仁比聡平
日本共産党 · Japan
“結局、政府案が規律しようとする証拠提出命令と、その際にあるかもしれないインカメラとしての提示命令ということについてのお話をしているだけで、ちなみに、その提示命令というのは再審請求人側には開示をされないわけですから。だから、結局、裁判所の判断に全部委ねられてしまうということで、これまでとどう変わるんだというこの争点は法案審議の中できちんと議論していきたいと思うんですけど。 今のようなお話を長く答弁されても、これまでの裁量によって広く行われてきたと元裁判官たちが示しているこの勧告について、検察官が判断して応じる応じない決めることになるじゃないかという点については、お答えはないですよ。 この検察による証拠隠しという、これがどれだけ冤罪をつくり出してきたか。四月十四日のこの委員会…”
“全くはっきりしないと。この政府案が規律するという制度について、請求理由に関連するというのが広くなるというような根拠というのは全くはっきりしない。そもそも、手持ち証拠というのは、再審請求人、弁護人にも、それから裁判所にも分からないわけですよね。検察官が強大な力で収集した捜査資料を独占して、これを公判廷になっても出すか出さないかという判断を握ってきたということに根本の課題が私はあると思うんですよ。 政府案の場合も、今お話しのように、これまで行われてきた裁判所による証拠開示の勧告ということについては変わらないというふうにおっしゃるんですけれども、この勧告に応じるか応じないか、自分たちが手持ちで持っている証拠、これがその勧告に当たるのかどうかの判断も含めて、結局、検察官の判断で行…”
“つまり、一定の要件を満たす場合にはという大きな留保付きではあるんですけれども、これまでなかった証拠開示義務を適切に定めるなら、再審格差をなくして、非常救済手段にふさわしい全面証拠開示は実現できるということだと思うんですよ。問題は、その要件をどう定めるか、それから、再審請求人への開示を制度として実現するということだと思います。 この政府案に対して、再審審議に関与してこられた元裁判官たちの共同声明、以前もこの委員会で取り上げましたけれども、こう言っていますよね。再審請求事件の審理の現状を直視すれば、現状を肯定的に評価することなど到底できないはずである、裁判所が職権によりある程度広範な証拠開示を求める場合もある現状よりも、明らかに証拠開示の範囲を狭める結果をもたらすもので、改悪…”
“ちょっと時間がなってしまいましたね。 控訴の判断あるいは証拠というのは、これは一人の検察官が、などということではないんですよ。組織として共有して判断していくんですね。 この福井の事件で言えば、だから高検、最高検、それから第一次再審請求審を担当した地検、高検、そして第二次請求審を担当した検察組織が全部一件記録を引き継いでいったわけですね。この現場から最高検の幹部まで膨大な数の検察官がこれに関与している、この捜査報告書の存在を知っていたわけですよ。それを知りながら組織ぐるみで冤罪をつくり出してきたのか。ここに今回の法改正に当たっての立法事実があるのであって、私は、高検、最高検が知ったのはいつかという点について、この委員会にちゃんと明らかにするということを強く求めたいと思います…”
“日本共産党の仁比聡平でございます。 司法と福祉の連携について、まず厚労省にお尋ねをいたします。 成年後見制度利用の促進状況の調査を厚労省行っていらっしゃいますけれども、令和七年度の調査によりますと、今日も随分議論になっている中核機関の設置率というのは、去年四月時点で七七%と。年々増加しているんですけれども、小規模自治体ほど設置率が低いというのが現実です。 お手元の資料を御覧いただくと、この未整備自治体の主な課題ということで、割合が大きい方から行きますと、自治体内部での調整が必要というのが五四・五%、人材の確保が難しいというのが五二・四%、続けて、制度利用に関する相談受付はできても、受任者調整など権利擁護支援チームの形成支援に係る仕組みが整えられないというのが四六・七%もあ…”
“私は、日本共産党を代表して、成年後見法など民法等一部改正案、同整備法案に賛成の立場から討論いたします。 成年後見制度を抜本的に見直して、包括代理権を廃止し、特定の行為の代理のみを行う補助制度に一元化し、本人の意思決定の尊重、好みを含む意向把握義務を明文化、明確化することは、障害者権利条約の観点からも、代理決定を縮小する点で前進です。 障害者権利条約は、本人の意思決定を支援して一緒に決める制度への転換を求めています。障害のあるなしにかかわらず、全ての人に法的能力があり、障害者の様々な困難は社会の側の障壁によるものという観点にしっかり立って、なお残されている代理決定の仕組みを廃止し、意思決定支援制度への転換を検討する必要があります。 不断の見直しのため、附則十条に基づいて、本…”
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“法務省の検討がまだ定まっていないわけですから、警察庁も今おっしゃっているような考え方で保管、管理をしていくということなんでしょうけれども、システム開発も含めて、まだこれからの話ということだと思います。 警察に関して言いますと、袴田事件において五点の衣類のカラーのネガがあったと。これ一体、何で第二次再審になってしか出てこなかったのかと。静岡県警は一体これをどのようにして保管していたのかと。倉庫の段ボールの中から出てきましたというようなことをおっしゃって、一体なぜそんなことになったのかについてこの国会で何度か聞かれていますが、私も含めて、明らかにできていない。捜査の手持ち証拠というのはそういう扱いをされてきました。 還付なんて言うけれども、その留置の必要があるかどうか、押さえたものを捜査機関が手元に置き続ける必要があるかどうかというのが、その還付をするかどうかの基準ですけれども、局長、そうですね。”
