天畠大輔
れいわ新選組 · Japan
“代読します。 れいわ新選組の天畠大輔です。 参考人の皆様、本日は貴重なお話をいただき、誠にありがとうございます。 本日は、障害当事者の立場から、本改正案における懸念点を中心に参考人の皆様の御意見を伺います。 まず、菊池参考人、三原参考人に伺います。 本改正案には、過疎地等における福祉サービスの維持に向けて、高齢、障害の分野をまたいで特定地域サービスの導入が盛り込まれています。しかし、障害福祉、特に重度訪問介護などは本人の自律と権利保障、個別性を最優先に発展してきたことから、歴史、財源、運用の面で介護保険とは違いがあります。介護保険優先原則による六十五歳の壁問題も御承知のとおりかと思います。 特定地域サービスの具体的な制度設計については法案成立後の検討に委ねられていますが、…”
“代読いたします。 ありがとうございます。 次に、菊池参考人に、障害者や高齢者の意思決定支援について伺います。 二〇二五年三月に出された成年後見制度利用促進専門家会議の中間検証報告書では、事業者による囲い込みや意思の誘導を防ぐため、生活支援サービスの中に意思決定支援の確保を目的とした相互牽制機能を確立することが明記されました。 しかし、今回の法案の条文には、この相互牽制機能の記載がありません。政府はガイドラインや研修で対応するとしていますが、構造的なチェック機能が条文化されないままで、事業者と本人の間の非対称な関係性から生じる関係性の濫用を防ぐことは可能だと思われますでしょうか。法改正に含めるべきだったという点について御意見を伺います。”
“代読します。 ありがとうございます。 次に、志田参考人に地域権利擁護相談支援センターの第三者性について伺います。 法定化される地域権利擁護相談支援センターは、実態として地域の社会福祉協議会等への委託が想定されているかと思います。しかし、社会福祉協議会は福祉サービスの提供主体でもあります。同じ組織がサービス提供と権利擁護を兼ねることは構造的な利益相反を生むリスクがあり、当事者が不満や本音を言えなくなるリスクがあると考えております。 権利擁護を実効的なものにするためには、サービス提供主体や行政から完全に独立した第三者性を確保すべきと考えますが、当事者家族の立場からどうお考えになるか、御意見をお聞かせください。”
“是非実態把握を進めてください。代読お願いします。 どの施設でも、夜間に看護師を配置するのに苦労しており、厚労省ですら、看護師をこれ以上広げる方向は効果的な策を講じるのが難しいという説明をしておられました。ならば、生活を支援する介助者のできることを広げることも選択肢の一つとして重要だと考えています。 そこで、法律上の規定を確認いたします。 インスリン製剤は劇薬に指定され、注射自体は医行為に当たります。現在、インスリン注射等の医療的ケアが認められているのは、患者本人、家族のほかに、業としては医師、看護師のみです。 一方、糖尿病ネットワークが二〇一五年二月に公表したアンケート調査では、医療従事者から、高齢の糖尿病患者が認知症や視力低下などによってインスリン投与の管理が困難になる…”
“代読します。 喀たん吸引のように介護職ができる医行為について積極的に議論を積み上げるべきです。 令和六年六月二十一日に閣議決定された規制改革実施計画では、介護現場における医療職、介護職間のタスクシフト・シェアについて議論されました。介護現場で行われる医療的なケアとして、インスリン注射、血糖測定などが例示に挙げられましたが、その後の厚労省内の議論で、原則として医行為ではない行為にインスリン注射、針での血糖測定は整理されませんでした。現時点での議論はここまでですが、このような侵襲性のある医行為についても今後積極的に議論すべきです。 そもそも、今国会では医療的ケア児支援法の改正について議連で議論をしておりますが、改正案では、全国的な看護師不足を受け、医療的ケアを担う者に介護従事…”
“代読します。 専門家などからの情報収集はすぐにでもできると思います。大臣から事務方に御指示いただくことを求め、次に行きます。 さて、令和六年度に原則として医行為ではない行為ガイドラインが発表され、介護職ができる行為について整理されましたが、とても分かりにくいのが難点です。 資料六を御覧ください。 ガイドラインの中では、点鼻薬について、鼻腔粘膜への薬剤噴霧の介助も主治医からの指示、指導を受けていれば介助者が投与できるとされています。糖尿病にも重症の低血糖発作を起こした際の緊急対応薬として点鼻薬のグルカゴン製剤、バクスミーがありますが、厚労省によると対象外でした。一方で、教育現場は、二〇二四年一月に事務連絡が発出され、特に研修等を受けなくても主治医の指示書で行うことができる状…”
