階猛
中道改革連合・無所属 · Japan
“私は、附則四条の文言だけにこだわって、今の三つの事項につき法制化を急ぐべきだと言っているわけではありません。 高市首相が関与しているかどうかはおくとしても、AIスロップと呼ばれる、AIを使った品質も品位も低いコンテンツ、これを大量に発信することで各種の選挙に影響を与えようという動きが今強まっています。 高市首相の疑惑に関して、実際にどういう動画が作成されたのか。私は週刊文春の電子版の有料会員になりました。見てみました。自民党の総裁選での小泉候補、林候補、あるいはさきの総選挙での中道改革連合の同志への誹謗中傷の動画、はっきり言って、一つ一つ、冷静に見れば大した内容ではありません。 しかしながら、専門家によると、質が低くても、大量に情報が出回れば、世の中にある種の空気が生まれ…”
“今回の法案の新旧対照表がこの冊子につけられております。その一番最後に附則四条というのがありまして、下の方が現在の条文、そして上の方が改正後の条文ということで案が示されております。 これを見ますと、一号のイの開票立会人の関係、ロの投票立会人の関係に関しては、この法案が成立すれば、必要な法制上の措置が済んだということで削られるようです。 一方、二号のイ、放送CMやネットCMの制限、ロの国民投票運動等の資金規制、ハのネット等の適正利用の確保策については手つかずであって、この法案が成立しても、いわば宿題として残ることになります。 ただし、そもそも宿題の提出期限は、附則四条が効力を生じた令和三年を起点として三年をめどということになっていました。既に二年が経過しています。附則四条を遵…”
“その意味で、令和三年の時点より、今掲げた三つの事項の法的規制の必要性はより高まったと言わざるを得ません。昨年の自民党総裁選では他の候補の選対本部長も務められた新藤先生ですから、この危機感は共有していただけると私は思っています。 中道改革連合としても全力で協力しますので、一刻も早くこの附則四条二号の三つの宿題を仕上げることを約束していただけないでしょうか。あわせて、国民投票の公平及び公正を確保するという見地から、国民投票広報協議会がファクトチェック団体と連携するなど、この協議会の機能強化を速やかに講じる検討条項をこの機会に設けようではありませんか。 以上二点について、新藤提出者の答弁を求めます。”
“また七条は、衆議院を解散することを天皇の国事行為としており、内閣にはその際の助言と承認権限を与えたにすぎません。 いついかなるときでも国会機能を維持したいのであれば、解散は首相の専権事項と強弁し、いついかなるときでも解散権を行使できるようにするのは矛盾です。この矛盾を解消するためにも、内閣の解散権を制限するための法規範を憲法又は法律に明記する必要があります。 根拠その二。解散権の濫用に対し、司法による事後的な是正が期待できないこと。 一九六〇年の苫米地事件最高裁判決は、衆議院の解散は極めて政治性の高い国家統治の基本に関する行為であると述べ、違憲審査権を放棄しました。以降、裁判によって解散が無効になるという社会的、政治的混乱を恐れることなく、自由かつ大胆に解散権が行使される…”
“このような国民の生活にとって望ましくない国会の空転を避け、国会の機能を十分に発揮するため、通常時の臨時国会の召集期限の設定や解散権の行使の制限については、緊急時の議員任期延長とセットで検討するべきです。 私からは、そのうち解散権の制限について議論を深めるべく、制限を要する四つの根拠と、考え得る三つの制限の方向性を述べたいと思います。 根拠その一。解散は首相の専権事項というちまたに流布する言説と憲法の明文規定との間には大きな乖離があること。 解散は首相の専権事項という言説は、一九八〇年代から新聞等で見られるようになりました。ここから、解散について首相はうそをついていいとか、首相は最も効果があるときに解散してもいいというナラティブが生まれたようです。 しかしながら、憲法の明文…”
“国会機能の維持と直接民主主義の両立を図る解決策として、国民の代表から成る国会が必要と判断した場合、特別多数の賛成によって自律的解散をできるようにしたり、憲法改正案以外の重要問題の賛否を問う一般的国民投票の制度を設けたりすることも考えられます。 方向性その二。憲法上、内閣が解散権を有することを前提に、行使できる場合を限定列挙する。 解散権の濫用、乱発を防ぐ上で一定の効果は期待できますが、司法府の事後的是正が期待できない以上、究極的にはやった者勝ちとなってしまい、国会機能の維持がないがしろにされる危険があることに留意が必要です。 方向性その三。法律上、内閣から国会への解散事由の事前説明義務と解散日から投票日までの最短期間の定めを置くこと。 解散権の濫用、乱発を防ぐ上である程度…”
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“先ほども答弁の中で申し上げたとおり、派遣元の方で収入を補償していない、これは契約内容いかんに関わってくるということですので、外国人労働者の待遇が非常に不安定になるというふうに思っています。やはりそれも選ばれない国になる要因になると思いますので、これから外国人労働者を日本にどんどん招き入れて、そして共生社会の一員として日本国民と親しくおつき合いをしていくという上では、この派遣形態の労働というのは私どもはふさわしくないというふうに思っています。 以上です。”