“私が尋ねているのは、物理的にといいますか、どんな形で保管をしていくんですかということなんですよ。 つまり、今局長が紹介されたルール、それはルールはあります。けれども、これは有体物を前提にしているわけですね。データそのものを差押えによって押収するんだというのは今回初めて行われるわけです。その量は極めて膨大になるでしょうし、これを利用可能な形で管理するというのは特別のルールが必要なはずで、その問題意識は恐らくこの委員会でこれまで質疑に立たれた方々も大前提にしておられると思うんですよ。 今の局長の答弁は、その具体的な管理方法、あるいはどこにサーバーを置いて、誰が管理して、どういう予算を掛けてというようなことについては引き続き検討していくという。つまり、言い換えると、法案提出に当たってはそこは定まっていないと。引き続き検討していくというのはそういうことでしょう、首かしげておられるけど。 膨大な電子データ、個人情報を令状でこれから収集しますと言っておいて、例えばどこの県警で、あるいは全部の県警で、あるいは検察庁でどう保管するのかというのが定まっていない。”
“日本共産党の仁比聡平でございます。 昨日の本会議で私、大臣に、この電磁的記録提供命令、これによって一旦提供された個人情報は、たとえ提供命令が後に取り消されても、消去、抹消されることなく捜査機関の元に蓄積され続けていくことになるではないかと問うたんですが、この問いに対する大臣の答弁が全く納得のいかないものですので、まずこの問題をはっきりさせたいと思います。 警察庁、それから法務省、それぞれお尋ねをしますけれども、この創設しようとしている提供命令、これによって取得したデジタル個人情報、つまり電子データですね、これはどのように保管をしていくんですか。”
“衆議院で大川原化工機の島田順司参考人は、突然、逮捕、勾留され、留置所で屈辱的な扱いを受け、取調べで録音、録画も弁護士の立会いも許されない捜査の実態を告発されました。 ほかにも、事件と全く無関係の中学校時代の成績や男女関係を調べ、取調べで言及して侮辱したり、お子さんの精神疾患を持ち出して黙秘権の行使を非難するなど、手にした情報をてこに自白を強要し、冤罪を引き起こした例は枚挙にいとまがありません。 法務大臣、我が国の刑事司法に今求められているのは、自白偏重と人質司法を改める抜本的な改革ではありませんか。全面的な証拠開示、全事件全過程の取調べの可視化、取調べへの弁護人立会い、オンライン接見の実現を強く求めます。 数々の冤罪、そして袴田事件無罪確定の下、迎えているこの国会で、再審における証拠開示、検察による上訴を許さない再審法の抜本改正を実現しようではありませんか。 同僚議員の皆さんに呼びかけ、法務大臣の見解を問うて、質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕”
“手柄欲しさに無理やり事件をでっち上げられ、保釈さえ認められず、お一人は身柄拘束のまま病死するという取り返しの付かない非人道的な結果をもたらしました。 国家公安委員長に聞きます。関係者は一貫して謝罪と検証を求めています。ところが、警察も政府も拒否し続けています。一体なぜですか。 風力発電をめぐる住民運動を監視し続けた岐阜県警大垣警察署警備課の活動について、昨年九月、名古屋高裁は、市民の個人情報の収集、保有、情報提供は違憲、違法とし、損害賠償と個人情報の抹消を命じました。ところが、警察庁は、上告断念に追い詰められながら、警察の情報活動という事柄の性格上、その目的、対応などを明らかにすることができなかったのが敗訴の要因などと国会で答弁するなど、全く無反省ではありませんか。つまり、公安活動の目的や対応は、たとえ裁判に負けてでも、事柄の性格上、明らかにしないとでも言うのですか。国家公安委員長、お答えください。 法案によって、捜査機関に蓄積されていく電子データは、令状記載の犯罪捜査だけではなく、広く公安警察活動の資料としても利用されていくのではありませんか。法務大臣、お答えください。”
“今や、ほぼ全ての携帯端末が衛星からの位置情報を受け取っています。総務大臣に確認します。子供の見守りサービスのように利用者の意思で利用されているものもありますが、端末によっては、使うアプリで利用者がGPS受信機能の利用を選択するしないにかかわらず、端末自身が常時位置情報を受信しているのではありませんか。 二〇一七年最高裁判決が弾劾したとおり、GPS捜査は、個人の行動を継続的、網羅的に把握することを必然的に伴うという特徴においてプライバシーを侵害する度合いは極めて深いものです。それでも、法務大臣、利用者本人が知ることなく、GPS履歴も提供させることができるのですね。 これまでも、犯罪の未然防止のためだとして情報収集する公安・行政警察活動と、事件が起こったといって始まる犯罪捜査に実態として切れ目はなく、不可分一体に重大な人権侵害が引き起こされてきました。 大川原化工機事件はその一つです。警視庁外事第一課が三年にわたって執拗に捜査し、役員の逮捕、勾留、起訴に至りましたが、後に検察自ら起訴を取り消さざるを得なくなった重大な冤罪でした。”
“衆議院の参考人、指宿信教授は、法制審議会でも、捜査関係事項照会でどのような不具合があったか、あるいは二〇一一年改正で導入されたUSBなどの記録媒体にコピーさせ物として差し押さえる記録命令付差押えが一体何件執行され、何件思うようなデータが取得できなかったのかといった立法事実が全く提出されていないと厳しく指摘をしています。法務大臣、電磁的記録提供命令制度を不可欠とする立法事実は何ですか。導入しなければ立件できない犯罪があるのですか。 スマートフォンの進化で、近年、指紋認証や顔認証などの生体認証を含む二段階認証が広がっており、多くの人はこれらで個人情報は守られていると信頼しています。そこで、総務大臣、こうした認証システムは個人情報への不正アクセスを防ぐためのものですね。 ところが、法案では、提供命令の際、当該電磁的記録の内容を確認するための措置を命令できることになっています。法務大臣、パスワードやパスコードが掛けられていても、本人の同意なく、本人がパスワードなどを教えなくても、捜査機関は情報を取得できるようになるのではありませんか。 GPSの履歴はどうでしょう。”