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“旅館業法のときのように国が研修ツールを作成すべきと考えますが、厚労省、いかがですか。”
“ならば、対話を通じて指針を作るべきです。代読お願いします。 本日の参考人の御意見からも、障害者などの視点が指針に盛り込まれる必要性は共有できたかと思います。特に高木りつ参考人からは、対話の中に障害者の方々も参画し、言いにくいことも含めてしっかり議論して一緒に指針を作り上げてもらいたいとの趣旨の発言がございました。指針の策定が双方の立場や状況を理解し合いながら社会全体で共存、共生できる仕組みやマインドをつくる一つのきっかけになればと考えておりますので、大臣には引き続き前向きな検討を重ねて求めます。 時間の関係で質問四は飛ばします。 次に、カスハラ対策に当たっては、正しい障害特性の理解、接し方を学ぶ研修の実施は両輪であると考えます。法施行に当たっては、カスハラ対策の推進と両輪で研修の実施促進を行うべきと考えますが、厚労省の見解をお聞かせください。”
“何らかの形ででは不十分です。障害当事者とともにしっかり議論するとお答えください、大臣。”
“代読します。 指針で示すと言いました。 迷惑客の宿泊拒否を可能とした改正旅館業法においては、指針の策定に当たって、障害当事者が検討会のメンバーとして参画した上で、様々な障害種別の団体にヒアリングを行い、多くの具体例を引き出し、指針に盛り込むことができました。 カスハラ対策に関する指針の策定に当たっても、障害者への偏見、差別がなくならない社会において現場で正しい運用がなされるよう、障害当事者が委員として検討会に参画し、様々な障害種別の団体へヒアリングを行うと約束してください。大臣、いかがですか。”
“社会的障壁の除去を求めること等はカスタマーハラスメント行為に当たらないと明記すること、合理的配慮の提供義務の遵守については合理的配慮の具体例を列記して周知することなどを求めています。 やはり、カスハラ対策を進める上で、正当な権利要求との線引きを明確化することが極めて重要です。この法文からそのメッセージが明確には読み取れません。大臣、障害者の権利要求が萎縮しないよう、差別が生まれないよう国がしっかり指針を示していく重要性を認識されているか、明確にお答えください。”
“仮にそのとき対応が難しかったとしても、その理由の丁寧な説明や代替案の提示などの対話がまず先であり、利用の拒否は明らかな差別です。 三点目は、内閣府が先ほど答弁で触れていた、過重な負担が合理的配慮を断る言い訳に使われる懸念があることです。 これは記事の中で日本障害者協議会の藤井克徳代表も言及されています。この事例では、スタッフの時間がないという理由で利用を断ったわけですが、その後の話合いで劇場内のスロープ設置や車椅子スペースの増設につながったそうです。ここでも建設的対話の重要性が分かるかと思います。対話なしに過重な負担だから断るということが不当にカスハラ扱いすることにも発展しかねないと考えます。このような状況において、障害者差別解消法で合理的配慮の提供が義務付けられているから問題ない、大丈夫だと自信を持って言えるでしょうか。 障害当事者団体のDPI日本会議は、昨年十一月にカスハラ対策の法制化に当たっての要望書を厚生労働大臣宛てに提出しています。”
“代読します。 御答弁いただいた法律の趣旨に照らせば、本件は合理的配慮の提供義務を怠っており、建設的対話の重要性を現場が理解していなかったことは明白です。 ここで分かることは三点です。 一点目は、SNSでの反応が示すように、障害者への合理的配慮は社会に浸透しているとは言い難く、いまだにわがままとか特別扱いだと捉える人がたくさんいることです。 私もよく映画館に行きますが、車椅子席は前方に配置されていることが多く、スクリーンを長時間見上げるのは首への負担が大きいです。なので、席に移乗できるのであれば、自分の好きな席で見たいと思うのは、わがままではなく、当たり前の願いだと思います。 二点目は、たとえ合理的配慮の内容について対応が難しいケースでも、代替案の提示など合意できる一致点を探る建設的対話が法令上求められているわけですが、その意識がいまだ醸成されていないことです。 昨年四月八日付けの朝日新聞の記事によれば、この方が問題の映画館を利用したのは四回目で、過去三回は同じ合理的配慮を受けられたそうです。”
