる家庭裁判所の運用の実態について検証すべきではありませんか。 本改正に当たっても、子供の人格を尊重するというだけでなく、子どもの権利条約、こども基本法の精神に立ち、子供の意見表明権を明記すべきです。答弁を求めます。 子供の意思に反する強制は子供を傷つけることになります。”
“日本乳幼児精神保健学会は声明で、子供は離婚により傷つくと言われることがあるが、正確ではない、離婚に至るまでの面前DVによる心理的虐待など、父母のいさかいに伴う親子関係、離婚後の生活環境や親子関係の変化などの複数のストレス要因の絡み合いにより、身体的、心理的、社会的に大きなダメージを受けるのであり、子供の成長、発達にとって最も重要なのは、安全、安心を与えてくれる主たる養育者との安定した関係と環境が守られることと強調して、離婚後共同親権のリスクを厳しく指摘していますが、こども政策担当大臣、法務大臣、どのように受け止めますか。 さらに、日本乳幼児精神保健学会は、家庭裁判所で二〇一二年頃から鮮明になった原則面会交流と呼ばれる運用に対し、臨床現場では、家庭裁判所で面会交流を決められた子供たちが、面会交流を嫌悪し、面会をめぐる別居親との紛争にさらされ、あるいは過去のトラウマからの回復が進まず、全身で苦痛を訴え不適応を起こして、健康な発達を害されている事例が増えていると厳しく指摘しましたが、法務大臣、どのように受け止めますか。”
“父母間に真摯な合意がないのに親権の共同行使を求めれば、別居親による干渉や支配を復活、継続する仕掛けとして使われ、結果、子の権利や福祉が損なわれてしまう危険は否定できないのではありませんか。 同居親の不適切養育に対しては、現行法下でも児童相談所を始めとした支援が取り組まれ、民法上も親権者の変更や親権の停止、喪失などの対応が可能です。あえて非合意型共同親権を導入することが子の利益に必要だとする立法事実を、法務大臣、お示しください。 法務大臣は、私の質問に、両親が離婚をせずにその家庭の中で子供が育つ、これが一番子供の利益だと言い、離婚後においても父母双方が適切な形で子供の養育に関わり、責任を果たすことによって子供の利益を守ることができると述べましたが、それは大臣の家族観であって、立法事実ではありません。関係が破綻した父母の葛藤にさらされることこそ、子の利益を害するのではありませんか。”
“法務大臣、広がるこうした声をどう受け止めますか。 離婚後共同親権の導入がどのように子の利益の実現になるのか、伺います。 夫婦関係は破綻しても、父母間に子供の養育だけは協力して責任を果たそうとする関係性があり、親権の共同行使が真摯に合意され、それが子の利益にかなう場合には、離婚後も共同親権とした上でもろもろの規律を定めることはあり得ます。 しかし、本法案は、そうした合意がない、できない父母間にも、裁判所が共同親権を定め得るとするものです。 法務省は、父母の合意がないことのみをもって双方を親権者とすることを一律に許さないとするのは、かえって子の利益に反する結果となりかねない、子の利益のため必要なケースがあり得ると言いますが、それが一体具体的にどのような場合、類型なのか、今なお示しておりません。逆に、法制審委員の民法学者から、共同親権が望ましい場合と単独親権の方がよい場合の基準や運用について十分な議論ができなかったとの発言がなされたのは驚くべきことです。 改正法案によって新たな人権侵害の危険があってはならないのは当然です。”
“日本共産党の仁比聡平です。 会派を代表して、民法改定案について質問いたします。 離婚後共同親権を導入しようとする本法案は、親子関係と家族の在り方に関する戦後民法の根本に関わる改正であるにもかかわらず、国民的合意のないまま、まるで波風が激しくなる前にと言わんばかりに衆議院採決、本院に送付されました。 とりわけ、DVや虐待から逃れ、安心、安全な生活を取り戻そうとする方々や、行政、弁護士の支援に対し、裁判所の保護命令が出されたもの以外は虚偽DVなどと一律に非難する質問まで行われましたが、法務大臣、そうした非難は誤りではありませんか。 多くの一人親家族から悲鳴のような怒りの声が噴き上がっています。衆議院法務委員会採決の朝、十万筆に達したSTOP共同親権オンライン署名は、一週間で二十三万筆を超えようとしています。ある方は、裁判の尋問に立ち、震えながらしゃべるとき、一人きりで怖かった、でも、思った、私は一人じゃない、私たちだったとSNSに投稿されました。これまで沈黙を強いられてきた多くの方々がつながり、上げてきた声を正面から受け止め、丁寧な審議が尽くされなければなりません。”