“二〇一九年、共同通信社の丸裸にされる私生活、企業の個人情報と警察・検察という調査報道があります。捜査機関が令状なしで任意の提供を求める捜査関係事項照会に対しても、各航空会社、鉄道・バス会社、電気・ガス会社、ポイントカード発行会社、クレジットカード会社、消費者金融、携帯電話会社、コンビニ、スーパー、家電量販店、ドラッグストア、パチンコ店、遊園地、アパレル、居酒屋、劇団や映画館、ガソリンスタンド、カラオケ店やインターネットカフェ、ゲーム会社などあらゆる企業が、カードなどの利用履歴、氏名と生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、銀行口座、家族情報、店内防犯カメラ映像やレシート情報など、およそありとあらゆる個人情報を捜査機関に提供しているという衝撃的な報道です。法務大臣、これらの企業は全て提供命令の対象にもなるのですね。 この報道から六年。情報通信の高度化、個人情報の蓄積は、六年前とは比較にならないほど急速に進んでいます。”
“これは、本人が全く知らない間に、警察や検察が疑いを掛けた犯罪とは全く無関係な人々との関係性や、開発、営業など事業に係る情報を根こそぎ収集、分析し、蓄積し続けることを意味します。 犯罪捜査の必要性と人権、私生活上の平穏とプライバシー権の緊張関係について、憲法三十五条は、何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、正当な理由に基づいて発せられ、かつ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ侵されないと定めています。すなわち、捜索、差押えは、対象になる捜索場所及び物が個別具体的に特定して明示された裁判所の令状によらなければ許されません。 元々形がなく、どこで区切れるかが曖昧な電子データを、捜査機関の一方的な資料だけを見て行う令状審査で裁判官が特定することは不可能なのではありませんか。例えば、仁比が契約する通信事業者サーバーの中のデータボックスという程度で特定性は認められません。捜索対象が特定されない包括的令状、一般令状の絶対禁止という憲法原則、令状主義を形骸化することは許されません。法務大臣の認識を伺います。”
“日本共産党の仁比聡平です。 会派を代表して、刑事デジタルプライバシー侵害法案というべき刑事訴訟法等改定案について質問いたします。 本法案は、情報通信技術の進展に対応するとして、形があり、そこにあるものではなく、形のない、今日際限なく蓄積される巨大サーバーやクラウド上の個人情報、電子データ自体を初めて捜索、差押えの対象とする電磁的記録提供命令を創設するものです。 プロバイダーなど電気通信事業者は、提供命令に正当な理由なく違反すれば処罰されることになるため、実際上、利用者の個人情報を提供せざるを得なくなります。一方で、個人情報本来の持ち主である利用者に知らせることは禁じられます。一旦提供された個人情報は、たとえ提供命令が後に取り消されても、消去、抹消されることなく捜査機関の元に蓄積され続けていくことになります。例えば、グーグルは世界各国にデータセンターを設置し、個人情報を収集、蓄積していますが、その全てが提供の対象になります。LINEやインスタグラムも同様です。法務大臣、そのとおりですね。”
“何しろUSAIDが凍結されるというので激震が走るという、みたいなことがありました。やっぱりそうじゃなくて、自立的発展をしっかり支援していくという、そういう取組を期待して、発言を終わります。”
“そうした中で、JICAにもし教えてもらえればと思いますけど、現地では、ユニセフとJICAが、WHOとも協力をしながら二〇二三年から母子手帳を普及、活用しようという取組を始めておられて、この新たな取組が様々なこの母子の健康に関わる課題を解決していく上で大きな役割を果たすのではないかというお話もありましたが、どんなでしょうか。”
“先ほど石垣さんからも大事なのは人だというお話があって、私もそのとおりだと思うんですよね。 この学校の話にちょっと戻ると、一方で、競争率が極めて高い。それから、こういう教育機関に進学できないという子供たちがたくさん多いという現実があって、セネガル、それからコートジボワールも同等の水準と思いますが、小学校を卒業できる子供がおよそ五〇%、半分しかいないと。 貧困率は三七%とか三八%という深刻な数字で、このセネガル、コートジボワールも含めた西・中央アフリカ全体でいいますと、ユニセフの現地スタッフに教えていただきましたら、五歳未満で亡くなってしまう子供が推計で二〇二二年の一年間で百八十六万人もいて、十一人に一人は亡くなってしまう。そのうち三五%は生まれた後一か月で、新生児で亡くなってしまうという、こういう現実があると。だからこそ、先ほど来強調されていますけれども、保健医療のこの充実というのはもう極めて必須だと思うんですね。”
“よく見ると、町にタイヤを売っている屋台というのはあるんですけど、自動車整備工場ですよね、日本でたくさんある、これは全く目立たないという現実があって。 そこで、最初に訪れたセネガル日本職業訓練センター、CFPTですけれども、印象としては、日本の高等専門学校のような教育機関だなと思います。ですから、自動車整備や、それから産業用機械のメンテナンスや電気工学や自動制御などを若者たちが学んでいると。そういった、とっても生き生きしているわけですね。 伺いますと、約一千人の学生たちが在籍をしている。で、卒業生が七千名を超えたと。そのみんなは就職率が八〇%という極めて高い就職率で、かつ、その卒業生がその訓練センターの教員として働いているということで、内発的な、持続的な発展を支援していく上で、こういう技術者養成というところには大きなニーズと可能性があるというふうに痛感をしました。 外務省局長にお尋ねするのがいいのかなと思うんですけれども、こういう取組についての意義をどんなふうに考えておられますか。”