“その際も、付き添っている介助者などに事情を聞き取り、配慮が可能な場合が必ずあります。その判断を事業者が適切にできるでしょうか。 資料三を御覧ください。 昨年三月二十日付けの東京新聞朝刊です。車椅子利用者が映画館で車椅子席以外の席を希望し、段差があったためスタッフの手を借りて利用することができました。しかし、上映後にスタッフから、この劇場は御覧のとおり段差があって危ない、手伝えるスタッフも時間があるわけではない、今後はこの劇場以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うと言われました。その後、映画館の運営会社はこの対応を不適切として謝罪したわけですが、本件について御本人がSNSへ投稿すると、特例対応はハラスメント、優遇されて当たり前の考えは捨てろといった誹謗中傷があふれました。 ここで内閣府に確認します。一般論として、本件のような事案は、障害者差別解消法における合理的配慮の不提供に該当する可能性があり、また建設的対話の不足であると考えますが、内閣府の見解をお聞かせください。”
“改正案三十三条では、カスタマーハラスメントについて雇用管理上必要な措置を講じることが事業主に義務付けられています。そこで、カスハラに当たる行為は、社会通念上許容される範囲を超えたものにより当該労働者の就業環境が害されることと定義されています。社会通念上相当な範囲という文言には注意が必要です。 資料二を御覧ください。 雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会報告書に、社会通念上相当な範囲を超える言動の内容及び手段、態様の例が示されています。 まず、社会通念上相当な範囲という文言は極めて曖昧で、事業者側の判断の余地に広がりがあり過ぎる点に懸念を抱きます。さらに、言動の内容が正当な権利要求でも、その手段に問題がある場合はカスハラに該当する可能性が示唆されています。 例えば、障害者が事業者に社会的障壁の除去を求め、時にそれが難しいとき、理由の説明や代替手段の検討には相当な時間を要する場合があります。それが長時間の拘束と捉えられないでしょうか。また、障害特性による行動が外形的には社会通念上相当の範囲を超えている場合もあり得ます。”
“れいわ新選組の天畠大輔です。 カスハラ対策と障害者の権利保障の両立について伺います。代読お願いします。 本法案にはカスタマーハラスメント対策の強化が盛り込まれています。労働者をカスハラから守るため、事業者に対してその対策を義務付けるものです。 昨年十二月の厚生労働委員会において、我々障害者が、障害者差別解消法に基づき社会的障壁の除去、つまり合理的配慮を求めることは、一般的にカスタマーハラスメントには当たらないと大臣は答弁しました。それを前提に質問いたします。 カスハラ対策の必要性については異論がありません。一方で、カスハラ対策は、労働者の保護と同時に、顧客等の権利保障が侵害されないよう配慮することが求められる点で、他のハラスメント対策と一線を画すと考えます。特に私は、障害当事者の立場から、いまだ差別や偏見は解消されず、合理的配慮を受けられない場面が多い中で、カスハラ対策の強化が障害者の正当な権利要求を萎縮させる懸念を拭えません。 本日は、労働者の保護と障害者の権利保障を両輪として対策をいかに進めていくのか議論したいと思います。 資料一を御覧ください。”
“代読いたします。 ありがとうございます。 次に、大江参考人に伺います。 先生は、PTSDを始めトラウマティックストレスに関する研究を専門とされています。例えば、何らかのハラスメント経験によるトラウマを既に抱えている方が職場で新たなハラスメントを受ければ、その影響は極めて大きいと思います。 二割ないし三割の方がハラスメントを経験している現状を考えれば、トラウマインフォームドケアの観点から、誰もがハラスメント経験によるトラウマを抱えているかもしれないという意識が必要と考えますが、大江参考人の御意見をお聞かせください。”
“対話は指針作りから重要です。障害当事者の参画は不可欠と考えますが、いかがですか。中井参考人と内藤参考人と高木参考人にお伺いします。”