“お答えいたします。 派遣労働について、二点お尋ねがあったと思います。 まず、我が党の案で、一般労働一号、一般労働二号共に不可としている理由。 我々としては、労働者派遣については、日本人の派遣労働者であっても、正規雇用労働者と比べて同等の待遇を確保することはできていないというふうに考えております。したがって、より弱い立場である外国人労働者に労働者派遣の形態での就労を認めることは、派遣先での就労継続が不可能となった場合には、契約内容によって派遣元が収入を補償するものでないといった問題もありますので、外国人労働者の保護や健全な労働環境の確保の観点から不適切であると考えて、派遣形態による就労を禁止しているということであります。 そして、政府案についての見解ということなんですが、政府案では、農業や漁業といった季節性のある分野で派遣形態による就労を認めるということは委員御指摘のとおりですが、日本人の派遣労働者の待遇でさえ十分に確保できていないという先ほど申し上げたこともありますので、外国人労働者の労働環境の悪化等を招くのではないかというふうに懸念しています。 以上です。”
“お答えします。 まず、我が党の案では永住権の取消しなどに関するものは一切含まれていませんので、永住権には何ら影響がないということは先ほど趣旨説明でも申し上げました。 その上で、委員の問題意識と私は共通しております。有識者会議等で議論されていない永住権の取消しというものが政府案に突然盛り込まれることになったということで、非常に問題だと思っております。日本に腰を据えて頑張りたいと思っていただいている外国人の方々について、十分な議論もなくその地位を奪うという制度を設けることは、外国人労働者に選ばれない国になってしまうことにつながるのではないかと思っております。 したがって、現時点において、このような制度を設けることには反対だということを申し上げたいと思います。”
“そして、二号の在留期間中には転籍に係る制限はなくて、自らの実力をもって職場を選ぶことができるということから、立憲案は、政府案に比較して転籍、転職のハードルを下げており、委員の言うとおり、より転職、転籍がしやすい制度になっているというふうに思っております。”
“転籍、転職、より外国人の働く方にとってやりやすくなるのではないかという趣旨の御質問だったと思います。 政府案においては、やむを得ない場合のほか、本人意向による場合の転籍を認めることとしていますが、その場合には、同一業務区分内であるとか、同一機関での就労が一、二年を超えているとか、技能水準については技能検定試験基礎級程度のレベルが必要であるとか、日本語能力についてはA1、A2相当の試験への合格が求められているとか、転籍先が育成就労を適正に実施する基準を満たしているといった様々な条件を満たす必要がある。その条件が具体的には今後省令で定められるということなんですが、やはり我々は、ちょっと細か過ぎる、ハードルが高過ぎるというような認識を持っております。 他方で、我が党の案ですけれども、二年間の一般労働一号の在留期間中の転籍制限は、当初、雇主さんが雇った場合のいろいろな負担とかに応えるという意味で、やはりその期間については転籍制限を課しているんですが、一回であれば転籍はその期間でも認める。”
“お答えします。 職業仲介機関がハローワークに一元化されることによって、委員御指摘のとおり、労働条件が外国人と日本人とで同程度になる、そういう効果も期待できるかと思います。 それとともに、例えば、政府案ですと、職業仲介について、先ほど申し上げましたとおり、監理団体を監理支援機関として、名前は変わりますけれども、従来どおり民間が携わる。しかも、その監理支援機関は雇主から手数料をいただいているわけですね。そうなると、雇主を変える転職というのは、監理団体あるいは監理支援機関にとってみると、自分たちの手取りが減ることにもつながるわけですから、どうしてもそこに利益相反という問題が生じるのではないかというふうに考えています。 そうした意味においても、やはりハローワークに一元化する方が合理的であり、かつ利益相反という問題も生じないのではないかというふうに考えます。”
“御質問いただき、ありがとうございます。 看板のつけ替えということの中で、先ほど委員からも御指摘のあった監理団体を監理支援機関として引き続き存続させるということは、私は大きな問題があるのではないかと思っております。 これまで、外国人技能実習制度の下、悪質な民間ブローカーによる関与が、技能実習生に対する深刻な人権侵害を生じさせてきた原因の一つであったというふうに指摘されています。ですので、この問題には真正面から取り組むことが不可欠だと考えています。 ただ、その中で、今回の政府案はちょっとその部分が不十分ではないかというふうに思っていまして、我々の案は、この問題に対し、認定雇用機関と外国人労働者との雇用契約に当たって、監理団体などの民間の職業仲介機関ではなくて、ハローワーク等の公的機関が中心となったスキームを構築すること等の措置を講ずることとしており、抜本的な解決策を提示したものというふうに考えております。”
“お答えします。 育成という観点が我が党の案では弱いのではないかという問題意識かと思います。 委員御指摘のとおり、日本が選ばれる国になるためには、外国人への貢献の考え方が重要だということはごもっともだと思います。 立憲案でも、社会経済の持続的発展と多文化共生社会の形成という我が国社会にとっての利益だけではなくて、人権が尊重される中、安定かつ充実した職業生活を営み、希望に応じて職業能力の開発と向上を目指すことができるという外国人労働者にとっての利益、この双方の利益を追求することを目的とし、このことは基本理念を定める三条に規定しているということは委員御指摘のとおりです。 その上で、なぜ希望に応じてということにしたかということなんですが、関係者から我が党で御意見を伺う中で、外国人労働者全員がキャリアアップしてもっと責任ある仕事に従事したいと考えているわけではないということが分かってまいりました。そのため、育成といういわばパターナリスティックな考え方は取らず、個々の外国人労働者の自発的な意思に基づいて、キャリアアップを希望する方々には国が積極的に支援をしようという形を取ったものであります。”