“日本共産党の仁比聡平でございます。 私は、アフリカ班に参加をさせていただきまして、先ほどの山本団長の報告にもありましたが、国民民主の竹詰議員とともに、極めて濃密な調査でございまして、コーディネートいただいた大使館やJICAの皆さん、それから両国政府の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思いますし、中でも得難いなと思ったのは、それぞれの国の国会議員の皆さんと大変熱い議論や友情を育むこともできました。帰国をしてからも、両国の在日大使との交流も深めていくということの取組ができていて、こうした取組というのはとっても大事だなというふうに思っております。 そうした中で、アフリカ諸国の自立的発展を支援する上での肝だなと思う点を二つちょっとまず。 まず、職業なんですね。というのも、セネガル・ダカールに到着いたしまして最初に目に留まったのは、故障して何人かで一生懸命押されている車ですね。高速道路のような道なのに、一時間ほどの間に四台も五台もそういう車を見るわけです。”
“二〇一二年自民党改憲草案は、第九章として緊急事態の章を立て、①内閣総理大臣が、武力攻撃、内乱、大規模災害などの緊急事態において、特に必要を認めれば、緊急事態の宣言を発すること、②この宣言が発せられれば、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定でき、総理大臣は必要な財政支出その他の処分を行い、地方自治体の長の必要な指示ができること、③何人も総理の緊急事態宣言に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならないこと、④この宣言の間、衆議院は解散されず、国会議員の任期、選挙期日に特例が設けられるというものです。 これは、人々の自由と権利を一内閣の政令をもって奪う立憲主義の破壊であり、そうした政権の居座りそのものであって、断じて許されません。 自民党は、二〇一二年改憲草案以来の改憲の押し付けをもうやめるべきであります。そのことを強く申し上げ、発言といたします。”
“二〇二三年五月三十一日のこの審査会で長谷部恭男参考人は、憲法五十四条一項が、解散から国会召集までの期間について、大日本帝国憲法が定めていた五か月から大幅に短縮し、解散から四十日以内に総選挙、投票から三十日以内に国会召集と定めたのは、現在の民意を反映していないような政権の居座りを防ぐ、阻止するというのが主たる目的であること、それなのに、衆議院議員の任期を延長するということになれば、それは結局、現在の民意を反映していない政権の居座りを正面から認めることになってしまうと述べました。そのとおりです。 衆議院議員の選挙困難事態なるものを仮定に仮定を重ねて描き、議員の任期に特例をつくろうという議論に対して改めて指摘しなければならないのは、こうした議論は、自民党が二〇一二年改憲草案以来主張する緊急事態条項と一体のものだということです。”
“日本共産党の仁比聡平です。 日本国憲法が、戦前の大日本帝国憲法下で濫用された緊急勅令や緊急財産処分、戒厳や非常大権などの緊急事態条項を廃し、参議院の緊急集会を定めたのはなぜか。 この問題で、憲法制定議会における金森大臣の答弁が会派を超えて繰り返し確認されてきました。すなわち、どんな精緻な憲法を定めても、非常という言葉を口実に破壊される可能性がないとは言えないため、行政権の自由判断の余地をできるだけ少なくした、民主政治を徹底させ国民の権利を十分擁護するには、緊急時に政府の一存で行う措置は極力防止しなければならないという憲法観です。そこには、基本的人権保障と法の支配、国民主権と議会制民主主義が貫かれており、その根底に二度と戦争をしないという深い反省があります。特殊な事態には平常時から法令などの制定により濫用されない形式で完備しておくことができる、特別な必要があれば臨時国会を召集し、衆議院が解散中であれば参議院の緊急集会を招集すれば足りるという金森答弁は、今日においても合理的です。日本国憲法はとてもよくできているのです。 衆議院議員の任期延長はどう考えるべきか。”
“裁判官以外の裁判所職員の定員は毎年のように減員され、この十年で二百八十八人も減らされてきました。裁判所の事件処理そのものを一体に取り組む書記官、事務官、家庭裁判所調査官の増員こそが求められているということを申し上げ、反対討論といたします。”
“職員の負担が増し、サービス残業も常態化し、メンタルヘルス不調に陥る職員が急増しています。裁判所事務官九人も最高裁判所のみの増員です。 さらに、全司法労働組合は、非合意共同親権を導入する改定民法の二〇二六年施行を前に、各家庭裁判所に調査官一、二名の増員を求めており、私も全体で少なくとも百名規模の増員が必要だと考えます。 ところが、本法案による家庭裁判所調査官五人増員は、非合意共同親権の導入に当たり内部的に検討するためのプロジェクトチームのための配置、東京、大阪にすぎません。今でも繁忙状況が続き、調停期日の指定が遅れがちになっている家庭裁判所の現場からは強い不安の声が出されています。 改正民法の附帯決議は、調停室や児童室等の増設といった物的環境の充実、オンラインによる申立てやウェブ会議の利用の拡大などによる裁判手続の利便性の向上、子が安心して意見陳述を行うことができる環境の整備など、必要な人的、物的な体制の整備に努めることも求めていますが、その準備ややりくり、予算が付けば、その執行を行うのも書記官や事務官です。現場の声を真摯に受け止め、人員不足を補う定員増が必要です。”
“日本共産党の仁比聡平です。 私は、会派を代表して、裁判所職員定員法改定案に反対の討論を行います。 本法案は、裁判官以外の裁判所職員を四十七人減員するものです。 日本共産党は、憲法が保障する国民の権利を守る司法本来の重要な任務を果たすために、裁判所職員の増員、裁判所予算の増額を求めてきました。本法案は、定員を減員し、裁判所職員に過大な負担を強い、司法の機能後退を招くものであり、反対いたします。 最高裁判所は、二〇二五年度、裁判手続等のデジタル化と家庭裁判所の充実強化を重点項目としています。 現在、裁判手続のデジタル化が進められていますが、現場の事務官からは、システムがフリーズしてやり直し、オンライン弁論を書記官二人掛かりで準備して結局通信不良が解消できなかったなど、効率化どころか、逆に仕事を増やしている実態があります。 また、民事執行法による財産開示手続や民事訴訟の個人情報秘匿制度など、法改正によって始まった新たな制度への対応も処理をするのに時間が掛かる、新しいことを覚えてこなすのが精いっぱい、これでは職場が崩壊するなど悲鳴が上がっています。”