“カスハラ対策を強化する上では対話の重要性を喚起することが極めて重要と考えますが、中井参考人、内藤参考人の順にお考えをお聞かせください。”
“代読いたします。 ありがとうございます。 次に、中井参考人、内藤参考人のお二人に伺います。 昨年七月、大手自動車メーカーの系列会社が、金型の費用を下請に対して不当に押し付けていたとして公正取引委員会から下請法違反の指摘があり、是正勧告を受けたというニュースが流れました。このような事例においては、発注側が会社が利益を出してこそ自分たちの生活があると考えるのか、発注側の労働者が、会社が利益を出して自分たちの生活があると考えるのか、それとも、下請業者の企業や労働者がハラスメントに苦しむような社会で加害の側で生きていくのかということが問われるのではないでしょうか。 私は、全てのステークホルダーが真摯な対応を重ねることでしかこの問題の解決の糸口は見えてこないと思います。私たちは、多くの場合、何らかの意味で買手でもあり売手でもある、そんな社会の中で暮らしているからです。例えば、私のような障害当事者が差別に抗議したり合理的配慮を求めたりするとき、障害への理解がない受け手がカスハラではないかと受け止める場面が想定されます。しかし、そんな瞬間こそ対話が一番重要だと私は考えます。”
“内藤参考人と高木参考人にお伺いします。 政府はなぜハラスメントを禁止できないとお考えになりますか。”
“代読いたします。 れいわ新選組の天畠大輔です。 参考人の皆様、本日は貴重なお話をありがとうございます。 まず、内藤参考人、高木参考人のお二人に伺います。 本改正案の四条四項についてです。当該言動が行われることのない就業環境の形成に関する規範意識の醸成について、政府はおとといの質疑で、職場におけるハラスメントを行ってはならないということが中心であるとしつつも、このほかに、他者の人格や尊厳を尊重することや差別的意識を持たないことなど、ハラスメントのない就業環境の形成に資する人々の意識や認識を含み得るものとわざわざ曖昧な心得の概念を付け加えています。 これによって、ハラスメントを行ってはならないという法目的の中心部分がぼやける改正になっていると思いますが、内藤参考人、高木参考人の順に御意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。”
“早急に批准に向けたロードマップを示し、中身のある法整備をすべきと申し上げ、質疑を終わります。”
“代読します。 迅速に禁止規定と救済規定を整備し、ILO百九十号批准を目指す必要がありますが、いつ頃、その法整備に至り、批准に至れそうかについて、人権の保護義務を有する政府から、これまでハラスメント被害者に対し、約束、明確な方向性、ロードマップを示すべきと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。”
“これらの被害者はハラスメントの禁止規定と人権救済機関規定を一刻も早く求めていると考えますが、政府としてこの被害者の方々の思いをどのように受け止めていらっしゃいますか。”
“代読します。 資料三を御覧ください。 二〇二一年の東京新聞では、日本政府がILO百九十号条約の採択に賛成しながら、批准には後ろ向きな姿勢であると報じています。条約が求めるハラスメント行為の禁止規定を法律に盛り込むと、損害賠償の根拠規定となって訴訟が増えることを懸念する経済界への配慮が背景にあると断じています。事実、経団連は、ILO百九十号条約の採択に棄権した実態があります。 ILO百九十号条約について、国内法制と条約との整合性の検討を慎重にしてからとの話もありますが、昨年四月段階での第四十回ILO懇談会の記録を確認すると、採択から五年経過の時点でILO担当者と実務者レベルで協議したこともない上に、他国がどのような形で批准したのか調査したいと政府側から悠長な発言がされています。余りに検討のスピードが遅いです。 そのような中で、パワハラもセクハラも十分な解決を見ておらず、毎年何万人もの人権侵害が生じています。 大臣、通告なしですが、伺います。”
“必要なのは、冒頭で触れたハラスメントの禁止等を定めた国際条約、ILO百九十号条約の批准に向けた法整備の議論です。日本は議論が遅れています。二〇一九年に条約の採択に賛成したにもかかわらず、その後、六年間批准していないのです。 政府が二〇一九年のILO百九十号条約の採択に賛成した理由、そして、その後、六年間批准されていない理由を明確にしてください。厚労省よりお答えください。”