“それから、一定水準をクリアしているかどうかについては、必ずしも資格試験の合格だけに限られず、それぞれの活動に応じて、研修の受講や同種同業の職務経験等からも判断されるということが二つ目。これを基本にした上で、語学能力だけではなくて、様々な要素を総合的に考慮して決めていくということになると思います。”
“今の委員の質問、二つあったと思います。 まず、一般労働二号において活動できる分野に制限はあるのかということなんですが、先ほど申し上げました一般労働一号の在留資格において認められる活動というのが今後定まってくるわけです。それと接続性のある形での活動を認めるということなんですが、一般労働一号の在留資格で認められている活動については二号においても認めようということで、活動の範囲が狭まったり広がったりということは想定しておりません。 その上で、当該外国人労働者については、一般労働二号に移れば、活動が認められている範囲の中では自由な転職は認められるということにしています。 そして、二点目の質問。一般労働二号の取得に当たって必要とされる日本語能力とか経験、知識、技能の点でいいますと、一般労働一号から二号に同一事業者の下で移行するというケースを前提に考えてみますと、まず、活動ごとに必要となる能力は様々であることから、それぞれの活動に応じたきめ細やかな設定をされるということが一つ。”
“御質問いただきまして、ありがとうございます。 特定の産業上の分野とは何かという御質問でした。 先ほど委員も冒頭で取り上げた朝日新聞の記事、私も拝読しました。医療、介護や運輸を始め、これからいろいろな分野で人手が足りなくなる。「「働き手不足千百万人」の衝撃」という本が二月ぐらいに出版されて、それも見たんですが、二〇四〇年には働き手が千百万人も足りなくなるということで、いろいろな分野で人が足りなくなると思います。 ただ、それを、今の段階でこれだということを特定するのではなくて、我々の法案では、特定の産業上の分野は政府が定める運用計画で示そうということにしています。そして、この運用計画を定める際には、分野別、地域別の人手不足の状況や経済的、社会的な受入れ許容枠を分析する労働市場テストというものを行いまして、関係者の意見も踏まえながら、特定の産業上の分野等を定めることとしております。”
“第五に、外国人一般労働者雇用制度の整備を総合的かつ集中的に行うため、内閣に、外国人一般労働者雇用制度整備推進本部を置くこととしております。 なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行することとしております。 また、この法律が施行されても、既に取得された永住権の効果には何らの影響も及ぶものではないことを念のため付言させていただきます。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。”
“なお、一般労働二号の在留期間満了後もその経験等を生かして引き続き本邦での就労が可能な在留資格を創設することが予定されており、これにより、外国人労働者が長期にわたって希望に沿う形で仕事を続けられる魅力ある制度となっております。 第四に、同じく基本方針として、新たに創設する在留資格に係る制度の適切な運用を図る観点から、1円滑で機動的な受入れを可能とするため、基本指針や運用計画を策定すること、2新たな在留資格を有する者である外国人一般労働者を雇用する機関の認定制度を設けること、3外国人一般労働者と雇用主とのマッチングをハローワークに限定し、悪質ブローカーを排除すること、4適正な労働条件を確保するため、派遣形態の労働を禁止するほか、雇用契約の内容に一定の水準を設けること、5外国人一般労働者の費用負担を明確かつ最小限度のものとすること、6外国人一般労働者に対する支援とその保護等のための拠点となる外国人一般労働者就労支援センターの設置その他の必要な体制整備を図ること等を掲げております。”
“そこで、私たちの会派は、技能実習や特定技能に代わる新たな在留資格を創設し、その制度を適切に運用するために必要な措置を講ずることを内容とする本法律案を提出したところです。 次に、本法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、基本理念として、外国人一般労働者雇用制度の整備の推進は、先ほど申し上げた、我が国社会にとっての利益と外国人労働者にとっての利益の双方を追求することを基本として行うこととしております。 第二に、政府は、基本方針に基づき、その整備の推進を行うものとし、特に、必要な法制上の措置については、法施行後一年以内を目途に講じなければならないこととしております。 第三に、特定技能及び技能実習の在留資格を廃止した上で、人材確保が困難な産業や地域での就労が可能な新たな在留資格として、必要最小限の制約を付した期間を二年とする一般労働一号と、転籍や転職に制限を設けない期間を五年とする一般労働二号を創設する旨を基本方針として掲げております。”