“整えるべき環境という答弁を、二十四日のこの委員会、三月二十四日の委員会で馬渡局長されました。研修も含めて、引き続き、海外における知見なども参照しながら、研さんを深めていけるよう環境を整えていきたいと。私、整えるべき環境というのは、裁判官にとっても、それから書記官、事務官、そして調査官にとっても、時間なんだと思います。一件一件の事件にちゃんと向き合って、必要な調べをしていくための時間というのが圧倒的にない。だから、抜本増員が必要だと。 法務省は、今年度、保護観察官による直接処遇を強化する、在留管理体制を充実強化する、経済安保など情報収集・分析体制の強化をするなどで、六百六十六人の増員をやっているんですよ。それが新規事業ということです。差引き百九十四人純増なんですよ。内閣人事局おいでいただいて、コメントいただく時間がなくなってしまって本当に申し訳ないけれど、それが行政府省庁で行われていることでしょう。最高裁だけ何で減らすんですか。 とんでもないと厳しく申し上げて、質問を終わります。”
“私は、今のこの問題をめぐる社会の状況を見たときに、更に葛藤が高まる、高葛藤になるということはあり得ると思いますが、そこはおいておいても、今局長がおっしゃるように、裁判官に歯を食いしばって頑張れと、研修の準備はちゃんとやるからと、そういうことで、裁判官になろうという若者たちがどんな思いをしますか。 実際、一人の裁判官が何百件もの事件を同時に抱えている。地方の支部なんかに行くと、ほかの調停事件だとかも含めてですけれども、五、六百件とかの担当をしていて、その裁判官の署名、判こをもらうために事務官さんたちがもう本当に気をもむみたいな。その下で、一件一件の事件に本当に丁寧に向き合って必要な事実を調査する、そして葛藤を下げ、本当に子の福祉になっていくような調整を図っていくという、その仕事をしっかり支えていく、頑張っていくというのが裁判官であり、そして調査官なのではありませんか。 この事案に向き合っていく上で、調査官の増員というのは絶対必要なんじゃないですか、家庭局、いかがですか。”
“父母間に様々な力の差を背景として一方的に他方を支配するような関係が認められる場合には、父母が共同して親権を行うことが困難であると認めて必要的単独親権にするのだと、その判断において、裁判所は個別事案ごとにこれを基礎付ける方向の事実とそれを否定する方向の事実とを総合的に考慮して判断するのだと、一方が挙証責任を負担するというものではない、被害者が自覚を欠いている場合もあることを勘案した上で適切に判断されるべきものだと答弁されました。 その判断を、施行後は個別の事件において、裁判官そして調停委員会始めとして、家裁はやっていかなきゃいけないわけでしょう。これまでは審判書に書かないというふうにしたこともあるのかもしれませんが、これからは具体的な事実を書かなければならなくなる、当事者の主張に対して必ず応答しなければならなくなる。それは、裁判官の責任として極めて重いものがあるのではありませんか。”
“私、今日お尋ねしたいと思うのは、これまでのこうした子供の親権をめぐる父母間の事件について、DVの主張がある、虐待の主張があるというときに、そこに対する判断を明確には示されないで、葛藤を下げる努力をされたり、あるいは審判をされたり、そういう取組をしてこられたと思います。それが当事者にとってみると、主張したDVが認められない、まるで挙証責任が被害者の側に負わされているのかと、家裁は実態が全く分かっていない、被害が分かっていないという、そうした批判は極めて強いものがあるわけですね。 資料の終わりの方に、八ページ目に、三月十三日のその点についての法務省民事局長の答弁を御紹介しています。”
“今の現有人員の中で家事事件に振り向けることができる余剰人員があるとでも言うような、言わんばかりのそういう説明というのは、本当に現場に対して意欲をそぎかねない、現場の声を全く聞いていない、独り最高裁だけのかたくなな姿勢だと私は思います。国民はもっと増やしてくれと思っていますよ。この定員法を始めとした今度の予算でも、裁判官それから書記官の増員は行わないわけです。事務官は減員するわけですね。 裁判官についてちょっとお尋ねしたいと思うんですけれども、次のページの、全司法が一年前に、この非合意型の共同親権、とりわけ心配と声明を出されました。これまでの現状からしても、離婚に際して葛藤が高まった父母の場合には、そもそも協力体制を築くことが難しく、相手方や子供を支配したり、あえて行動を妨害し、攻撃するための手段として用いられる懸念が強くあります。こうした懸念というのは昨年の国会で大問題になり、そして、この間も、民事局そして最高裁と、これに、そうならないための様々な御答弁も重ねてこられたわけなんですね。”
“これがこの先落ち着いていくとか減っていくとかという、そんな見通しなんて最高裁立てられるわけがないでしょう。 調査官は現に不足しているんですよ。離婚後共同親権、とりわけ非合意型の共同親権を導入するに当たって、国会も国民の皆さんも心配しているという、だからこそ家裁の機能に期待がされているということに対する、応える人員というものは絶対に増やさなきゃ駄目なんですよ。いかがですか。”
“私どもが法案成立に際して付した附帯決議の六項目にも、その審理の在り方についてしっかり検討しなきゃいけないんだということがあって、私、東京、大阪で行われているというその取組というのはそれはそれで大事だと思いますけれども、つまり、最高裁は全国の家裁の現場あるいは裁判所の現場に対して、あるいは心配している国民そして国会に対して現場の人手不足を補うつもりはありませんと、そう言っているわけでしょう。”