“しかし、被害者の声が反映されているとは思えません。ハラスメントの禁止、救済を規定すべきです。代読お願いします。 今年二月の全労連主催のあらゆるハラスメントと女性や性的マイノリティ差別の根絶を目指すキャンペーン、キックオフ集会から、日本初のセクハラ裁判を始め多数の裁判に関わってきた角田由紀子弁護士の言葉を引用します。 ハラスメントは加害者と被害者の力の非対等が前提なのに、裁判では、双方を対等なものとして扱うことになる。交通事故と同じように双方の過失相殺を争うため、被害者は裁判の中でも更なる攻撃にさらされる。被害者の願いはハラスメントを受けずに働く権利を保障してほしいというものだが、民法の不法行為では加害者から賠償金を取ることしかできない。ハラスメントを小分けにせず法的に定義して禁止すること、ILO第百九十号条約の批准、ハラスメントを生み出す社会構造の変革が必要だ。 引用は以上です。 被害当事者の声に応えるには、ハラスメントの禁止規定を設け、人権侵害であることを明確にした上で、独立した人権機関の設置など救済措置の具現化が早急に必要です。本法案で労働者は守り切れません。”
“本法案の規定がハラスメント被害者の願いにそぐうものだと自信を持って言えますか。大臣、いかがでしょうか。”
“代読します。 では、国際労働機関、日本弁護士連合会、日本労働弁護団、全国労働組合総連合が日本にハラスメントの禁止規定を求めていること、損害賠償の根拠として不十分であるとの指摘もなされていること、そして救済機関の必要性について指摘がなされていることについて、政府の認識を示してください。厚労省よりお答えください。”
“政府としてはILO百九十号条約の禁止規定に応える法整備と考えていますか。厚労省よりお答えください。”
“また、厚労省は、事前のレクで、禁止規定を設ける障壁の一つとして、各法との整合性について検討が必要とも述べていました。しかし、各法において定義付けたハラスメント行為を禁ずると規定すればよく、今回の法整備において十分検討可能であったはずです。やはり明確な禁止規定を設けなかった理由が判然としません。 そこで、厚労省に伺います。 ハラスメントの禁止規定については、雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会から労働政策審議会雇用環境・均等分科会の議論の過程において、どのような意見が出され、どのような理由で規範意識の醸成という条文にとどまったのか、明確にしてください。”
“条文の意味を意図的に曖昧にしているとしか思えません。代読お願いします。 結局のところ、違いが分かりません。ハラスメントを行ってはならないことが当然の考え方として社会にあるとすれば、他者の人格や尊厳を尊重することや差別的意識を持たないことも既に規範意識として醸成されているはずなんです。 しかし、冒頭で述べたように、現行の防止規定のみではハラスメントが効果的に減っているとは全く言えない状況なんです。やはり、明確な禁止規定なしに、ハラスメントを行ってはならないことが当然の社会規範として前提とされている点に強烈な違和感を覚えます。 端的に職場におけるハラスメントを行ってはならないということを意味するのであれば、なぜそこで一文を終えて、行ってはならないと明確に規定しないのでしょうか。明確な禁止規定を設けた上で、規範意識の醸成は禁止規定に基づき指針を作って周知啓発することができます。それがより効果的ではないでしょうか。わざわざこのような分かりにくい条文を作った意図が理解できません。結果的に、法文を作ったという意味しかなく、中身のない法案になってしまっていると考えます。”
“大臣は、社会規範とおっしゃりました。代読お願いします。 ハラスメントを行ってはならないことが社会における当然の考え方、つまり社会規範だとすれば、ハラスメントのない就業環境の形成に資する意識も既に醸成されているはずということになります。この条文は、その規範が当然の考え方というほど社会に浸透しているのに、それと同じ趣旨の規範意識を醸成する、つまりゆっくり時間を掛けてつくり出すと述べています。既にあるものをつくるなんて、おかしくないですか。 改めてお伺いしますが、改正案四条四項において、何人も職場における労働者の就業環境を害する言動を行ってはならないことと、当該言動が行われることのない就業環境の形成に関する規範意識は、両方とも何らかの規範を示しています。その違いを明確にしてください。厚労省よりお答えください。”