“ただいま議題となりました外国人一般労働者雇用制度の整備の推進に関する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年の我が国における労働力事情を踏まえれば、外国の方々を人材不足の産業や地域に労働者として適切に受け入れる体制を整備することが喫緊の課題になっております。 しかし、現状では、技能実習生に対する人権侵害事案が発生するなどしており、また、今般提出された政府案も、悪質ブローカーを完全に排除するものとなっていません。 さらに、外国人労働者を縛りつける転籍制限に関しても、育成就労の期間はもとより、特定技能に移行した後も高い障壁が設けられたままなど、抜本解決に至るものになっていません。このままでは、急速に進む円安と相まって、我が国は外国人労働者に選ばれない国になってしまうかもしれません。 今こそ、社会経済の持続的発展と多文化共生社会の形成という我が国社会にとっての利益と、人権が尊重される中で安定かつ充実した職業生活を営み、希望に応じて職業能力の開発と向上を目指せるという外国人労働者にとっての利益の双方を追求する観点が必要です。”
“東京証券取引所によると、昨年の配当や自社株買いによる株主還元額は三十兆円を超えたのに対し、新株発行に伴う資金調達額は一兆円程度にすぎません。こうした株式市場のゆがみを是正するのが先決ではないでしょうか。 もはや、首相就任前に岸田氏が唱えていた新しい資本主義は古い資本主義に逆戻りしており、国民の金融資産は、相続によって地方から都会へ、そして、本法案の資産運用立国ならぬ資本運用業立国を推し進めることによって、海外へと分配されかねません。 立憲民主党が政権に就けば、日本銀行と政府がこっそり独占しているETF分配金の活用を含め、適切な分配政策を実現するとともに、株主優先の資本主義を改め、従業員、顧客、仕入れ先、地域社会など、多様なステークホルダーの利益を尊重する公益資本主義に転換していくことをお約束し、私の反対討論を終わります。 以上です。(拍手)”
“これにより、投資運用業者は、投資家保護に不可欠なコンプライアンス部門を外部委託し、投資収益の極大化に注力できるようになります。新規参入により競争環境が激化すれば、外部委託業者への圧力は強まり、顧客に対する不当な勧誘が増え、建設的な対話と称して投資先の企業に対する配当引上げや自社株買いの要求が強まることが想定されます。これは、岸田氏が三年前に目指していた、多種多様な主体に寛容な全員参加資本主義とはかけ離れたものではないでしょうか。 第二に、本法案は、非上場株などの換金を容易にする方策を盛り込んでいます。その理由として、いわゆる小粒上場を防ぐことを挙げています。 しかしながら、時価総額の大きい企業だけが上場に値するという考え方は、株主資本最優先のものと言わざるを得ません。本来は、小粒上場であっても公募増資などで資金を調達し、持続的に成長できるようにするのが株式市場の役割です。株式市場は企業から資金を奪う場ではなく、企業に資金を供給して育てる場であるはずです。”
“立憲民主党会派を代表して、本法案に反対の立場から討論を行います。 約三年前、私は、資本主義の在り方につき、誠に正鵠を得た文章に接しました。以下、その一部を引用します。 近年、国内外において、成長の鈍化、格差拡大、一国主義、排他主義の台頭、国家独占経済の隆盛など、資本主義の価値が揺らいでいる。要因の一つが株主資本最優先にある。近年、苛烈な競争や利益第一主義の下で、金融資本とりわけ株主資本に焦点が当たっている。その結果、適切な分配政策の欠如が起こっている。こうした現状を打破するため、我々は、新たな資本主義の形として、人的資本を大切にする人財資本主義、更に多種多様な主体に寛容な全員参加資本主義を実現しなければならない。何よりも、分配政策の強化が不可欠である。 お気づきになった方もおられるでしょう。この文章は、令和三年六月、首相になる前の岸田氏が立ち上げた、自民党議員百四十五人が参加した、新たな資本主義を創る議員連盟の設立趣旨を述べたものです。しかし、岸田首相の政策は、ここからどんどんずれてきており、今回の法案はその象徴です。 第一に、本法案は、投資運用業者の新規参入促進策を盛り込んでいます。”
“はい、分かりました。 これで終わりますけれども、要するに、大臣もおっしゃったとおり、投資運用業者に新規参入をしやすくすると、競争が激しくなるわけですね。競争が激しくなると、パフォーマンスをより多く上げなくちゃいけない、投資収益をより稼がなくちゃいけないということで、より企業に対する圧力ということにもつながって、株主資本主義が更に進むことになる。 やはり、この法案については、公益資本主義とはかけ離れている、我々が目指すところとはかけ離れているということを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。”
“コンプライアンス人材を外注するということで、外注する場合は、その外注先には投資運用関係業務受託業者に登録するということが求められるわけですけれども、そうして登録された業者に委託する場合は、六ページ目の左側の下線を引いているところ、今までですと、例えばコンプライアンスですと、その執行について必要となる十分な知識及び経験を有する役員又は使用人、これを置く必要があったところが、これからは、その業務の監督を適切に行う能力を有する役員又は使用人ということで、監督を適切に行えればいいというんですよ。 でも、私は、監督を行うためには、そもそもコンプライアンスが何たるか、あるいは様々な法令上の知識とか、これがないと監督はできないと思うんですね。逆に、適切な監督を行う能力があるということであれば、ほぼ今までと変わらず、必要となる十分な知識及び経験を有する人を置くということになりますから、何もこんな法改正をする必要はない、今までどおりでいいんじゃないかと思うんですが、この点どうですか。”