“日本共産党の仁比聡平でございます。 裁判官以外の裁判所職員の員数を四十七人減少するという今回の最高裁の方針に私は唖然としたというか、気が遠くなる思いがいたしました。 お手元に全司法労働組合が、皆さんにも要請回られたと思いますけれども、この法案の慎重審議を求める要請書というのを届けておられますが、これ極めて異例のことですよね、慎重審議求めると。そこに、こうあります。現場の実態を見ず、離婚後共同親権の導入を始め裁判所に求められる役割が大きくなる下で、それに応える体制をつくる上で大きな障害となるものです。私、そのとおりだと思うんですよ。 そこで、ちょっとこれまでの質疑を踏まえて通告順変えますけれども、総務局長、この五人増員したという家裁調査官ですが、この配置先は東京、大阪の家裁本庁ということですね。”
“私は、この七万二千三百人という方々がどこで暮らして多食してこういう暴露を受けたのか、その分布状況を明らかにすべきだと。その中で、住民の健康調査を進めて、全ての被害者を救済すべきだということを強く求めたいと思います。 衆議院で同様の議論がされています。これからも様々な機会をいただいて質疑を続けたいと思います。どうぞよろしくお願いします。”
“冷たい御答弁なんですが、資料の十四ページを最後御覧いただきたいと思います。 水俣病の被害救済に当たって、公害健康被害補償法で三千人、九五年の政治解決で一万千百五十二人、裁判の和解で二千九百六十五人、そして特措法で合わせて五万五千百二十五人、訴訟で賠償が確定した方は五十八人いらっしゃいます。一時金、療養手当の三万二千二百六十二人もそこに含まれていますが、手帳のみの二万二千八百六十三人という方を除いてもおよそ五万人、四万九千四百三十七人の方々が、国や県が指定した医師が検査をしてこれだけの感覚障害が認められているわけですね。これは、水俣病あるいはメチル水銀の影響以外に説明のしようはない。そんな地域は日本中にどこにもない。 水俣病というのは、環境の中にそうやって工場の排水があって、食物連鎖でメチル水銀の中毒になったという過去に例のない病気なんですから、だから、この被害者の症状、症候を対照群と比較をしながら丁寧に見ていくということでなければ、実像もつかめなければ救済の対象もはっきりしないということになっている。”
“藤下さんは、被害者と認められたにもかかわらず、除斥期間が過ぎているというので救済の対象外だと裁判しているんですね。 長く苦しめば苦しむほど救済されないと。私、人道に反すると思いますが、大臣、いかがですか。”
“もうこれ資料を見ていただくだけにしますけれども、十七ページに熊本県が整理している資料を出していますけれども、政府は、昭和四十三年の末までの居住歴が必要だと、新潟では昭和四十年末までの居住歴が要ると言ってきたけれども、実際には、昭和四十四年以降に生まれた方々のうち二百二十一人が一時金、総合判定で七人、療養費では四十七人、つまり、年代の区分けにかかわらず救済されている被害者がいるわけです。 だから、対象地域だとか年代だといって線引きをするのは極めて不合理な中で、この地域で暮らし、一定の時期に大阪や東京始めとして全国に出稼ぎに行ったり、その中で暮らしの拠点ができた方々が近畿訴訟や東京訴訟の原告ですよね。 新潟から来られた方々ももちろんありますが、そういう方々は、その次のページに本田さんという広島にお住まいの方の陳述書がありますけれども、平成二十七年になるまで、自分が水俣病ではないかと思いもしなかったですよ。既に特措法は打ち切られているわけです。その方、本田さんも含めた人たちを大阪地裁は救済をしました。”
“この折口で生まれ育った前田芳枝さんという被害者がいらっしゃって、百二十八人全員勝訴をした近畿原告団の団長なんですが、その方の簡単な陳述書を皆さんのお手元にお配りしています。 十ページですけれども、子供の頃、家で食べる魚は、阿久根市の黒之浜、高尾野町の江内や水俣市の袋辺りから来ていた行商人から買っていました。十歳からは母が魚介類の行商を始め、売れ残ったものを持って帰って家で食べたり、子供ながら、イワシの目刺しの加工の手伝いに行っていた会社で、小魚やイカ、カニなどをわたごとごった煮にしたのをおやつ代わりに食べさせてもらったりしていました。 こういう食生活ですよ。それは、両側に赤瀬川とか脇本とか対象地区がありますけれども、そこでも、それからそうじゃないところでも、その地域には魚を食べるというそういう生活があったのであって、だから、裁判所、大阪地裁は、当然そんな線引きに合理性はないですから、被害者だと全員認めた。百二十八人の中にはそういう対象地域外の人たちがいっぱいいます。もう数え上げると切りがない。 年代についてもそうですよね。”
“だから、暴露要件がないと言っているでしょう。それは、国が言う暴露要件が、メチル水銀を多食したその可能性があるなしというのがないというふうに決め付けているんだけど、今御紹介をしている被害者のように、そんなことあり得ないじゃないですか。そうしたら、一体何を食べて育ったというのかということになるでしょう。 同じようなといいますか、もう少し、この地域がどれだけ不合理かということで、先ほど来の地図を見ていただきたいと思いますけれども、水俣市は皆さん御存じですよね。この水俣市に青いエリアがもちろんありますが、その指定地域にされていないエリアが水俣市の中にもあるんですよ。その中で被害者が確認をされたところが、久木野、古里、越小場というこの三つの字ですね。まだなお確認されていないところは白くなっている。これが今の実態把握の到達点なんですよ。 そこで、出水市を挟んで阿久根市というところがあります。この阿久根市は、ごく一部が青くなっていますが、折口、多田始めとして、その町の真ん中に、両側が対象地域でその真ん中だけが地域外というところがありますよね。”