“ほかの法律にはない、当然の考え方と言いました。つまり、社会規範ということですよね。大臣、明確にお答えください。”
“代読します。 大臣、読み上げていただき、ありがとうございます。 大臣も感じられたかもしれませんが、この条文、大変回りくどく、解釈も難しいので、政府に一つずつ確認します。 改正案四条四項、何人も職場における労働者の就業環境を害する言動を行ってはならないことに鑑みとありますが、これは法規範を示すのか、社会規範を示すのか、明らかにしてください。厚労省よりお答えください。”
“防止規定があっても、働く人の三分の二は所属企業において取組がなされていないか、その取組状況が認識されていません。 本法案では、就活セクハラ、カスハラの防止規定を新たに設けるとのことですが、防止規定の創設のみで実効性を担保できるのでしょうか。 そこで、本法案を議論するに当たっては、ハラスメントの禁止を法的に位置付けることが焦点の一つでした。国際労働機関、ILOの仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約においても、ハラスメントに関する禁止規定の創設が求められています。しかし、結果として出た条文が改正案の四条四項です。 資料二を御覧ください。 まず、大臣、通告のとおり、労働施策総合推進法改正案四条四項をゆっくりと読み上げてください。”
“勤務先、つまり一般の企業とほぼ言い換えられると思いますが、その企業のハラスメント対策の実施有無別にハラスメント経験を問い、その結果が示されたものになります。所属企業においてパワハラの予防、解決の取組を実施していると回答した人々のうちパワハラ経験率は二〇・三%、所属企業において取組を実施していないと回答した人々のうちパワハラ経験率は一八・七%でした。また、所属企業においてセクハラの予防、解決の取組を実施していると回答した人々のうちセクハラ経験率は六・二%、取組を実施していないと回答した人々のうちセクハラの経験率は六・四%でした。 労働施策総合推進法や男女雇用機会均等法において事業主に対してパワハラやセクハラの防止規定を設けたわけですが、それが実際に労働者のハラスメント経験を減らす効果があったとは読み取れません。防止規定のみではハラスメント問題の解決に有効的につながっていないと考えます。 更に言えば、事業主への防止規定があるにもかかわらず、パワハラの対策を所属企業において実施していると回答した方は約三七%、セクハラについては約三四%しかいません。”
“れいわ新選組の天畠大輔です。 政府のハラスメント対策に実効性があるのか、質問していきます。代読お願いします。 事前のレクで厚労省は、抽出調査での令和二年度と令和五年度の間で勤務先でのハラスメント経験は約三〇%から二〇%に減ったと言いました。しかし、労働力調査に基づき労働者を六千五百万人程度と想定すると、職場でのハラスメントを受けた経験を有すると答えた方が一千三百万人とも推定されます。驚きの数字ではないでしょうか。 また、職場でのハラスメントに関する相談件数は、令和二年度の一・八万件から令和五年度は六・二万件にむしろ増えています。さらに、精神障害での労災認定も増えており、職場での悩みが精神疾患に結び付いたと医師が認めたケースが増えているということになります。ハラスメントの防止規定が被害者の数やその苦しみを激減させるほどの十分な効果をもたらしているのか、甚だ疑問です。 特に着目すべきは、令和五年度の厚労省委託事業における職場のハラスメントに関する実態調査報告書の内容です。 資料一を御覧ください。”
“健康で文化的な最低限度の生活保障という大切な目的に基づき進めてください。 質疑を終わります。”
“他法他施策優先だからといって生活保護申請を受け付けない対応はもちろん慎むべきですが、今回のように本来受給できるはずの年金を見逃す体制について、政府の見解はいかがですか。”