“とはいっても、さっき三ページの下線部分、指摘したとおり、配当方針や資本政策の変更、すなわち配当の引上げとか自社株買いの提案がしやすくなるわけですね、今までより。それともう一つ、五ページ目なんですけれども、投資運用業者の参入促進ということで、投資運用業に参入しやすいように、ミドル・バックオフィス業務、これを外部委託ができる。 私も金融機関でコンプライアンス部門にいましたので、これを見たときは驚いたんですね。コンプライアンスの仕事をするのに、会社にいなくて仕事ができるのかと。いろいろな現場の実情を知ったり、あるいはコミュニケーションを頻繁に取ったりしながら問題ないかどうかをチェックするわけですよ。外部にそれがあったとして、本当に必要な情報が得られるのか。そして、外注するということですから、お金を払う、払われる関係になるわけですね。委託先は委託元に対して、いわば頭が上がらなくなって言うべきことを言えなくなる、こんなことも危惧されるわけですよ。 それに加えて、六ページ目を見てください。”
“そもそも、岸田政権は、新しい資本主義を掲げて、株主資本主義ではなくて、株主のほか、従業員や顧客やサプライヤーや地域社会など、多様なステークホルダーに配慮する公益資本主義を志向していたのではなかったのでしょうか。一体、資産運用立国は、株主資本主義とステークホルダー資本主義、どっちを目指しているんでしょうか。お答えください。”
“そういう問題とは別に、日銀が保有し続けているこの害悪、株式市場に対する害悪というのが存在するということを私は言っているわけです。物言わぬ株主によって、対話が促進されず、企業のガバナンスがゆがめられるということも言っているわけです。それを是正するための方策として政府が買い取るというのは、私は正しい方向性ではないかというふうに思っています。 それと、この対話の促進ということで、三ページの下の方に米印がありまして、ちょっと私の方で下線を引きましたけれども、「配当方針や資本政策の変更といった、企業支配権に直接関係しない提案を共同して行う場合等を想定」というふうになっていますね。この場合は共同保有者に該当しないということを明確化するそうです。 そうすると、大量保有報告書の提出が免除されて、今まで以上に投資家サイドの配当方針や資本政策の変更、すなわち配当の引上げとか自社株買いなどを求める行為がやりやすくなるわけです。これでは、いわゆる株主利益を優先する株主資本主義を助長しかねないのではないかということを考えます。”
“今の大問題である賃上げとか少子化対策、脱炭素社会構築といったことについて、企業が積極的に貢献することで企業価値を高めていくような誘導をするということも選択肢としてあり得るんじゃないかということを考えています。 そのような見地からも、日銀が保有しているETFというのは、資産運用立国にとってそれほどプラスになっていなくて、政府は買い取って、企業と対話する条件を整えるべきではないかと思うんですけれども、大臣の見解を伺います。”
“今おっしゃいましたけれども、日銀が保有するETFは、一般の顧客にもそれは売っているわけですよね。一般の顧客と同じような立場で日銀はスチュワードシップ・コードを守ってもらっている、受け身の立場です。別に日銀が特別に投資信託運用会社に指示しているわけでも何でもないんです。一般の顧客と同じで受け身なんですよ。それがいいのかということです。建設的な対話ではないんじゃないかということですよ。 私は、ある有識者の方から意見を聞いていて、そういうのはやはり、物言わぬ株主によって企業のガバナンスがゆがめられているということをお聞きしています。 これに代わって、本当に資産運用立国を目指すんだったら、やはり私どもの案のように、政府の方で買い取って、場合によっては、投資信託のままじゃなくて、それを現物株に、いわゆる現引きをして、そして積極的に対話をしたり、あるいはいろいろとガバナンスについて物を言っていく。”
“株主総会の議決権行使を含めて、投資運用業者に丸投げしているわけです。 日銀が巨額のETFを保有し続けることは、政府の資産運用立国方針と整合しないと思うんですが、この点はどうですか。”
“国庫納付金というのはETF以外にも様々な要因によって変動しますから、当初の段階から国庫納付金を正確に見積もることは困難だということは理解します。 ただ、一方で、分配金収入というのは、前回もお話ししましたけれども、ほぼ一兆円以上、株価が今より三〇%ぐらい下がっても一兆円ぐらい確保できるわけですね。この部分については別枠で管理して財源に充ててもいいんじゃないかというふうに思うわけですよ。それは、国民の負担を求めるよりも、そちらの方が得策だと思うからです。 財源の問題だけではなくて、ETFを日銀から切り離して国が持つ、政府が持つということは、今岸田政権でやろうとしている資産運用立国にも整合するんじゃないかと私は思っていますよ。 なぜかというと、三ページを見てください。この三ページの表題の下、「企業と投資家の建設的な対話の促進により、中長期的な企業価値向上を促すため、「共同保有者」の範囲を明確化」ということで、「企業と投資家の建設的な対話の促進」とあるんですが、日銀は今、東証プライムの時価総額の約七%を占める大株主です。しかし、日銀は自ら企業と建設的な対話は一切していません。”
“こうしたことをやるよりも、今、円安、物価高で苦しんでいる中で、なるべく国民の負担を減らす、どうせ上振れが一兆円も見込まれているわけですから、この部分については、新たな財源として予算段階から子育ての部分に充てるということをやる方が正しいと思いますが、いかがでしょうか。”