“対象地域というこの青いところの外の原告については、個別にヒアリングを行い、検診を行って総合的に判断するということが合意されたんです。それが基本合意で、一人一人の当時の原告に対してそういう取組が行われたからこそ、先ほどの不知火海の地図で青以外のところに緑色で塗っている地域、つまり、対象地域ではないんだけれども、ここに多数の被害者と認められた人たちがいるという地域ですね、こういうのが生まれたわけですよ。 公害健康等補償法などの、公健法などの対象地域の外に水俣病被害者と認められる方々がたくさん出ているというのは、つまり、裁判上の和解ではそういうふうに行われたからですよ。ところが、それも受けて制定されたはずの特措法では、対象地域外だったら、検診も受けさせずに切り捨てる、そういう運用をやってきたのが国であり、関係県市じゃないですか。”
“おかしいじゃないですか。何で宮野河内が対象地域外なのかという問いに答えられない。 この藤下さんについて言えば、先ほど申し上げたように、お父さんは漁師なんですよ。漁業が家業なんですよ。当時の食生活あるいは経済生活を考えたら、毎日三食魚ばっかり食べ続けてきたって当たり前じゃないですか。だから、お兄さんたちは救済されているじゃないですか。今おっしゃった提出されている資料だとか、それから家族の状況だとかということを本当に審査していたら、この人救済されているはずじゃないですか。何でされていないかというと、対象地域の外の被害者はそれだけで、検診も受けさせずに切り捨ててきたからですよ。 これ、衆議院の質疑なんかで、当時、二〇一一年の裁判上の和解に当たって、原告、そして国始めとしたところが合意をした中身だと、対象地域についてというような説明をされているし、大臣もそうやってお聞きになっているかと思うんですけど、大臣、ここにはごまかしがあるというのは御存じですか。 当時のノーモア・ミナマタ第一次訴訟、この裁判上の和解においては、地域の中ならば感覚障害を検査して救済するという、そういう取組をする。”
“そこで、お尋ねしますけれども、この藤下さんが住んでいる地域というのは、最後の資料にグーグルマップで図をお届けしましたけれども、左側にある宮野河内というところなんですね。目の前は不知火海です。背中に、背後に山が迫っているので、漁村は海べたに張り付いて、みんながここに集中して暮らしているわけですよ。この藤下さんもその中にいらっしゃるわけです。 この漁村の漁場というのは、これ、水俣の湾口なんですね、大方が。目の前には島がありますけれども、そこの向こう側に出ていって、この藤下さんのお父さんたちだって魚を捕ってきた。だから、それをみんな食べてきたということなんですよね。 何でこの宮野河内は対象地域ではないんですか。何を根拠に線引きをしているんですか。”
“つまり、対象地域に一定の居住歴があればメチル水銀暴露の可能性があるとみなして、ドクターの検診を受けてもらって感覚障害が認められれば救済対象になるという仕組みなんですよ。 後でもう一度見ますけれども、終わりから二枚目の資料、二十二ページに不知火海の地図があります。ここで青く塗られているところが特措法の対象地域とされているところです。ここに居住歴があれば、検診を受けて感覚障害があれば特措法の救済を受けることができる。ところが、その青い地域ではないところに暮らしていると、水銀暴露の可能性を証明する資料、例えばへその緒を出せとか、あるいは、もうあるはずもない、その五十年ぐらい前に毎日魚を買っていたという、そういう領収書でも出せとか、そういう無理を言って、そして検診も受けさせないという。 だから、どんな重い症状があっても、水俣病特有の症状があっても検診も受けさせないという運用がこの特措法でされてきて、だから、原告の多くが暴露要件非該当といって未救済になってきたわけです。裁判では、そうした被害者たちが救済すべき被害者だといって認められてきているというのが今の争点なんですよ。”
“ここも見ていただきながら、この藤下さんが非該当とされた暴露要件というのはそもそも何なのか、そして暴露要件と対象地域というのはどんな関係になるのか、説明いただけますか。”
“十二歳の頃から、よくつまずいたり転んだり、物を落としたりぶつかったり、手足のしびれ、夜になるとカラス曲がり、こむら返りのことですけど、に悩まされるようになった。 看護師になってからは、例えば注射の途中で指がつって同僚に替わってもらうとか、薬の分包作業が遅かったりとか、大腸の検査をするときに指先の作業に手間取って、ドクター、先生から、ほかの人に替わりなさいと言われたこともあったというふうに苦しんでこられた方なんです。 兄弟がいらっしゃって、上のお兄さんと次のお兄さんは特措法の救済対象になっているんですよ。なぜかというと、対象地域だと県が指定している長島というところで働いていたから、暮らしていたからなんですね。子供の頃から同じように魚を多食し、そして同じように症状が出ているのに、こんな理不尽な扱いはないじゃないかと私は思うんですが。 そこで、まず環境省に申請の手続について聞きたいと思いますけれども、資料の十二ページ、十三ページに環境省が作っている申請の手引というのを付けています。”
“環境省があくまで争い続けるということなんですよ。 私は、焦点は、これまでの救済策では認められてこなかったけれども、現に苦しんでいる被害者の方々が裁判所によっても被害者であると認められ、そして私たちの目の前にいるということなんですね。 今日、東京訴訟の原告の方々を始めとして傍聴もしておられます。私、この判決で救済すべきだと認められた被害者の一人として、まず、熊本県天草市の河浦町宮野河内という地域で生まれ育ち、暮らしている藤下節子さんという方のことをちょっと紹介したいと思うんですね。 資料の七ページ目に、特措法の申請をしたけれども、暴露要件は非該当だという通知を受けているという原告です。九ページに簡単な陳述書を付けていますけれども、そこにあるように、この方、看護師さんなんですよね。 もう一つの次の資料にあるように、お父さんは漁協の組合員で、両親は漁業をやっていた。二人のお兄さんは巻き網漁の乗り子として働いていた。目の前には何しろ不知火海が広がっているわけで、魚を毎日毎日食べて生活をしてきたわけですね。”