“被保護者に適切な周知がされないことは権利侵害だと申し上げ、次に行きます。代読お願いします。 生活保護には、ほかの法律、施策による援助を受けることができる場合には生活保護より優先する他法他施策優先の原則があります。しかし、佐賀市の事例では、関係者によると、障害者加算の漏給が判明した十六人全員が障害年金未受給だったと聞いています。 もちろん、生活保護の障害者加算と年金は別制度であり、対象外だった可能性もゼロではありませんが、少なくともそのうち一人は右半身不随で身体障害者手帳二級を取得していたので、自治体が適切に情報提供していれば受給できていた可能性はあります。 また、障害年金は、生活保護上収入認定されるため、年金を受給したとしてもトータルの収入が増えるわけではありません。しかし、自治体単独の障害者手当は収入認定除外となります。これが受給できれば、トータルの収入が増え、生活の安定、経済的自立につながる可能性もありました。 本来、面接相談は、相談者が生活困窮に至った経緯を聞き取る中で生活保護以外にも使える制度について検討し、相談者に情報提供、助言する役割があります。”
“被保護者に適切な周知がなされないこと自体、権利侵害ですよね。大臣、改めて明確にお答えください。”
“代読します。 佐賀市で配付された生活保護のしおりを関係者よりいただき、私も拝見しましたが、障害者加算の説明はありませんでした。周知方法は自治体によってばらつきがあることが分かります。現在、生活保護自体も加算も申請主義の扱いですが、生活保護を受ける方には加算に関する知識がないことも十分考えられます。 全国公的扶助研究会会長で花園大学の吉永純教授は、昨年三月刊行の著書の中で以下のように述べています。加算は最低生活に追加される余分なものではなく加算対象者の特別需要に応じたものであって、それによって加算のない保護利用者と同じ水準の最低生活が保障されるものである、加算がない状態は最低生活を割り込んだ状態であるゆえ、権利侵害状態と言ってもよい、こう述べています。 加算の適切な周知がされていないことは権利侵害であるとの認識の下、積極的な周知を関係課長会議などで促すべきではないでしょうか。大臣、お願いします。”
“しかし、調査をしなければ、ケースワーカーの不足がどの程度だったのか、それが現場にどんな具体的な負担を与えたのか、それとも別の要因が大きかったのか、分かりません。大臣、やはり緊急での全国調査を行うべきではないでしょうか。”
“周知徹底だけでなく、緊急調査すべきです。代読お願いします。 厚労省が五年ごとに調査しているケースワーカーの充足率は、最新の二〇二〇年で九三%です。二〇〇五年以降一〇〇%を切る状態が続いています。一人当たりの担当世帯数は二〇二一年で八十五・四世帯と、配置標準数である市部の八十世帯対一を超えています。負担が重い状態は続いています。ケースワーカーの数自体は増えているとのことですが、根本的な改善には遠いと感じます。 佐賀市で保護開始以降四年以上漏給を放置していた背景にも、保護利用者の現状把握ができないほどのケースワーカー不足があったのではないかと推測します。また、関係者によると、佐賀市の場合、利用者への訪問実績などをまとめた資料は紙ベースでの管理となっており、ケースワーカーが訪問できているか、データでの一覧や管理ができていないとのことです。厚労省によると、これは佐賀市に限ったことではなく、タブレットなど機器でケース記録を管理しているのはごく一部の自治体にとどまります。こういったデジタル化の遅れが支給漏れを助長しているのかもしれません。”
“代読します。 調査などはされていないということですね。先ほど、新聞報道になったケースを紹介しましたが、この二年でほかにもあります。これらは氷山の一角にすぎないと考えます。 国として、障害者加算の支給漏れがないか、緊急で全国調査を行うべきと考えます。大臣の見解をお聞かせください。”
“その理念を念頭に御答弁お願いします。代読お願いします。 大臣の御地元、佐賀県での事例です。 資料四を御覧ください。 佐賀新聞の報道により、二〇二五年一月、佐賀市で暮らす障害のある男性に対し、四年以上障害者加算の漏給があったことが判明しました。その後の報道で、身体障害者手帳を所持していながら、市の情報提供が不十分だったために、漏給がその他に十五件あったことも判明しました。 資料の五を御覧ください。 今年一月、名古屋高裁は、障害者加算の要件に当てはまる四十代男性に対する障害者加算の漏給について、名古屋市側の過失であり、市側には調査義務があるとして、市に未払分の賠償を命令する判決を下し、確定しました。 これ以外にも、昨年一月に堺市で障害者加算を含む支給漏れを公表、昨年九月には館林市でも障害者加算漏れを公表しています。本来支給されるべき加算が漏れていたのは、利用者の権利を侵害し、生活を脅かす深刻な事態です。 政府として、障害者加算の漏給の実態把握はどのくらいできているのでしょうか。大臣、お願いします。”