“それで、結局、国庫納付金が予算段階より上振れしたとしても、その分は決算の段階で国債の発行抑制とかに充てられるんだというお話を私は昨年も伺ったことがあります。それはそのとおりだと思うんですけれども、国債の抑制に充てるということは、そもそも、本来、ETFの分配金収入というのが見込まれていたにもかかわらず、当初予算ではそれを使わないで、最後、余っている部分を借金の返済に充てるということで、国会の議論を経ずに借金の返済に充てていることだと思うんですよね。なので、私としては、財政民主主義の観点から、ちょっとこれはおかしいのではないかと。 まず、憲法八十五条という条文がありますよね。この八十五条によって、国費を支出することは国会の議決に基づくことを必要とする、これに反していますし、また、今回やろうとしているのは、少子化対策を行うためだということで国民に負担を求めておきながら、その結果浮いたETFの分配金収入という財源を財務省の裁量で借金返済などに充てるということを可能にしているわけであって、これは、一般財源の活用というよりは、むしろ流用とか悪用の類いではないかというふうに思うんですね。”
“まず、予算段階で見込んでいるというお話だったんですが、客観的な実績を見ますと、一兆円のギャップがあるんですね。見込んでいるんだったら、こんなにギャップは出ないはずです。 それと、もし見込んでいるんだったら、もうすぐ結果が出ますこの令和五年度、当初予算段階では〇・九兆円だったものが、実績の段階では国庫納付金はさほどこれと変わらないということを大臣はおっしゃっているということでいいですか。”
“詳しくは、下の注一、注二を御覧ください。 その上で、実績値というのが三本目の棒グラフで、我々の試算とどう違うんだろうかということで、ここで、令和四年度、右から三つ目のところですね、ここに着目いただきたいんですけれども、当初予算案で見積もっていたのは〇・九兆円。ところが、実績値は一・九兆円ぐらいということで、実際には一兆円ぐらい上振れしたということがありました。 今回、令和六年度、一番右ですけれども、当初予算では一・一兆円となっておりますが、恐らく、我々が試算しているところだと一兆円ぐらいは余るだろう。つまり、ETF分配金部分は、ほぼ予算段階では見積もられていないということを我々としては試算しているわけです。 令和五年度、その一つ手前のものですけれども、令和五年度についてはもうすぐ実績値が出てきますけれども、この令和五年度も、我々の試算値では、ETFの分配金収入というのはほとんど予算段階では見積もられていないというふうに分析しております。”
“これについて、岸田首相は十六日の国会答弁で、ETFの分配金収入は日銀の国庫納付金の一部として一般会計の歳入に計上され、国の一般財源として既に活用されていると述べられました。しかしながら、ETFの分配金収入は、確かに国庫納付金の一部として一般会計の歳入に結果的には計上されますが、それは決算の段階であって、当初の予算の段階では、政府が行う事業の財源としては見込まれていません。 その証拠をお示しします。二ページ目を御覧になってください。 これは、調査室にも御指導いただきながら私の事務所で作ったものですけれども、平成三十年以降の政府予算の中で見積もられている日銀の国庫納付金、これはオレンジで示したもの、そしてその隣が試算ということで、我々の事務所で試算したものであります。 この紫の部分がETF分配金を見込んだもの、そしてブルーの部分が、信託財産株式というのは過去に銀行から買い取った株の売却益などです。そして、緑の部分は、日銀が大量に持っている国債の利息収入から得られるものということで、それぞれの収益に対して必要な経費、これを差し引いたものを試算額として計上しております。”
“これからゴールデンウィークで海外に行かれる方も多くなると思うんですよ。ニュースなどでも報道されていますけれども、非常に円安で海外に行ったときに買えるものが少ないということで、大変、一般の方もこの円安の影響は出ているということで、ここは断固たる措置を取っていただければと思っております。 円安による物価高という中で今政府が検討しているのは、少子化対策加速化プランの財源三・六兆円のうち一兆円について、子ども・子育て支援金という新たな負担金を徴収する法案を提出して、参議院で審議をしているわけです。 しかしながら、立憲民主党では、今の円安、物価高の折、国民に新たな負担を求めなくてもいいのではないか、それ以外の方法で財源を捻出すべきではないかということを考えまして、たどり着いたのが、パネルを用意しております、日銀のETFを政府の特別会計が簿価で買い取って、そこに入ってくる年間一兆円以上と見込まれる分配金を活用するというものです。”
“立憲民主党の階猛です。本日もよろしくお願いします。 ちょっと、質問に先立って、円安のことについて大臣の認識をお伺いしたいんですが、今の円安はマネーゲームに基づく一時的なものなのか、それとも、構造的な要因に基づく中長期的に続くものと見ているのか、その辺りを教えていただけますか。”
“これで終わりますけれども、物価の安定を図りつつ国の財政も健全化していくという逆方向に向かっている二兎を追うのは非常に大変なことですけれども、是非、この委員会でこうした議論を積み重ねて、この国の財政をいい方向に持っていければと思います。 終わります。”
“財政収支赤字一・二%、これがどれほどなのかということなんですが、中長期財政試算の中でも今でも財政収支の数字は出しています。それも大体、これよりちょっといいか、ちょっと悪いかぐらいな数字なので、決してそんなに現実とかけ離れた厳しい目標だということではありません。ただ、補正予算とかでばらまきをすると全然話は変わってくるんですけれども、ちゃんと本予算で財政収支をマイナス一・二%にしていくということであれば、こういう二〇〇%という最悪のときでも、債務残高対GDP比、発散しないということが達成できるわけです。 こういうことを私の方で試算したんですが、是非、政府としても、こういうドーマーの命題など、ちゃんとした理屈に基づいて財政収支赤字はどれぐらいにするかということを議論した方がいいんじゃないでしょうか。お答えください。”