“裁判上和解する気はないなんということを今の段階でそうやって言い放つというのは、私は本当に冷たい姿勢だと思いますね。 公健法の運用というふうにもおっしゃるんですけれども、このそれぞれの自治体の意見書の前文にあるように、前提とされている昭和五十二年判断条件では駄目だと、それを満たさなくたって被害者を被害者として認めなきゃ駄目じゃないかというのが平成十六年の判決だったり、あるいは平成二十五年の最高裁判決だったりするわけですよね。症候複数の組合せということじゃなくて、総合的に検討して水俣病と認定するという余地、これは排除してはならないじゃないかというのが最高裁じゃないですか。独り環境省がそうした冷たい姿勢を繰り返していると。 確認しますけれども、阿賀町の意見書に、二〇二三年の九月の大阪地裁は原告百二十八人全員を、二四年三月の熊本地裁は二十五人の原告を、そして四月の新潟地裁は二十六人をそれぞれ水俣病と認めたというふうに書かれていますが、これはそのとおりですね。”
“日本共産党の仁比聡平でございます。 大臣も、それから委員長始め皆さんも、本当にお疲れさまでございます。 私は、水俣病被害者の完全救済についてお尋ねしたいと思います。 浅尾大臣もお出かけになると思いますけれども、五月一日、水俣病公式確認六十九年目になる慰霊式が行われます。来年は七十年ということになります。新潟水俣病は今年六十年目を迎えるわけですが、そうした中で、お手元に資料お配りしておりますけれども、昨年七月から九月にかけて、新潟県議会と新潟市、阿賀野市、五泉市、阿賀町、つまり阿賀野川流域の全議会が、新潟水俣病全被害者の救済と問題解決に向けた取組を求める意見書をいずれも全会一致で採択をしています。 この中で、近年、新潟、大阪、熊本の地方裁判所において、従前の救済策では救済されない被害者が多数存在していることが示されている、原告を水俣病と認める判決が相次いで出されているという、こういう趣旨が明記をされ、とても高齢化してきている被害者の生きているうちに解決をという切実な叫びに応える速やかな解決を国に求めているわけですが、浅尾大臣はどう受け止めておられますか。”
“大臣、前回の民事局長の答弁等も併せて、今の答弁、ちょっと考え直すべきですよ。特段の理由があれば許されるというのは、つまり例外的に許されると述べておられるのと同じですよ。おかしいでしょう。既に離婚成立していて単独親権なんだったら、自由でしょう。DVにさらされているんだったら、そこから逃げるというのは正当でしょう。 その理解がこの表現や今の答弁では伝わらないのだと厳しく申し上げて、引き続き議論を求めて、質問を終わります。”
“たとえ困難であっても、摘発は可能なんです。加害者を特定し一罰百戒と、それを厳しく求めたいと思います。 資料四枚目に三月二十五日付けの朝日新聞、「離婚扱う弁護士 相次ぐ誹謗中傷」「共同親権巡り過熱 日弁連警告」という記事をお配りしています。これ、前回、三月二十四日のこの委員会で取り上げた議論ですけれども、こうした攻撃のターゲットにされているのが、もう一人、女性弁護士たちなんですね。 法務省のパンフレット、最後にお付けしていますが、父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子供の利益のため互いに人格を尊重し協力しなければなりませんとし、父母の一方が特段の理由なく他方に無断で子供を転居させることがこの義務に違反する場合がありますとしか読めない、そういう記述をしていることが、こうした弁護士たちへの攻撃材料に使われている、当事者を傷つけている、支援の現場を混乱させている。 これ、大臣、改めるべきではありませんか。”
“そのとおりなんですよ。 しかも、手口は極めて執拗かつ巧妙で悪質です。複数の他人のアカウントを乗っ取って、海外サーバーを通して攻撃を行っているために、加害者の特定が困難だというふうに聞いております。しかも、これは今回だけでなく、例えば性搾取に遭う若年女性を支援するColaboやその代理人に対しても、大量のこういう攻撃メールが送られてきた経過があります。 今回の吉田県議に対する加害者を特定し厳正に処罰するということによって、こうしたやり方を根絶すべきではありませんか。警察庁。”
“個々の政治家の発信に対して曖昧にしちゃ駄目なんですよ。人権を尊重する、保障する、侵害は許さないということを政治家が明確に示すことが、こうした人権侵害をなくしていく上での大切な大きな力だと思います。 吉田県議への攻撃は極めて悪質で、被害者の避難、そして県議会への業務妨害などという重大な結果を招いているわけ、引き起こしているわけですね。 警察庁にお尋ねしますが、正当な発信、議員活動に対して殺害予告などの害悪を告知し脅し、正当な活動をやめさせようと名誉、人格を傷つける、それは、脅迫罪、強要罪、威力業務妨害罪、名誉毀損罪、侮辱罪などの刑法犯を構成し得るのではありませんか。”
“女性の尊厳、偏見は許されないと、その大臣の言葉、大事なんですよね。いずれにしろ、こうした人権問題に対して政治家が及び腰になっては駄目だと思います。 自民党が参議院選で全国比例で公認すると言っておられる杉田水脈元衆議院議員が、この吉田県議の投稿に対して、そういうときのために常時ポーチの中にナプキンを一つ入れておきなさいってお母さんから教えてもらいませんでしたか、女子のたしなみですよ、お洋服汚して困ったり恥ずかしい思いをするのはあなた自身ですと投稿しました。 こうした特定の女性観や家族観を押し付ける政治家の発信が、結果として攻撃メッセージをあおる形になりました。これ、大臣、どうお感じですか。”
“つまり、申し上げているとおりなんですよ。うなずいていらっしゃるけど、答弁の言葉ではっきりおっしゃらないところに何だか政府の曖昧さがある。私、それを乗り越えなきゃいけないと思うんですよ。 発信は当然の要求なんです。ところが、これに殺害予告までして攻撃するというのは一体何かと。つまり、それは、住民とともに切実な声を上げる女性議員を嫌悪し、攻撃することで、同様の願いを抱いている多くの人々を黙らせ、従わせようとするものだと思います。 被害者の人格を攻撃し、権利、自由を侵害すると、黙らせよう、排除しようという、こういう言動というのは、大臣、ジェンダーに基づく暴力、蔑視、ミソジニーなのであって、許されないと思いますが、いかがですか。”