“あらゆる子供支援施策について、私は、どのような取扱いがされるのか、基準や運用、これを一律に明らかにして国民に速やかに知らせるべきだと思いますが、今日、質問時間がなくなりましたので、明日の本会議で問いますので、大臣、明確にお答えください。 終わります。”
“ですが、そうした判定といいますか、は毎年八月の現況届の際に前年の所得で算定するという、そういう今の仕組みは変えるつもりはおありではないんだと思います。一年間は変わらないというお話なんだと思います。 三月二十二日のこの委員会で、今問うていることに関連する私の質問に対して民事局長は、最後、十五ページですけれども、法務省として法案提出に至るまでの間に関係府省庁と検討を行ってきたと、婚姻中別居の場合の各法令における取扱いを参考に、どのような取扱いがされることになるかについて検討してもらうよう協議を重ねてきたというふうに答弁をされましたが、私はこれ具体的に個々にされていないと思いますよ。 だから盛山大臣のあの記者会見のような発言が出てくるし、現場で、それこそ本当に苦しんでいる子供の立場に立って、どういう支援を今後していくということになるのか、離婚後共同親権を特に非合意型で定めていくということが、そこに混乱を与えてしまわないのか、現実に給付の減少、マイナスをもたらしてしまわないのか、明らかにされていない。”
“こども家庭庁に関しては一問だけ。児童扶養手当の所得限度額というのが親の所得に関わることになりますけれども、これ、先ほど来申し上げているような養育費が払われなくなったときというのは、これは増額されるんですか。”
“法務省から、具体的に今後どうなる、どうしていくかについて協議を受けたことはありますか。”
“同じように厚生労働省。特別児童扶養手当、資料の八枚目にありますが、障害児福祉手当の支給要件、あるいは補装具費支給制度における利用者負担の上限月額、あるいは小児慢性特定疾病児童等への医療費助成制度における自己負担上限月額などを定める上で親御さんの経済状況などを把握することになっていますけれども、この支援が離婚後共同親権が定められた場合にどうすべきなのか、具体的に法務省との協議をしたことはないと思いますが、いかがですか。”
“この制度について法務省からの協議を受けたことはないと昨日聞きましたが、そうですか。”
“離婚後共同親権の導入に関わって、親の資力、収入などが要件になっている各省庁の主な支援策を参議院の各調査室に調べていただいて、私の責任で今日資料をお配りしていますが、今の高校無償化の支援も含めて文科省には九件、こども家庭庁には十一件、このほかに他省庁との共管もありますが、厚生労働省には四件、そして金融庁に一件、少なくとも昨日までに分かっただけで二十五件のそうした支援策があるんだけれども、一体どうなっているのかと。 金融庁が関わっておられる日本財団のまごころ奨学金という制度があります。交通事故や詐欺被害、傷害や殺人などの犯罪に遭遇したお子さんたち、御家族が遭遇したお子さんたちを対象にして奨学金の給付を、お手元十三番目の資料ですけれども、月額で高校生だったら国公立で一万七千円、私立で二万五千円、入学一時金もと、そうした給付金が、奨学金があるんですけど。これ、世帯年収一千万円を超えると原則対象外とされるんですが、私が申し上げている非合意型の共同親権の場合、誰の所得証明書を提出しなければならないんでしょうか。”
“全然安心できないじゃないですか。 法務大臣もお分かりだと思いますけど、約定した養育費が払われなくなるというのは、一人親世帯にとって本当に大変なことなんですよ。深刻な状況が起こって、おうちの中も大変になっていくという下で、養育費が払われなくなって一月、二月とたったら大変だと。そうしたら、その都度ちゃんと対応できるのか、授業料が一遍無償じゃなくなったとかいうようなことがあっても、そうしたら無償にすぐなりますよと、そんなことになるんですか。今の文科省の御説明では、個々個別に対応するとおっしゃっているだけで、現実に現場がどんなふうになっているのかという実態も国としては把握しておられないと。それでは安心できないんですよ。”