“ここも具体的な数字はなかなか言いにくいかもしれませんが、もう一度繰り返しますが、五ページ目の三つのシナリオのうち、現状投影シナリオでいくと、二〇二五年から六〇年度の平均で、実質成長率は〇・二%程度ということになっています。これに、GDPデフレーターが〇・五ぐらいじゃないかということが六ページに書いていますので、〇・二足す〇・五で、平均〇・七%の名目成長率で今後歩んでいくと仮定します。 〇・七%という名目成長率、そして二〇〇%という債務残高対GDP比、ここから導き出される今許容され得る財政収支はどれぐらいかということが、七ページ目、これは非常に優秀な私の信頼する専門家に試算してもらったデータでございます。シミュレーション結果でございます。 この左のベースラインケース、上の段に実質GDP成長率と名目GDP成長率の将来に向けての推移が書いていまして、それを前提にして、国、地方の期末公債等残高対名目GDP比、ドーマーの命題に従って財政収支が動くと、それに従ってこの数値も動いていくわけですけれども、さっき言った二〇〇%を維持していくためには、財政収支赤字一・二%、これが必要になってくるわけです。”
“TFP上昇率一・一とか一・四、あるいは、労働参加が大きく進展して五歳若返りとか、出生率が一・六四とか一・八とか、ちょっと現実離れしている気がするんです。これを前提にして財政の健全化目標を定めていくのは私は危険だと思います。 そこで、私は、一番堅めの数字で見るべきだという観点からも、さっきのドーマーの命題に代入する数値としては、現状投影シナリオ、ベースラインケースを前提に考えるべきだと思います。 そこで、大臣に伺います。六ページ目を見てください。 ドーマーの命題で代入すべき数値というのは、五ページ目は実質成長率を見たものですが、名目成長率というのを見なくてはいけません。名目成長率の方は、下段に名目成長率のグラフがあって、その下に注書き1で、現状投影シナリオの場合は消費者物価上昇率が〇・八%、それで、そのときのGDPデフレーター上昇率はそこから〇・三ポイント引いたものだと書いていますので、要するに、実質成長率プラス〇・五で見ればいいということなんですね。 この名目成長率を前提にして考えるべきだと思いますけれども、どういうふうに思われるか、大臣の見解をお願いします。”
“まさに二五年度以降の目標をどうするかという議論を今させていただいているわけですけれども、さて、仮に収束値をさっき私が言った債務残高対GDP比を二〇〇%にすると仮定した上で議論を進めさせていただきたいんですが、そのときに経済成長率がどうなるかということを、さっきの三ページ目のドーマーの命題で、経済成長率が明らかになれば、達成しなくてはいけない財政収支の水準というのが分かってくるわけです。 だから、経済成長率という要素も考えなくてはいけないんですが、この点で、最近、内閣府が初めて二〇六〇年度までの経済成長の試算というのを出しました。これもさっき伊東さんが触れた資料から私の方でも抜粋したものです。長期試算の全体像、五ページ目です。 三つのパターンに分けていまして、現状投影シナリオ、これはさっきの内閣府の中長期試算のベースラインケースを前提としたもの、真ん中が長期安定シナリオ、3がさっきの内閣府の中長期試算の成長実現ケースを前提としたもの。これを見てみますと、試算の前提が、2と3、長期安定と成長実現ではちょっと希望的観測過ぎると思っているんです。”
“二五年度ぐらいを見ますと、ベースラインケースだと二〇四、成長実現ケースだと二〇一・七ということで、その後、成長実現ケースだと、成長率が高いのでどんどん財政が健全化していくわけですけれども、ベースラインケースだと、むしろ悪化していく、これが続くと発散していくということなんですね。 私は、最悪どこまで許されるかというと、債務残高対GDP比は今の二〇〇%ぐらいのところが限界なのではないかと思うんですが、大臣のお考えをお伺いします。”
“さっき説明を私ははしょってしまったんですが、大臣がおっしゃったとおり、プライマリーバランスと財政収支の最大の違いは、利息の支払いを含めるかどうか。利息の支払いまで含めて財政収支を考えるとなると、金利が上がってくるとより財政収支は厳しくなってくるということなので、そこまで考えて財政運営をしなくてはいけない。 プライマリーバランスだけだと、金利が上がるかどうかというのはプライマリーバランスには関係ないことなので、この局面では金利を考えて財政運営をする。なおかつ、そうやって財政運営をすれば、さっきのドーマーの命題に基づいてこれはちゃんと収束していくということですから、それが大事だということを改めて申し上げます。 そこで、債務残高対GDP比をどれぐらいの値に収束させたらいいのかという議論ですが、四ページ目の図の下の方、国、地方の公債等残高対GDP比、これは一月に出た内閣府の中長期経済財政試算から抜粋したものですが、御案内のとおり、毎回ですけれども、成長実現ケースとベースラインケースで債務残高対GDP比を内閣府は示しています。”