“この調査結果でその御答弁とは、残念です。代読お願いします。 特に重度障害者は、子供のときからライフステージそれぞれで支援の仕組みが違い、一から支援体制を組み立てないといけないことそれ自体が社会参加の障壁になっています。生活介助だけでも同じ仕組みの下で保障されていれば、障害のある生徒、学生が進路選択をしやすくなりますから、重度訪問介護などを通学や授業中にも使えるようにすべきです。告示五百二十三号を改正すべきです。厚労省と文科省の真摯な取組を期待し、次に行きます。 福岡大臣、生活保護制度の目的をお答えいただけますか。”
“代読します。 ありがとうございます。 現状追認のために調査委託したのではないはずです。大学と行政の介助支援の役割分担について再考すべきときではないでしょうか。 今回の調査結果で、大学にいる間の生活介助を大学支援に移行することには課題があったというところまでは認識し、御答弁をしていただけませんか。通告なしですが、福岡大臣、お願いいたします。”
“課題にきちんと向き合ってください。代読お願いします。 大臣、通告させていただいたとおり、配付資料三の一と三の二の図表、つまり、調査報告書二百四十二ページの図表三の三十八と二百四十ページの図表三の三十五を読み上げてください。お願いいたします。”
“そうです。福祉の力を必要としています。代読お願いします。 課題があるとの認識はお答えいただきました。 厚労省はこの調査結果をどのように捉えていますか。大臣、お願いします。”
“これまで検討会などを開いてきた文科省は、現場の大学からどのような声を聞いており、また今回の調査結果をどう解釈し、今後どう取り組まれますか。お願いいたします。”
“通学のための移動や学内でのトイレ、食事といった生活介助のサービスを重度訪問介護と同様に市町村等の自治体が支給決定し、提供する制度です。大きな一歩でしたが、課題もあります。 この制度は、生活介助の提供も原則大学側が用意するもの、つまり、大学の合理的配慮の範囲内に入るという考え方に立っています。そのため、制度利用は大学が支援体制を構築するまでの間に限定されており、支援はいずれ行政から大学側へ移行すること、となっています。 さて、厚労省は今年五月、重度障害者等の就労・修学の支援の在り方等に関する調査研究報告書を公開しました。この中で、重度訪問介護利用者の大学修学支援事業についても調べています。 資料三の一と三の二を御覧ください。 五十八の大学のうち、八七・九%は支援体制を大学側へ移行できていませんでした。そして、八六・二%の大学は、大学等の敷地内での食事、排せつ介助等の身体介助や医療的ケアを大学が実施することは難しいと回答しました。制度の前提自体に無理があったと解釈せざるを得ません。”
“告示五百二十三号に対する多くの当事者の声を是非受け止めてください。代読お願いします。 では、その告示五百二十三号に関連して、本日は、大学など高等教育機関での生活介助について伺います。文科省に通告した一問目は飛ばさせていただきます。 重度の身体障害がある人が大学などの高等教育機関で学ぶに当たっては、設備のバリアフリーだけでなく、通学のための移動介助やトイレ、食事といった生活介助が必要です。 資料の二を御覧ください。 重度障害者にヘルパーを派遣する制度、重度訪問介護は原則として十八歳から使えます。しかし、その利用範囲は、厚労大臣告示五百二十三号で、通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除くと定められています。 通学のための移動介助やトイレ、食事といった生活介助は、通年かつ長期にわたる外出に付随する介助に当たるため、重度訪問介護は使えません。安定した学びを得るためには安定した介助が必要ということで、政府も検討を重ねてきています。 文科省と厚労省は、二〇一八年、重度訪問介護利用者の大学修学支援事業を開始しました。”
“代読します。 れいわ新選組の天畠大輔です。 まず、通告なしですが、福岡大臣に伺います。 資料一の一と一の二を御覧ください。 明日、重度障害の当事者らが会場、オンライン合わせ二百人以上集まり、厚労大臣告示五百二十三号の改正を改めて求める集会が開かれます。 大臣は、このように当事者の声が多数集まっている現状についてどうお考えですか。”