“今まではプライマリーバランスに注目してきたわけですけれども、先ほど伊東さんの質問で、資料の五であったとおり、金利が成長率を上回ってくると、PBの黒字幅が一定水準を切ると公債等残高対GDP比は上昇するということが書かれていますね。だから、PB、プライマリーバランスに注目していると、金利の動向次第では収束しないで発散してしまうんですね、債務が。 だから、私は、もうすぐ二〇二五年度になりますけれども、プライマリーバランス黒字化目標は二〇二五年度が目標でした。これが達成すれば当然のこと、あるいは達成しなくても、次の目標をどうするかという議論になってくると思います。次の目標を定めるに当たって、これから金利のある世界になるということですから、金利が上がってくるかもしれないということですから、私はプライマリーバランスではなくて財政収支に着目すべきだと考えますが、いかがでしょうか。”
“なかなか具体的なお話はできなかったと思うんですが、最後の方でおっしゃったとおり、金利が上昇しても財政の信認を得ていく、この方策を考えることが私も重要だと思っています。 そこで、具体策をこれから議論していきたいんですが、まず三ページ目を御覧になってください。これは小黒先生という方がドーマーの命題というものを御紹介しているわけです。 そこの箱の中に書いてあるとおり、名目GDP成長率がゼロより大きい経済では、財政赤字対GDPの比率を一定に保ちさえすれば、債務残高対GDPの比率は一定値に収束する。収束するというのは、反対語は発散ですから、要するに一定範囲に収れんしていく、こういう意味です。ということは、財政はこれ以上悪くならないということで、国民の皆さんも安心すると思うんです。収束がどこで収束するかというのをちゃんと示してあげることが私は大事だと思っています。 そして、このドーマーの命題のみそは、金利が上がっても下がってもこの収束の値には影響しないんです。ただ、大事なことは、財政赤字の比率を一定に保つ、これが条件となっていますから、財政赤字に注目しなくてはいけない。”
“おっしゃるとおりでして、今後、金融緩和が見直されてくると財政には厳しい状況が出てくるということで、日銀が円安による物価高を是正しようとすればするほど、今度は財政が厳しくなるという二律背反の状況にあるわけです。 大臣にこの難しいバランスをどう取るかということを聞いていきたいんですけれども、物価高の原因となっている為替相場の安定と国家財政の安定という二律背反の目標を達成する上で、望ましい物価上昇率と実質金利の水準をどう考えるべきなのか。具体的な数値を挙げるのに差し障りがあるということであれば、基本的な考え方でもお示ししていただければと思います。”
“本当に緊張感を持っていただきたい。実質金利と日銀のスタンスが今の相場に非常に影響を与えていると私は思っています。 その上で、いずれは日本銀行もこの実質金利の低過ぎる状況を放置せずに金融を引き締めて、金利が上昇してくると思うんです。そのときに財政が本当にもつのか。国民の皆さんも最初のアンケートで大変不安に思っているわけですよ。この点について、国家財政にはどういう影響を与えると考えているか、改めて大臣の見解を伺います。”
“そこで、私が危惧しているのは、異次元金融緩和を終了したとはいえ、日銀は同時に、当面、緩和的な金融環境が継続するということも先日発表しているわけです。となると、私はこの円安の状況がもっと進んでしまう危険があると思っています。 選択肢としては二つあって、円安を食い止めるために、金融緩和を見直したり、あるいは為替介入ということもあるのかもしれませんけれども、どちらかこれはやるべきではないかと思うんですが、これについて大臣はどう思われますか。”
“実質金利がマイナスになっているということはお認めになられますよね。だとしたら、それが一つの円安の要因になっているということも認められるはずだと思うんですが、いかがでしょうか。”
“そうすると、単純計算しますと、名目金利引く人々の予想物価上昇率イコール実質金利で、実質金利は一・九から二・〇%のマイナスなんです。マイナス一・九から二・〇、これはどういうことかというと、私たちが銀行にお金を預けても、実質金利がマイナスだと、預ければ預けるほど損が出てしまうということになります。名目上のマイナス金利はなくなりましたけれども、実質上のマイナス金利はむしろひどくなっているかもしれません。 その結果、今、NISAの話もありますけれども、家計の金融資産が、預貯金がどんどん海外に流出したり、あるいは、実質金利がマイナスで、日本は金利が低いからということで、円キャリートレード、安い円で調達して、円を売って外貨で運用する、こんなことも増えているんじゃないかと思っていて、それが私は円安に大きく作用しているんだと思っているんですが、この点について大臣の見解をお願いします。”
“今大臣から、円安の要因には様々なものがあるという御趣旨の答弁がありました。私は、その中で実質金利に着目してみたいと思っています。 二ページ目を御覧になってください。異次元の金融緩和はどういうメカニズムかということを示した図が二ページ目の下の方に載っています。御案内のとおり、イールドカーブコントロールやオーバーシュート型コミットメントというものを今までずっとやってきたわけですが、これが終わった。 ただ、なぜ終えたかということですが、日銀の説明は、二%の物価安定目標が持続的、安定的に実現していくことが見通せる状況になった、これを理由にしているんです。ということは、この図でいいますと、真ん中あたりに、名目金利マイナス人々の予想物価上昇率イコール実質金利という数式があります。その中の、人々の予想物価上昇率、日銀も二%を安定的に実現していくことが見通せると言っていますし、先日の短観でも、企業の見通しもそうでした。この予想物価上昇率はもう二%ぐらいになっているんです。 他方で、大臣がさっきおっしゃいました、異次元金融緩和が終わって少し金利が上がったとはいえ、ゼロから〇・一%が政策金利です。”
“先般、十一年続いた異次元金融緩和がようやく終了したんですけれども、むしろ円安が進行しているのはなぜなのか、大臣の見解を伺います。”